モンスター/ガイアデルム

Last-modified: 2024-04-03 (水) 18:56:12
種族
古龍種(古龍目 冥淵龍亜目 ガイアデルム科)
別名
冥淵龍(めいえんりゅう)
異名
深淵から迫る絶望
英名
Gaismagorm
危険度
MHR:S:★10
登場作品
MHR:S
狩猟地
淵劫の奈落

目次

生態・特徴

ある王国で御伽話として伝えられてきた「深淵の悪魔」、その正体たる古龍種のモンスター。
ハンターズギルドでは《冥淵龍》とも呼称される。
後述の生態から各地で大穴を開け、キュリアを放つことで地表に疫病ともとれる甚大な被害をもたらしてきたこと、
またかつて王国に属する提督の故郷、後に城塞高地と呼ばれる場所を崩壊させたことなどから、
王国で「人々の心が闇に染まるときに大地から現れ、国を食らう悪魔」として語り継がれてきた経緯があり、
調査拠点エルガドにおいては最たる危険度を持つモンスターの一種として扱われている。
覇竜や崩竜を凌ぐ巨躯を持ち、全身は蒼い甲殻で覆われ、甲殻の隙間からは青白い光が明滅している。
さらに、最大の特徴として、マガラ種等と同じく四肢の他に背中から生える一対の巨大な翼脚を持つが、
翼膜は完全に退化して存在しておらず、翼ではなく第三・第四の腕と言えるほど異常なまでに大きく、太く発達している
これは地中を掘り進むための推進力を生み出すにあたって強靭な筋力を必要としたためであり、
自身の頭ほどもある大きさの瓦礫を軽々と放り投げる膂力を誇る。
その構造上、飛行能力を有していない、完全な陸生生物となっている。
加えて、翼脚が歩脚としての機能を十二分に有しているからか、後肢は退化しかけており、
上半身を持ち上げ直立した際の支持脚程度としてしか機能していない。
そのため歩行は基本的に翼脚と前肢の4本で行う特異な形態を取る。
頭部からは禍々しく捩れた一対の金色の角が生えており、
口部は下顎が二つに割れ、内側から三枚の皮と内顎が臨め、まるで六枚の青白い花弁のように開く不気味な構造を持つ。
また、尻尾には鉤爪のような棘が五本生えており、武器として用いた際の威力を高めている。
ガイアデルムは謎に満ちた生物であった噛生虫(げっせいちゅう)キュリアと非常に強い共生関係を築いており、
事実、ガイアデルムの生態調査によって明かされたキュリアの謎も多い。
解明されたキュリアとそしてガイアデルムの生態から、エルガドにて活動しているある研究員は、
爵銀龍メル・ゼナではなくガイアデルムこそが「キュリアの真の宿主」であると推測し、
本種の脅威が去った後に起こった出来事も踏まえると「それは事実である」らしいことまで判明している。
エネルギーを求めて地中を移動し、巣作りの場を見つけると発達した腕を使って地表へと続く大穴を開け、
そこから無数のキュリアを放ってエネルギーを吸収させ、自らの元へ帰還させる。
そしてキュリアからエネルギーを受け取り、生存の糧としている。
カムラの里のハンターと王国騎士が直接対峙した際に背中に形成されていた紅色の結晶は、
帰還してガイアデルムに捕食され、結晶体となったキュリアの塊である。
このキュリアを使用した一連の流れはガイアデルムの捕食行動の一種だが、それが齎す被害の規模は甚大であり、
周囲の生物は精気を吸収されて疫病が発生したような状態に陥る。
また、ガイアデルムが地中から開いた大穴は周囲の地盤の脆弱化と崩壊を招き、
現れた地に存在する集落にも大きな被害を及ぼす。
調査拠点エルガドでは、長らく大穴を発生させているのは爵銀龍メル・ゼナであるとして
その足取りを追っていたが、後にメル・ゼナは実はガイアデルムと敵対関係にあったと判明した。
メル・ゼナは城塞高地含めた王域一帯を縄張りとするが、ガイアデルムはそこを荒らしに来る侵入者に他ならず、
メル・ゼナが大穴の付近で目撃されてきたのは地上に這い出ようとするガイアデルムを排除すべく現れたためであった。
ガイアデルムはメル・ゼナと縄張り争いを行うが決着がつかず、
メル・ゼナは空へ舞い戻り、ガイアデルムは地底へと這い戻ることを余儀なくされ、
結果として大穴の付近でメル・ゼナのみが確認されるという現象が発生していたのである。
そしてガイアデルムは退却の間際にメル・ゼナへキュリアを差し向けたものの、
メル・ゼナは放たれたキュリアのウイルスに耐えるばかりか、逆に自らの力として半ば共生関係を築くに至っていた。
今回現れたメル・ゼナがかつての個体と異なりキュリアを従えていたのはこうした経緯によるものである。
しかし、そのメル・ゼナはエルガドの依頼を受けた猛き炎によって討伐され、
王域の縄張りを守るべくガイアデルムと争っていた存在が不在の状態になってしまった。
だがエルガドも無策だった訳ではなく、秘密裏に造らせた決戦型撃龍船で撃退することに成功するものの、
なおも活動を続けようとするガイアデルムを討つ為、エルガドは総力をかけて戦う決断を下した。
戦闘の際は背中に蓄積した結晶からエネルギーを取り出して使用し、
翼脚を叩きつけながらエネルギーを炸裂させたり、口部から直接エネルギーを発射したりと多彩な攻撃を持つ。
また、その巨大極まる翼脚は荒々しく振るうだけでもかなりの範囲を薙ぎ払い、
時には翼脚を用いて強引に旋回することで巨体に見合わない回転攻撃を仕掛けることもある。
しかし、背中を中心とした各所に存在する無数の結晶は後から付着したものであるためか衝撃には弱く、
ハンターの攻撃で簡単に剥がれ落ちてしまう。
結晶は爆発性を持つ為、外敵を吸引する際に誤って結晶を吸引して自爆してしまうこともあるという。
手強い外敵と相対すると大量のキュリアを捕食してエネルギーを回収することで力を増大させ、
背部や翼脚にキュリアがもたらす赤黒いエネルギーを滾らせた「冥流解放状態」となる。
さらに最大限の力を得たガイアデルムは全身からエネルギーが炎のように漏れ出でた「冥流奔騰状態」となり、
まるで地底に黒い太陽が出現したような、
あるいは地獄の業火を纏ったまさしく「悪魔」と呼ぶに相応しい容貌となる。
また、この状態では奥の手として周囲に存在するキュリアを捕食し続けてエネルギーを蓄え、
広範囲を消し炭にする超規模のブレスを以て外敵の一掃を試みることもある。
この際は崖を這い上がりながらキュリアを背部に蓄積する様子が確認されており、
背部に群がったキュリアにダメージを与えて追い散らすことが大技を防ぐ鍵になるのみならず、
怯んだ本種を壁から引き剥がして大きな隙を晒させることも可能と目されている。
ガイアデルムが討たれた後、共生関係にあったキュリアも次々と絶命していったが、
全てのキュリアがそうであった訳ではなく、一部生き延びて逃げ出した個体もいた。
メル・ゼナ、ガイアデルムと宿主を全て失い、そう長くは生きられないだろうと思われていたが、
後に各地で進化し、暴走したキュリアに寄生されて異様な状態となったモンスター達が発見され、
未だキュリアの脅威は続いていくことが判明したのであった。

