世界観/ハンター

Last-modified: 2024-01-24 (水) 20:16:27

一般人では到底敵わないような巨大な動物(=モンスター)を狩る職業のこと。
プレイヤーの分身でもある本作の主人公が就いている職業でもある。

目次

概要

  • かつて1人の竜人とその仲間たちにより確立した職業。
    「人々の生活を脅かすモンスターの排除」が主な仕事内容である。
    • 人里を襲ったりするモンスターの直接排除。
      最も初期にハンターの仕事として確立した内容でもある。
    • キノコや鉱石、卵などの採取・納品。
      採取しに行く場所がモンスターが出現する可能性がある地域の場合、ハンターに依頼される事がある。
      中にはモンスターの特産品目当ての依頼もあり、こちらは実質的にハンター専門の依頼となる。
    • 商人などの護衛。
      離れた他所の村に移動する間モンスターに襲われないよう護衛する。
      主人公の場合はゲーム的な都合から「襲われてからの救助」や「予め排除しておく」と言ったように
      何らかの形でモンスターの排除を依頼される狩猟クエストの形を取ることが殆どだが、
      MHWでは実際に学者を護衛しつつ実地を探索するイベントが発生する。
  • 基本的に、ハンターはハンターズギルドに登録することが義務付けられており、
    ギルドを通して依頼を受け遂行する。
    • なお、中にはギルドを介さずにモンスターを狩るハンターも存在する。
      元々ギルドに属さない者もいれば、ギルドの方針に賛同できずに独立した者もいる。
      ギルドに属しながらも美味い話につられて甘い誘いに乗ってしまう者もいるという。
      そのようなハンターは、時には生態系どころか一般人にまで危害を及ぼす恐れもあるため、
      ギルドは常に動向を注視し、非常事態だと判断すれば身柄を拘束することすらあるという。
      とはいえこの構造は、改善や改良を阻害することにもなりかねないので一長一短であろう。
    • MHR:S以降、正式にハンターの資格は保持しているが職業は軍人、諜報員と設定されるキャラが大量に登場した。
      エルガドは一応ギルドの協力のもと運営されているらしいが、彼らが自国内で狩猟するのにギルドの許可が必要なのかは不明である。
  • ハンターは豊富な知識と高い運動能力を必要とする為、誰でも就ける職業ではないが、
    それゆえに人々から憧れを集める存在でもある。
    ハンターになる理由は、富・名声のため、生計を立てるため、自分の力量を試すためなど千差万別。
    • 稀有な例として、犯した罪から逃れるためにハンターになった人間も確認されている。
      ギルドとしては、実力があり、ギルドの倫理を守ることができれば咎めることはないらしい。
      しかし、当然だがその考えに異を唱える者達も存在し、
      地方によってはギルドを非合法の組織として警戒している国もあるという。
    • 限られた者しか就けない理由の一つとしては、猟具が悉く超重量級であることが挙げられる。
      現実世界でも相当な筋力が無いと扱う事もできない重量武器というのは存在するが、
      特に筋骨隆々な人でなくても普通に使える武器も多数存在する。
      対して、この世界のハンターの武器はいずれもが巨大で、多少鍛えた程度では
      持ち上げる事さえ困難なレベルのものがざらに存在する。
      実際「閃光の狩人」のコミカライズ版ではポッケ村の住人がハンターの武器を装備しようとする描写があるが、
      武器を展開するどころか持ち上げるのがやっとという有様であり、
      村長からも「ハンターは一般人とは一線を画した存在」であることが語られる。
      • 現在までに登場している武器種の中でも比較的小型の片手剣や双剣でも、
        現実世界で鉄か何かの金属で同じサイズの武器を作ったら数十キロはくだらないだろう。
        小型武器の場合はそれを振るって軽快なアクションを行えるだけの身体能力が必要な訳で、
        結局要求される能力は重量武器を振るう場合と何ら変わりがない。
        ちなみにイベントで制作された実寸大の太刀は150kgであり、持ち上げられるだけで随分鍛え込んでいることになりそうである。
      • MHRiseのカムラの里の住人はハンターではない。
        そして上位ハンター並の才能があると言われている受付嬢達はまだしも
        まだ若年のイオリやヨモギまでハンター用の武器を扱っている描写があるのだが、
        後のアップデートで「ハンター以外でも扱えるように改造した里守用武器」が登場したので
        おそらくそういった武具を使って百竜夜行に挑んでいるのだろう。
      • ただしどこぞの村の漁師たちのように、普段は生産業に従事している百姓でも
        大型モンスターすら討ち取って獲物にするような猛者は確認されている。
        というか該当記事にあるがその漁師たちは海外版ではハンター扱いされてたりする。
        ハンターは確かに特別な人間だが、そういう超人が必ずしもハンターになる訳ではないので、
        市井の人々の中にも、似たような真似を出来る者は少なからず存在するということなのだろう。
        とは言え、大群や大型相手だと基本的に専門のハンターでなければ対処が厳しいのもまた事実であり、
        (モンハン基準での)一般人や軍隊などが手に負えない場合はハンターの出番になるのは変わらない。
      なお現実世界だと、この辺りの許容重量を騎馬によって強引に解決する例がたまに見られる。
      本来の意味でのランスはその最たるもので、生身では動くことさえ難しい全身鎧を着用して、
