モンスター/パオウルムー亜種

Last-modified: 2024-01-28 (日) 14:13:24
種族
飛竜種 (竜盤目 竜脚亜目 膨頸竜上科 パオウルムー科)
別名
浮眠竜(ふみんりゅう)
英語表記
Nightshade Paolumu
登場作品
MHW:I
狩猟地
大蟻塚の荒地, 古代樹の森, 導きの地

目次

生態・特徴

印象的な外観を持つ小柄な飛竜種、パオウルムーの亜種。
強力な呼気や吸気を特徴とするだけでなく、口からは大量の睡眠ガスを放つ。
新大陸古龍調査団では、この飛竜を《浮眠竜》の別名で呼称している。
通常のパオウルムーは白を基調とした体毛で全身を覆われているが、
亜種は宵闇を連想させる黒色の体毛と甲殻がほぼ全身を覆っており、通常種と真逆の印象を受ける。
左右の首筋には明るい色の模様が線状に入っているように見えるが、
この模様の全容は、気球のように首を膨らませた状態において視認できる。
膨らんだ状態の首では、顔を挟んで左右対称な位置に巨大な円状の模様として展開される。
頭部ほどの大きさになったこの丸い模様は、正面からみると鳥の目を連想させるものとなり、
茜色に染まった部分は虹彩を、暗い黒色の部分は瞳孔をそれぞれ想起させる。
陸珊瑚の台地」の環境に適応し、陸珊瑚が産んだ卵を主食としている通常種に対し、
パオウルムー亜種は大蟻塚の荒地など陸珊瑚が生えていない環境に飛来する。
荒地では卵の代わりにハコビアリを主食としており、彼らの蟻塚に首を突っ込んで傷をつけた後、
類稀な吸引力で一気に吸い上げることで内部にいるアリを一気に捕食する姿が見られる。
気性はやや穏やかで、人間が近くに居ても意に介さないことが多い。
一方、外敵に遭遇すると即座に空気を吸い、あっという間に首に空気を充填して浮上する。
通常種は強力な吸気と呼気によって翻弄しながら攻撃するが、
亜種は吐き出す空気に睡眠ガスを混ぜ込み、外敵を眠らせてから強烈な攻撃を加える生態を有する。
口からブレスとして吐き出す他、首を縮小させる勢いで大量のガスを一気に吐き出す行動も見られる。
また、吐き出された睡眠ガスはすぐには霧散せず、ある程度周囲に残留しつづける。
この睡眠ガスはパオウルムー亜種の行動によって煽られる事で位置が変わるほか、
猛烈な吸気によって周囲のガスが一気に吸い寄せられ、パオウルムー亜種のまわりに漂う事がある。
通常種が有するゴム質の尻尾の扱いにも長けており、
眠気を誘われ、動きが鈍った外敵に対して上空から尻尾ごと突っ込み、突き刺すような一打を与える。
また、首を膨らませた状態で素早く連続して息を吐き出す行動もみられ、
これによって穴が開いた風船のように荒々しい軌道で飛び回るといった荒業も行う。
妖艶な美しさを持つ漆黒の羽毛は特殊な油を含んでおり、
その油膜によって濡れているかのような光沢を帯びている。
その性質や美しさをそのまま活かして加工した浮眠竜の武具は抜群の吸収性を誇り、
光や音だけでなく、それを身に纏う者の気配すらも包み隠すという。
そしてその魅力に心を奪われ、誘い込まれた獲物の恐怖や敵意さえも呑み込み、
その血を浴びた羽毛はより怪しさと美しさを増して輝く。

