世界観/黒龍伝説

Last-modified: 2025-06-21 (土) 10:30:45

作中の世界で語り継がれる伝説。現実で言う「桃太郎」や「一寸法師」の様に、誰もが耳にする御伽話である。

目次

内容

MH

  • 二度目に襲来した巨龍が去り、再び平和が訪れたミナガルデにおいて、
    竜人族情報収集家が、黒龍の伝説をふと口にする。

    アマタノヒリュウヲ
    クチクセシトキ、
    デンセツハヨミガエル

    これが何を意味するのか、彼にもわかっておらず、さらに情報を集める必要があると語っている。
    また、情報収集家と三つ子の名工が知り合いのようで、
    三つ子から聞いた話として彼らのもとで働く女性もこの伝説を語っている。
    このように伝説は竜人族の情報収集家を発端に一般にも広がっていくが、
    情報収集家がどこからこの情報を仕入れたのかは作中では不明である。
    あるのは、この地ミナガルデにおいて伝説に謳われるモンスターこそ黒龍であるということのみである。
    • その後、実際に黒龍が現れた際には人探し上手な街人が友人のハンター*1から聞いた
      ことわざとして「アマタノヒリュウヲ…」を教えてくれる。
      これに関連するおとぎ話についても知っているようで、
      「当時、英雄と呼ばれたハンターが、幾度も決戦を挑んだ末に、ようやく討伐を成功させたらしいの…。」
      とのことだが、当人は「本当かしら?」と言い、その真偽については知る術もないようだ。
    • メタ的には無印でミラボレアスを出現させるためには本当に飛竜種を大量に狩る必要があったため、
      それを暗示するものとして導入されているといえる。
      街の全クエストの飛竜を薙ぎ倒し、リオス種の狩猟をかなりの数こなすことでようやく出現する。
      しかも、無印ではシステム上、狩猟数が確認できないため、解放狩猟数のわからないまま、
      本当に伝説の通り「アマタノヒリュウヲクチク」していたら出現したという印象が強くなっている。
  • そして、伝説の黒龍が打ち倒された後には、三つ子の手伝いの女性が
    この言い伝えには続きがあるらしいという噂を聞き、ことわざとして以下が語られる。

    ヨミガエリシデンセツハ
    ムゲンノユウキヲモツエイユウニヨリ、
    ウチホロボサレル

    シークレットである都合上公式で詳細について語られる事は無いが、
    一部では文中の「ムゲンノユウキヲモツエイユウ」とは
    モンスターハンターの事を指しているのではないかと、まことしやかに囁かれている。
    実際、竜人族の情報収集家は、世界を救った英雄として自身の知識に主人公の名を刻むとしている。
    ミナガルデでは「エイユウ」の一人を主人公のこととして語り継がれていくのだった。
  • 黒龍出現時に、市場の買い物上手な街人は、
    街に伝わる有名なおとぎばなしの一節として、これらとは別の形態を語っている。

    邪悪なる黒龍…
    その名は決して避けて通ることのできない、
    運命の戦いを意味する…。

    人間がモンスターの棲む世界を踏み荒らしているが、
    その歩みを簡単に止めることはできないという複雑な心情を彼女は抱き、
    モンスターと人間の衝突は避けることのできない運命の戦いと悟っている。
    人間と飛竜の戦いが運命としての黒龍の出現の何らかに関わっているという世界観が見えてくる。
    なお、同じような感情を酒場のボード前ハンターも語っている。
    • 黒龍戦後、買い物上手な街人は深い疑問を抱くようになる。
      人間の勢力は黒龍をも打ち倒すほどに拡大したが、
      これからもどんなモンスターが現れようとそれを乗り越えていく力を身につけるだろう…。
      「そしたら、モンスターはこの世から消えてしまうのかしら?
      それとも、共存なんていう道を選ぶことになるのかしら?
      こんなこと考える私って変わってると思う…?」
      そんな言葉に考えさせられつつ、英雄はいつもと変わらないミナガルデの生活に戻っていくのだった。

MHG

  • MHGでは「アマタノヒリュウヲ…」から内容が変わっている。
    ミラボレアスがGクラスモンスターとなっており、ラオシャンロン亜種戦後に
    竜人族の情報収集家や三つ子の手伝いの女性から語られる。

    キョダイリュウノ
    ゼツメイニヨリ、
    デンセツハヨミガエル

  • ここでもこれはことわざという扱いになっており、それ以上の情報は不明。
    これもメタ的には、MHGではラオシャンロン亜種の2度の討伐により
    ミラボレアスが出現するため、このような形態になったと考えられる。
    黒龍出現時、討伐後の内容の流れは無印のものと同じになっている。