概要

深きものに その(しら)せはもたらされよう
機は満ちたり

深きものは吉兆に応えよう
集え 我の元へ

供されし命を喰らい 脅威は凄まじさを増して

ついにその威容を顕現するであろう
  • MHR:Sで初登場した超大型の古龍種にして、本作のラスボスを務めるモンスター。
    前作のラスボスとは対照的な重量級の超大型モンスターであり、相対するとかなりの威容を誇る。
    初出のムービーでは撃龍船や撃龍槍と対決しているためそこまで大きく思えないこともあって、
    初見では度肝を抜かれること請け合い。
  • MHXXのアトラル・カ以来となる(チラ見せ程度ではあったが)PVで存在を仄めかされたラスボス
    直近のMHWorld~MHRiseのラスボスはいずれもPVに全く姿を見せることがなかったため、
    PV4でチラ見せされた際も「ラスボスではないだろう」という見解が少なからず存在した。
  • 外見上の最大の特徴は本来の前肢の数倍もの規模を誇る巨腕へと発達した翼脚である。
    これは地中を掘り進み、地上へ這い出る穴を開けるために強靭な筋力が備わった物とされ、
    元より備わった前脚、後脚と比較しても段違いの、まさに巨木の幹の如き様相を誇り、
    翼脚をどっしりと構えたその姿は黒々とした体色と相まって威圧感抜群である。
    逆に後脚はその翼脚とは真逆と言える程小さく、殆ど歩行ではなく匍匐に最適化された形をしている*2
    なので一見した姿は、マガラ種と海竜種のハイブリッドのような異様な姿をしている。
    次いで目を引く特徴として、背中に黒い体色とは対照的な紅色の結晶が大量に付着しているが、
    これは共生関係にあるキュリアがガイアデルムの元に還り、結晶化したものである*3
    頭部には黄色く、醜悪にねじれた角を二本備え、口は花弁のように複数に分かれて開くなど、
    まさしく「悪魔」と呼ぶに相応しい外観を有する。
  • 特筆すべき生態として、噛生虫キュリアと密接な共生関係を有することが挙げられる。
    本種はキュリアが持ち帰る精気を体内に取り込むことで生存の糧としており、
    エネルギーの多い場所を求めて地中を移動し、巣を作る場所を決めると
    地表まで穴を掘り進めてキュリアを放ち、周囲の生物の精気を吸い取るという傍迷惑な生態を持つ。
    これがメル・ゼナの出現と同時に現れていた大穴の正体である。
    • 「エネルギーを与える」という点にのみ注目すればこれはキュリア側の能力と言え、
      実際にメル・ゼナや傀異化など、他のモンスターがキュリアからのエネルギー供給により強化される事態が起きている。
      もっともキュリアに対する影響力や共生する個体数、供給されたエネルギーとの適合性などといった
      宿主側の共生能力の差異は存在しており、共生を前提とした進化をしてきた本種のそれは、
      下記のように本来イレギュラーな状態であるメル・ゼナらの共生能力を上回っていると見られる描写がある*4
      そのような点や、発電能力の多くを雷光虫に頼りながらも
      強力な雷撃の使い手と広く認識される「」狼竜ジンオウガの前例などから考えても、
      「キュリアとの共生能力」はガイアデルムを語る上で欠かすことができない特性と定義づけられよう。
      傀異討究に明け暮れてガイアデルムから独立したキュリアばかり見ているとそんな印象も吹き飛ぶかもしれないが。
    真の宿主と称されるだけにキュリアとの結びつきは非常に強固。
    討伐されたメル・ゼナと共生していたキュリア*5がガイアデルムへの帰巣本能を失わずに帰還する、
    ガイアデルムに呼応したキュリアが集結して城塞高地のモンスターの精気を吸い尽くす、
    自らガイアデルムの口の中に飛び込んでいく*6など、極めて緊密な関係性を築いている。
    またメル・ゼナや傀異化モンスター、傀異克服古龍はそれぞれキュリアの力による強化状態を有するが、
    攻撃され続けるとキュリアの力を抑え込まれてしまうそれらと違い、ガイアデルムはいくら攻撃されても
    強化状態を解除されることは無い。その代わり物理的に引き剥がされたエネルギー塊で自爆するが。
    • 他の共生関係を持つモンスターとガイアデルムを比較した場合、
      キュリアの状態によってガイアデルム自体の強さが大きく変動する可能性がある点は特筆に値する。
      これはキュリアが十分に精気を集められないと弱体化するという弱点でもあるとともに、
      エネルギーを大量に集めることでさらに強化されるという側面も有する。
      現にストーリー内でガイアデルムはキュリア経由で大量の力(後述)を吸収することで、
      バハリに「無敵状態」と称されるまでに強化されることとなった。
      なおメル・ゼナや傀異克服古龍に「力を蓄える」との言及があることから、
      宿主はキュリアから精気を得るほどに強くなっていくことが示唆されているが、
      真の宿主たる適合性と超大型古龍のキャパシティを有するガイアデルムがどこまで強くなり得るのかは未知数である。
      ガイアデルムは大技発動のたびに大量のキュリアを追加捕食しているため、
      少なくとも全キュリアを食らえばそれだけ強くなるという単純な話ではないようだが。
      • 象徴的な点として、今回登場する個体がパワーアップを遂げた要因は
        メル・ゼナとの共生を果たし、長年に渡ってその栄養(精気)を蓄え続けたキュリアから
        エネルギーを回収したという経緯によることが示されている。
        これはメル・ゼナがキュリアと長時間に渡って共生し続けるという偶発的事象*7
        結果的に蓄えた精気の増大、ひいてはメル・ゼナの死後それを回収した本種の強化に繋がった事例であり、
        良くも悪くもキュリアが他の生物から獲得する精気に依存するガイアデルムの性質が表れていると言えよう。
  • 外敵との戦闘時にはその巨体での肉弾戦だけではなく、
    キュリアが持ち帰る生物の精気を体内に取り込むことで火炎状のエネルギーを生成する行動をとる。
    ガイアデルムはキュリア由来のエネルギーを生体活動だけではなく外敵を排除するための武器としても利用しており、
    ブレス攻撃や翼脚の叩きつけに伴う爆発、火球を周囲にばらまいた上で一斉に炸裂させるなど様々に扱う。
    またガイアデルムの翼脚や背中に開いた筋状の裂け目はエネルギーの噴出口となっており、
    大量のキュリアを捕食して形態変化を行うとここから赤黒い火柱が立ち昇り始める。
    時にはこの噴出口からエネルギーをジェット噴射してその巨体ごと突撃するという目を疑いそうな行動をとることも。
    • 形態変化以降のエネルギーを噴き出す様相はバルファルクとの類似を指摘されるが、
      前述のようにガイアデルムは揺らめく火焔状のエネルギーを攻撃に使用することが主であり
      バルファルクのように噴出エネルギーで直接攻撃したりはしないなど似て非なるものである。
      大技である淵劫冥撃の使用前に大量のエネルギーが噴き出すことを考えると、
      この噴出口は体内のエンジンのような器官から発生した余剰エネルギーないし燃焼ガスを排出するためのものと思われる。
      しかし翼脚素材の説明を見るとガイアデルムはかつて空を飛んでいたらしい。まさかとは思うが……。
  • ストーリーで初登場するのはMR★5の緊急クエストでルナガロンを狩猟した後。
    城塞高地の近海にある城の廃墟の下に大穴を開けて出現した。
    しかし、そこにこの事態を予測していた提督ガレアスが建造させた決戦型狩猟船が登場、
    後に「冥淵龍ガイアデルム」と名付けられる本種と一戦を交える。
    提督の指令とともに狩猟船から2本の撃龍槍が放たれ、1本は翼脚に弾かれるものの、
    もう1本は右腕付近に命中。咆哮を上げて怯むガイアデルムに手応えを感じる一行だが、
    立ち直ったガイアデルムは刺さった撃龍槍を口を用いて引き抜き、無造作に放り投げる。
    だが提督は動じず、切り札として用意していた「3番撃龍槍」を放つよう命令。
    発射の反動で船を傾けるほどの勢いで飛んだ撃龍槍は、上体を擡げたガイアデルムの胸部を直撃。
    更にこの撃龍槍は刺さった後に時間差で火薬が炸裂して追撃を与える機構が搭載された代物であり、
    見事な連鎖爆発によってガイアデルムに痛手を与える事に成功する。
    堪らず後退ったガイアデルムは自ら這い上ってきた穴に足を取られ、
    体勢を立て直す事もできず、大きく体勢を崩して大穴の中に落下していった。
    ともあれ未知の古龍を相手に大立ち回りを演じ、見事に撃退してみせた彼らの勇姿に、
    主人公ハンターとフィオレーネは力強く頷き合うのだった。
    • 前述のように、過去にメル・ゼナの出現と同時に現れていた大穴はこうして開いたものである。
      メル・ゼナは王域を統べる者として、むしろ領域を侵すガイアデルムと敵対する側であり、
      大穴が現れた時に近くにいたのはガイアデルムを倒すため、
      キュリアとの共生関係も、自身を喰らう刺客として送り込まれたキュリアの脅威を克服・制御した末に、
      ガイアデルムに対抗する力として後天的に習得した能力であった。
    • この時落下するガイアデルムの姿は、
      人によっては愛くるしさを感じる姿勢をしているので、何かと目立つ。
      戦闘中のイベントシーン、最大技の準備中に発生する「キュリアの塊」の完全破壊に成功した際も、
      似たような姿を晒しながら盛大に落下するので、やはり目立つ事には変わりないだろう。
    • ガイアデルムが姿勢を崩し、落下する直接の原因となったのは「後脚」にあると考えられる。
      脚という部位は、生物の自重を支える重要な部位であり、
      穴を掘り進める=前進する事に特化した進化を遂げたガイアデルムは、
      脚としての役割が前脚と翼脚に集中しており、重心が前方に偏ってもバランスを保てる力があると考えられるが、
      一方で後脚は直立姿勢を維持する程度の機能しか残されておらず、
      後脚単体で自重をある程度でも支えられる程の力は残されていなかったものと考えられる。
      つまり、ガイアデルムの重心が後ろ方向にズレてしまった場合、
      それを支える力を発揮する部位はどこにも存在しない事になり、
      ただただ、後ろ方向にズレた重心任せに移動したり、落下するだけしか無かったのだろう。
      もし、後脚が退化しておらず、壁に脚を食い込ませられる程の力が残されていたら、
      撃龍槍の痛烈な一撃を受けてもなんとか踏ん張り、穴の中に押し戻されなかった可能性もあっただろう。
    しかしながら提督を含めたエルガドの人々もガイアデルムを討ち果たしたとは思っておらず、
    大穴の奥底で生き永らえ、いつかは地上に這い上がってくると予想された。
    更に、薬師タドリが予見した「帰巣本能」によって活発化したキュリア達がガイアデルムの元に集っており、
    宿敵にして食い止める存在とも言えるメル・ゼナは不在である事も相まって、
    ガイアデルムが地上に這い上がる事に対する危機感は相当強いものであった。
    そうなれば今度こそ王国が壊滅の危機に瀕するのは間違いなく、
    穴に落下したガイアデルムを緊急に追撃・討伐を成し遂げる必要があると判断され
    緊急の迎撃体制を敷いて、本種の討伐を決行する事が決断されたのであった。
  • 大昔、地中から唸り声が聞こえるという現象が相次ぎ、
    深淵の悪魔」というおとぎ話がエルガドが属する王国に生まれた。
    フィオレーネは所詮ただのおとぎ話だろうと一蹴していたが、
    かつて城塞高地が崩壊する際に唸り声を聞いていたガレアスは悪魔の実在を確信しており、
    成長して提督になった後はその立場を利用して特命騎士に情報収集させるとともに、
    加工屋のミネーレ達に決戦型狩猟船を造らせていた。
    船に求められたスペックがどれも高水準であるが故に建設は難航し、
    関係者の中で焦りの雰囲気を見せる事もあったが、
    カムラの里の人々が協力したことで建設は大きく前進し、
    なんとかガイアデルムの地上進出の時に完成、出撃を間に合わせる事ができた。
  • しばしば生態系を超越した存在とされる古龍種だが、
    本種は上記の通り基本生態から戦闘までのほぼ全てがキュリアと密接に関係している。
    これまでメインシリーズの古龍に見られた他者との共生関係は限定的なものに留まっており、
    生態活動の基盤となるエネルギーの確保までも共生相手に依存し、
    かつそれに特化した生態を獲得している本種はかなり特異な例と言える。
    • 共生関係を結ぶことで元来にはなかった能力を獲得したメル・ゼナ、
      強靭な肉体と覇気によって容易には侵食を許さず、寄生され傀異化するも暴走を克服し共生関係を築いた上で、
      落命させたキュリアのエネルギーを糧に超常的な能力を更に強大なものに増幅した*8傀異克服古龍の例から
      キュリアとの共生及びエネルギーの利用自体は古龍としての力があれば可能であることが示されており、
      最大の特徴である「キュリアのエネルギーを利用する力」も本種固有の能力ではない。
      この点も他とは原理が全く異なる能力を有することが多い古龍種としては極めて珍しい特徴である。
      • とはいえ上述もしたが、本来の宿主としての適合能力や扱うキュリアの数は
        後から一部の個体群と共生関係を築いたメル・ゼナらを大きく上回る。*9
        特に広範囲にキュリアを解放してエネルギーを吸い集める生態は本種ならではと言え、
        共生したキュリアの毒を武器として転用しているメル・ゼナ、
        エネルギーを利用している傀異克服古龍とは別のベクトルで脅威となる存在である。
  • キュリアに大部分を依存する生態から、本編ではフィオレーネより
    キュリアに頼って身を潜めていた臆病者」と本種の大技の如く火の玉ストレートに痛罵されている。
    別の場面ではやはりフィオレーネから「悪魔ごとき何を恐れることがある」とこき下ろされるシーンもあるほか、
    ヘルブラザーズからの評価も「子分(キュリア)どもの加勢がなけりゃあデカい顔できねえ野郎」と散々であり、
    生物が「大自然の一員であり畏敬の対象」として見られることが多いモンハンでは珍しく、
    シリーズを通しても際立って辛辣に扱われているモンスターである。
    この辺りは「ストーリーに関する余談」も参照されたし。
  • MHR(:S)では和洋のイメージに振り切ったコンセプトもあって
    ほとんどのモンスターにそれぞれ妖怪や神々のイメージを当てがっているが、
    ガイアデルムに関しては特に「王国に伝わる御伽噺に登場する」という要素にスポットを当てる形で
    王国を狙う悪魔というキャラクター性を強めている節が見られる。
    後述の通りメル・ゼナの背後に潜み国を滅ぼした存在として再三言及され、
    作中では特に王国騎士や観測拠点の面々から敵対視される演出が多い点から、
    開発側が意図的に「悪魔」らしい卑劣なイメージや性質の悪さを強調しているモンスターとも言えるか。
    前述のようなNPCからの扱いも打ち倒すべき悪役的なイメージから剥離してはおらず、
    ガイアデルムのラスボスらしいイメージを損なうものではない。
    実際に物語中では一貫して王国の存亡を脅かす巨大な脅威として扱われており、
    狩猟の際にはエルガドの総力を挙げた支援がガイアデルムただ一体を討ち果たすために投入されることとなる。
    • わざわざ念押しすることでも無いが、本種は意図的に王国を滅ぼそうとしている訳ではない。
      単に作中のような生態を持った一生物というだけで、単に餌場に選んだ地域が王国の付近だったに過ぎず、
      悪魔としてのイメージは御伽噺を始め人間視点から見た印象に由来するものである。
      「一見するとファンタジーのような外見や魔法のような能力だが、実はモンハン世界なりの現実的な理屈がある」
      という二層構造はモンハンシリーズではよくあるため、
      「王国を滅ぼす悪魔」としてのイメージも「単なる一生物」としての実態も、
      その両方がガイアデルムというゲームキャラクターの一面なのだと考えるのが良いだろう。
    • モンスターを強くキャラクタライズするという傾向はライズのラスボスである風神雷神夫妻も同様で、
      共鳴という形で疑似的な擬人化を果たしたあちらに対し、
      こちらはイメージを御伽噺に仮託し、NPCからもそう扱われるという方法で物語上の役割を演じている。
      尤も、餌を求めて進出しただけで王国を滅ぼす意図などなかったガイアデルムに対し、
      風神雷神は子孫を増やすことで天地を治めるという目的を実際に持っていたという違いはあるが。

戦闘能力

  • その巨大な見た目通り、動きはやや緩慢だが、巨体にモノを言わせた高い攻撃力、
    および非常に広い攻撃範囲でそれを補う典型的なパワーファイター。
    特に剣士は慣れないうちは手を出しづらく、ちょっと翼脚を振り回す攻撃でさえ回避に難儀する。
    翼脚を叩きつけてから一回転する攻撃は巨大な尻尾も合わせて使うため、圧巻の攻撃範囲となる。
    動きは遅い一方で各種攻撃後の隙も少ない傾向にあり、一つのモーションが終わると矢継ぎ早に次の攻撃を仕掛けてくる。
    そのため、モーションの最中にいかに攻撃を避けつつ反撃できるかが重要。
    • 巨体ゆえに口も肺もデカイためか、攻撃だけでなく咆哮もパワフル。
      サンブレイク追加組では唯一の強咆哮の使い手にして、範囲もエリアの大半をカバーする。
      それどころかティガレックスやアカムトルムのような音圧効果まで持ち、
      至近距離にいるとダメージと共に吹き飛ばされる。
      持続も長く、咆哮開始と同時に片手剣の風車を使っても途中で無敵が切れて耳を塞ぐ有様。
      一度受けてしまえば咆哮の判定は消えるので、白+橙エキスで無視できる操虫棍以外は
      不動効果やカウンター、高ガード性能のガードで対処できると反撃に転じやすくなる。
  • キュリアから吸収したエネルギーを変換し、爆発性のエネルギー溜まりを生成する能力を持つ。
    この「キュリアからエネルギーを得る」という能力こそが本種最大の特徴の一つであり、
    特に形態変化以降はメル・ゼナや後述の傀異モンスターの傀異バーストなど比較にもならないような
    大規模かつ大出力の攻撃を連発して暴れまわる。
    • エネルギーの用い方は多岐に渡り、これを翼脚に纏って叩きつけることで大爆発を起こしたり、
      正面に生成して左右から翼脚で挟み込むように押しつぶす、といった攻撃を行う。
      爆発性と言っても爆破やられになることはほとんど無く*10
      劫血やられを付与する攻撃はあるものの一貫して無属性攻撃のように見えるが、
      後述する翼脚合掌剛烈破、冥流砲、冥破地裂掌、淵劫冥撃には火属性やられにこそならないが、火属性が付与されている
    • 後半戦では多くの攻撃に爆発が二次攻撃として付随する上、
      威力や気絶値も非常に高いため、無闇に鉄蟲糸技の不動効果でやり過ごそうとすると非常に危険。
      特にエネルギー球を両翼脚で挟み潰す「翼脚合掌剛烈破」は鉄蟲糸技をあっさり貫通するため、
      使い所をよく考えないとすぐに消炭にされるので注意したい。
  • なお、散々「地底に穴を掘る」という生態が強調されている割には、戦闘時に地中に潜ってくることはない
    (見方を変えると上記の穴の壁を這い上がっていくモーションがそれと言えなくもない)。
    穴を掘るのはあくまでも地上に這い出てキュリアを放つための行動であるため、
    外敵との戦闘中に活かせる類のアクションではないのかもしれないが。
    • 一応「大地を利用する」という見方なら、一部ブレスの照射地点に先行して振動【大】が起きる形で表現されている。
      疑似的なガード不能攻撃になっているので、ブレスも含めてガードで受けきるなら耐震Lv3が必要。
  • 破壊可能部位は頭部(2段階)、翼脚、尻尾。尻尾は切断が可能で、2回剥ぎ取りが行える。
    翼脚を破壊すると大ダウンを奪える。肉質も柔らかい…と言いたいが弱点特効と緑ゲージ心眼の効果が無い厄介な肉質。
    尻尾は先端が柔らかくなっているが、尻尾そのものが大きい上によく動くので攻撃するのが難しい。
    耐久値自体は低く、硬い部分を攻撃し続けても簡単に切断することができる。
    • ただし、第一形態の部位破壊は結晶の剥離のみになっているため、傷を負わせる程の部位破壊は不可能になっている。
      だが、尻尾の耐久値は初めから削れるようになっているので、
      第一形態で尻尾に十分な切断ダメージを蓄積していた場合、第二形態になってすぐに尻尾を一度斬りつける、
      なんなら投げクナイを一発当てるだけで切断できてしまう。
      どことなく無印~ドス辺りの尻尾切断システムを彷彿とさせる
      第一形態の結晶剥離による吸引阻止ギミックのダウン中に尻尾の先端を攻撃することができるため、
      切断したい場合はここのタイミングでダメージを蓄積させておくといいだろう。
    • 頭部の破壊は1段階目が頭部、2段階目が角になっているが
      レア素材である奈落の龍神玉が含まれているのは1段階目の方である。
      頭部が2段階破壊のモンスターの多くはディアブロス、タマミツネ、ジンオウガなどのように
      1段階破壊には報酬がなく2段階目で報酬が確定するものか
      ヨツミワドウの嘴と皿、ラージャンの片角と両角のようにそれぞれ頭部の違う部位で別個の報酬が出るかで
      2段階目の方が報酬が良いパターンがほとんどであり、1段階目にレア素材が含まれるケースは非常に珍しい。
  • 弱点属性は古龍らしく龍属性。次点で雷属性。
    全体的な通りもよく、終盤のモンスターには珍しく弱点特効【属性】が入る部位が頭、翼脚、尻尾先端と複数ある。
    弾肉質については頭部以外はやや渋め。しかし体躯が大きいので貫通弾の効き目は良い。
    • 凄まじい図体の割には体力は高くなく、15~20分程度で討伐することも十分可能。
      どちらかと言えば体力自体よりも、大きな体躯から来る巨大な攻撃範囲とそれに伴う体の動きに対し、
      緩慢な動作の割にそこまで隙が大きくなく、
      モーションによっては弱点部位(特に弱点特効の入る頭)へ攻撃できる隙は多くない事の方が厄介か。
      特に近接武器だと顕著で、ガイアデルムの機嫌次第では中々有効打を与える機会が訪れず、歯痒い思いをする事も。
      前述の通り体力自体は極端に高いわけでもないので、焦らずじっくり腰を据えて戦おう。
    • ガンナーは頭部以外には弾が通じにくいが、
      その頭部がちょっとした中型モンスター並の大きさなので基本的には狙いやすい。
      ボウガンの場合龍属性は持ち込みに難がありすぎるが、次点の雷属性は頭部であれば20通る
      (25以上は通らないので百竜装飾品の弱点特効【属性】は効果が無い)ので、
      ボウガンで貫通電撃弾を主軸にするスキル構成をしっかり揃えてしまえば、
      そこまで武器を使い込んでいない者のソロでも10分を切れるほどに早く終わる。
    • また第1段階では部位破壊が頻繁に復活するため破壊王スキルが非常に有効である。
      第2段階に移行したらモドリ玉でキャンプに戻って装備変更するのも良いだろう。
    • 龍属性弱点、向こうの機嫌次第とはいえ弱点特効の乗る部位があり、第1段階で破壊王が有効。
      これらを持っているのが、何の因果か宿敵メル・ゼナの武器と防具。
      宿敵の装備で、長きに渡る縄張り争いに終止符を打つのも良いだろう。
      どちらかと言うと喧嘩両成敗なのだが。
      ただし龍耐性が低いのはお互い様なので注意。
    • また、他の古龍と違い飛行能力を持たないためか空棲系特効の対象になっておらず、
      ○○特効系の百竜スキルはヤツカダキ(亜種)と並んで全て未対応となっているので要注意。