      そのまま振るっても大した威力を出せないランスを持っても、騎乗すれば立派な戦力になったのだ。
      故に騎乗技術を持った者や彼らの薫陶を受けたハンターが、革新的な戦術を編み出す可能性もある。
      そうで無くともモンスターに武器を複数搭載し、ベースキャンプに戻ること無く交換できると思われる。
    • MHWで登場したスリンガーは、今までの武具の最大の欠点であった重量を大きく緩和しつつ、
      小型生物に対応できる破壊力と捕獲用ネットによる採捕手段を備えた画期的な装備である。
      各種装衣導蟲と組み合わせることで、天然資源の採集や低難易度の狩猟のみなら
      巨大武器も図抜けた腕力も要らない、猟区における新たな活動形態を垣間見せている。
      いずれにしても、続編が出るにつれて技術や意識の革新が起こっているのは事実であり、
      「狩猟」や「ハンター」を巡る状況や価値観は、今後も絶えず変わり続けて行くのだろう。
  • 原則としてハンターは第三者からの依頼をギルドを介して受注することでしかモンスターの狩猟は許可されず、
    なおかつその依頼で指定されたモンスター以外は(小型や草食種を除いて)狩ってはならないとされており、
    いくら欲しい素材やアイテムがあるからといって勝手にモンスターを狩ることは密猟とみなされる。
    • ただし、クエスト内で乱入してきたモンスターはその時の判断で自由に狩猟しても良いことになっており、
      モガの森や未知の樹海など特定の地域ではある程度ならそこにいるモンスターを好きなだけ狩ることができる。
      例外的に遭遇次第即撤退を推奨しているモンスターも存在するが、
      これはハンターの身の安全を考慮したものであって狩猟を制限しているわけではない。
    • 当たり前といえばそれまでだが、偶にストーリー進行上発生する
      「モンスターの方から人の生活圏に突っ込んできたので応戦する」場合は一切お咎めがない。
      どころか明らかにギルドに連絡する暇などなかった状況でも何故か報酬は出る。
  • 一方でハンター自身も「自分には倒せない」「事情があって行けない」といった理由でモンスターの狩猟依頼を
    他のハンターに宛ててギルドに提出する場合もあり、ゲーム中ではが依頼者になっているクエストも多い。
    • プレイヤーが利用できるものとしてはふらっとハンターシステムがあり、
      プレイヤーハンターが他のハンターに依頼を出し、後でその成果を分けてもらうことができる。
  • 作品にもよるが、ギルド所属のハンターは大雑把に下位、上位、そしてG級とランク付けされている。
    下位はいわゆる一般のハンターで、相手取るモンスターもさほど強くはない通常の個体がほとんどである。
    上位は多数の狩猟や特殊なクエストをこなしてギルドにその働きが認められた一部のハンターがなれるもので、
    その種の中でもより力をつけた個体の他に、通常種よりも強い一部モンスターの亜種や希少種との相対も許される。
    G級ともなればギルドより指定された古龍および古龍級モンスターを討伐できた者のみが認められるという
    ハンターの最高位であり、大陸全体から見ても一握りの数しかいないと言われるほど極めて特別な存在とされている。
    当然、戦うモンスターもよく知られた種であってもその身体能力と戦闘能力が大きく変化しているような
    屈強かつ特殊な個体ばかりであり、まだ研究の進んでいない未知の亜種や新種の狩猟を任せられることもある。
    • なお、プレイヤーとなるハンターがほぼ全てその作品の最高ランクに到達するので忘れがちだが、
      世界観的には、ハンターの大多数は下位止まりで現役生活を終える。
      上位に上がることができれば、少なくとも生まれ故郷では英雄と持て囃されてもおかしくない快挙であり、
      G級ともなれば、同時代に大陸に数人しかいないレベルの伝説のハンター扱いである。
      逆に下位どころか小型肉食モンスターを打ち払えた時点で「一人前である」と言及されることがしばしばある。
      生態ピラミッドを考えれば大型モンスター討伐より小型討依頼のほうが数は多いのだから
      一生小型モンスターだけを相手にしても食えないほどではないのだろう。
      小型と言っても冷静にサイズを考えると「一人でライオンの群れを全滅させてこい」クラスの依頼ばかりであることを考えれば不思議でもない。
  • 作中では、プレイヤーは一律で「ハンターさん」、「◯◯(所属)のハンター」、「相棒」などと呼称され、
    時と場合によって二人称を使われることはあれど、名前を直接呼ばれることは殆どない。
    MHXXの酒場のマスター、酒場のクエスト受付が会話イベントなどでハンターを名前で呼ぶことがあるが、
    これは例外中の例外と言える。
    • この仕様は自由に名前が入力できるようになった近年の作品でも共通する傾向である。
      メタ的に考えると、直接プレイヤー名を表示することで違和感が生じる*1ケースをがあるため、
      世界観上のプレイヤーハンターの所属組織を明確に示すため、
      ボイスの関係上プレイヤー名の呼称が不可能であるため、などの理由が考えられるか。
    • MHFではNPCから普通にキャラクターネームで呼称される場合がある。
      また、MHSTでは主人公の立場上「ライダーさん」などと呼ばれる。
    • MHRiseでは拠点が主人公の生まれ育った里であることや、住民たちと家族同然の
      親しい付き合いがある事を強調するためかほとんどの場面でプレイヤー名で呼ばれる。
      それどころかクエストの依頼文でまで度々名指しされている。
  • ぽかぽかアイルー村ではアイルー達の職業の一つ。
    詳細はリンク先を参照。