MHP, MHP2(G)

  • MHPでは村のラオシャンロン戦の後に「すごくおしゃべりな村人」が
    子供の頃に聞いた言い伝えとして紹介してくれる。

    キョダイリュウノ
    ゼツメイニヨリ、
    デンセツハヨミガエル

    ミナガルデだけではなく、少なくともシュレイド地方一体に黒龍伝説は伝わっていることになる。
    黒龍討伐後は、同村人からミナガルデのものと同じ伝説の続きが語られる。
    「おとぎ話の中の邪龍が甦る事がありえるなら、言い伝えの中の英雄が現れる事も、当然ありえるってことよね。」
    と言い、「エイユウ」はココット村の主人公とも見做されるのだった。

狩りに生きる

  • 狩りに生きる」では、ミナガルデの竜人族の情報収集家が《黒龍伝説》の記事を担当している。
    序文にて「キョダイリュウノ…」を綴っているが、この御伽噺は、
    路地裏で手毬唄の節にのせて子供達が謡う童歌…
    それは誰もが知るおとぎ話、枕元で語られる昔話であるという。
    曰く「世界の変化に一番最初に気づくのは、例外なく子供達じゃ。彼らこそ、この世のひずみを敏感に察知しうる。」
    とのことで、ここで初めてこの一節が童歌であることが判明した。
    そのため、MH(G)では出所不明であった情報収集家の情報源は、シュレイド地方の子供達による童歌であるようだ。
    そして、その童歌はどこから発生したのかという伝説のさらなる深淵を見ることとなった。
  • 序文の後で、情報収集家による伝説の研究の集大成が記載されている。
    これまではミナガルデにおいてそれを伝えるべき者に伝えてきたが、
    黒龍の予兆により予断を許さない状況となったため、
    「狩りに生きる」の誌面を借りて、広く周知することになったとしている。
    その《黒龍伝説》のもっとも代表的な形態が以下として紹介されている。
    なお、この伝説は地方によって異なり、隣り合った地方でも節も詩もまるで違うことさえあるため、
    ほんの一形態に過ぎないと、彼は伝説の計り知れない奥深さを語っている。

    《黒龍伝説》

    数多の飛竜を駆逐せし時
     伝説はよみがえらん
    数多の肉を裂き 骨を砕き 血を啜った時
     彼の者はあらわれん

    土を焼く者
     鉄【くろがね】を溶かす者
      水を煮立たす者
    風を起こす者
     木を薙ぐ者
      炎を生み出す者

    その者の名は ミラボレアス
     その者の名は 宿命の戦い
      その者の名は 避けられぬ死
    喉あらば叫べ
     耳あらば聞け
      心あらば祈れ

    ミラボレアス
     天と地とを覆い尽くす
      彼の者の名を
     天と地とを覆い尽くす
      彼の者の名を
    彼の者の名を

  • ところで、これは子供たちの唄うわらべ歌にしてはかなり猟奇的ではないか。
    お伽噺の感覚で「避けられぬ死」などと普通唄わせるものなのだろうか。
    現実世界におけるこの手の歌にも色々と黒い噂が立ったりはするものだが、
    ここまで直接的に歌詞として出ていることはまず無い。
    また「駆逐」「骨を砕き血をすすった時」などの文言は明らかに狩猟を賛美どころか咎立している。

MH2

  • 古龍観測局の古龍学者による文献研究によれば、言い伝えとして
    「その姿は闇のように黒くその唸り声は耳をふさいでいても聞こえてくる」というものを紹介してくれる。
    ミラボレアスの名はやはり《運命の戦争》に由来するとしているが、
    この言い伝えのような黒い姿という部分が噂として広まり《黒龍》と呼ばれることも多くなったと結論づけている。
    黒龍にまつわる文献は世界全域にわたって広がっているが、それらが逸話か真実かは不明とのこと。
    ある書物では「シュレイドの古城に姿を現した」「一国を滅ぼした」と書かれ、
    またある書物では「怒りで身体を赤く染める」とも書かれているようだ。
  • その後、ミラボレアスの出現が確認された際には、大老殿の大臣はヤマツカミドス古龍をも退けた主人公に
    「遥か昔よりこの大地に根付いておる伝説」として《黒龍伝説》を語る。

    黒龍ミラボレアスは
    自分以外の全ての存在を認めず、
    己が思うままにその猛威をふるい、
    この世界の全土をわずか数日で焦土へ変えると。

    この表現だけでも先の代表例より遥かに壮大な内容であることが予感できるが、
    引用されているのはその部分のみでありこれ以上の内容は不明。
  • この伝説には、続きがあり、大老殿の食卓にいる方の「竜人お姉さん」によれば