第一形態(冥塊状態)

  • 第一形態である「冥塊状態」では身体中に結晶化したキュリアを纏った姿となる。
    この状態では巨体による肉弾戦がメインで、爆発を伴う攻撃は少ない。
    ただし、全形態を通して脅威となる翼脚合掌剛烈破は第一形態から主力技として多用する。
    翼脚+爆発の多段判定攻撃なので、無闇に鉄蟲糸技で受けるのではなく回避できる時は回避に専念しよう。
    • 回避する場合、ガイアデルムから離れるだけでなく潜り込むという選択肢もあることは覚えておきたい。
      おおよそ喉元より後方の位置まで潜り込めば当たらず、爆発を確認した後に戻れば翼脚や頭に反撃できる。
      ただし次項にある「吸引から連続する翼脚合掌剛烈破」に限り頭の高さが極端に低くなるため、
      潜り込める方向が顔の脇へ抜ける位置に絞られてしまう。咄嗟の判断に迷ったら素直に離れる方が安全だろう。
    • 翼脚による薙ぎ払い攻撃は内から外へのパターンの場合勢いをそのままに一回転してくる。
      判定も腕に次いで尾の判定が飛んでくるため腕を振りぬいた後に近づこうとすると尻尾に払われる。
      回転後は振り抜く腕の側の斜め前で止まるので不用意に近づかずに待っていれば攻撃チャンスになる。
    • 冥塊状態のみの行動として首を振りながら小さなエネルギー溜まりを周囲に展開、爆破してくる。
      振る首にも小ダメージ+吹き飛ばし判定があるためもぐりこんでの回避もやや難しい。
  • 体中に付着した紅色の結晶は何度も攻撃を加えれば剥離させることが可能。
    第一形態限定で翼脚と前脚に特殊な部位破壊ができ、これを達成すると大量の結晶を落とさせることができる。
    ガイアデルムは定期的にジャンプして大岩を隆起させた後、フィールド全域を吸引する攻撃を行い、
    最後に吸引したハンターを標的にして翼脚合掌剛烈破*11を行うが、
    この吸引する時に落下した結晶がガイアデルムの口元で爆発を起こし、大ダメージを与えられる。
    一定以上の結晶を吸い込ませれば大ダウンを奪うことも可能。この時に落とし物もする。
    • なお、吸引は大岩の陰に隠れることでやり過ごすことができる。
      この攻撃の前にプレイヤーが警告ボイスを発するほか、
      フィオレーネもガイアデルムから離れるように注意を促してくれる。
      慣れていない場合は素直に従っておこう。
      ダウンが取れない時に翼脚合掌剛烈破の直前まで攻撃をしていると、
      爆発直前に振動があるので被弾がほぼ確定する
      後述する淵劫冥撃があるのでトップでこそないが、
      翼脚合掌剛烈破の攻撃力は爆発が140、岩盤が120、吸引後の爆発が170
      どれも良くて致命傷レベルの超火力である。
      • そもそも吸引の集約点が顔の少し手前になっており、
        武器種によっては吸引力が強くなってくると顔に攻撃が届かないことが多い。
        攻撃に行くならダウンが取れるかどうかの読みと武器種を要確認。
    • ちなみに岩陰から出た所では結晶やハンターは吸引の影響を受けるが、
      大タル爆弾などは置いても吸引されることがないので、追加ダメージを与えることは出来ない。
      オトモも吸引されないが、ハンターが動かないとオトモはその場で立ち止まるので、
      岩陰の裏にすぐ入ってしまうと道中で棒立ちしたオトモだけ爆発に巻き込まれることがある。
      余裕があればサインを出してオトモを呼んでやろう。
    • 爆発直前に振動があるものの、裏を返せば耐震Lv3さえあれば阻止失敗時の爆破もガード可能。
      耐震は第二形態以降でもブレスを受け止める際に有効なので、受け気味に戦うなら無駄にならない。
      ただしガードしても気絶を誘発することはあるので、吸引無視なら気絶耐性Lv3があると良い。
      同様に耐震があるなら、長い無敵時間のある技でやり過ごすことも可能ではある。
    • 上述の通り翼脚合掌剛烈破は翼脚と爆破の2回攻撃判定があり、どちらも威力が非常に高いため、
      鉄蟲糸技の不動効果で受けたとしても至近距離で重傷を負ってしまうので危険。
      素直に直撃をもらった方がまだ生存しやすいので、備えなしに吸引された場合は受け方に気を付けたい。
      なお、岩陰から適正距離を取れるボウガンなら、吸引開始ギリギリまで安全に攻撃できる。
  • ある程度時間が経つと連装式撃龍槍が解禁される。
    近くに信号弾を発射する装置があり、それを起動して合図を送ると発動、
    上空から撃龍槍が何本もガイアデルムに向かって発射され、大ダメージを与えて怯ませる。
    ちなみに発射してから一定時間経過すると再度発射できるようになる。
    ムービーでも撃ち込まれているため、おそらくモンハン史上最も多くの撃龍槍を受けているだろう
    • この撃龍槍はガイアデルムの頭を狙って発射されているようで、
      着弾直前にガイアデルムが立ち上がったりバックステップをすると外れる事がある。
    • 緊急クエストでフィオレーネがいる場合、連装式撃龍槍の着弾時にも専用メッセージがある。
      だが第一形態撃破に撃龍槍の発射・着弾は必須ではないため、手慣れたハンターには無視されることも。
      雰囲気を楽しみたいなら、救援相手に頼らず受注したハンター自らの手で発射すると良いだろう。
  • 一定ダメージを与えるとムービーが挿入される。
    ダメージを負ったガイアデルムはキュリアからエネルギーを吸収して回復しようするが、
    そこにバハリからの攻撃支援で巨大な撃龍槍が発射され、ガイアデルムの背中に直撃。
    傷ついたガイアデルムは地下深くへと落下していく。
    • ちなみに、吸引攻撃を阻止してダウンを取っていた場合、拾っていなかった落とし物が目の前に残されるが、
      下層への移動ポイントと被っているため、追いかける前に落とし物を拾おうとして
      誤って下層に移動してしまうハンターが続出している。
      十分に落とし物に近づけば移動前に拾えるので拾う際には十分注意しよう。

第二形態(冥流解放状態)

  • 落下したガイアデルムは地下でさらに大量のエネルギーを吸収、
    結晶の代わりに赤黒い炎のような形でエネルギーを纏う「冥流解放状態」に移行する。
    ここからはエネルギーの放出がより大規模になり、口から赤黒いエネルギーのビームブレスを吐くようになる他、
    ハンターを空気吸引で引き寄せてから翼脚叩き付けや薙ぎ払いで打ち据える攻撃を使用するようになる。
    • 吸引コンボはへたに逃げようとするよりも内側へ潜ってしまう方が安全。
      横を向いた吸引の後はマガラ種の噛みつき+尻尾払いのコンボの如き回転攻撃を行うが
      潜ってしまえば当たらなくなる。
      逆にブレスを駆使する攻撃のほとんどは体を起こしたり後退しながら溜めてくる性質上
      潜ろうとすると巻き込まれやすい。
      前へ潜るか後ろへ逃げるかの選択を間違えなければかなり避けやすくなるだろう。
  • また、エネルギーを空に向けて撃ち出し、結晶化したキュリアを雨のように降り注がせるという攻撃も行う。
    この手の攻撃によくありがちだがエネルギー塊の落下地点は着弾前に赤く光るのでよく見ていれば回避は可能。
    また、どこぞの蛇王龍のように自身の体を貫通したりはしないので、
    ガイアデルム自身の腹の下に潜り込めば安全にやり過ごすことが可能。
    • 多くのハンターは地面に降り注ぐキュリアを捌くのに必死で空を見上げる余裕はない状況だが、
      ガイアデルムが吐きだしたエネルギーは空中高高度で渦を巻くように燃え盛ってキュリアを振りまいた後、
      真っ黒なエネルギー球となって収束して消える。
      このエネルギー球はまさに、フィオレーネの台詞にもある漆黒の太陽のようである。
      結晶はフィールド全域ではなくガイアデルム周辺にしか落ちてこないため、充分距離を取ればゆっくり観察できる。
    • 一部の変態物好きな人にしか関係のない情報だが、
      エネルギー塊はこの高高度で発生した瞬間から当たり判定を持つのに対し、
      炎の渦および真っ黒なエネルギー球には当たり判定は無い模様。
  • 第二形態移行後、一定ダメージを与えるとガイアデルムは壁面を登ってキュリアの群れを捕食しようとする。
    同時にエルガドからの支援物資として速射砲5台*12が投下される。
    • ちなみに、投下される速射砲には当たり判定があり、小ダメージを受けて尻もちをつく
      味方からの援護によってハンターがダメージを受けてしまう仕様と言うと、
      どことなくMHP2G以前のラオシャンロン戦における落石を思い出すかもしれない。
      さすがにこれに当たって力尽きるマヌケなハンターはいないと思われるが…。
    これを使ってガイアデルムの背中にあるエネルギーの塊を攻撃し、全て破壊することで大ダウンを奪える
    (ガイアデルムが壁から剥がれるようにして地面に落ち、一定時間動かなくなる)。
    しかし、ガイアデルムもエネルギーを纏ったキュリアの塊を放って妨害してくるのでそちらも撃ち落とす必要がある。
    • このキュリア弾は弾速が速くないため迎撃することは容易だが、
      プレイヤーに向かってホーミングしてくる上に威力がかなり高く、しかも劫血やられになる。
      ソロでは一回食らうと回復する間もなく他のキュリア弾が迫ってきて
      速射砲への搭乗すらままならない状態へ陥るため、基本的にすべて撃ち落とさなければならない。
      なお、間近で見るとかなりの数のキュリアが群れを成して塊になっているのがわかるが、
      血飛沫のようなエフェクトも相まってなかなかインパクトがある。
    • その討伐内で初めての壁面登りに限り、ガイアデルムは途中までキュリア弾の発射をしない。
      2回目以降は最初から発射してくるので、なるべく初回で撃ち落しの感覚を掴んでおきたいところ。
    阻止に失敗した場合はガイアデルムから膨大な赤いエネルギーが翼のように噴出し
    口元からレンズフレアが発生する程のまばゆい光を放った後、
    バリスタ周辺部に向けて極太のビームを吐き出し、そして大爆発を起こす大技、
    淵劫冥撃を放つ。
    なんとこのモーションは驚天動地の攻撃力250に加え、気絶値100、おまけにガード不可という
    恐ろしい性能を持っているため、特徴的な予備動作を見たら直ぐにその場から離れよう。
    幸い、と違って壁を登り始めてもモドリ玉は使用不可能にならないため、モドリ玉で逃げるのも手。
    因みにこの250という値は悪名高いかのオストガロア瘴龍ブレスと同値であり*13
    メインシリーズ全体で見ても3位タイという代物である。
    • 数十秒に渡る非常に長い捕食動作やフィオレーネから直々に阻止を促される流れから
      撃龍・霹靂神のようなフィールド全体規模の大技ではないかと身構えるかもしれないが、
      実際の爆発はフィールド中心付近のみとさほど広くはない。
      ビームの発射直前にバリスタを放棄しても爆発範囲外への退避は十分間に合うので、落ち着いて行動したい。
      なお、大爆発によって速射砲は壊れてしまい、再補充は再びガイアデルムの遡上を待つことになる。
    • ストーリーの緊急クエストでは三回目でフィオレーネが自動で阻止してくれる。
      大翔蟲で空高く飛びあがりガイアデルムへ突撃、片手剣のフォールバッシュでエネルギーの塊を一撃で全て破壊する、
      という非常にアツいムービーが挿入される。
      なお、片手剣を持っていてもハンターにはできない。
      この時フィオレーネのフォールバッシュに刺激されたエネルギー塊は爆発を起こし、なんと2000~4000台のダメージを叩き出す
      巷ではこのショートムービーが確定演出だとか言われている
      CV繋がりで別のを想像した者もいるだろう
      • ちなみにこのシーン、プレイヤーがキャンプに戻ってテント前にいても発生し、
        ムービーが終わるとテント前に華麗に着地するフィオレーネを拝める。
        位置関係めちゃくちゃとか言わない
    • 盟勇を使わないソロプレイでは、エネルギーの塊の耐久力が高い上にキュリアの妨害も一人で対処しなければならず、
      阻止するのは非常に難しい。
      エネルギー塊の判定はそこそこシビアな上に、ガイアデルムの動きに合わせて位置が変動していくのに加え
      使用する速射砲の位置でも難易度が変化するため、熟練のプレイヤーが4人揃っていても安定した破壊が難しい。
      ソロでは余程運が良くない限り、ほぼ阻止不可能であるため、
      これがTAの妨げとなることも多く、厳しい評価を下すハンターもちらほら。
      まあレベルの高いTAになってくるとそもそもガイアデルムを壁に登らせる前に討伐できてしまうのだが
      • Ver.13で盟勇を連れて行けるようになり、盟勇は吸い込みは岩陰で隠れて
        バリスタを正確に目標に撃つという的確な行動を常時行うためソロでもエネルギー塊の破壊がだいぶ楽になった。
      • 発射されるキュリア塊の数や位置の影響が大きいためかなりの運ゲーになってしまうが
        ソロでも1クエスト中に1回、運が良ければ2回の成功は狙える。
        また、阻止に失敗するたびエネルギー塊の耐久力が下がるのか、
        3回目の登攀あたりになると手応えが随分違ってくる。
      • 的が非常に細かく動き回るため、ジャイロエイム操作またはマウスエイムが有利になるが
        スティックでは不可能ということもない。
        ガイアデルムの背中をできるだけ正面で狙える速射砲を選び、より近いエネルギー塊から狙うと
        移動で外されにくくなる。併せてキュリアの即破壊を徹底し、照準を移動させている時間
        (=有効射をしていない時間)を減らすよう意識すると成功しやすい。
      • 阻止失敗時にビームで薙ぎ払う順番は固定で、中央>左側>再び中央>右側となっている。
        安全を取るなら一番右端のバリスタを利用するとビーム発射後でも余裕をもって離脱できる。
        逆に中央や左側は光を目視してすぐに離脱したほうが賢明である。
    • 円状に放たれるビームはマスターランク装備なら概ね耐えることができるが、
      大爆発の方はハンターの体力値が上限最大の場合であっても防御力600以上が必要となる。
      この手の大技としてはもはやお約束だが、ガード強化があってもガード不可。
      まあ攻撃中の範囲にわざわざ突っ込んでも行かない限り、滅多に食らうことは無いが。
      一応、見た目より範囲は少し広いので着地狙いで下手に近づかないようにはしよう。
      • 終了後はジャンプして飛び降りてくる。
        あの巨体が高所から落ちてくるのだから、直撃したら致命傷…
        かと思いきや、小ダメージで勘弁してくれる有情仕様。
        ただし淵劫冥撃を根性効果で耐えたがダウンで動けない場合、この落下がトドメになる可能性がある。
        退避し損ねた味方が見えたら念のため粉塵を撒くと良いだろう。
    • ちなみに大技中も体力ストッパーなどはないので、ガイアデルムが壁を登っている時にも討伐することも可能。
      この際は体力が0になると同時に背中のエネルギー塊が爆裂し、
      壁から剥がれ落ちて落下→すぐに体勢を立て直して討伐時のモーションで絶命
      という新鮮な光景を拝むことができる。
      討伐時のカメラアングルも専用のものになるので、一見の価値はあるだろう。
      ラスボスとしては少々あっけない終わり方な気がしないでもないが…
      また、最初こそ体力が一定ラインに達すると壁を登り始めるが、
      それ以降は時間経過で登るためなのか、場合によっては3回登らせることなく討伐することも可能。
    • バリスタ使用時、オトモはハンターの近くで立ち止まるようになっている。
      この立ち止まる位置が悪いと、エネルギー塊を打ち落とそうと見上げた際に、
      画面中央にドデカくオトモガルクのケツが映るという事態に陥る。
      あまり発生率は高くないが、結構邪魔である。

