世界観/軍隊

Last-modified: 2022-04-22 (金) 17:22:28

国家や権力者が所有する「戦う」ための組織。

概要

  • 敵対する国や凶悪な犯罪者、大規模な災害、SFなどでは異世界や異星からの侵略者に強大なモンスターなど、
    様々なものと戦うための組織。
    軍隊は保有する集団や個人の直接的な戦闘力であり、外交能力のひとつと言える。
    • 現実の近現代なら国際法や戦時条約との兼ね合いで
      「軍隊」かどうかを決める基準*1はあるのだが、
      周辺国との地政や国内法制に深く関係する組織であり、特性や目的が多様なため、
      「どのような規模や装備なら軍隊か」を断言できる絶対的な基準は無い。
      大きな国なら警察や国境警備隊として扱われる程度の組織が主力を務める「軍隊」もあれば、
      大規模な海軍力を整備し、国際法的には正規軍扱いできるものの
      「軍事力ではなく必要最低限の実力」とする日本の自衛隊などの例もある。
    • 封建時代日本の僧兵やヨーロッパの教会系騎士団などは宗教団体の組織した軍隊であり、
      個人が所有する武装集団を「私設軍隊」などと表現することも。
  • 基本的に紛争解決や権利防衛のための最後の手段かつ強制力として整備されるため、
    所有する共同体内で最大の武力を持つことになる。
    それ故に、他集団との紛争を前提に整備された軍隊が手段として濫用されれば
    国家間の武力衝突が起きて大きな犠牲や問題を引き起こすし、組織として統制されていなければ、
    武力を背景に共同体の実権を乗っ取ってしまう「クーデター」が起こったりする。
    実力組織であるからこそ、その運用や統制に関するルールも強固に作られている場合が多い。
    • しかし、共同体が武力だけで成り立っている訳では無い以上、
      政治的な判断や人手や資金などの現実的な問題で好き放題に軍隊を整備増強できないのも世の常であり、
      マフィアや反政府勢力、テロ組織が装甲車や重火器などを手に入れ、
      その国の軍隊並に武力を強めて跋扈することもざらにある。
  • 他作品とMHとのコラボレーションに於いても
    「正規軍」を始めとして「訓練兵団」「特殊部隊」「民間戦術組織」など多くの組織が名を連ね、
    『軍隊』と言う言葉の多様性の広さを物語る面白い側面が見られるので
    時間が有れば各コラボの元作品の概要をなぞって見るのも一興だろう。
    中でもいちばん軍隊らしい軍隊と言うとギャグ漫画のケロン軍になってしまうのだが…
  • 武装組織でなくても、隊列を組んで行進する様子や統制された行動を「軍隊」と称することもある。
    大群の行列でジャングルを突き進む「グンタイアリ」などは、
    行動の形容がそのまま名称になったわかりやすい例だろう。

