- 種族
- 草食種
- 別名
- なし
- 英語表記
- Dalthydon
- 登場作品
- MHWilds
- 狩猟地
- 隔ての砂原, 緋の森
目次
生態・特徴
- 比較的温暖な気候の地を好む草食種の小型モンスター。
分類としては二足歩行型の草食竜の一種であり、
外見上は側面の根元から湾曲した角を伸ばしている頭殻や尻尾を覆うように並ぶ甲殻などが目立つ。
しかし、首周りから背中にかけては長い体毛に覆われ、雌個体が母乳を分泌して子供を育てるなど、
生態的には草食獣に近い部分も少なからず見られるという些か風変わりなモンスター。
- 野生個体は時期に合わせて過ごしやすい環境の地に群れで移動する習性があり、
森の中や砂漠のオアシスなどで目撃される場合が多い。
横方向に長い瞳孔を持っているので非常に視野が広く、
完全な真後ろや水中などから接近しない限りは気付かれてしまう。
接近してくる相手が危険であると判断した場合は群れの子供を守ることを最優先に考え、
複数の個体が分厚い頭角を盾のように構えながら横一直線に並び、
自分達をバリケードとした上で唸り声を上げながら威嚇し、少しでも安全を確保しようとする。
しかし、そんな威嚇もまるで恐れない強力な捕食者に襲われ、
群れの中から犠牲者が生じてしまった場合は発達した脚力を活かしてその場から素早く撤退する。
なお、前述のように自衛手段としては一先ず活用されている頭殻や角だが、
これを用いた突進など、自分から攻撃的な用途で使用する姿はほとんど確認されない。
- 地域によっては家畜化されており、主に肉や体毛、そして労働力などに利用されているが、
定期的に大規模な放牧を必要とするため、アプトノスやガルクなどと比べると飼育の前提条件はやや厳しい。
体毛からは防寒性と軽さに優れる上質な毛織物が生産され、
一部地方の砂漠地帯ではこれを素材とした衣類が生活における必需品と言われるほどに重宝されている。
余談だが、近年ハンターズギルドから流通するようになった「クナファチーズ」は
とある辺境の村で飼育されているダルトドンの母乳から作られたチーズである。
初めてチーズを食するという人でも虜にしてしまう濃厚な味わいに加えて
熱すると大変よく伸びることから様々な料理のトッピング用食材として注目を集めている。
概要
- MHWildsで初登場した、草食種の小型モンスター。
その特徴的な名前や容姿から、ケストドン、ガストドンに続く第三のケストドン科のモンスターであると思われる。
あくまで仮定ではあるが、小型モンスターのみならずモンスター全般で見ても、
科レベルの(亜種や希少種、特殊な個体などではない)近縁種が3種も登場している例はかなり珍しい*1。
- ケストドン達によく似た姿をしており、獣竜種骨格に頭殻や角がある外見をしている。
ケストドンとは違い雌雄差は見受けられないが、代わりに幼体が登場している。
- 全体的にバイソンやヤギのような意匠が取り入れられており、
尾は甲殻に、下半身は皮膚に覆われているが、首元から背中にかけては長い体毛に覆われている。
後脚は一応の3つの爪が生え、恐竜のようだったケストドン達とは違い、
2つの短い爪しか生えておらず、さながら偶蹄類のような脚付きになっている。
- ケストドン達の最大の特徴である頭部だが、頭殻+角の両方が生えているという豪華仕様。
頭殻は額から扇形に生えており、流木のように年季の入った質感となっている。
角は頭殻の傍から一体化するように生え、下側に緩やかなカーブを描いている。
見事な角輪(溝)があり、この個体が過ごしてきた年月が窺えるかのようだ。
目は瞳孔が横に配置され、口も堅頭竜のような嘴ではなく幅広で、やはり偶蹄類らしい形状となっている。
- 幼体は更に顕著であり、角も頭殻も未発達で耳がよく見えるため二本足のウシの子供そのものといった風体。
かなり生々しい質感で幼体としての説得力が凄まじく、
人によっては少し苦手なビジュアルに仕上がっているかもしれない。
- 乾燥した草原や水の豊富な森林を主な棲息地としており、
基本的には幼体も交えた10頭以下の小規模な群れを形成する。
変化する気候に対し、絶えず移動を続ける習性を持っており、
時期によってみられる場所が違うようだ。
他の小型モンスター同様、生態系における地位は決して高くないようで、
小型の肉食モンスターに襲われて逃げ惑う様子も見られる。
- しかし、彼らとてただ襲われているばかりではない。
群れや子供に危害が加えられそうな事を察知すれば、
その発達した頭殻や角を振り翳し、群れ全体で防御態勢を取って反撃に出ることもある。