ステータス

  • ついでとばかりに、装備品や従える生物も悉くが現実離れしている。
    大タルや大型モンスターの頭といったハンターの身の丈ほどある大きなアイテムを
    何十個も手元にしまってすぐにどこからともなく取り出せる四次元ポケット能力を持つポーチ
    や、
    どれほど硬い甲殻でさえも全く刃こぼれせずめった刺しにでき、
    巨大モンスターの頭や心臓を一瞬で剥ぎ取れる
    ナイフなどはその好例である。
    • また、ハンターをも超える驚異的な耐久を誇る昆虫を従える術を会得している。
      こちらは攻撃を受ける判定が一切存在しないため、文字通り無敵である。
      ……こうなるともはや生物どころか物体として存在するかも怪しいような。
  • 一部地域では、超重量の装備ごとハンターを高速で引っ張る小さな蟲巧みに操るハンターもいる。
    勿論攻撃を受ける判定は無い。更に言えば、彼らの出す糸は展開すればモンスターの攻撃を無傷で食い止め
    腕に巻き付けたハンターはモンスターに更なる痛手を負わせるようになり、上記の昆虫の活力回復、
    重弩の弾丸、銃槍の冷却、モンスターすら昏倒する狩猟笛の音波伝達、
    極めつけにはモンスターを傀儡のように操ることさえ可能とする。
    ……ハンターには小型の虫や蟲を使いこなす素質もあるのだろうか。
    • 更にそのハンターは、モンスターでさえ苦しませる疫病を狩猟に活かすという
      常軌を逸した思考を持ち合わせている。
      大型モンスターの精気も吸い尽くす、害虫という言葉すら生温い
      超危険な未知の生物との共生すら成し遂げている。
      この生物は、ある王国騎士でさえも掠り傷だけで意識不明に陥るほど強力な毒を持っており、
      主人公ハンター以外でコレとマトモに共生できたのはだけである。
      なんなら宿主の古龍のように、体力が減ったらその生物を食うことすら成し得る。
    • 挙句には、死に抗う古龍の幼体の力を己のものとし、
      あらゆる攻撃を受けてもすぐには力尽きないという人間を超越した存在になる事すらも可能。
  • 上述した特徴はあくまでプレイヤーキャラたる主人公にのみ当てはまるものであり、
    いわゆる「主人公補正」の賜物ではないかと思われる特徴も散見される。
    またゲーム的な仕様*6も多分に関わっているので、
    世界観上に生きるハンターにそのまま当てはめるのは些か乱暴である。
    • 主人公となるハンターは「何がどうなろうが絶対に死なない」ため錯覚しがちだが、
      世界観上における他のハンターは不死身と言うわけではない。
      とあるモンスターの調査に向かったハンターが悉く消息不明になったり、
      狩場で力尽きてそのままホトケさんになっていたりと、恐らく結構な人数が死んでいる
    • また、主人公はモンスターにどれだけボロボロにされようが後遺症を負うことはないが、
      作中では伝説のガンナー師匠のように
      「モンスターの攻撃で重傷を負い、それが原因で引退した」ハンターも少なからず見られる。
      狩人界に高名を轟かせていた二人ですらこのような形での引退を余儀なくされているあたり、
      如何にハンター稼業がシビアな環境のもとに成り立っているかが分かるだろう。
      逆に、重傷を負うこともなく狩人人生を無双級の活躍とともに駆け抜けるプレイヤーハンターが
      如何に優秀な、そして恵まれたハンターであるかも理解できるはずである。
      • カムラの里の上位ハンター・アヤメも、重傷が原因で引退を考えていた……のだが、