MH世界の軍隊

  • ゲーム中ではほとんど描写は無いが、MH世界にも国家や権力者が所有する軍隊がちゃんと存在している。
    ハンター業とはほとんど関係が無いので、直接的な接触が皆無なだけである。
    なお、最初期の作品ではモンスターの毒を兵器開発に利用するためにギルドに依頼を出したりする例もあった。
    近年でも、軍隊の進軍経路確保のためにモンスターの狩猟捕獲の依頼がギルドに届くケースも見られる。
    司令部や権力者などの上層部がどう考えているか直接的な描写はないが、
    依頼を出しているということは、ハンターに利用価値を見出だしてはいるようだ。
  • 軍制や装備、練度などは明確に描写されていない。
    モンハンの世界には、明確な巨大国家として東西シュレイドの2国がよく出てくるが、
    これ以外にも数多くの小国家が各地に存在しているため、一言に「軍隊」と言っても
    統制された正規の国軍から支配階級の私兵のようなレベルまで、様々な形態があるのかもしれない。
    将軍はともかく「騎士」がいるらしいのだが、
    この単語は読んで字のごとく、徒歩の足軽などと対比して馬に乗る武士を指したものが源流。
    騎兵が殆ど確認できないこの世界で、何を以て「騎士」とするのかは不明である。
    • なお現代の日本だと、この「騎士」はもっぱら西洋の「Knight」を指す場合が殆どなのだが、
      「Knight」は(主に古代~近代ヨーロッパにおける)軍隊の階級や称号と言った意味合いが強く、
      本来の「騎士」と異なり、実際に騎兵であるかどうかはあまり関係なかったりするため、
      MH世界でも、騎兵ではない戦士を指す称号などとして扱われている可能性はある。
      お馴染みギルドナイトの存在からも、「Knight」に近い概念があるのは伺えよう。
  • 人々の生活を脅かすモンスターへの対抗策として、軍隊が出動することはままあるらしい。
    軍が独力でモンスターを討伐した場合はハンターに依頼が回ってこないし
    プレイヤーが預かり知らぬ所でそういう事が起きているのかもしれないが、
    相手は巨体かつ獰猛で屈強なモンスター。大砲を一発直撃させた程度で死んではくれないし*2
    軍隊=火砲を備えた重装備の組織だとも限らない。結果として、手も足も出ずに敗走することもある。
    そうなれば、モンスターの脅威を除く為ハンターズギルドに応援を要請、
    それを依頼としてギルドが受理し、ハンター(プレイヤー)にクエストとして斡旋される…という流れが、
    最近のシリーズで軍隊が出てくる際の定番となっている。
    • とあるモンスターには、その脅威を排除するために軍隊を幾度となく送られたが、
      圧倒的な力によってその誰をも砂に還したという、伝承が残されている。
  • 軍が自前のハンター、或いはそれに匹敵する人材や部隊を保有していないのは不自然ではある。
    個人の武勇で見れば、ハンター並の身体能力や戦闘技術を持つ騎士や兵士が居る可能性はあるが、
    そもそも軍隊の基本構成さえ不明な現状だと、そう言った話はとんと聞こえてこない。
    一応ロンディーネはそれに近いが、彼女も軍人というよりは女王個人の直属である。
    軍事力に専門技能を持つ傭兵や外注を充てる事は古今を問わず珍しくないのだが、*3
    それはつまりモンハン世界の国家がモンスター対策に本腰を入れていない(必要性を感じていない)、
    もしくは自力でモンスターの脅威に抗しきれないことの現れである。
    ハンター大全などの設定では、ハンター達が活動しているエリアはかなりの辺境とされており、
    都市部の人間の中にはモンスターの存在を実感する事さえなく一生を終える人も珍しくはないらしいので、
    本腰を入れていないタイプの国にとってモンスター対策は政策上さほど重要では無く、
    「餅は餅屋」とばかりに民間に丸投げしているのかもしれない。
    逆に後者の国家では、自然の脅威であるモンスターに国が対応しきれないという点で、
    国民からの支持や支配体制が揺らぐ恐れも出てくる。
    かといって放置するわけにもいかず…のように、
    ギルドとの関係性やハンターの扱いなどには神経を尖らせているのかもしれない。
    • 単純な戦闘力ならモンスターにも対抗できるが、兵站や戦略機動性や政治的問題で、
      辺境まで送り込む事ができないと考える事もできる。
      兵士と装備を長距離移動させるには多くの金や人手や物資がかかるものであり、
      近隣国との関係が悪ければおいそれと自国戦力を遠くへやる訳にもいかない。
      仮に辺境にある村々やギルドがある程度の自治を行っているなら、
      いきなり武力を派遣して摩擦が起きるのも避けたい所だろう。
      事実、ハンターズギルドは(調査目的ではあるが)新大陸という全くの未開の土地へと
      数十年単位の時間をかけて生活環境を築いているが、
      それを国家が強力に援助しているというような描写は全く見られない。
    • 時代や地域によっては常日頃からモンスターの脅威と隣り合わせの「火の国」という
      不幸な立地のお国も存在している。
      常在するハンターのレベルも低く対処が厳しいため、毎度のように国家的危機に陥っているらしいが、
      この国も軍隊や兵器をハンターと組み合わせるといった戦術は採っていない。
      火の国がどのような形態の国家なのか、どのような軍制を敷いているのかはよく判らない所だが
      旧弊的なお国柄を伺わせる所もあり、そもそも中央集権型の大規模な国軍を整備できていないのかもしれない。
      こうなると、国の運営がモンスター対策に左右され、ギルドの政治的影響力が増大してしまう事も考えられる。
      ゲームの都合のせいもあろうが何気にモンハン世界の国家の苦労が窺える事例である。
    • 中には古龍の出現で国家機能がマヒした*4国もあり、
      国民感情なども考えれば、できれば国家が自力でモンスターに対処できるに越した事は無い。*5
      それができない国家的事情という物も、モンハンの世界観を考える上での手がかりになるだろう。
  • 強大な敵を倒すというのはやはり軍人冥利に尽きる手柄であり、
    それを個人もしくは自軍のものとして独占したいという思いを持つ者もいる。
    それ故にハンターの存在や介入を快く思わない人物も少なくはないらしい。
    小説版ではハンターの存在をよく思わない王国騎士たちが蜂起し、
    ハンターが人間相手に武器を振るうことができないルールを持つのを良いことにミナガルデの街を占拠。
    王立武器工匠の力を借りて設計して作られた新型の大砲を用いて、
    ラオシャンロンを強引に討伐しようとした。
    結果としてミナガルデにはラオシャンロンに加え、リオレウスが大挙して押し寄せる事態になり、