第三形態(冥流奔騰状態)

  • さらにダメージを与えていくと咆哮と共に空が赤く染まり、第三形態たる「冥流奔騰状態」に移行。
    全身の至る所から赤いエネルギーを吹き出したおぞましい形相となり、全力でハンターを排除せんと襲いかかる。
    翼脚や背中からエネルギーを迸らせながら咆哮する様はまさに悪魔
  • 攻撃は苛烈を極め、突進しながらエネルギー溜まりを大量に生成させて最後に一斉に爆発させる「突進冥破爆撃」や、
    翼脚を叩きつけ、翼脚からエネルギーを噴出し推進力として突進する
    冥流突進二連(通称ダイナミック雑巾掛け)などの攻撃が解禁。
    ただでさえ豊富な攻撃モーションがさらに増加することに加え、爆破による二次攻撃が激しく、
    さらに第二形態同様淵劫冥撃も併用してくるため気が抜けない。
    一方でここまで来るとガイアデルムも瀕死に近く、最後の大詰めとなる。
    • 形態移行時に英雄の証:Sunbreak ver.が流れ始め、
      ハンターと冥淵龍が最後の力を振り絞り、お互いに全力でぶつかり合う演出となる。
  • ちなみに、猫火事場やダウン等を駆使して限界まで火力をぶつけることができれば、
    第二形態の時点で討伐し、本形態を見ずに終えることもできることが分かっている。
    その場合でも討伐ムービーでは第三形態になっている。

討伐後

  • 猛き炎とフィオレーネ、そしてエルガドの攻撃支援の猛攻の前についにガイアデルムは力尽きる。
    宿主を失ったキュリアは逃げまどい、そしてついには次々と落下していく。
    しかし、そこで一際強く輝く一匹のキュリアが、真っすぐ上を目指して飛び立っていった。
    それを見てフィオレーネは「消えては結び、還るべきはいずこ」というエルガドの詩を呟いたのであった。
    そして案の定と言うべきか、この後キュリアは新たな脅威をエルガドとハンター達へ齎す事となる。

武具

  • 武器は14武器種全てが揃っており、
    概して高い攻撃力に低い龍属性&会心率、百竜装飾品スロット3といった性能を持つ。
    近接武器は更に斬れ味の紫ゲージの長さ、ボウガンは物理弾の装填数が光る。あと弓は神属性持ち。
    会心率を考慮してもなお高い攻撃力と斬れ味は魅力的で、優れた汎用性が持ち味である。
    また、どの武器も暗き地の底から出づる十四の破壊がテーマになっている。
  • 防具は冥淵纏鎧シリーズ
    一式では弱点特効Lv3、逆恨みLv5、連撃Lv3、伏魔響命Lv3が発動する。
    スロットも優秀で、Lv4が3つ、Lv3が2つ、Lv2が4つという豪華さ。
    特に連撃が有効な武器では胴や腰が使われやすい。
    • 伏魔響命は今作から初登場の新スキルで、
      常にキュリアに体力を奪われ続ける代わりに、現在の疾替えの書の色によって攻撃性能が上がる
      また、疾替えで体力が回復するという独特な効果を持っている。
      疾替えの書【朱】では属性と状態異常が、【蒼】では攻撃力と気絶値が上昇する。
      そのため、TA勢御用達のスキルである。
  • オトモ防具もアイルー用とガルク用が用意されているが、本種の退化した後脚が特徴的であるためか
    アイルー用の脚は折り畳まれたような形で弱々しく浮遊しており、ガルク用は後脚のテクスチャそのものが消失している
    • ちなみにアイルーはしゃがむとんでもないことになる

余談

  • MHR:Sにて同じく初登場した、剛纏獣ガランゴルムと名前がよく似ていることがしばしば指摘される。ガ○○○ルム
    ガイアデルムの由来は後述する通りだが、
    ガランゴルムはロシア語で山、イタリア語でオランウータン、そしてゴーレムと目されており、
    恐らく全くの偶然だと思われる。尚更タチが悪い
    • ちなみに、本種の英名「Gaismagorm」は「ガイズマゴルム」と発音できる。
      一方のガランゴルムの英名は「Garangolm」=日本名と同じガランゴルムであり、
      もはや被りネタを狙ったかのようなややこしさとなっている。
  • MHRiseはあらゆる壁を自由に登れることと、“翔蟲”を用いた狩猟が目玉要素となった作品である。
    そんな作品のMRラスボスが自ら壁を登る行動を披露し、“虫”と呼ばれる生物を攻撃に利用してくるというのは中々感慨深い。
    奇抜な見た目のようで、実際はMHRiseという作品を象徴しているモンスターだと言えるだろう。
  • 前シリーズのMRラスボスであるアン・イシュワルダとはいくつかの共通点が見られ、
    「マガラ系骨格を有する」「エネルギーを求めて地中深くを移動する」「出現した地域で大規模な地形変化が起きる」
    といった特徴が一致している。
    ただしガイアデルムは地上に棲む生物の精気を欲し、強靭な筋力で以って意図的に地盤陥没を発生させていたが、
    アン・イシュワルダは地下の地脈を巡るエネルギーを求め、能力の余波で間接的に地殻変動を起こしているなど、
    行動原理は一緒でも目的や環境への影響の及ぼし方については差異が見られる。
    また、容姿についても両者で西洋/東洋、悪魔/神仏と対比になっている所も面白い。
  • いくつも分かれる顎と青い口内という特徴から、
    映画『パシフィック・リム』に登場するKaijuを思い出したというハンターも多い。
    特に「オオタチ」という怪獣は左右に分かれる顎を持っており、
    多くのハンターが思い出した怪獣は彼のことを指していると考えられる。
    因みに劇中に登場する怪獣にはマガラ骨格のように四本足+大きな前脚という、六本の足を持つものもいる。
    • 黒く細長い顔に青い口内という特徴はラギアクルス希少種とも類似している。
      正面から見たり口を開いていると似ても似つかないが、頭部を上から見ると割とよく似た印象を受けるだろう。
  • 「他のモンスターから奪い取ったエネルギーを用いる」
    「そのエネルギーを用いてブーストした突進を行う」など、
    いくつかの要素はマガイマガドに類似している。
    もちろん種族も得意とする戦法も全く別物なので、あくまで「要素に似ている部分がある」というだけであるが。
  • ゲーム的に見ると、二層構えの専用フィールドに複数の固有ギミックが用意され、
    クエストにおいても狩猟中に複数回のムービーが挿入される演出があるなど、
    ストーリーに絡める形でイベント風味の要素が豊富に盛り込まれたモンスターである。
    汎用フィールドの景色が本種によって永続的に変化するといった演出もあり、
    演出面においては物語のラスボスとしてかなり優遇されていると言える。
  • プレイヤーの間ではラスボス恒例といえるTAも積極的に行われているが、
    特にヘビィボウガンでは麻痺+怯みループによりソロ2分台で討伐という記録も叩き出されている。
    もはやハンターの方が悪魔である
    BCからの移動やムービースキップ、階層移動演出を除くと実質戦闘時間は1分台というレベルであり、
    貫通電撃弾ヘビィとの相性の良さが際立っているといえる。
    • なおTAでは採用されないが麻痺だけでなく毒も効き、打撃武器や徹甲榴弾重視のボウガンなら気絶も起こす。
      さすがに風神龍のように睡眠にまでかかってしまうことはないが……。
    このように、ガイアデルムの立ち回りは多くのハンターから知られ尽くしており、
    過去作の前例からイベントクエストによる強化個体の追加を望む声が多かったが、
    アップデートを重ねても追加される動きは見られなかった
    そして2023年7月27日をもって、MHR:Sのイベントクエストの新規配信が終了(≒展開打ち止め)し、
    強化個体が一切存在しないラスボスというシリーズでも異例の事態になってしまった。
    裏ボスの一体であるアマツマガツチも強化個体が存在しなかったが、
    定期配信終了後にまさかの追加を果たしたため、
    演出面の優遇とは裏腹に、純粋な強さと言う意味で言えばガイアデルムの不遇さが更に増している。*14
  • モンスターハンターのラスボスとしては珍しく、デフォルメにしたぬいぐるみが販売されている
    あの巨体が手元に収まるサイズになり、恐怖感を与える深淵の悪魔が愛らしいデザインに生まれ変わった。
    王国騎士もこれには困惑
  • MHRiseのラスボスが風神雷神をモチーフとした「空」から現れる「神」であったのに対し、
    MHR:Sのラスボスであるこちらは「大地」から現れる「悪魔」となっており、対称的な存在と言える。
  • ガイアデルムが引き起こした「大地に大穴が開く」という現象は、MHST2に登場する凶光化の前兆と共通する。
    更に、同じくガイアデルムの生態である「赤い光を放つキュリアを大穴から放つ」や、
    討伐後の「キュリアに影響されたモンスターが凶暴化する」という現象もまた、
    凶光化の「大穴から赤い光が放たれる」「光に影響されたモンスターが凶暴化する」という特徴に類似しており、
    発売時にはMHST2をプレイしていたハンターの間で話題となった。