        加工屋であるハモンに勧められ、ライトボウガン使いに転向して復帰する気のようだ。
    • ゲーム中ではどれだけ高所から飛び降りても負傷したり死んだりもしないハンターではあるが、
      P2の主人公がティガレックスの襲撃に遭い雪山の高所から不慮の落下をしてしまった結果大怪我をしてしまい、
      世界観上ではモンハン世界の人類も不慮の落下による負傷や死亡は発生しうると見られている。
      またモンスターもフィールドギミック限定ではあるものの、リオレウスとの縄張り争いで相手側が掴み上げられ落とされてダメージを食らったり、
      堤防の決壊に巻き込まれて落下してしまいダメージを受ける、といった場面が存在する。
  • いずれにせよ、ハンター達が超人的な戦闘能力を有していることは間違いない。
    駆け出しハンターにはおなじみの「小型鳥竜種の討伐クエスト」にしたって、
    現実世界で考えれば「ナタや弓矢で狼の群れを全滅させろ」というような無茶振りである。
    少なくともその程度は朝飯前というような者たちでなければ務まらないのがハンター業なのだ。
    • 農業などを営んでおられる田舎のお爺ちゃんお婆ちゃん、親戚その他が居られる方は、
      リアルファンゴもとい、イノシシの恐怖を聞いてみると良いかもしれない。
      場所によっては犬の散歩中に出くわすこともあるぐらいであるから恐ろしい。
  • ちなみに、ハンターをはじめとするモンスターハンター世界の人類と
    プレイヤーである我々現実世界の人類が完全に同一の種であるかは不明。
    姿形や身体的特徴そのものは我々と全く同じと言っても過言ではない一方で、
    上記した身体能力は贔屓目に見ても一般的な人類のそれを超越している。
    少なくとも巨大な武器を振り回し、人間らしからぬ瞬発力でもって態勢を立て直すなど、
    極めて高い身体能力を誇っていることは紛れもない事実と言える。
    • もしかすると、これはモンハン世界に生きる多くの人々が、現在に生きる人々と異なり
      狩りをはじめとした自然と密着した生活を送っていることに関係があるのかもしれない。
  • MH3Gに収録されているムービー「みんな大きいっチャ!」によると
    男性ハンターの身長は175cmとのこと。女性は不明だが、ゲーム的にはほぼ同じであろう。

モンスターハンター

  • このシリーズのタイトルであり、
    一部の作品で用いられている特別なハンターへの尊称
    「大陸一の勇者」に与えられる称号とも。
    • この称号がそのまま名称になっているクエストも一部作品に登場する。
  • 実際の選考基準などは謎だが、無印ではHR20(最大)、GではHR29、
    MHPでは黒龍討伐、MHP2ではアカムトルム狩猟、
    MH2&MHFではHR48に到達すると称号として設定可能。
    称号が組み合わせ式になった作品でも、「ハンター」は初期から名乗れるのに対し、
    (組み合わせて「モンスターハンター」にできる)「モンスター」を取得する条件は厳しく、
    MHP3まではギルドポイント197200以上、MH3G以降はHR999となっている。
    • MHXXではMHXからの引き継ぎの際にHRがリセットされるが、
      MHXでの称号は残るため、HR999未満でもモンスターハンターを名乗ることができる。*7
  • MH4の旅団の看板娘曰く

真のハンターとは
力ではない、強い装備でもない、
ましてや狩ったモンスターの数でもない。
すべてを自然の一員とみなし、
それを調え、制する者を指すんです。
そんな最高のハンターをたたえる言葉が
《モンスターハンター》なんですよ。