概要

  • MHW:Iより登場した、浮空竜パオウルムー亜種
    これといって属性を持たなかったパオウルムーだが、亜種は睡眠属性を獲得し「浮眠竜」と呼ばれる。
  • パオウルムー通常種は白とピンクを基調とした可愛げのあるカラーリングなのに対し、
    亜種は体色の大部分がやや青みがかった黒色になり、通常種よりはコウモリらしさが増してはいる。
    とうとう顔だけでなく色までステ○ッチみたいになってしまった。
    外観上の大きな特徴として、首が膨張した時に表れる巨大な丸い模様が挙げられる。
    これは正面からみると「丸々とした猛禽類の赤い瞳」に見える異様なもので、
    額に黒い線が体毛として入っている頭部を嘴に見立てると、猛禽類そっくりになる。
    暗い体色は夜闇に紛れるため、夜に戦うとこの左右一対の丸い模様が良く目立つようになっており、
    その姿は耳を閉じたケチャワチャを彷彿とさせる。
    • 亜種にしかない模様の意図は不明だが、我々の世界には「フクロウチョウ」という蝶が存在している。
      この蝶はフクロウの目玉のような模様を有しており、目的は外敵の威嚇と考えられている。
      パオウルムーは飛竜種のなかではかなり小柄な部類に入るモンスターであるため、
      この模様によって敵対者に大きさを誤認させる意図があるのかもしれない。
      実際、生態行動時に外敵に遭遇すると一時的に首を膨らませる行動を多用する。
      攻撃のためというよりは模様によって相手を威嚇しているようにも見える。
    • パオウルムーは草食モンスターを捕食目的で襲う事は基本的にしないモンスターである。
      後述する食事面では目立つことのデメリットが少ない上、首を萎ませれば隠すこともできる。
      なかなか機能的な要素の強い模様なのかもしれない。
    • 英名の「Nightshade」は直訳すれば"夜の影"だが、ナス属の植物を指す言葉である。
      イタリア語名などから酌むにナス科の草「ベラドンナ」がモチーフと考えられる。
      ベラドンナは昔、女性が瞳を開き、目を美しく見せる為の散瞳剤として用いられていたことで知られ*1
      大きな瞳のようなものが追加されているパオウルムー亜種にはうってつけの名称である。
      アトロピン」という有毒物質の作用なので、毒属性の方が適しているがそこはご愛敬。
  • MHW:Iではマスターランク序盤で遭遇する相手として登場する。
    パオウルムーは陸珊瑚の台地に根差した生態を有し、各闘技場以外に出張する事はなかったが、
    亜種は大蟻塚の荒地で任務として初遭遇することになる。
    • 陸珊瑚の台地を離れたことで気になる点は、特徴的だった捕食の変化である。
      パオウルムーは陸珊瑚の卵を強烈な吸気で吸い上げるという食事風景が見られたが、
      当然ながら荒地には産卵を行う陸珊瑚が存在せず、いわば糧食が断たれた状態になっている。
      代わりに目を付けたのがアリ塚で、ハコビアリが主食になっているようだ。
      中々豪快な捕食風景であり、一見の価値があるといえる。
    • 荒地の他に古代樹の森にも姿を見せる。主に下層の森を中心として行動する。
  • パオウルムー亜種との初遭遇時ムービーの存在も確認されている。
    ハンターが眠気に襲われ、閉じつつある瞳でパオウルムー亜種の姿を捉えるというもの。
    ムービーでは不思議な力が働き睡眠耐性Lv3をも貫通してしまうようだ。
  • こちらもオドガロン、及びその亜種と縄張り争いを行う。
    一連の動作も勝敗も変わらないのだが、こちらは吐いたブレスが残留する性質を持つために
    閉所で縄張り争いが発生するとオドガロンは縄張り争い終了直後にたちまち眠らされてしまう
    ある意味パオウルムー亜種の勝利ともいえるかもしれない、大躍進である。