ストーリーに関する余談

  • 概要の通り、登場人物からはかなり辛辣な扱いを受けているが、
    その原因は対立していたメル・ゼナの存在も一端としてあるのではないかと考えられる。
    キュリアと接触する以前から数百年以上も王域に君臨し、
    その地に住まう人々と生物に多大な影響力を与えていたあちらと比べれば、
    唐突に表れた簒奪者とも思われかねないガイアデルムの立場は悪くならざるを得ないだろう。
    一連の事件を通じて、エルガドの面々にメル・ゼナの強大さが強く意識されていたならば尚更である。
    実際、作中で地上に現れたのもメル・ゼナがハンターによって討伐された後であり、
    実力が拮抗する宿敵を斃すために策を練った上で50年も地中に潜み続けていた点は
    確かに騎士道にもとる行為と言える(人間の騎士道を他種に当てはめることの是非を抜きにすれば)かもしれない。
    • ただし、これらの論評は「~よって主人公はガイアデルムに勝てる」という
      激励のニュアンスを含んでいる部分も大きい。
      ストーリー中ガイアデルムは王国の存亡に関わりかねない脅威として扱われており、
      これとの決戦は絶対に退くことも敗北することも許されないものであった。
      この大難を前に、エルガドの住人達がガイアデルムの討伐を悪魔を打ち倒す英雄譚に見立てて
      士気高揚を図ってもそれは自然な流れであろう。
      特にフィオレーネはポエマー狩猟を騎士としての美徳になぞらえることで
      モチベーションを高めている節があり、それが散々な罵倒に繋がった可能性がある。
      言わば作中の評価は本種が「深淵から迫る絶望」として畏れられた裏返しなのかもしれない。
    • 一方でガイアデルム側の視点からすれば、
      かつての城塞高地の人々は「縄張りにすべく進出した土地に偶然住んでいた存在」でしかない。
      また、大穴と疫病現象をもたらしたり、放ったキュリアにモンスターの精気を吸い取らせたり、
      宿敵にキュリアを寄生させて弱体化を試みたりといった行動に関してはただの生態行動に過ぎず、
      単にエネルギーを摂取して生存本能を満たすためのものであって悪意などとは無縁である。
      ガイアデルムもこの世界に生きる生物種である以上、
      人々やメル・ゼナと同じ己が生存のために死力を尽くす存在に変わりなく、
      宿敵に刺客を送るのも、その刺客と共生関係を結んで己の力とするのも、
      はたまた自然環境やモンスターから入手した素材で武具や狩猟船を作るのも
      世界全体の大きな視点からすれば、ごく当たり前かつ対等な生存競争の一環と言えるのかもしれない。
  • これまでも古龍種同士が出会ったその場で小競り合いになったり、捕食目的で襲いかかる
    あるいは大陸レベルの影響力を持つ超大型古龍が他の古龍の生態を脅かすといった例はあったが、
    ガイアデルムの場合、超大型古龍ながら王域の支配者たる爵銀龍と激しく対立し、
    縄張り争いの末にかなりの深手*15を負って撃退されるという
    モンハン世界の中でもかなり珍しい事態を巻き起こしている。
    先に人類に発見された方は単なる予兆やむしろ被害者というパターンも多い中、
    ガイアデルムの場合、メル・ゼナにキュリアとの共生能力を一部奪われていたり、
    直接対決をした上で事実上敗北を喫して地下空洞からの進出を阻まれるなど
    メル・ゼナを天敵としている節すらある設定が多々存在しており、
    単純に「表向きのボスキャラを凌ぐラスボス」という立ち位置ではないのも珍しいところである。
    • 表向きのボスモンスターであるメル・ゼナは一部冤罪気味に狩られてしまったと言えなくもない
      …が、メル・ゼナ自体も人に危害を加えたり他のモンスターを不意打ちで襲うなど、決して無視できない暴挙をしている。
      ハンター側の脅威になる事は間違いない故に、討伐されるのも止む無しといえよう。
      • ただ、キュリアに寄生される前の本来のメル・ゼナは人類と諍いを起こす事なく共存する、
        争いを好まない比較的大人しい古龍種で、キュリアによって秘めたる凶暴性が解放された結果
        作中のような振る舞いを見せるようになったとされており、
        結局のところキュリアとガイアデルムが全部悪いと言えなくもない。
        一応、原初を刻むメル・ゼナも王国に被害をもたらしてきた経緯があるようなので、
        完全に王国に対するメル・ゼナ側の非がゼロというわけではないが。
    • 生き残ったキュリアという明確な禍根を「討伐後」に残し、
      それが後の時系列となるクエストとして明確にストーリーへ反映されているのも
      ラスボスとしては珍しいパターンである。
      前例と言えそうなのはMH4の天廻龍だが、禍根の影響続編での登場となっている。
  • ストーリー中の討伐クエストをクリア後にはもちろん再戦可能なクエストが出現するが、
    多くのラスボスに見られた同一クエストや追想という形を取らず、その依頼文では再び出現したとされている。
    ストーリー中に現れた個体はムービー中で完全に絶命した姿が描写されている*16ため、
    空いた縄張りに新たな個体が進出してきたといったところだろうか。
  • 「時に被害を齎しながらも、その在り方によって関心や畏敬の対象にもなる大自然の一員」と描写されることの多い
    作中世界のモンスターとしては珍しく、ラスボスということを差し引いても*17、登場人物から
    御伽噺の悪魔に見立てられ、悪印象を向けられる描写が目立つモンスターでもある。
    とはいえ世のゲームにおいてラスボスが憎むべき悪役なのはよくあることであり、
    「モンハンのラスボスとしては」珍しくとも「ラスボスとしては」珍しい特徴でも無いだろう。
    • また、悪魔としての擬人化とは言い換えれば一種の神格化とも表現できる。
      モンハン世界の一部ではモンスターを神の化身や使いに見立てて畏れ敬う文化があるのが知られているが、
      神に見立てて崇拝するか、悪魔に見立てて忌避するかという信仰の方向性が真逆なだけで
      ガイアデルムに対する作中の扱いもモンハンシリーズの伝統から外れたものではないと解釈することもできる。
  • 登場人物からの散々な酷評に始まり、
    • 超大型古龍でありながら大型古龍との縄張り争いで追い払われる
    • 刺客としてメル・ゼナに差し向けたはずのキュリアがNTRれた共生関係を築かれて終わる
    • 漸く迎えた晴れ舞台で猛威を振るうかと思いきや、決戦型狩猟船に見せ場を取られて出オチさせられる
    • 出現から討伐までの流れだけで実に3度も崖から叩き落とされる姿が描写される
    • 自身が討伐された後も進化変容したキュリアが宿主不在で活発に活動し続け、
      真の宿主という肩書が霞むほどの規模でキュリア由来の脅威を生み出す
    • 他の大型古龍たちも傀異克服という形で続々とキュリアのエネルギーを糧に強大化する
    • 度重なるアップデートを経ながら、特殊個体はおろか強化個体の一つも実装されずじまい
    • 挙げ句の果てに公式攻略本において「古竜種」と誤記される
    などなど諸々の要因により、プレイヤーからは何かと不遇扱いやネタにされがちなモンスターである。
    特に、設定資料集において大型古龍との直接対決で手傷を負って敗走し、
    その古龍の襲来を恐れ、大穴の生成を控えて地中に潜み続けていたという驚愕の事実が明かされた点については、
    ネタの域を超えて各方面に衝撃を与える結果となった。
    • 作中では(登場人物による推測で)曲がりなりにも引き分けと表現されていたこと、
      またメル・ゼナとの戦闘の詳細や長年に渡って潜伏していた理由も定かでなかったことから、
      メル・ゼナが一矢報いる形でガイアデルムを退けた、あるいはガイアデルムはメル・ゼナを利用する形で
      精気を蓄えるために敢えて潜伏していた黒幕であるといった好意的解釈もなされていた。
      そうした中で設定資料集によって明かされた実情が上記の通りだったことから、
      世間では完全に「キュリアに頼って身を潜めていた臆病者」との評価が確立してしまう形となっている。
      • 特にMHR:Sにおいては、アマツマガツチや(特殊個体とはいえ)百竜ノ淵源が
        乱入してきたメル・ゼナやドス古龍、奇しき赫耀のバルファルクを一蹴する、
        イブシマキヒコが大型古龍と縄張りを争える古龍級生物を逃げ惑わせるなど、
        超大型古龍の圧倒的な強さについての描写・設定がかなり直裁的になされており、
        メル・ゼナに撃退された挙句、満足にエネルギー補給もできない環境で
        隠れ潜み続けていたという本種の設定は非常に悪目立ちしやすい。
    • 補足するならば、超大型古龍に他の大型古龍(及び古龍級の力を持つモンスター)は全く抗えないか、
      というとそうとは言い切れず、一矢報いるケースもしばしば存在する*18
      しかし、設定資料集で明らかとなった事の顛末の蓋を開けてみれば、メル・ゼナがガイアデルムに
      一矢報いるなどというレベルの話ではなく、ほぼ明確な上下関係が存在していたことが判明したことで、
      ガイアデルムが超大型古龍の中でも不甲斐ない、という印象はもはや完全に浸透してしまった。
  • メル・ゼナにキュリアを奪われた点については、Ver.16における原初を刻むメル・ゼナの実装によって
    あちらはあちらでキュリアの影響を受けた通常種にはない強みを持っていた
    (=キュリアが一応ながら刺客としての役目を果たしていた*19)ことが明らかになっている。
    メル・ゼナがキュリアと共生してしまったために単純な弱体化を果たせなかったのは確かだが、
    少なくとも「刺客どころか完全に仇敵に利する結果となった」という見方に関しては誤りと言える。
    • ちなみに、原初を刻むメル・ゼナが出現した際の評価は「深淵の悪魔を超える最大級の危機」であり、
      大型古龍に対してまさかの格下認定までなされてしまうのかと危ぶまれた。
      ストーリー中の原初を刻むメル・ゼナが出現してから撃退までの期間においては
      原初を刻むメル・ゼナが「ガイアデルムを超える何らかの脅威を内包している」ものとして話が進むのだが、
      結論としては、件の評価は総督達が伝え残されていた御伽噺を誤って解釈していたためであり
      (プレイヤーに対するミスリードでもあったと言える)、空前の不名誉は免れた。
      • ……ように見えたのだが、その後の設定開示でガイアデルムはメル・ゼナに真正面から撃退され、
        キュリアと共生したかの古龍を恐れて地下に引き篭もり続けていたことが判明。
        実際のところは格下と評されても仕方のない状況であり、
        一応ミスリードではあったものの誤りとも言えないという微妙な状態となっている。
  • 実力については既述の通りだが、宿主に呼応して凶暴化したキュリアの危険性はMHR:S作中で示されており、
    その宿主たるガイアデルムも多大な危険性を有していたこと、
    実際にストーリー内で王国の存亡を脅かす脅威として扱われていたことは事実である。
    討伐することで(結果的に)別の禍根が拡大するという性質もなかなかに希少かつ悪質であり、
    そうした側面を含めた総合的な影響力についてはラスボス古龍らしい部分もあると言える。
    • また、キュリアの方が厄介な図体だけの木偶の坊などと言っても、
      その図体と生命力、フィジカルだけで十二分に危険なモンスターであることは言うまでもない。
      ストーリー内で撃龍槍を三度に渡って打ち込まれてなお動き回るタフネスのほか、
      超大型モンスター相応の体躯と翼脚で地面を掘り進むパワーは脅威となりうる。
      特にうっかり人口密集地に大穴を空けようものなら夥しい被害が出ることは想像に難くない。
      設定では大穴を空けるのは精気を得たキュリアを回収するためとされていることから、
      その生態が解明された現在であればキュリアの出現を大穴の予兆と推測できるが、
      以前は誰も気付かず避難もできないうちに突如として地盤陥没を起こしうる、
      予測困難な大災害を引き起こしかねない非常に危険なモンスターであったと言える。