  • また、バルバレの買い物客
    「モンスターハンターとはどっひゃーなハンターのことであり、
    同時に世界で最も心優しいハンターのこと」
    と語っている。腕前云々よりは精神的なものなのかもしれない。
  • 筆頭ガンナーは「すべての命を受け入れて、生も死をも見つめ続ける最高の《モンスターハンター》」と語っている。
  • ちなみに、MHP3まではこの後で手に入る「レジェンド」の称号の格下扱いであったが、
    MH3G以降ではレジェンドの取得はHR500に変更され、立場が逆転した。
    やはり「モンスターハンター」こそが最高の狩人たる証ということだろうか。

余談

  • 現実における狩猟は、実のところかなり生産効率が劣悪な生業である。
    同じ採捕でも植物や虫などの採集や、水場での漁撈の方が生産力はずっと高く、
    ましてや、同じ広さの土地を利用した農業とはもはや比較にすらならない。
    古代は狩猟を行っていた人類が、現代では殆ど行っていない理由がここにある。
    単純に、人口が増えてしまうと野生動物の狩猟では食い扶持が稼げないのだ。
    実際、狩猟生活のスペシャリストである肉食獣ですら、
    チーターのように『成体が群れを作ると餓死する個体が出るので単独生活を送る』
    といった習性を持つ種も少なくない。
    現存する狩猟採集民でさえもが、その食糧供給の比率は採集がメインで、
    このため狩猟をする人々もまた、大抵は農業や漁撈も並行して行っており、
    ハンターとして有名な日本のマタギも、その殆どは狩猟専門ではなかった。
    仮に狩猟が主力産業の民族が居ても、それは稀も稀なケースと言っていい。*8
    また古代からの狩猟生活で、地球上の巨大動物はその多くが絶滅してしまい、
    今なお領域を広げる人類を前に、ゾウやサイなどの大型獣は滅びに向かっている。
    • 「管理」しているとはいえ、各種技術や知識が未熟なモンハン世界が、
      あれほど巨大なモンスターたちを養い、また狩猟主体の産業を行えるのは、
      ひとえに自然の生産力が、現実よりも遙かに莫大であることを物語っている。
      モンハン世界には一つの生態系を生み出すほどのエネルギーを秘める「自然の権化」が存在しており、
      それらが大半のハンターを物ともせずに生を謳歌し、いずれ自然へと還るというサイクルを繰り返している。
      これも現実世界とは全く異なる環境が構築されている大きな要因であろう。
      ハンターやその文化を産み出し支えているのは、まさに自然の恩恵の賜物なのだ。
  • 現実のハンターも、野に生きる獣を狩るのが仕事であり、その起源は人類が誕生した頃まで遡る。
    しかしながら、上述のように主力産業である農業や漁業に生産力で全く及ばない*9上に、
    近代では畜産業の発達により、肉や毛皮を目的とした狩りの需要は薄れてしまった。
    そのため、現代の狩猟は生活のためというよりは趣味という側面が大きくなっており、
    加えて自然保護や動物愛護などの意識が高まったことで、「趣味で殺生するとは何事か」
    「肉を食べたければ畜産でいい。自然を織りなす野生の動物を殺す必要が無い」など
    各方面からクレームを付けられたり、好ましく思われないケースが増えつつある。
    特に欧米では、近代における行きすぎた動物の殺戮とそれによる絶滅の反動で、
    狩猟どころか畜産や肉食すら嫌悪したり、動物の権利を主張する人々も少なくない。
    • 一方では野生動物、特に肉食獣の減少によって草食獣が過剰繁殖するというケースもある。
      繁殖しすぎれば生態系だけでなく、人間が管理している農作物への被害が出る事もあるため、
      個体数を調節することを目的として、収穫や利益を度外視した駆除が行われることは多い。
      人里まで下りてきて畑を食い荒らすイノシシを狩猟した…などといった話は、
      誰しも1度は聞いたことがあるのではなかろうか。
      現代の先進国においても生態系管理の面で、ハンターは未だに必要とされる存在である。
