世界観/サンゴ

Last-modified: 2024-09-20 (金) 21:40:24

(現実世界においては)主に海棲の固着性刺胞生物の一種で、
その中でも全身が硬質な外骨格で形成されている部類の生物群の総称。
漢字では「珊瑚」と表記されるが、
生物的に扱う場合は「サンゴ」、(加工品なども含めて)物品的に扱う場合は「珊瑚」と表記される場合が多い。

概要

  • 一見すると海底に根差した植物*1、あるいは無機物のように見えるが、
    基本的にれっきとした卵生の動物種である。
    大量に群生する一帯は「珊瑚礁」と呼ばれ、様々な海棲生物の住処ないし餌場として利用されるため、
    海の生態系においては重要な役割を持つ存在と見なされる場合が多い。
    美しい色合いや無機質な外見から宝石の一種として扱われる場合もあり、
    日本では3月の誕生石の一つとしても知られている。
    また、珊瑚礁はその見た目の美しさなどから観光資源として利用されている場合も多く、
    人間や地域社会においても大きな利益をもたらす存在と言える。
  • 前述のように動物の一種ではあるが、基本的に生まれ付いたその場から動く事が無く、
    文字通り一生をその場で生活する場合が多い。
    言い方を変えれば、サンゴは自分にとっての脅威が間近に迫って来ても自らの意思で逃げる事ができない。
    オニヒトデなど、サンゴを餌として捕食する生物も存在し、
    このような生物に見つかってしまうとまるで抵抗もできずに捕食されてしまう。
    通常的な食物連鎖の中で他生物に消費されるだけであれば、ただ「自然の摂理」という言葉だけで済まされるが、
    近年は人間の生活による海の環境の変化や捕食者となる生物の異常発生などにより、
    世界中の珊瑚礁が急激に目減りしているとされる。
    ただし、だからと言ってむやみやたらとサンゴを移植して珊瑚礁を増やそうとしても、
    どのみち環境が合わなければサンゴは死んでしまうし、逆に周辺の環境におかしな影響を与えかねないため、
    現在の日本ではサンゴの移植活動は(一部の環境保護活動や教育の一環を除いて)基本的に推奨されていない。

MH世界のサンゴ

  • 植物のように地に根差し、鉱石類のような外見や性質を持ち、
    生物多様性の観点から重要な存在となり得る動物ということで、
    自然的な世界観が重要視されるMHシリーズにはかなりマッチした存在と言えなくもない。
    しかし、基本的にサンゴは海棲生物である以上、滅多なことでは海に潜らないハンターとは縁遠い存在でもあった*2……が、
    MHWorldにて陸棲のサンゴ、その名もズバリ「陸珊瑚(おかさんご)」という存在が確認されると共に
    そのようなサンゴの群生地である「陸珊瑚の台地」が登場、
    これを機に大々的にハンターたちの前にその姿を見せるようになった。
    • 「陸棲のサンゴ」という設定自体はMHFにて素材として登場したオカサンゴが初出である。
      かつて海の底だったとされる峡谷というフィールドの環境変化に取り残され、
      陸揚げされた状態となってしまったものの、その環境に適応することで生き残った陸棲のサンゴである。
    陸珊瑚も現実世界のサンゴと同じように基本的に卵生であり、
    海中に大量に卵を撒き散らす現実世界のサンゴと同様、空気中に大量の卵を放出する。
    そしてこの卵は陸珊瑚の台地に生息する様々な生物の食糧であり、
    同地の生態系を維持するうえで必要不可欠な存在となっている。
    なお、一口に「陸珊瑚」と言ってもその種類自体は豊富に存在しており、
    それぞれに生物的な個性が備わっている。
  • 淡い暖色系の色合いをサンゴに見立てて「珊瑚(コーラル)(カラー)」と呼ぶ場合がある。
    これが海外におけるプケプケ亜種の呼称「Coral Pukei-Pukei」の由来である。
    なお、プケプケ亜種の体色は陸珊瑚の卵を餌として摂取したことで
    陸珊瑚の色素を体内に取り入れたことに由来するとされている。
  • サンゴは生命活動を終えると真っ白になってしまう場合が多い*3
    陸珊瑚の台地の上層部に存在するサンゴは大多数が白化しており、
    その見た目の通り、これらの個体はそのほとんどが生命活動を終了しているらしい。
    これはサンゴが重なり合う形で徐々に上層へ押し上げられていくため、
    陸珊瑚の台地よりも更なる下層に位置する瘴気の谷から供給されるエネルギーが上層まで届かなくなり、
    結果的に栄養不足に陥ったサンゴが死んでしまうためであるという。
    • 現実世界だと光合成による栄養供給の方がサンゴにとって重要であるため、
      光が届かなくなる深海では光合成できずにサンゴが死に絶える。
      一方、陸珊瑚の台地では地下から込み上げてくるエネルギーの方がサンゴにとって重要なので、
      光合成だけでは栄養が足りずに白化、結果として光に近付くはずの上層部のサンゴが優先的に死んでいく。
      現実とは真逆でありながら理屈は通っており、自然の道理と言われれば確かにその通りと言えるだろう。
  • ちなみに、設定資料集によるとMH世界においても「サンゴは海洋生物である」という事実こそが常識であり、
    新大陸の一角にて群生する陸生のサンゴという光景は、
    地脈エネルギーによって支えられた新大陸の特殊な環境によって生み出された奇跡的なものであるらしい。

余談

  • 陸珊瑚の卵は多くの生物の糧となっているが、
    現実世界のオニヒトデのように陸珊瑚そのものを捕食する生物は今のところ確認されていない。
    悪食の権化たるイビルジョーも、陸珊瑚を捕食対象としている様子は見られない。
    全身のほとんどが「骨格」であり「肉」が無いため、そもそも食べようという気にならないのかもしれない。
    しかし本当にそんな感じの理屈なら、「骨を喰らう」生態を持つラドバルキンやマガイマガドなどならあるいは……?

関連項目

フィールド/陸珊瑚の台地
フィールド/龍宮砦跡
アイテム/オカサンゴ
アイテム/ベニサンゴ石


*1 実際、光合成によって自分の成長を促す養分を作り出すなど、植物に近い構造を持つ種も存在する。
*2 水中に潜れる作品であっても、ゲームの画面上にサンゴらしき物体が映ることは皆無だった。
*3 正確にはサンゴの体内で光合成を行う存在である「褐虫藻」が、サンゴが過度なストレスを感じるなどの理由で体外に放出されてしまうことが原因。褐虫藻が抜ければサンゴは光合成による養分の供給が絶たれ、生命維持が著しく困難になる。つまり「サンゴが死んだから白化する」のではなく「白化した結果サンゴが死ぬ」と言った方が正しい。