考察

  • サンブレイクのストーリー冒頭、フィオレーネの口から
    「数百年前に王国の王都付近に『大穴』が現れた」のと同時にメル・ゼナの襲撃があり、
    王都が崩壊寸前に陥った…という旨の話を聞くことができる。
    そしてガイアデルムが地上に現れる理由は放ったキュリアによるエネルギーの獲得、
    要するに「間接的な捕食行動」であるというのは既に述べた通り。
    この事から、ガイアデルムが王都の近くに大穴を開けたのは
    人口の多さ=生き物の多さから、ガイアデルムに餌場として見なされてしまったという解釈もできなくはない。
    この推測が正しいならば、ガイアデルムは地底に居ながら地上の様子、
    特に生き物の気配などを察知するような特殊な能力を持っている可能性もある。
    • 一方で、ガイアデルムが「人類を狙って街を襲う化け物」かと言われれば、
      それは誤った解釈であると言い添えておきたい。
      ガイアデルムのエネルギー補給の仲介役であり、様々な生物から精気を吸うキュリアだが、
      どうやら「人間からは栄養を得ることができない」という生態が見立てられており、
      実際に50年前の事例では主に精気を持ち帰るどころか、人々の体内で成虫になる事すら出来ず死滅してしまっている。
      ガイアデルム達にしてみれば、「生き物の気配が豊かな所にキュリアを放ったが、
      ロクに精気を吸えないような生き物の巣(=人里)でアテが外れ、キュリアも大勢無駄死にした」という状態であり、
      何の利益にもなっていないのは明白である。
      城塞高地に一時引き起こされた惨状から見ても、彼らは「精気を奪う対象を取り立てて区別していない」事が窺え、
      少なくとも「ヒトという生物種を狙い定めて襲う意思はない」と見ていいだろう。
      尤も、その生態からまた人里へ誤キュリアする個体が出てきてもおかしくないが…
    • このように「動物が人間に対して意図的な攻撃性や害意を持っている」という解釈は
      野生動物の行動に人間の思考や感情を当てはめ擬人化する前提があり、
      生物観察のよくある錯誤として知られる。
      その点で、古龍が「彼らはただ生きているだけで強大な力を振るい、結果的に人里や周囲が破壊される」
      と認識されているハンター業界は、動物行動学的な理解がけっこうしっかりしているのである。
  • 本種の目には瞳孔が存在しておらず(=白目)、目のサイズそのものもかなり小さい。
    完全な円形状である点も含め、ガノトトスやヴォルガノスを始めとした魚竜種の目に近いと言える。
    ヴォルガノスは溶岩を潜航する生態から目が退化したという設定が存在しており、
    基本的に地底を潜航し続けているガイアデルムの目に関しても同様に退化している可能性が考えられる。
  • モンスターリストにおいてキュリアとは「強固な共生関係を築いている」とされ、
    バハリも「どちらにもメリットがある共生」と言っているものの、
    キュリアに精気を吸収させることで外敵を排除、ついでに持ち帰ってくるエネルギーを利用できると
    至れり尽くせりの待遇を受けるガイアデルムに対し、キュリア側にどういったメリットがあるかは明示されていない。
    ガイアデルムが集ったキュリアを大量に捕食する、つまり個体の命を奪う描写などを見る限り、
    キュリアの側には多少の犠牲も帳消しにできるほど種としての繁栄に役立つメリットがなければ
    共生関係は成り立たないはずではある。
    • ガイアデルムを討伐した瞬間に、結晶化したキュリアが蓄えられていた背中からは、大量のキュリアが飛び立っていく。
      このことから、ガイアデルムはキュリアを殺害していない可能性も考えられなくはない。
      捕食という表現は比喩的なもので、実際は吸引してキュリアを体内や背部に蓄積し、
      エネルギーを共有する形で自身のパワーにしている、という解釈も可能ではある。
    • 少なくない種類の動物が「決まった巣を持ち、そこに食料を貯蔵する」という習性を持つように、
      安心して休める拠点と、一時的に食料が取れなかった時のための蓄えは生存のために有利に働く。
      そう考えると超大型古龍の戦闘力と生命力を持つガイアデルムはまさに生ける要塞にして食糧庫であり、
      捕食による個体数の減少を差し引いてもキュリア全体の生存に十分なメリットがあるのだと考えられる。
      また、いくら宿主が強くても獲物となる他の生き物を追い散らしてしまっては都合が悪い。
      目立たない地中から接近・干渉できるガイアデルムであればそのジレンマもかなり解消でき、
      キュリアにとっては都合の良い宿主なのかもしれない。
    • メル・ゼナ討伐後にキュリアを観察していたバハリをはじめとする調査隊員は
      「宿主を討伐したことで生命力の供給を絶たれたキュリアはそのうち壊滅する」と予測しており、
      実際に真の宿主ガイアデルムが討伐された際には、キュリアの多くが短時間のうちに死亡している。
      キュリアは自分で吸い取った「精気」をそのままでは利用できず、
      いちど宿主に渡して何か別の「生命力」に変換し再び供給してもらわないと
      いずれ力尽きてしまう生物と推測できる特徴が観察されていたようだ。
      ガイアデルム出現前に各地に出没していたキュリアは
      他の生物から精気を吸い取ることで自力で生き長らえているため、
      吸った精気をまったく利用できない訳ではないようだが 
      宿主からの供給を受けられずにいると命に関わるほどに効率が悪いか、
      長期的に必要な栄養素が欠乏したりするのかもしれない。
      この効率の悪さをある程度克服したのが傀異化を引き起こすまでに進化したキュリアだとすれば、全体的な辻褄は合う。
      • 自分で獲ったものを栄養素として利用できないという生態は一見すると遠回りで意味不明だが、
        一般に草食と言われる動物の多くはそのような生態を持つ。
        身近な所だとウシやウマが代表例だが、彼らは自力で植物セルロースを消化できず
        大量に食べた植物を消化管に共生している微生物に分解してもらうことで
        身体作りや生きていくのに必要なタンパク質などの栄養素を得ている。
        昆虫だと、アブラムシとその体内にしかいないブフネラという微生物が、
        強固な相利共生を前提にした栄養体系を作っているのが知られている。
        他生物との共生ではないが、スズメバチの成虫は
        餌となる昆虫を狩る力や噛み砕ける硬い顎まで持ちつつ、
        胴体の関節が細すぎて固形物を飲み込むことができないため
        いくら獲物を狩っても自分で食べることなく、巣に持ち帰って幼虫の餌にする。
        そして餌で育てた幼虫の分泌液を食べることで、蜜や花粉だけでは不足する栄養分を補っている。
        これは「自分が食べられないものを狩り集め、本拠地で変換・再供給してもらう」生態の実例だと言える。
      • また、他生物と共生関係を築いているものの中には、自分が与える栄養しか利用できなくさせる事で、
        自身に依存させて離れられなくするという戦略を採るものが存在する。
        代表的なのが、アリと共生関係を結ぶアリアカシアという中央アメリカの植物で、
        このアリアカシアは、共生するアリに自身の身を守ってもらっており、
        その対価として栄養豊富な食料とトゲの中の空洞という棲家を提供している。
        しかし、アリアカシアは同時にこのアリに与えているエサの樹液に細工をしており、
        アリが糖を分解する為に必要な酵素を不活化させる物質と、糖分解酵素の双方を含ませている。
        そして、一度でもこれを摂取したアリは、それ以降二度と自分では糖を分解できなくなり、
        分解酵素を含むアリアカシアの分泌する蜜以外の糖分を食料にできなくなってしまうのである。
        翻ってキュリアの例を見ると、生命維持をガイアデルムに強固に依存していたはずのキュリアの中から、
        自力で生きることが出来る者達が突然相当数発生しているというのはかなり不自然な事であり、
        ガイアデルムによってキュリア達が何らかの形で「首輪を付けられていた」可能性も否定できないだろう。
        もっとも、与えられるエネルギーに依存しきっているのはガイアデルムも同じであり、
        傀異克服古龍のようにキュリアと後天的に共生した古龍が短期間で現れている事を考えると、
        むしろキュリア達側から働きかけてガイアデルムの体質を変化させ、依存させていたとも考えられる。
    • かつて王国を襲い人々に疫病を蔓延させた時には、
      原因となるキュリアの幼生だけが活動し、そこから蝶型の成体になったものは観察されなかった。
      薬師のタドリは「キュリアは人間を栄養にできないのだろう」と推測しているほか、
      モンスターに感染したあと羽化したキュリアも見られなかったということは、
      上述のように安定した生存に必要な、あるいは幼体から羽化するのに必要な
      成分や環境を宿主となる生物に依存しているのかもしれない。
      • ガイアデルム側のキュリアへの依存度もかなり高く、
        こうした仮定のような「共生に特化した適応」は、
        細胞レベルから高等生物まで現実の生き物にも見られる。
        キュリアが長い年月をかけてガイアデルム種のペアに専門化していた共生生物なのか、
        メル・ゼナの例のように他の生物にも鞍替えしながら生き延びて来たのかは謎である。
  • キュリアとの共生が本種固有の特徴ではないのはメル・ゼナや傀異克服古龍が示した通りだが、
    共生関係を結ぶことで元来にはなかった能力を獲得したメル・ゼナの例から
    ガイアデルムもまた後天的ないし今代に近い世代で共生能力を獲得した可能性が指摘される。
    特に後者の場合、キュリアとエネルギー攻撃が密接に結びついたゲーム中の描写から、
    共生前の本種の祖先はそのようなエネルギーに関わる能力を持たない古龍だった考察が成立する。
    この辺りはガイアデルムとキュリアがどのような進化を辿ってきたかにもよるだろう。
    • 仮に元々現代と同じ能力を持っていたキュリアが共生に適した生物としてガイアデルムの祖先を選んだだけならば、
      本種の性質はキュリアの宿主(保有者)となった生物が長年の進化なり変異なりを経て獲得する普遍的なものに過ぎず、
      ガイアデルムという種は本質的に特殊能力を持たない古龍であると考えることができる。
      • 例としてキュリアと共生を果たしたとされる通常種のメル・ゼナは、
        共生後に元々は保有していなかったキュリアのエネルギーと思しい血爵波動系の攻撃および
        キュリアを介して精気を吸い取る形でのエネルギー補給能力を獲得している。
        ごく短い期間で形成された後天的共生でありながらこれだけの類似が見られるとなると、
        長年に渡ってキュリアと共生しそれに適した進化を遂げていった生物であれば、
        ガイアデルムのように多量のキュリアを保有できるようになる可能性は十分考えられる。
      一方、本種とキュリアがペアとして進化してきた中で現在のエネルギーシステムを開花させたならば
      二者は半ば一体化した存在と考えられ、分けて考える意味は薄い*20と言える。
      • 身近な例でいうと、我々の体細胞内に存在するミトコンドリアは元々別の生命体だったと言われている。
        酸素と養分を元にエネルギーを生み出すことができる好気性細菌があるとき我々の祖先の細胞に取り込まれ、
        互いに必要なものを供給しあう共生関係の末に細胞の一部と化したものがミトコンドリアと言われているのだ。
        本種や草食動物の例とは供給の順序が逆であるが、別種でありながら事実上一体化した生き物の実例と言える。
      キュリアが吸収・利用する精気エネルギーについては謎が多いが、
      本種の影響によりそうしたエネルギーを利用できる形で進化した可能性もないとはいえず*21
      この場合本種は言わば特殊能力の発生器官を体内ではなく体外に置いた古龍と解釈できる。
      または他種がキュリアと共生し、そのエネルギーを様々な形で利用するという行為が可能となったのは
      宿主としてキュリアとエネルギーを共有する関係を築いてきたガイアデルムの生態の賜物であるとの解釈も可能であり、
      仮にそうした経緯があるとすれば「キュリアとの共生関係の積み重ね」それ自体が本種の特殊能力と理解できよう。
      これらの結果としてキュリアは本種なしで生存可能になり、
      また他の古龍から奪われ得る能力になってしまったとしたら皮肉な話であるが……。
      再三触れた通りキュリアとの関係はまだまだ未解明の部分も多く、公式からの情報開示が待たれるところである。
  • 他の生物と共生関係を持つ古龍と言うと、
    微生物や藻類を体表に共生させ、光合成で作り出される酸素を利用する大海龍ナバルデウスや、
    背中には植物を生やし、体内には大雷光虫が住み着く浮岳龍ヤマツカミなどの前例がある。
    共生している生物の方も他では見られない珍しい種だったり、
    古龍の影響を受けて異常成長していたりはするが、既存の分類で対応できるレベルではあるため、
    「普通の生き物」と古龍が密接な共生関係を作ることは、さほど変わった現象ではないようだ。
  • また使役する生物の規模や影響こそ異なるが、非常に似通った生態を持つ古龍種がいる。
    瘴気と呼ばれる肉食性の微生物群を体内に保有、使役し、
    瘴気を使って獲物から生体エネルギーを奪い取る屍套龍ヴァルハザクである。
    瘴気に侵蝕された生物が凶暴化、短命化するだけではなく、生態行動にまで影響を及ぼす点も似通っている。
    • その一方で方や死骸を分解して新大陸にエネルギーを還元する役割を持つ瘴気の谷に君臨し、
      瘴気の量を調整する事で瘴気の谷、ないし新大陸全体の生態系バランスを保っているヴァルハザク
      方や地中から他の生物の縄張りへ侵攻し、無差別にキュリアを放ってその地のあらゆる生物からエネルギーを奪い取り、
      その地を生物の気配すら感じさせない死地へと変えてしまうガイアデルム
      「生物を使役する」という同じ生態を持ちながらも、生物としての性質はもはや真逆と言えるだろう。
  • 口や腕・背びれの形、下半身に見られる退化した後脚は前作のイブシマキヒコナルハタタヒメと良く似ている。
    また、堕翼爪のフレーバーテキストでは、本種の祖先は元々空を飛んでいた可能性が示唆されているため、
    風神龍や雷神龍と何かしらの関係があるのではないかとも想像するプレイヤーも存在する。
    • ただし、両者はマガラ骨格と海竜種骨格であるため、生物種的に特に近縁であるという事はないと思われる。
      また「天を駆けた(空を飛んだ)面影」について触れられているのは翼脚(翼腕)の説明文であり、
      風袋や雷袋で浮遊する風神雷神夫妻との関連を示しているとは考えにくいだろう。
  • 作中登場した原初を刻むメル・ゼナがキュリアを排除しようとする意思を見せていたことから、
    かつてガイアデルムと縄張りを争って衝突した際もそうした生態行動を取り、
    キュリアを駆除してガイアデルムのエネルギー供給を妨害した可能性を指摘する声もある。
    • 当然、メル・ゼナがキュリアとガイアデルムの関係性を認識していたかは定かではなく、
      原初を刻むメル・ゼナのキュリア処理能力についても不明瞭な部分はあるものの*22
      古龍の襲撃など不測の事態でキュリアが大きく減った場合、
      そのエネルギーに依存するガイアデルムにとっては由々しい問題となるのは間違いない。
    • ただ、作中の時間軸で原初を刻むメル・ゼナがキュリアに反応したのは
      宿主を失ったことで変異したキュリアが拡大し、傀異化モンスターが出現し続ける現状を厭ったためとされる。
      傀異化モンスターが跋扈していなかった過去時点とは些か状況が異なっており、
      かつての縄張り争いに際してメル・ゼナがキュリアの駆逐を試みたかは不明である。
  • 食性不明な者も多い古龍種の中ではエネルギー源がはっきりしているタイプ*23である。
    実際ゲーム中におけるガイアデルムはキュリアによるエネルギー供給に比例してブレス攻撃などの
    エネルギー系攻撃を大規模化させていく傾向にあるが、これらの能力が完全にキュリアに紐づいたものなのかは不明。
    • まず、ブレスを生成する器官を有しているなら普通に単独でエネルギー攻撃を行えるという考察がある。
      この場合、キュリアは効率がいいエネルギー源というだけで、キュリアの捕食とブレス攻撃が紐づいて見えるのは
      (特定の条件でしかブレスを使わない一部モンスターや追い込まれることで能力を解禁していく多くのモンスターと同様に)
      生物に普遍的な省エネルギー戦略であり、エネルギーがあり余っていないとブレスを使いたがらないものと解釈できる。
    • 一方、初登場時のムービーで決戦型狩猟船と対決した際はエネルギーを用いず投石による攻撃を試みていること、
      ブレスを用いる描写があるのは背部にキュリアエネルギーに由来する冥塊が形成されて以降*24であることから、
      キュリアの精気を取り込んでいない段階ではエネルギーを用いた攻撃はできないという考察がある。
      図鑑においては「キュリアが持ち帰る生物の精気を体内に取り込むことでエネルギーとしている」旨が記されており、
      キュリアとの共生および精気のエネルギー利用に特化した進化を遂げていると推測される*25以上、
      糧となる精気なしではエネルギー系攻撃を使用できないとしても不思議ではない。
    • これらの中間的な解釈として、雷光虫を使役して発電能力を補うジンオウガのように
      単独でも冥流エネルギーを生成することは可能だが、攻撃に使用可能な程ではないという考察がある。
      この場合、キュリアが持ち帰る精気をエネルギーに変換することで出力を高め、
      クエストで披露するような強力なブレス系攻撃などを使用できるようになると考えられる。
  • ストーリーでは「メル・ゼナを倒したことがガイアデルムを引き寄せた」とされているが、
    作中の個体にインタビューできるわけではないため該当個体がメル・ゼナをどのように認識し、
    メル・ゼナが狩猟されなかった場合どうしていたかは不明。
    誰かと共鳴していてくれれば……
    • まず、過去に最低でも2回縄張り争いを起こしていることから、該当個体はメル・ゼナを
      追い払えないことはない」「危険は少ない(いつでも戦いをやめて帰還できる)」と認識しており、
      そのために何度も侵攻を試みていたという考察ができる。この場合、作中でメル・ゼナが倒されなくても
      数十年~数百年以内にはまた縄張り争いを起こしていたと推測できる。
      • メル・ゼナの死を察知できるほど近くにいたとすれば、
        ガイアデルムは既に王域に接近しており開戦のタイミングをうかがっている段階だったとも考察できる。
        ストーリー中で「王域生物の浸出はメル・ゼナが振りまいたキュリアのせいだった」と判明するが、
        それが作中の時代になって起こり始めた一因が
        「ガイアデルムの接近にメル・ゼナやキュリアが反応していたため」という可能性もある。
    • 別の観点から見ると、返り討ちとはいかないまでも複数回に渡って追い払われた経緯、
      そして50年前の縄張り争いにおいて退却寸前にキュリアを差し向けたことから、
      該当個体は「このままでは何度やっても勝てない」と判断したために搦手に出たという考察ができる。
      この場合、弱体化が失敗した*26以上ガイアデルムは勝つ手段が無いと判断し、
      メル・ゼナが健在である限り王域に近寄ることはなかったと推測できる*27
      • 過去に複数回の縄張り争いを仕掛けるほど城塞高地に執着していた経緯から、
        ガイアデルムが退却以降も王域周辺の様子を窺っていた可能性は否定できない。
        メル・ゼナの死は仮の宿主を失ったキュリアの反応からそれと知れるはずであり、
        仇敵が消えたことを察知したガイアデルムが急速に進出してきたのも理に適う。
  • 上記の点に限らず作中ではガイアデルムとメル・ゼナが直接激突する機会が無く、
    過去の伝聞でしかその様子をうかがい知ることができない。
    ガイアデルム自体の強さが変動しうる点、
    メル・ゼナも現在の個体と原初個体の強さ関係が不透明な点、
    どんな経緯でもガイアデルムが帰りさえすれば「追い払った」ことになる点など
    過去の縄張り争いの様子は非常に不確定要素が多く、プレイヤーの取りうる想像は幅広いものになっている。
    • まず、普通に考えれば侵略者の撃退=防衛側の勝利であり、
      現に城塞高地周辺はメル・ゼナの縄張りであり続けていることから
      メル・ゼナがガイアデルムとの戦いで優勢を取り、力ずくで追い帰したという想像ができる。
      一方でバハリが「決着がつかず、それぞれ地中と空へ帰った」と述べていることから
      ガイアデルムとメル・ゼナはお互い決定打に欠き、疲弊して戦いを続けられなくなったため
      双方しぶしぶその場を後にしたという想像もできる。
      更に言えば、縄張り防衛という成果を相殺する程度に「メル・ゼナが勝ったと表現するのは憚られるような
      何らかの事実や被害があった」という解釈から、直接戦闘ではガイアデルムが優勢だったものの
      メル・ゼナが自領地への執着で粘ってガイアデルムを根負けさせたという想像もできる。
    • あるいは単にバハリがメル・ゼナとガイアデルムをそれぞれ観察した結果
      「両者の力は互角」と判断し、「メル・ゼナに負けた相手だと思って油断するな」という
      意図を込めて引き分けと称したとも考えられる。
    繰り返すが両者の縄張り争いは想像に任された部分が大きいため、
    強さ議論はみんな大好きなのもあって上記に限らず様々な想像・解釈がある。
    資料集での情報開示が期待されるところである。
    そして9月29日、設定資料集によってこの考察に回答が示されることになった…