    • また何らかの理由で野生動物が人間の生活圏内に迷い込んでくる事もあり、
      結果として人間に危害を加える恐れありとして狩猟されるケースもある。
      明確に人間を襲う目的で侵入してくる動物はまずいないが、
      偶然迷い込んだだけではあるが周囲の人間からの刺激によって防衛のために人間を襲う事は十分あり得る。
      ウサギやネコ程度の小型動物だったらまだしも、熊などある程度以上の大型動物だと
      過去にも人間が襲われて死者を出している事例もあるため、付近の山林にいることが判明した時点で早急に狩猟される。
      この辺の事情はモンハン世界でのハンターと似通っている。
      • また、こうして人間を襲った個体を取り逃した場合、追いかけてでも狩猟する必要がある。
        人間を襲う事が可能なほどの大型の野生動物が人間を襲わないのは、
        ひとえに「得体の知れない生き物だからあえて襲わない」だけである。
        人類は自らの肉体的な非力さを理解しているのであまりピンとこない話だろうが、
        動物から見ればヒトの上背があるという特徴はそれだけで危険な存在に映るのである。*10
        しかし、人間を「体躯のわりに非力かつ鈍重で容易に狩れる獲物」だと知ってしまった野生動物は
        極めて高い確率で、今度は明確な意図を持って襲いに来る。
        こうなってはもはや「刺激しなければ良い」では済まないため、探し出して殺さなければならない。
      • では人里に降りてきても人を襲ってないから駆除しなくていいのかと言われればそういうわけでもなく、
        人里で農作物や残飯が食べられることを覚えた生物は、そこを自分の餌場と認識するのである。
        そうなると当然人と接する機会も多くなり、早晩上記のように
        「あの生物は大きいだけで実害がなく、仮に争いになっても簡単に撃退できる」と学習してしまうのである
        また、野生動物の厄介さを知らない観光客などがこれらの動物を「かわいい動物」とみなしてエサを与えてしまうと
        最悪の事態に陥ってしまう。
        多くの動物は、「エサを与える」という行為を「上位種による施し」でなく
        「力に劣る生物が餌を差し出した」と理解する。*11
        こうなった生物は、直接対峙するというプロセスすらすっ飛ばして
        「エサを置いていけ」と言わんばかりに人へ襲い掛かるようになる。
        そうなればやはり駆除するしか手はなくなるのだ。
        そしてやはり事情を知らない非居住者が「動物がかわいそう。殺してしまうなんて野蛮」などと無責任に批判して
        駆除すらままならなくなるまでがセットである。(極論、人間は自然界にいらない、というものもあるが)
    • ちなみに現代日本では、野生生物が生息する領域の減少や産業の第三次化により、
      一時期狩人の人口は大きく減少・高齢化していた。
      最近では獣害の拡大を防ぐため各地の自治体によるサポートが拡充したこと、
      ジビエの一般化などにより、多少だが若手のハンターが流入しつつあるらしい。
      ある意味モンハンが流行っているのも、こういった風潮を反映している……のかもしれない。
      • なお、日本でハンター業に就きたい場合、まずは居住地の都道府県で狩猟免許試験を受け、
        銃を使いたいならさらに「銃の所持許可」を得る必要がある。興味のある方は各自検索してみよう!
        20歳以上の健常な日本人なら、学歴も何も問われないため、誰でもハンターへの道は開かれているぞ!
        ただ、その代わり収入は超不安定なので頑張ろう!
        体力も要るし、怪我や食あたりにも注意だ!
        …こんな状況なのでハンター業以外に仕事があったり、獲物を自ら開いたレストランで振る舞うなど、
        六次産業*12化していることもある。尤も、再三述べるようにハンターは昔から兼業が主流なのだが。