    クレナイノゲキリン
    ウチハタセシモノ
    ソリュウヘノミチヲヒラク

    という隠された文があるという。しかし、当人はこれが何を意味するのかはわかっていない様子。
    さらに「気品ただよう婦人」が口にする古い言い伝えでは

    コリュウト
    デンセツト
    シュウエンヲモツモノ
    ソリュウヘノミチヲヒラク

    という別の形態もあるようだ。
    これらは間違いなく祖龍、並びに祖龍の書に関する御伽草子といえるだろう。

MHW:I

  • また、MHW:Iの作中でも、ミラボレアス討伐作戦の招集を受けてシュレイド城に向かう時、
    ギルドより派遣された将軍の口からこの伝承と類似する内容を聞くことが出来る。
    内容は

    地は揺れ
    木々は焼け
    小鳥と竜は消え
    日は消え
    古の災いは消え

    そして、これに続く形で「これらが続いて数か月後、シュレイドは消えた」という言葉が出る。
    曰く、シュレイド王国が滅んだ時期に書かれた国交書や手記には皆例外なく、上記の文が記述されていたという。

ハンター大全

  • ハンター大全においても黒龍伝説の記載がある。
    王立古生物書士隊のギュスターヴ・ロン氏による「伝承俯瞰」序論IVがそれである。
    彼はミラボレアスの名の初出として
    古シュレイド王国の創設者が裏切りのうちに命を落としたとき、
    いずこかより現れた赤衣の詩人の詠じたという唄」
    を挙げている。これは「大国史・29-114」という書籍に記してあるようだ。
    ただし、その内容は、先の「狩りに生きる」の竜人族の情報収集家によるものと全く同じものである。
    彼の中では「赤衣の詩人」は後の世の誰かにより創作された人物であると考察しており、
    この唄の正確な出所はやはり不明とされている。

余談

  • 作中では、黒龍ミラボレアスはこの御伽話の中の存在でしかないという認識が一般的であるため、
    ミラボレアスが実在している事実を知る者は非常に少ない。
    ハンターズギルドの関係者でも「その存在を信じず、一般人と同じ見識を持つ人」が圧倒的多数を占め、
    「ミラボレアスは実在する古龍である」という真実を知っているのは、
    ハンターズギルド最上層部の極一部、そして正体不明の謎の人物に限られる。
  • 紅龍のギャラリームービー「怒り狂う災厄」の説明文では
    『古い言葉で「運命の戦争」を意味するミラボレアス。
    その中でも赤い種は、特に気性が荒いと伝承されている。』
    とあり、紅龍に関しても何らかの伝承が存在することが示されている。
  • 無印~MHP2Gまでは出現条件の関係で必ずラオシャンロンを討伐(撃退)することになり、
    MH4ではクエスト受注条件となるHR解放のために蛇王龍ダラ・アマデュラの討伐が、
    MH4GではG級特別許可証を獲得するために巨戟龍ゴグマジオスの討伐が必須となる。
    また、MHXXではストーリー上でラオシャンロンを討伐(撃退)し、
    かつアトラル・カを討伐した後にのみクエストを受注できるようになる。
    MHW:Iではまずゾラ・マグダラオスを誘導し(のちに寿命で絶命したものと思われる)、
    その後はゼノ・ジーヴァ、アン・イシュワルダ、アルバトリオンを討伐して、
    ようやく黒龍と相見えることができるようになる。
    • こうして見ると、ミラボレアスのクエストが出現・受注できるようになるのは、
      (種別はどうあれ)共通してキョダイリュウが倒された後であることが分かる。
      ハリボテが混ざっているのは気にしないでおこう
  • タンジアの港に伝わる人類と煉黒龍の戦争に関する昔話は、
    ギャラリーの解説において「黒龍の伝説」と表現されている。
    地域によってまるで内容が異なるという黒龍伝説の設定も踏まえると、
    グラン・ミラオスの伝承もまた、数多ある黒龍伝説の一形態と言えるかもしれない。

関連項目

モンスター/黒龍 ミラボレアス
モンスター/グラン・ミラオス - 登場ムービーにてこの「黒龍伝説」が示唆されている。
モンスター/ラオシャンロン
世界観/伝承
クエスト/伝説の黒龍


*1 謎めいた怪しいハンターなどではなく、卵運搬で強走薬を使った策略を得意気に話していたりする、ごく普通のハンターであるらしい。