裏設定

  • 上記の通り生態、キュリアやメル・ゼナとの関係について多くの話題が噴出したガイアデルムだが、
    公式設定資料集の発売によってようやくその大部分に公式から明確な回答がなされることとなった。
  • まず、キュリアとの共生関係についてはガイアデルムとキュリアが共存進化で得たものではない。
    キュリアが生きるためにはエネルギーを溜め込み、次のキュリアを生み育むための宿主が必要となる。
    そのために最適であったのが、キュリアのウイルスに対して高い耐性を持つ古龍のガイアデルム(とメル・ゼナ)であり、
    特に本種はキュリアと親和性の高い生物として最大の共生関係を築くに至ったという。
    なお、ガイアデルムはキュリアにとって最適の宿主であったものの不可分の存在ではなく、
    同じく適合する(エネルギーの蓄積と循環を達成する)宿主を得られれば、
    本種討伐後もキュリアの営みは継続していく可能性があることが示唆されている。
    • 他の生物とは一線を画する力に由来する高いウイルス耐性を持ち、キュリアと共生関係を築きうるのは他の古龍も同じだが*28
      裏設定によれば古龍に寄生を試みたキュリアは、古龍の強靭な肉体と覇気に阻まれ容易には侵食を許されず、
      大半は体外に放り出され落命するか、あるいは体内で消化されてしまい精気を吸収される*29
      こうした経緯をガイアデルムやメル・ゼナが経たのかは不明だが、他の古龍もキュリアとの共生関係を築けることが判明している。*30
      そのようにガイアデルムやメル・ゼナと同様、キュリアとの共生関係となった傀異克服古龍であっても、
      彼らのようなキュリアの永続的な繁栄に貢献する程の親和性は無いのかもしれない。
  • 討伐と調査に伴って明らかになったという大穴の発生メカニズムも詳述された。
    ガイアデルムは普段はキュリアと共に地中の棲家で暮らしているが、
    エネルギーが必要になると地下の棲家をすり鉢状に拡大し、
    地中から地上への細い空気穴を作り、その穴からキュリアを放出する。
    そして地上でキュリアが精気を得ると、一斉に帰巣するキュリアを迎えるために活動を再開、
    地上に向けて穴を掘り進める過程で地盤が崩落し、大穴が形成される。
    つまり、ガイアデルムが大穴を形成するのは養分を蓄え帰巣するキュリアを地上へ赴き迎えるためらしい。
  • 裏設定によれば、ガイアデルムが発揮する「冥流奔騰状態」は強化形態の一種ではなく、
    宿主としての許容量を超えたキュリアを吸収したことで陥った暴走形態である。
    具体的には身に纏う結晶化したキュリアの鎧を剥がされ、窮地に陥ったガイアデルムが
    大量のキュリアを吸引したことで全身にエネルギーが巡り、暴走した状態とのこと。
    キュリアの精気を吸収することで無尽蔵にパワーアップできるわけではなく、
    宿主であるガイアデルム自身にもある種の限界が存在することが示唆された形にもなった。
    • ちなみにこの形態は自身がキュリアと化したかのような状態と紹介されており、
      キュリアに蝕まれ暴走する原初を刻むメル・ゼナに近いと言えるかもしれない。
  • メル・ゼナとの戦いについては、ガイアデルム側の敗北であった。
    数百年前に地上へ侵攻したガイアデルムは、縄張りの異変を察知したメル・ゼナと激突、
    その戦いで傷を負わされて穴の中に戻り、地上侵攻を阻止されたとされている。
    その後はメル・ゼナを恐れて地中に潜み続け、大穴を開けることを忌避して
    細い空気穴から僅かなキュリアを地上に放ちながら細々とエネルギーを吸収、傷を癒していた。
    • 対するメル・ゼナについては消耗したり傷を負ったといった設定は記載されておらず、
      放たれたキュリアに侵食されながらも耐性でガイアデルムと同じような共生関係を築くに至っている。
      キュリアとの共生で性質が変化し新たな能力を獲得したことを踏まえても、
      結果としてガイアデルムはキュリアで一矢を報いることもできず敗走した形と言える。
    そして50年前、メル・ゼナのいない大陸側に移動してキュリアを解放、エルガド付近に大穴を引き起こす。
    だがこの際に開けた大穴は海水の流入が大きかったことから放棄せざるを得ず、
    早急に地中に戻ったことでガイアデルムの姿を目撃した者はいなかった。
    その後は城塞高地に移動し、地中に隠れ潜んで回復を待ち続け、現在に至る。
    そしてメル・ゼナが討伐されるとそれを感知して満を辞して地上に進出、
    その後は物語の通り……というのがガイアデルムとメル・ゼナを巡る事態の真相である。
    • 近年になってキュリアの侵食が進み、メル・ゼナがモンスターの精気を積極的に啜るようになったことで
      メル・ゼナと共生したキュリアは大量の精気を獲得していた。
      このうち一部の個体群は城塞高地の寺院跡を地上の巣として集結・苗床となるなど特異な行動を見せ、
      ガイアデルムの元へも一部個体が帰巣を繰り返したことで本種も回復を早めていたらしい。
    • 作中でフィオレーネから浴びせられた「キュリアに頼って身を潜めていた臆病者」という罵倒は
      ある種ガイアデルムを象徴する台詞として色々な意味で有名になったが、
      裏設定で語られたガイアデルムの行動を見ると、その評は皮肉にも的確だったと言える。
  • 大型古龍に一方的に傷を負わされ敗走したという経緯、
    その大型古龍を恐れて大穴を開けることなく細々と栄養補給を行う、
    わざわざ縄張りの範囲外にまで脚を伸ばして大穴を開けるも海水の流入で撤退、
    更に数百年以上もの長きに渡って負わされた傷の回復に専念するなど、
    ラスボスとしても超大型古龍としても類を見ない内容が目白押しであり、
    比較的好意的な考察をもって迎えていたファンに色々な意味で衝撃を与える設定開示となった。
    キュリアによって戦闘力が変動するというガイアデルム固有の特性についても、
    許容量を超えたエネルギーを取り込むと暴走に陥るという設定から微妙にフォローになっていない。