群れで円陣を組んでの防御態勢はMHWorldにおけるアプケロスなども行っていたが、
防御一辺倒だったあちらに対し、こちらはより強気に反撃を試みるようだ。
- 野生個体のみならず、人によって飼い馴らされた個体も居る様子。
家畜化されたダルトドンは様々な用途に利用されているようで、
荷物や資源の運搬役として、或いは重厚な毛皮を衣服に仕立て、
更には乳まで採れるという優れものである。
この乳はそのまま飲むというよりは、チーズなどの乳製品に加工される事が多いようだ。
MHWilds
- 禁足地では隔ての砂原と緋の森に棲息している。
変化する気候により絶えず姿を変動させる禁足地を、移動し続けることで適応しているようで、
時期によって複数のフィールドを渡り歩く生態を持っているようだ。
- やはり小型草食種としての宿命か、大型小型問わず様々な肉食モンスターに日々襲われている。
この際、経験の少ない幼体は成体たちと別の方向に逃げてしまい、
より危険な状況に身を置く事になってしまう場合もあるようだ。
- 隔ての砂原ではケラトノスの大規模な群れの近くなどで見かける事も多く、
肉食モンスターの代表的な獲物としてはあちらの方に軍配が上がる。
一方、緋の森における草食の小型モンスターはダルトドン以外めぼしいものが居らず、
このフィールドにおいては肉食モンスターの腹を満たすメインの獲物になっていると考えられる。
- ケストドンやガストドンほど気は強くないのか、ハンターが攻撃しても反撃してくる事はほとんどない。
その代わり攻撃するとすぐに逃げ出してしまうが、体力もそこまで多くない上、
自慢の頭殻は斬れ味が黄色でも弾かれないので倒すのにそれほど苦労はしないだろう。
一部のハンターからはホーミング生肉の系譜である事を恐れられていたが、
前評判からは考えられないほど大人しい性質のモンスターのようだ。
- ちなみに剥ぎ取れるのは1回のみであり、入手できるアイテムも生肉のみ。
ケストドン達のような固有の素材は持ち合わせていない様子。
おなじ隔ての砂原の草食枠であるケラトノスは草食種の甲殻と生肉の2つが剥ぎ取れるので、
生肉を集めようと思ったらダルトドンを狩る方が効率が良いかもしれない。
- 隔ての砂原内にある村、クナファではダルトドンを家畜化して育てている。
身体に生えている分厚い毛皮を刈って服飾に利用できる他、
乳を搾ることで乳製品を生み出すことが出来ると、
野性的な見た目にそぐわず家畜としてはかなり有用なようだ。
特に乳製品の恩恵は大きく、ダルトドンの乳から作る「クナファチーズ」はクナファの名産になっており、
ハンターも物々交換で手に入れられる他、フィールド上で焚き火料理に使用すれば味わう事も出来る。
村では実際に住民がダルトドンの乳を絞っているところも見られる。
- また、毛皮はそのまま腰蓑の様に身に付けられている他、
角や頭殻は装飾品として用いられており、村民は頭に角飾りをつけ、族長は頭殻をまるで王冠の様に被っている。
細かいところで風音石などの資材の運搬にも使用されているようだが、
食肉として利用しているのかどうかについては分かっていない。
一応、ハンターは野生個体から生肉を剥ぎ取れるが…。
- 家畜として人間と共生している小型モンスターには他に
アプトノス、ポポ、ガーグァ、ムーファなどがいるが、
多くが荷物の運搬などの労働力、或いは食肉用として扱われており、
毛刈りや乳製品といった方面で人類の役に立つモンスターはムーファのみであった。
ダルトドンもまた衣食を彩る有用かつ貴重な家畜であるが、
ムーファとは毛や乳の質もかなり異なっていそうなので、
2種の製品にどのような違いがあるのかが気になるところである。
ムーファのチーズとダルトドンのチーズを食べ比べてみる機会があったら面白そうだ。
クナファやフィールド上では村人に連れられているダルトドンも見る事が出来る。
専ら風音石などの採取物を荷車で運搬しているようだ。
余談
- 草食種であるダルトドンだが、PV1が公開され各ゲームメディアで紹介された際、
何故か鳥竜種のモンスターであるという誤情報が掲載されていた。
現在では殆どの記事が修正されており、公式からも草食種として紹介されているが、
なぜ鳥竜種であるとされていたのかは不明である。
単なる誤植だったのか、それとも勘違いによるものだったのだろうか。
- 過去作モンスターによく似ているのに種族が違った…と思ったら実は誤植だった、
という流れはガライーバを思い起こさせる。
あちらはゲームメディアではなくゲームそのものが、