    ハンターたちに大砲を破壊されたうえ、酒場を占拠した王国騎士たちも取り押さえられた。
    • 武力とマンパワーはあるが、モンスターと接する機会の少なさから知識に劣り解決に手こずる軍隊は、
      狩猟経験によって得られる知識と装備を駆使し、
      少数でハンティングを成功させるハンター達を際立たせるのに丁度いい対比組織でもある。
      これは古典的な英雄譚から現代まで、洋の東西を問わず見られる王道的な表現でもあり、
      モンハン世界の軍隊もまた、怪獣特撮の防衛隊的な噛ませポジションに収まっている、
      ちょっと可哀想な人達だと言える。
  • 一方で、面子などよりも現状打破こそが第一という考えや、ハンターもまた共に戦う仲間という認識を持ち、
    積極的に協力体制を築こうとする者もいて、
    当初は否定的だったが、ハンターとの共闘を通じて考えが変わってきた人物も登場している。
    • ただし、どんな内容のクエストであっても、彼らがゲーム中でNPCとしてクエストに介入することはない。
      画面上は常にハンターしか戦っていないようだが、一応裏ではバックアップしてくれていたり、
      ハンターが一時退却した時に応戦しているのだと考えておこう。
  • 冷静に考えると、軍隊をも一蹴しかねない危険度5クラスのモンスターを相手に、
    最大でもたった4人で、時には単独で対処できるハンターもまた、
    尋常ならざる怪物、もはやモンスターと同格なのかもしれない。
    • ただ、人数の多少はフットワークの軽重や集団の意識にも影響するため、
      「軍隊(=大人数)であればこそ蹴散らされる」という事態も往々にして発生する。
      現実の戦において寡兵が大軍を打ち破った話では、大群側の先鋒が手酷く打ち倒され、
      それを見た者が連鎖的に恐慌状態に陥り、部隊全体が逃げ腰になって瓦解した、という例もある。*6
      四人程度なら現地調達でどうとでもなる補給に関しても、部隊単位となると段違いの準備が必要になり、
      これが途絶えてしまえば人数の多さが足枷になる事もあるだろう。
  • ハンターの武器攻撃を他のハンターに当てても傷一つ付かないが、それはあくまでゲーム上の都合であり
    当然の話だがハンターといえども剣で斬られれば傷付くことがノベル版などで描かれている。
    となれば、大型生物に叩き付けることが前提の巨大武器を振るうハンターと
    人間を殺傷することを主目的とした装備と技術を研鑽している軍人、
    どちらが人対人の戦闘に優位かは明白である
    ギルドナイトは違反したハンターなどの敵対者を殺害するのも任務ではあるが
    それらの人員は少数であり、仮にハンターズギルドと国の正規軍が武力闘争になった場合、
    ギルド側が劣勢になる可能性が高い。*7
    仮にハンターがゲリラ戦に走っても、数の差から拠点をカバーしきることは困難なことは想像に難くない。
    そして如何に現地で物資を調達できる彼らでも、装備の製造・供給には高度な技術と大規模な流通が必須で、
    軍隊の多勢を以ってそれらを破壊及び阻害されては活動すらままならなくなるだろう。それが物量差なのだ。
    そもそも、治安維持や侵略からの防衛を担う軍隊と、モンスターへの対処を行う互助組合的なギルドは
    足りないところを補い合う別組織と考えた方がよいだろう。本来は強さ比べをするようなものではない。
    とは言え再三指摘したように、作中の軍人たちはハンターに後塵を拝しているのを恥じている節があり、
    また同時にハンターの成し遂げるモンスターの狩猟にどこか期待や憧憬を抱いている描写も少なくない。
    やはり圧倒的な個の力を持つ超人、自分たちが苦戦を強いられるモンスターを討ち取る英雄的存在は、
    モンハン世界の軍人たちにとっては畏怖する反面、どうしても憧れを抱いてしまうものなのだろう。
  • ドンドルマの治安維持部隊であるガーディアンズや、ロックラック各種防衛組織なども、
    「武力を有する組織」という観点で見れば一種の軍隊であると言える。
    ただし、ドンドルマは街の運営そのものにハンターズギルドが深く関わっている。
    他の組織がハンターズギルドとどのような関係性なのかは不明である。
    • ガーディアンズに関しては、トップを務めるのがハンターズギルドと同じく大長老であることから、
      ハンターたちとも密接に関わっている可能性が高い。
      また、ロックラックの方もMHXにてギルドマスターが町長を兼任していることが判明したため、
      やはり関連の強い組織であることが考えられる。
  • 軍隊とは少し違うが、常駐のハンターがいない小さな村などでは自警団を設立し、
    モンスターが近辺に現れた時には応戦するという例もある。
    ただし、特に訓練を受けていない一般人が対抗出来るのはせいぜい
    小型モンスターなら追い払えるといった程度であり、それだけでも怪我人が出る恐れがある。
    国家所有の軍隊を返り討ちにしてしまう程の大型モンスター相手では流石に分が悪すぎる。
    彼らが困っている時こそハンターは派遣されるべきだろう。
    中には里の衆総出大量の大型モンスター凌ぎ切る集落なんてのも存在するが、
    どこの集落もここのような戦闘力に優れたものばかりではないだろうし、
    その例に関してもハンターと言う最大戦力の存在は大きい。
    • 一般人がモンスターと対峙する際、現実的に準備・運用が可能でかつ効果的なものは少ない。
      閃光玉音爆弾などは素材の供給が難しく、そもそも怯ませるのがせいぜいである。
      となると後は家畜やトイレから採取できるウ○コで作れそうなこやし玉くらいしかなさそうだろうか。
      こちらも絶対に通用する代物ではないが、そこらの鉈や斧を振り回すよりは追い払う見込みもあるだろう。
    • MHWorldで登場したスリンガーは、一定以上の攻撃力と高い汎用性を併せ持つため、
      数を揃えて斉射すれば小型モンスターなら返り討ちにする程度の破壊力があり、
      こやし玉などを叩き込む際にも多少は安全になるので、今後は事情が変わるかもしれない、
      スリンガーは同一目標に同時攻撃が可能なため*8、ハンターよりも軍隊や自警団のように、
      ギルドの人数制限に縛られないほうがその真価を発揮できる武器だと思われる。
      飯のおかずを増やすため、小動物を捕らえるのにも使えるのだから尚更便利だろう。
    • MHPの集会所にいるハンターはなんだかんだあった末に故郷に帰り自警団の団長になると語っている。
      村長にも元ハンターが居たりするので、彼らのような隠居ハンターが自警団を支えているのだろう。
    • またモガの村の漁師のように、ハンター以外でもモンスターを倒せるくらい強い一般人は居るので、
      田舎の村や町でもこうした猛者たちが、ハンター不在時の緊急対応を行っている可能性はあろう。