モチーフについて

  • モチーフやモンスター名の由来についてはプレイヤー側から複数の推測が出されているものの、
    今のところ公式な発表はない。
    前半部分がギリシャ神話における大地の女神『ガイア(Gaia)』に由来している事は間違いないだろうが、
    後半の『デルム』に関しては多くの説が混在しており、ファンの間でも議論が絶えない。
    • まずはドイツ語で「土」「土壌」を表す単語『エーアデ(Erde)』に、
      北欧神話における地獄・冥界の番犬『ガルム(Garm)』を合わせたものとする説。
      「冥」淵龍という別名を冥界の番犬に関連付ける推測もある。
    • 前半と同じくギリシア語で「皮」を意味する「δέρμα」由来の英語である「derm」とする説。
      dermは表皮の下に存在する真皮や内皮を表しており、
      前半とつなげて「大地(表皮)の下にある存在」と解釈できなくもない。
    • 花弁のような顎の形から『パフィオペデルム(Paphiopedilum)』など、
      末尾がデルムやドラムになる洋蘭の名前に由来するという説*31
      ガイアデルムの頭はヤギを連想させ、正面から見ると悪魔の象徴である逆五芒星のシルエットにも見えるが、
      下記のモチーフの項にもある通り、口を開くと洋蘭の花とも取れる形になっていることから。
    • スペイン*32語で「山の・山から」を意味する「Del Monte*33」からデルモ→デルムとした説。
    • 深淵の悪魔という異名から、悪魔を意味する英語の「demon」をもじってデーモン→デーム→デルムではないかという説。
  • ガイアデルムが古龍として司る自然現象および災害のモチーフは、
    地下から大穴を開けて城跡を崩壊させる描写などから「地盤陥没」であると思われる。
    地盤陥没とは、地中深くが何らかの影響で空洞化、その後侵食などにより天井部分が順次崩落していき、
    最終的に大地表層部が陥没して地上に巨大な穴が発生する現象を指す。
    地中深くに棲息し、地上まで続く穴を掘り進めることで地表に大穴を開ける本種は、
    まさしく生きた地盤陥没の発生源と言える存在である。
    • 大穴の下層に落下した後に披露する形態変化で灼熱の炎と見紛うエネルギーを噴出する様から、
      第二形態以降は地中深くに存在するマグマがモチーフとなっている可能性もある。
      地下深所で発生したマグマが蓄積される場所をマグマ溜まりと呼ぶが、
      マグマの移動によって空洞になったマグマ溜まりに落ち込む形で地表が陥没する*34ケースがあり、
      地下マグマに由来するこういった現象も地盤陥没に絡めて表現されているのかもしれない。
    • また、前述した真皮を表す「デルマ(derma)」が名前の由来であるとした場合は、
      大地の表皮(地殻)の下に存在するマントルをイメージしているとも考えられる。
  • MHRiseおよびMHR:Sで追加された新モンスターは、
    何らかの妖怪、あるいは怪物のモチーフがかなり分かりやすくデザインされているが、
    このモンスターに限っては明確なモチーフを掴みづらい造形で、元ネタも「これだ」と断言できるものはない。
    • 「深淵の悪魔」という異名を持ち、また飛行能力が退化して地底性になった事が示唆される点などから、
      悪魔の中でも特に『天から追われた堕天使』をイメージしたのではとの推測もある。
      前述した「翼爪」の「かつて天を駆けた~」という言い回しもイメージと合致する。
    • 『深淵』の異名や奈落といったフレーバーテキストから、
      『ヨハネの黙示録』に登場する悪魔ともされる堕天使アバドンが持ち出されることも。
      アバドンは深淵に住む奈落の主であり、その姿は「馬に似て、金の冠をかぶり、翼と蠍の尾を持つ」とされると共に、
      無数のバッタを従え、蝗害*35を引き起こすとされる。(こちらも参照)
      生物の精気を吸い尽くすキュリアと、植物を食らい尽くすバッタの群れの類似もアバドンモチーフ説の根拠とされる。
    • キリスト教における奈落(地獄)の穴とは、かつて最高位の天使ながら神を裏切り戦いを挑んだ堕天使ルシファーが、
      他の天使達との戦争に敗けて地上に墜落した際にできた裂け目であり、その位置は聖地エルサレムの直下とされている。
      そしてこのルシファーこそが悪の化身*36サタンであると解釈されている。
      また、ルシファーはアバドンと同一視される場合があり、
      イザヤ書14章11節*37でのルシファーは冥府の下で蛆や虫けらに被われると記されている。
      この場合の「虫けら」は英訳では"worms"であり、
      手足のない芋虫状の胴体を持つキュリアと関連付けているのだと空想する人もいる。
      元々ルシファーという言葉は『明けの明星』を意味するラテン語が基になっており、
      同書14章12節においても「黎明の子」と呼ばれている。
      サンブレイクという言葉も英語で夜明けを意味し、ガイアデルムが後述する太陽の要素を持つことも、
      このモチーフ説に関連付けられやすい。
      • また、アバドンは『黒い太陽』の異名を持つ神アルシエルと同一視されることもある。
        後述するようにガイアデルムは太陽と関連付けられるような要素が多く、
        そのものズバリ『漆黒の太陽』とも呼ばれている。
        アルシエルは元々「アシーエル」という天使であったとも言われており、
        そういう点でも、翼が退化して飛行能力を失った生物であり、
        メル・ゼナと争い地底に身を潜めたガイアデルムとの関連性があるのではと主張される。
      • アルシエルという神格に関する記述はアトラスの『真・女神転生3』が出典とされており、
        更にその元ネタとされるバーバラ・ウォーカー著
        『神話・伝承事典』に記載されたアルシエルについての記述も、
        情報の信憑性がいまいち不明瞭ということで、本当に古典の神話伝承かどうかは疑われている。
        とはいえ、長期シリーズ作品の女神転生に登場する程度には知名度がある存在とも言えるわけで
        ゲーム界隈ならモチーフとして引っ張ってきた可能性もあるだろう。
    • 名称の由来になったと思われる女神『ガイア』は地母神である一方、高慢な主神らを懲らしめるために
      自ら巨人ギガスの群れや台風の化身たる怪物テュポンを産み、神々に差し向けたという。
      偶然か必然か、カムラの里で主人公が立ち向かったのも
      大勢のモンスターによる襲撃と、風を司る古龍であった。
    • 登場ムービーにおいてガイアデルムを指した深きものという言い回しは、
      作家ラヴクラフトの創作した『クトゥルー神話』に類似の表現がある。
      原文では「DeepOnes(深きものども)」という複数形で、
      いわゆる半魚人種族であり、やはり巨大な半魚人の「ダゴン」を崇めている。
      クトゥルー神話には他にも地底、あるいは深海底に潜む怪異や神格が多く、
      そういった『深みに居る邪神』のイメージも取り入れられている可能性がある。
    • ガパッと開く口は「サーカスティック・フリンジヘッド」という魚が威嚇の際に口を展開した形相にも似ており、
      水棲生物もモチーフなのではと推測されている。
  • 前述した「(地面に穿たれた)漆黒の太陽」という異名のほか、
    キュリア捕食後の大技を繰り出す際に太陽を写した際に発生するレンズフレアを思わせる演出が存在したり、
    結晶塊を降り注がせる攻撃では打ち上げた球形のエネルギーが皆既日食のようなビジュアルであったり、
    第三形態で周囲にばら撒くエネルギー球もこれまた超小型の太陽を思わせるものであったりと、
    本種には「太陽」をイメージさせる要素が随所に見られる。
    他にも、ガイアデルムにより作られた大穴が太陽に準えて「サン」と呼ばれていたりするなど直球なものもある。
    作中で敵対していたメル・ゼナのモチーフは吸血鬼であり、
    その吸血鬼の弱点として最もメジャーな存在の一つが太陽の光、というのも有名な話である。
    そしてガイアデルムの討伐後に空から日光が射す演出が入ることで、
    本作タイトルである「サンブレイク」を二つの意味で回収する、といった具合にもなっている*38
    • ただ、当のガイアデルム自身に太陽を思わせるデザインはなく、
      キュリアのエネルギーも別に熱や炎といった性質を有するわけではないため*39
      実のところは単に繰り出す技のビジュアルがそれっぽいだけである。
      また、登場人物が「地面に空いた大穴」をわざわざ太陽に準えている点については
      「太陽が落ちたようにも見えるから(意訳)」との説明があるのみで、
      吸血鬼のイメージを託されたメル・ゼナも別段本種を天敵としているわけではない*40
      太陽のモチーフはあくまでメル・ゼナとの対立関係を強調するためのものなのだろう。
    • しかし、付き従うキュリアをウイルスモチーフと仮定すると、太陽というモチーフにはまた違った一面が見えてくる。
    • サンブレイクの一連のストーリーが百竜夜行解決後の話であるという点を踏まえると、
      これらの太陽を思わせる演出は「空亡」を意識したものなのかもしれない。
  • 蝶のような姿*41をしたキュリアに対し、本種は花弁のように開く口を持つ。
    ガイアデルムが広げた大口にキュリアが集っていく光景は、現実世界で花に蝶が集まる様子を思わせなくもない。
    ガイアデルムとキュリアの関係性は花と昆虫のそれとは大きく異なるが、デザインモチーフとなった可能性はある。

素材

奈落の龍鱗
深淵の主たるガイアデルムの鱗。
仄かな蒼き輝きは、幾ら欲せど届かぬ遼遠の境地の美しさ。
冥淵龍の背巌殻
深淵の主たるガイアデルムの背殻。
楔の如く猛々しく立ち並び、燃え滾る煉獄の形相を見せる。
冥淵龍の堕翼爪
深淵の主たるガイアデルムの翼爪。
世に終焉を告げる翼脚には、かつて天を駆けた面影はない。
冥淵龍の穿淵爪
深淵の主たるガイアデルムの爪。
幾重にも連なる荊の如き爪は、終わりなき苦痛を与える。
冥淵龍の邪角
深淵の主たるガイアデルムの角。
放つ憤怒の灼炎は天壌無窮、触れるもの全てを灰燼に帰す。
冥淵龍の昏鉤尾
深淵の主たるガイアデルムの尻尾。
備えし五つの巨棘は掌の如く一撃にて全ての希望を滅する。
消尽の噛生虫
ガイアデルムへ寄る者の全てを吸い尽くさんとする獰猛なキュリア。
その鋭利な牙は厚鱗をも貫く。
奈落の龍神玉
深淵の主たるガイアデルムの玉石。
淡い冥府の光に魅入った者を、引きずり込み常闇に幽閉する。
  • Ver.15では攻撃珠IIの作成に奈落の龍神玉が必要なため、濃龍血を入手した数多のハンターが
    こぞってラスボスの屍の山を築き上げたとか。

関連項目

シリーズ/モンスターハンターライズ:サンブレイク - 該当作のラスボス
フィールド/淵劫の奈落
武器/ガイアデルム武器
防具/冥淵纏鎧シリーズ
世界観/共生 - キュリアと共生関係にある。
世界観/キュリア
ゲーム用語/ラスボス
システム/傀異化 - 本種の討伐が引き金となって発生した現象。
フィールド/撃龍槍 - 何かと縁が深い兵器。
BGM/ガイアデルム戦闘BGM

モンスター関連

モンスター/メル・ゼナ - 宿敵。
モンスター/原初を刻むメル・ゼナ - メル・ゼナの特殊個体にして本来の姿。そして、地上へ侵攻した際に縄張り争いを繰り広げた相手。
モンスター/アカムトルム - 翼がなく歩行に特化した脚と、先端に鉤爪がある巨大な尻尾を持つ。
モンスター/ヤマツカミ - 古龍種でありながら特殊な能力を持っていないが、体内に特定の生物に適した環境が整っている古龍繋がり。
モンスター/ゴグマジオス - マガラ骨格の超大型古龍で、本種と同じく6本の脚を持つ。しかしこちらの翼は健在であり、
同時に高い飛翔能力を有する。

モンスター/アルトゥーラ - 大陸に大穴を開け、種類は違えど生物を凶暴化させる赤い光を放つ古龍種。
どちらも物語のラスボスを務める。


*1 このタイプのモンスターの全長は最大まで身体を伸ばした状態で計測されており、細長い体躯も相まって全体的なスケールはコンパクトになりがちである。
*2 ただし起こした上体を支えるだけの力はある模様
*3 ちなみにキュリア集結クリア後のムービーで大穴から出てきたガイアデルムは、地底から出たばかりであったためか背中に結晶体が存在しない。地底で蓄えた上で対峙したのであろう。
*4 メル・ゼナは元々敵対していたキュリアを手懐けることに成功し、更にガイアデルムが扱わないキュリアのウイルスを武器へと転用していたり、傀異克服古龍は元々の能力を損なうことなくキュリアの力を上乗せできているなど各々の独自色があり、ガイアデルムが単純な完全上位互換というわけではない。また、正確に言えば傀異克服古龍と共生しているのは宿主を失ったことで変異・進化したキュリアであり、性質が異なる可能性もあるため単純比較はできない。
*5 ガイアデルム出現後もキュリアと共生を続けているメル・ゼナが確認されているため、宿主が健在であればキュリアの帰巣本能は働かないものと思われる。
*6 討伐後にガイアデルムから多数のキュリアが離れていく描写があるため、体内に入ることにより死亡しているのかは不明。
*7 キュリアが他の生物と共生を果たした例はそれまでに確認されていなかった。進化型キュリアは生物によらず寄生(大型古龍の場合は共生に至る)を行う性質が確認されているが、これは宿主であるガイアデルムの死後変質獲得した性質である。
*8 設定資料集より。
*9 傀異克服古龍に至っては、キュリアを扱う様子を見せることもない。
*10 一部の攻撃で放つエネルギー球は接触すると爆破やられになる
*11 しかも通常の状態で使ってくる時よりも範囲がやや広く、大岩のすぐ前くらいまで届く
*12 プレイヤー4人+フィオレーネの使用する分
*13 ただし、瘴龍ブレスはこの威力で多段ヒットする
*14 初登場作品に限って見ると、MHP2Gのウカムルバスも強化個体が実装されなかった。とはいえこれは十数年前の話であり、MH3以上完全に通例となっていた中で強化個体が存在しないラスボスはかなり異例と言える。
*15 ガイアデルムが古龍としての超常的な回復能力を有していたかは不明だが、少なくともキュリアを介したエネルギー補給で傷が癒えるまでに数百年もの年月を要している。
*16 仮に生存していればキュリアは宿主の下に留まるはずである。
*17 ラスボスは地方、大陸規模の被害をもたらすケースもあり、登場人物からは畏敬の念以前に即時対処が必要な脅威と認識されるのが通例ではある。
*18 乱入したドス古龍やマガイマガドが百竜ノ淵源にダメージを与えている。ヌシ・ジンオウガがアマツマガツチを相手に空中での格闘戦で善戦し、奇襲ではあるが奇しき赫耀のバルファルクがアマツマガツチを怯ませダメージを与える等の例が存在する
*19 作中でも「裏切りの給仕」と称されている。
*20 本種を離れたキュリアが世代を超えて持続的に生存していけるかどうかにも関わると思われる。
*21 例えばラージャンは古龍であるキリンの角を食べる(=古龍の器官を取り込む)ことで気光エネルギーを生成できるようになるとされている。
*22 劇中ではメル・ゼナ単独でのキュリア殲滅はなされておらず、主人公とフィオレーネの活躍あるいは助力で群がる個体群を殲滅できたという演出である。
*23 他には燃石炭をエネルギー源とするテスカト種、森や湖に存在する自然物を食べるヤマツカミ、火薬などの硫黄類を狙うゴグマジオス、普通に肉を食べるオストガロアやバルファルクなど。
*24 クエスト開始直前のムービー以降。決戦型狩猟船との対決時はまだ冥塊が形成されていない。
*25 最大の動物として知られるシロナガスクジラは「口を開けばどこでも食べられる」プランクトンを食料にしなければエネルギー補給が追い付かず、それに特化した結果大きな動物は呑み込めないなど、何かに特化した生態には代償がつきものである。
*26 共生に成功したメル・ゼナはダークロードブリスを始めとしてキュリアのエネルギーを用いた多彩な攻撃を獲得しており、単純に弱体化したとは到底言えない状態であった。
*27 「臆病者」という表現からすると、フィオレーネはこれに近い解釈を採っている可能性がある。
*28 古龍種の中でも耐性に差はあるようで、他の古龍がメル・ゼナやガイアデルムと同等の耐性を持つかは不明。
*29 設定資料集では「体内で消化されたキュリアの成分が変異し、これを糧として強大な力を手にした」「キュリアの精気を吸収した古龍」と解説されている。
*30 公式サイトやX(旧Twitter)にて共生関係が明言されている他、バハリから「メル・ゼナやガイアデルムと同様、一方的な寄生ではなく共生関係」という趣の台詞が存在する。なお、資料集でその共生関係の詳細が明かされることは無かった。
*31 これは学名であり、ラテン語の形をとっている。発音のルールはないが、表記に合わせてラテン語読みすると「パピオペディルム」になってしまう。
*32 ロード画面の描写から、世界観のモチーフのひとつに大航海時代が考えられるが、スペインはその中心となった国のひとつである
*33 読みはデルモンテ。イタリアの世界遺産デルモンテ城(カステル・デル・モンテ)のほか、フルーツ類やケチャップ等のブランド名で聞き覚えがあるだろうか
*34 陥没カルデラなどがこの例。
*35 バッタの仲間が大群となって植物などを食いつくす超大規模な生物災害。なお、日本語で蝗は「イナゴ」と読むが、これはトノサマバッタの誤訳が広まったもの。
*36 あるいは全能神の命令によって危害や試練を与えるもの
*37 本章は当時のバビロン王を非難する為の文書というのが定説だが、これらの描写が後世のキリスト教においてルシファーのイメージを決定づけている。
*38 英語の"sun break"には「雲間から日光が射す」という意味があり、太陽たるガイアデルムの討伐とのダブルミーニングになっている。
*39 形態が変化するにつれ燃え上がっているような風貌にはなる。
*40 ただし特殊個体実装後は、メル・ゼナにとってもキュリアが脅威であったことが明確になっている。
*41 実際のところは吸盤状の口を持つ、短いヤツメウナギのような胴とそこから生えた翅のようなヒレで飛ぶ、なかなかに恐ろしげな姿である。