現実における狩猟の武器について

  • なお狩猟免許は「網猟(網を使った罠を用いる狩猟)」「わな猟(網以外の罠を用いた狩猟)」
    「第二種猟銃(空気銃)」「第一種猟銃(空気銃に加えて散弾銃、ライフル)」の4種類がある。
    ……見ての通り、剣士系武器・及びを用いての狩猟は一切認められていない
    …が、わな猟では掛かった獲物にトドメを刺す時、刃物類を使うので実質的な剣士といえなくもない。
    また、上記免許の指定する猟法と禁止されている猟法、どちらにも当てはまらない自由猟法というものもあり、
    素手スリングショット投石投げナイフによる狩猟はこれに当てはまる。
    なので、剣士系武器や弓も一応は再現可能。
    とは言ってもやっぱり罠無しで刃物で狩りをするのは小動物には当たらないし熊や猪には勝てないしで無理ゲーである。
    鬼ヶ島での通常弾連射が一番リアルで再現しやすそうなスタイルだろうか。
    火縄銃でもないし、そもそも現実の猟銃は中腰の構えなんてしないけど。
  • ちなみに専業ハンターはどの地域のどの時代でも比較的珍しいのは上記の通りだが、
    日本においてもそれは同じであり、また「狩猟」と言ってもその対象となるのは、
    熊や鹿や猪のような大物よりも、兎や栗鼠や鳥のような小型のものが大半だった
    上述のマタギは畑作の傍らで獣を狩っていたし、主流であった水田稲作の土地では
    水田に飛来する鴨や雁、鶴や白鳥などの鳥を網などで獲って食糧にしていたという。
    もちろん大型獣を狩るケースもあったが、それはやはり主流ではなかったのである。
    • 当然だが現実世界の人間は、モンハンのハンターと異なりリスクのある獲物を避け、
      基本的に手間や危険のない小動物を少数捕らえておかずに饗する程度だったのだ。
      自分よりも遙かに大きなモンスターに立ち向かい打ち倒す本作のハンターたちが、
      如何に凄まじい身体能力と桁外れの度胸を持っているかがよく分かる対比と言えよう。
  • モンハンとリアルの狩猟を比較した際、一番大きな違いは「獲物を発見する手間」であろう。
    ペイントボール千里眼の薬もましてやフクズクなんて超万能レーダーもないリアルでは、
    とにかく獲物を探して近づく時間が大半を占める。
    というか、リアルでは罠猟を除けば、「獲物に気付かれず銃の射程内に入れれば8割方狩りは成功」とも言われており、
    逆に気付かれてしまえばほぼ狩猟は失敗したも同然である。
    リアルの狩猟は「ガチンコの殴り合い」ではなく、「命がけのかくれんぼ」であると考えた方がいい。
    モンハンよりむしろこっちである。
  • 火竜弩」と言うライトボウガンが存在する。
    説明するまでもないのだが、「狩人」と掛け合わせた言葉遊びである。
    さらにP2Gでは「銘火竜弩」と言うライトボウガンが登場した。
    これも説明するまでもないのだが、「名狩人」に掛けている。
  • これは説明する必要があるかもしれないが、MH世界では「狩人」と書いて「狩人(かりんちゅ)」と読む場合がある。
    狩人Tシャツなどがいい例だろうか。
    琉球語風の読みである。
  • 「狩猟」はおおよそ動物を相手とした行動に限定されるが、
    これが「狩り」となると、微妙にニュアンスが変わって来る。
    剣や斧、銃や弓を釣竿に持ち得て、のんびり魚釣りに勤しむのは勿論のこと、
    いちご狩り、紅葉狩り、などの植物採集(あるいは、自然観覧)なども立派な「狩り」である。
    つまり、熱帯イチゴ20個を集めて来いと言う無茶振りも立派な「狩り」なのだ。
    転じて『ハンター』と言う言葉は「(動物相手の)狩猟」に限定せず
    「自分が求めるものを探しに出向き、手に入れる」と言う行動の全てを総括的に表現する言葉である。
    その対象は動物や植物に限らず、引いては「鉄道ハンター」「流氷ハンター」「絶景ハンター」など
    求めるものが何であれ、それらを追い求める者は全て『ハンター』である*13
    • たまには、大型モンスターや古龍などの生態的な危険が及ばぬ大自然の中を悠然と闊歩して
      肉を焼き、草花を摘み、虫やキノコを集め、綺麗な石を探し、魚を釣り、広大な風景を満喫するのも良いだろう。
      それらの行動、その全てこそ、まさに
      ハンターライフなのだから。