戦闘能力

  • パオウルムー亜種戦では睡眠属性への対策の有無が狩猟難度に大きく関わってくる。
    本種の放つブレスは睡眠ガスと化しており、ガスはフィールド上に長時間滞留し続ける性質をもつ。
    更に滞留している睡眠ガスはパオウルムー亜種の行動に応じて位置が移動する性質もあり、
    パオウルムー亜種はこの性質を効果的に利用し、ハンターを眠らせようとして来る。
    眠気に襲われている相手に対し重い一撃を仕掛けてくる傾向がみられるだけでなく、
    単純に動きを頻繁に妨げられるのは厄介であるため、できればスキルなどでの対策が望ましい。
    • 睡眠無効を発動させさえすれば討伐はかなり楽になり、
      上位クエスト等で装飾品を集める手間はあるが、スロットLv1×3なので発動もしやすい。
      逆に発動しない場合は睡眠被弾睡眠被弾気絶被弾(ry…と、
      通常モンスターにあるまじき凶悪なハメコンボを延々と食らう羽目になり、
      状態異常の脅威とスキル対策の重要性を身をもって味わわされることだろう。
    • その特性上、オトモやオトモダチに対する行動阻害能力が極めて高く、
      「睡眠→自然回復で起きる→滞留しているガスで再び睡眠」といったことも珍しくない。
      ハンターがガスを受けた際は物理的に叩き起こしてくれることもあるが、
      大抵は助けようと駆け寄って仲良く眠らされて纏めて始末されるのがオチ。
      今作ではオトモスキルで対策を取ることも不可であり、
      狙った時にオトモ道具が使えないこともままあるため、気に留めておいた方が良いだろう。
      • 余談だが、エリアチェンジしたパオウルムー亜種を追う為にオトモダチライドで小型モンスターを呼んだ際、
        睡眠ガスが滞留している所に呼び出してしまうと来たと同時に眠ってしまう。一応呼び出す際は注意しよう。
  • パオウルムーは首に空気を充填し、気球のように膨張させて滞空する生態がある。
    亜種についてもこの点は変わりないものの、戦闘のテンポはMHW時代の通常種とはまるで異なる。
    外敵に遭遇すると即座に飛び上がりつつ空気を吸い、一息で首を膨張させてしまう*2
    つまり、通常種で見られた「膨張状態になるための準備段階」が存在しない
    MHW時点での通常種は膨張をいかに阻止するかが戦闘の一つの焦点として考えられていたが、
    亜種の場合は一息で膨張する行動を多用するため、ある程度滞空状態も視野に入れる必要性がある。
    • その他、亜種は自発的に首を萎ませる代わりに
      大量の睡眠ガスを真下に一気に放出する睡眠ガス大放出という
      行動も取る。
    • 膨張・収縮のサイクルに変化がある点で、旧作の化け鮫その亜種の関係性を連想させる。
  • 通常種はマスターランク行動として尻尾を用いた滞空からの打撃を習得しているが、
    亜種はその行動に加え、上空から尻尾を突き出して突進、標的に強烈な尾撃を与える技を有する。
    加えて、空気が抜けていく風船のような挙動での強烈な特攻技も習得している。
  • こうした要因により、
    通常種から「できれば膨張させない方が戦いやすい」という根底部分は変わってはいない。
    また多頭クエなどでスキルに余裕がなかったり、
    装飾品がなかったりこいつのためだけにわざわざ装備を整えるのが面倒臭かったりなど何らかの理由で
    睡眠耐性を発動できないこともあるだろう。
    そのため、スリンガーを利用して地上戦に持ち込むことが対抗手段として有効。
    • クラッチクローからのぶっ飛ばしを使えば、睡眠耐性を付けずとも比較的安全に立ち回ることができる。
      本種は浮遊状態以外では睡眠攻撃を一切使わないため、浮遊状態に移行したらすぐに頭部にしがみつき、
      ぶっ飛ばしで叩き落としてやれば、厄介な睡眠ガスをほとんど撒かれることなく地上戦に持ち込む事ができるのである。
      パオウルムーの浮遊中の姿勢や膨張による当たり判定の拡大という要因も相まって、
      地面が下り坂でない限り、基本的にぶっ飛ばしが決まればほぼ確実に撃墜しダウンも奪える。
      さらに、いっそ他のモンスターをパオウルムーに向けてぶっ飛ばし、滞空状態から叩き落とす荒業も使える。
      • ただし、膨張していない時はその限りでは無いので注意。
        他にもぶっ飛ばした反動でガスの中に突っ込んで眠らされる本末転倒なリスクも伴う。
    • 怒り状態ではぶっ飛ばしが効かないので、睡眠ガスに気をつけながら怒りが解除されるまで回避に専念するか、
      閃光弾を使って落下させると良い。
      とはいえMRではモンスターが閃光耐性を獲得するようになったため、
      滞空していない時に閃光を当ててしまった場合はヒカリゴケで墜落させる方法も検討する必要があるだろう。
    これらの手段を用いて1度墜落してしまえばそれなりに長い間浮遊状態に移行しなくなるため、この間に畳み掛けてしまおう。
    • また、スリンガー松明弾を滞留ガスに撃ち込むとガスを消滅させられる。
      睡眠を無効化していても視界を遮って邪魔なので、近くに種火石が落ちていたら試してみよう。
  • 弱点属性は第1が水属性で、次点で火属性となっている。
    睡眠属性を扱い、水と火が第1第2弱点という点はかの夜鳥を彷彿とさせる。