関連項目

登場人物/年若い将軍 - 現在ではハンターズギルドのお得意様となっ(てしまっ)た軍人。
世界観/ガーディアンズ - MH界に於ける、もっとも典型的な「軍隊」的組織。


*1 「軍人」か「文民(非戦闘員)」かを区別するための基準
*2 モンハン世界の大砲は、構造も運用も原始的な代物なので尚更。砲弾の材料である火薬岩の採集依頼がハンターに舞い込む辺り、生産と運用が安定しているのかすら怪しい。
*3 国民を兵士に養成するのが金も時間も損だと判断されれば、軍そのものが傭兵主体になりさえする。これは中世ヨーロッパどころか近現代の途上国の軍隊にも見られる構造で、逆に社会や産業が安定した先進国では、兵器製造などの専門分野が国営工廠から民間の企業などに大きく移管される。産業が発展していないモンハン世界の場合は前者だろう。
*4 MHWの4期団メンバーが言及している
*5 自力救済という概念は世界のあちこちに見られるが、逆に言ってしまうとそういう気概が無いと誰かに食い物にされるのが旧来の人類社会であった。例えばアメリカ合衆国がその憲法において、遍く国民に強力な銃火器の所持を許可しているのはそういった時代の名残でもある。
*6 伝記物などで戦意喪失した配下の兵を指揮官が「臆病風に吹かれおって!」などと叫びその場で処刑することがあるのは、指揮官が戦闘狂や横暴だというわけではなく、そういう意識が伝染するのを防ぐためである。
*7 戦いは数が多い方が優勢である。如何にハンター個人が強くとも、少数の時点で選択できる戦術・戦略が狭まるため絶対的に不利なのだ
*8 プレイしていても分かるが、近接武器は互いが邪魔になる・遠距離武器の射線を遮ってしまう点で、同一目標への同時攻撃には全く向いていない。ボウガンやスリンガーなど点攻撃を離れた場所から行う武器のほうが、同じ場所とタイミングに火力を集中させやすいのである。