体型について

  • 主人公となるプレイヤーハンターの外見は各々で異なるが、体型はモデリングの関係である程度共通している。
    ここで気になるのは、公式のプレイヤーのルックスに関する見解である。
  • ハンター大全2付属のDVDでは、
    プレイヤーが操るハンターは格好良くスタイリッシュで英雄チックな姿ではなく、
    むしろそこらのおっさんの1人に過ぎない」という衝撃的すぎる開発側の想定が語られている。
    つまりそこらのおっさんが、作品によってはミラボレアスやアルバトリオンすら1人で倒していると言うのか…
    そして体も逆三角形ではなく、むしろ腹が出ているのが基本であるとの事。
    女性もふくよかな固太り体型なのだろうか。
    • これに関しては、ハンターの体型がデブ…という訳ではなく
      フィクションにしか存在しない様な細身の筋肉質な体でも、贅肉0のストイックな体でもない
      「普通」の体型をしているという意味合いだと思われる。
    実際、当時(無印~MH2)のハンターのグラフィックを見ると、
    他のゲームのキャラよりも若干太ましいモデリングという印象である。
    男は胴体も一貫して寸胴そのもので、確かに逆三角形とは程遠い。
    女キャラは筋肉質に設定されているが、良くも悪くも肉感がある身体つきである。
  • 「新世代のモンスターハンター」と銘打たれたMHWではハンターのモデリングが一新され、
    これに伴ってプレイヤーハンターのルックスが大幅に変わった
    • 男ハンターははち切れんばかりの胸筋とたくましい腹筋を備え、体型も逆三角形に近いものとなっている。
      流石にボディビルダーのようなガチムチの身体ではないが、
      キャラメイク次第で「格好良くスタイリッシュで英雄チック」な男性に仕上げることはできる。
    • 女ハンターは全体的にスレンダーで、くっきりしたくびれを備える。
      男ハンターとは逆に肉厚さや筋肉感が減衰しており、
      マッチョというよりは程よく引き締まった身体つきと言ったところ。
    全体的にいわゆる「理想体型」に近づいたボディラインとなっており、
    開発側でもハンターの体型に関して上方修正見直しが行われた模様。
    とはいえ現実世界のそれから逸脱するような体型ではないので、違和感などは全くない。
    • 近年のゲームで相当増えてきたモーションキャプチャーだが、MH(メインシリーズ)では、
      アクターとハンターとの体型差が少ない故に動きの不自然さは比較的少ない。*14
      逆に体型が余りにも違うアイルーや派生作品のMHSTやMH-Rでのアニメチックなモデルで不自然さが現れる事が増えている。
  • ちなみに、モガの村の武具屋の老職人はプレイヤーハンターに
    「防具は体型が変わると調整するのが大変だから、食いすぎて太らないように気をつけろ」と忠告してくる。
    これは肉や酒をかっ喰らい過ぎてしまったあまり、
    腹の出たデブハンターと化した者が結構多い事を示唆しているのかもしれない。

関連項目

ゲーム用語/主人公 - プレイヤーが操作するハンター。


*1 「◯◯くんさん」「~@××さん」など。
*2 超人である主人公ハンターが独自の判断で「ここ飛び降りればショートカットになるんじゃ?」と思い込んで飛び込んでるだけ、というわけではなく、塔の秘境や溶岩島、地底洞窟や竜ノ墓場などのスタート地点のように飛び降りることを前提にキャンプ地を設定するギルドも大概である。
*3 MHR(:S)のハンターによる「モンスターに注意しろ!」「何かしてくる!」などの注意喚起セリフ。ボイス頻度を上げると確認できる。
*4 これらの能力はあくまでゲーム上なので持っているのであって設定上のハンターが持っているわけではないので注意
*5 一部の不合理な現象はゲーム上だから起こるのであって、実際(世界観上の描写)では起こらないものもある。
*6 特に回避行動や生命力、調合などに関わる仕様などに顕著。
*7 MHXでHR999にしていた場合のみ。
*8 いわゆるエスキモー・イヌイットなど、植物がまともに育たない寒冷地に住む人々であっても漁撈を並行して営むケースが多く見られ、全体が狩猟を主体としている訳ではなかった。
*9 同じく自然から資源を採集する漁業と比較しても、面積あたりの収穫量は数割以下。農業と比べれば何を況んやである
*10 「何らかの方法で体、特に上背を大きく見せる」ことは多くの生物が威嚇行動として行うのがその好例と言えるだろう
*11 犬の飼育において人が食べている物を欲しがるままに与えるのが禁忌であり、エサを与える際は飼い主の許可があるまで食べさせない、所謂『待て』の躾が重視されるのが好例である。ちなみにネコの場合もともと同族間の上下関係という概念自体をほとんど持たず、更に人間を『でっかいネコ(=同族)』とみなしている節があるのでこの手の問題は起きにくい
*12 生産の一次産業・加工の二次産業・流通販売の三次産業が高度に複合した産業形態を、それぞれの数字を足してこう呼ぶ。このケースの場合は、狩猟が一次産業・獲物の解体や加工が二次産業・サービス業であるレストランが三次産業となる。
*13 ハンター稼業の始祖であるココット村長の言葉を借りるなら「孤高の戦士として名を残す者収集家を目指す者多くの仲間と共に勝利を記憶に刻む者。皆それぞれではあるが、それら全てがハンターである」
*14 アクターとゲームモデルに体格差や重心の位置の差があると、関節の角移動速度や各部位の重量等に齟齬がどうしても生まれやすくなる
現実では早々有り得ない体型が多いアニメチックな作品で顕著
ただし、不自然さの軽減に向けて並大抵でない努力がなされており、雑で適当な演技や知識の無い素人では不自然以前の問題で、話にすらならない映像になる事をアクターの方々の名誉の為にも付記しておく。