余談

  • メインシリーズでは毒ガスを風で煽って移動させるモンスターが既に登場しているが、
    睡眠ガスとなると使い手が少なく、中々特徴的な攻撃手法を取るモンスターと言える。
    一方、派生作品ではMHFのヒプノックが一度吐いた睡眠ブレスを風で飛ばす行動を有していた。
  • 通常種とは違い、ハンターが目の前をウロウロしても警戒状態にならないモンスターの一体だったりする。
    眼前に居ても即座に悪魔の形相にはならないので、可愛らしい顔を見やすくなっている。
    • 亜種や特殊個体などで通常種より獰猛になるケースはしばしばあるが、こちらは逆である。
      このような差異が生まれた理由は不明だが、幾らか推測できる要素はある。
      • 亜種は睡眠ガスの獲得によって窮地から逃げ出しやすくなっている。
      • 威圧感のある模様によって威嚇する性質は、言い換えれば余計な交戦を避ける性質ともいえる。
      • 食料が荒地では安定して手に入るハコビアリであり、競合相手がボルボロスくらいしか居ない。
    • 因みに同期のプケプケ亜種トビカガチ亜種も同様の性質をしている。
      • メタ的には、アイスボーンで追加された復活モンスターたちが揃いも揃って血の気の多いやつらであったため、
        そのバランスを取るためのしわ寄せがこれらの亜種に及んでいるとも考えられる。
  • しっかり翼があり、かつそこまで飛行を不得手としているようには見えないものの何故か一部のエリア移動を走って行う。
    滞空は得意でも長距離を飛ぶのは苦手なのだろうか…
  • 陸珊瑚の台地にしか現れない通常種と違い、古代樹の森と大蟻塚の荒地に現れる。
    これはプケプケの生息域と被っている。
    更にプケプケ亜種は陸珊瑚の台地にしか現れない。
    つまり、パオウルムーとプケプケは通常種と亜種で生息地が入れ替わっている。
  • 前作でのコンテスト大剣の最終強化などのためのイベントクエスト、「ハンター達の永い夢III」では
    ナルガクルガとともに開始から闘技場での戦闘となる。
    上述の通りガスの長時間滞留があり、ナルガを相当な回数眠らせてくれる。
    そのため睡眠無効さえつけておけば分断柵はあるが用いずとも、怒っていない側のぶっ飛ばしでお互いをぶつけ、
    ナルガが眠ったら起こす際にダメージを稼げれば、回避に専念しても容易にクリアできる。
  • 見た目から選ばれたのか、2020年ねずみ年の元日に闘技場でパオウルムー亜種の
    極小個体を狩猟するイベントクエスト「ねむれよいこもわるいこも」が配信された。
    報酬が80000ゼニーを超えていたり、金のたまごが入手可能など、
    去年の元日に配信されたクエストとの類似点がいくつも見られる為、
    今回のお年玉クエストといったところだろう。
    ちなみに去年とは異なり、イベント開催期間にいつでも受注可能となっていた。
    ただし、極小個体と侮るなかれ。攻撃力が大幅に強化されており、
    膨張状態の時に放つ、縦横無尽に飛び回ってからの突進を怒り状態で喰らえば防御力が低ければ即死する
    その上空中でのぶっとばしを狙おうとすると小さすぎるためか、ほぼ地面に対して水平に飛んでしまう
    空中からの撃墜を狙うならマップ北側の坂道を狙うといいだろう。
  • トビカガチ電気袋レイギエナ氷結袋と同じ様に、
    本体剥ぎ取りや部位破壊、捕獲報酬では卒倒昏睡袋が手に入らない仕様になっている。
    前例はいるが、そちらよりも多用する睡眠ガスは一体何に由来しているモノなのだろうか?
    • 大蟻塚の荒地の沼地エリアにはネムリ草が沢山生えているものの、
      それを摂取するような描写も見られない為、公式からの言及がない限りは謎が深まるばかりである。

素材

ゴム質の重殻
パオウルムー種から取れる甲殻。
浮眠竜の厚鱗
パオウルムー亜種の体を覆う鱗。硬い材質で防具などによく利用される。
浮眠竜の厚毛皮
パオウルムー亜種の不気味な色を持つ毛皮。汎用性が高く幅広い用途に利用される。
導きの地に生息する個体からは「漆黒の高級毛皮」が手に入る。
その中でも歴戦の個体のものは「歴戦の黒毛皮」と呼ばれる。
浮眠竜の剛翼
パオウルムー亜種の強靭な翼。両翼の部位破壊で入手しやすい。その軽さゆえ防具によく加工利用される。

関連項目

モンスター/パオウルムー
武器/ウルムー武器
防具/ウルムーシリーズ
フィールド/アリ塚 - 捕食行動を行う。
クエスト/ねむれよいこもわるいこも

モンスター関連

モンスター/グラビモス - 外見はかけ離れているが、睡眠ガスを扱う飛竜の大先輩。
モンスター/オオナズチ - 風圧で毒ガスを移動させるモンスター。
モンスター/ボルボロス - 食性が同じ獣竜。同期と通常種・亜種で生息地が逆になるのも共通。
モンスター/ケチャワチャ - 身体の一部にある巨大な目の模様を使って威嚇する事が共通。捕食対象はアリ型のモンスター
モンスター/ケチャワチャ亜種 - 同上。
モンスター/ホロロホルル - 風圧で状態異常を引き起こす鱗粉を移動させる、
水と火が弱点で睡眠属性も操る丸い目の猛禽類型モンスター。


*1 そうした経緯からベラドンナはイタリア語で「美しい女性」を意味する
*2 MHWでの通常種が縄張り争いの準備中に行っている行動に近い。