数日どころではなく3ヵ月も修正されなかった、という大きな違いがあるが…。
- ダルトドンという名前の由来については判然としていないが、
土や汚れなどを意味する“Dirt”ではないかという説が考えられているようだ。
名前の「ダル」の部分から、ダルいという言葉にかけてネタにされる場面も良く見受けられる。
発売前は突進で妨害してきそうと見做しそっちの意味でダルそうと考えたハンターもいたとか
- 体型からしてケストドン科ひいては獣脚亜目に属すると考えられるが、
そうだとしたら、このグループのモンスターが家畜化されているのは本種が初となる。
今までに登場していた2種のケストドン科は
ホーミング生肉の意思を受け継ぎフィールド上でも敵対的だったが、
ダルトドンは家畜にできるほど大人しい性質を持っているようだ。
- また、本種から乳が取れるというのもよくよく考えると不思議な話である。
ケストドン科は草食種ではあるが、その実
「竜盤目 獣脚亜目 板角竜上科 ケストドン科」に属する獣竜種の1種であり、
あのバフバロと近縁関係にあるというグループなのである。
体型からの連想どおり本種がケストドン科に属する場合、ムーファの様な偶蹄目の哺乳類ではなく、
現実で言えば肉食恐竜の仲間に相当するようなグループの本種から乳が取れているということになる。
少なくとも現実世界に乳を出す爬虫類は存在しないので、
ダルトドンがどういう子育てをしているのかは興味深いところと言えよう。
- 現実世界においては、卵生哺乳類の単孔類であるカモノハシなどが母乳で子育てするが、
胎生哺乳類のような乳房はなく、皮膚にある乳腺から汗のように滲み出すものを子供が舐めて飲む。
また、やはり卵生の鳥類のうち、フラミンゴやハトは「素嚢乳*2」と呼ばれるミルク状の物質を素嚢から分泌し、
それを吐き出す形で雛鳥に与える。
このように、分泌する位置や与え方は異なるものの、卵生の生物が
母乳に相当するものを分泌して子育てする実例はあるので、生物の機能としては案外不思議でもないと言える。
- ではダルトドンはというと、クナファでの搾乳作業を見る限り
牛に行うのと似た動きでグイグイと乳搾りを行っているので、
そうやって搾れるぐらいには哺乳類同様に発達した乳房か乳頭がありそうな描写になっている。
- 豊穣期の到来とともにすぐ子供のダルトドンが出現している様子を見ると
胎生なり卵胎生なりで速やかに出産して子供を群れに加えているようにも見えるが、
このあたりはあまりに正確かつ定期的な禁足地の気候条件のほか、
ケラトノスなども同様なので、あくまでも空想のうちといったところ。
- ケストドンそっくりな見た目から今の所ケストドン科に属すると推測されているが、明示的な情報は公式待ちといった状態。
家畜化できる性質やミルクという特徴もあり、上記の推測を裏切るような分類が出てくるかもしれない。
一方で、違う科であるものの同じく板角竜上科に属するバフバロはかなり哺乳類っぽい見た目をしている上、
へそのようなものがある事が確認されているため、実はバフバロも乳を出したりする可能性は考えられる。
今のところ繁殖方法や乳を出すかどうかの生態は詳しく分かっていないが、
そういった生態があっても牛っぽいバフバロならあまり違和感は無さそうではある。
- ちなみに、現実ではチーズ作りにはレンネットという酵素が必要不可欠であるが、
これは反芻動物の子供の胃袋のほか、菌類や幾つかの植物から得ることが出来る。
古典的なレンネットは胃袋を使って作っていたのだが、当然そのためには家畜を、それも子供を殺さなければならない。
その為、カビの一種を用いてレンネットを大量生産する技術が確立されるまで、
財産である家畜の子を失うチーズ作りは酪農家にとってはとても負担の大きいものであった。
ダルトドンの消化器官にも同じような性質がある可能性はあるが、
村の規模の小ささからして一々殺してそれらを得るような余裕があるとも考えにくい為、
家畜由来とは別の、それこそ植物や微生物などの力を借りてチーズを作っているのかもしれない。
- ちなみに、チーズが加熱時にどれだけ伸びるかは概ねカルシウム含有量に左右される。
詳しい原理は省くが、500-700mg/100g程度の含有量を持つチーズが最もよく伸びるとされる。
これより少なすぎる場合はほぼ伸びず、多すぎる場合でも伸びにくくなってゆく。
ただし、タンパク質分解能力の高いカビを使って熟成させているチーズは、カルシウム含有量に関わらず伸びない性質がある。
関連項目
モンスター/草食種
世界観/幼体
世界観/チーズ
モンスター/ケストドン
モンスター/ガストドン