武器/ガノリィン

Last-modified: 2024-01-15 (月) 21:51:33

MHFに登場する、辿異種ガノトトスの素材を用いたガンランス。
鱗のヌメリを利用した設計をされている。

目次

概要

  • まずガノトトスの辿異武器全般に共通することだが、
    おおよそガノトトス素材の武器とは思えない機械的なデザイン。
    一応、銛型の穂先やヒレのような意匠から、魚竜であるガノトトスとの関連性はうかがえる。
    潜水艦に見られるような窓を思わせる装飾もあり、
    全体のシルエットとしては魚、特にカジキマグロあたりに見えなくもない。この場合、窓が目にあたるか。
    盾の方はガノトトスらしく、ヒレを前面に押し出したデザインである。
  • ガンランスとは言うものの、一見して弾を撃ち出す砲口が見当たらない
    もちろん本当に無いわけではなく、よく見れば穂先と銃身のわずかな隙間から覗かせる程度にはある。
    しかしガンランスのリロード時に排出される薬莢の大きさから考えると、
    この程度の砲口できちんと弾が通るのかはやや疑問である。
  • 放熱板が存在しないが、代わりに竜撃砲やヒートブレードの使用後は窓(目)と穂先の光源が消灯する。
    デザイン性を損なわないギミックだが、
    極ノ型では属性ブレード中に竜撃砲を使用するとギミックが見えづらくなったりする。

性能

武器名攻撃力属性値会心率スロット斬れ味(匠)砲撃辿異スキル
ガノリィン1150水:4000%○○○白80
(空15紫20白15)
放射型Lv6巧流強化
ガノスケイル1184水:600放射型Lv7
ガノチェッシュ1219水:800放射型Lv8
ガノンシーフ1265水:100015%放射型Lv9
《強化素材》
GR200:水竜の滑鱗*5,水竜のエラ*3,水竜の尾棘*1
GR400:水竜の蒼牙*3,水竜の大ヒレ*2,水竜の極上頭*1
GR600:水竜の粘髄*5,水竜の強靱脚*1,水竜の極剛頭*2
GR800:濁ったゲル*3,ゲル溜袋*2,水竜の極絶頭*3
  • 武器の性能は斬れ味ゲージを除けば概ね平均的。差分を埋めてくれる会心率は嬉しい。
    しかしながら肝心の斬れ味が非常に貧弱なのである。
    上記の通り素の状態では白ゲージ止まり、
    斬れ味レベル+1発動時でもたった20と15の紫ゲージと空色ゲージが現れるのみ
    ガンランスで言えば極竜滅砲1発で紫ゲージまで落ち
    そこから数回の突きや砲撃で白ゲージまで落ちるレベルである。
    • 具体的には、穏射(≒装填数)と砲皇を発動させ、5発装填するとジャストで使い切る*1
      これでも業物で消費量を半減させた上での結果。時点の4発装填でも“-13”と重く、
      様々な観点から重要視されている秘伝スキルを前提とした運用では避けがたい問題となる。
  • ただし、ガンランスには斬れ味を最大で固定し、
    かつ効果中は減少しなくなるヒートブレードと属性ブレードが存在する。
    そのあんまりな斬れ味より風あたりの厳しいガノトトス辿異武器だが、
    ガンランスだけは斬れ味を空色ゲージのまま固定して思う存分振り回すことができるのである。
    属性ブレードの効果終了後は白ゲージまで落ちてしまうが、
    その点は他のまともな斬れ味を持つガンランスもたいして変わらないので、さほど問題ではない。
    • なお、属性ブレードは当武器の実装からしばらく後のリファインにより使用可能となったもの。
      それまでは天ノ型か嵐ノ型へ立ち返ってヒートブレードを扱うしかなかったことから、
      当武器も他のガノトトス辿異武器と同じく、或いはそれ以上に厳しい立場に立たされていた。
2018年2月アップデート以前に抱えていた問題点
自動発動スキルではない
これは全ての辿異武器に共通するとはいえ、半ば前提に組み込まれた武器にとっては死活問題。
後述するが、双剣や片手剣など巧流スキルの重要性の高い(=半ば自然に組み込まれている)武器種と違い、
ガンランスにおける巧流は相性こそそれほど悪くない(回復量が双剣の次に多い)とはいえ、
現状の価値観では自然に組み込まれるほどではない。
よって巧流を発動させる為にスキルポイントやスキル枠を割く必要があり、
ただで余裕のないスキル自由度を更に落としてしまう難点がある。
防具や装飾品の選択肢は豊富とはいえ、スキルの取捨選択を迫られることにメリットはない。
武器と辿異スキルの相性が悪い
巧流強化の「斬れ味消費無効状態」は竜撃砲を含めた各種砲撃には適用されない
よって最も消費量の激しい極竜滅砲のフォローは軽減すらない。控えめに言ってキツい。
追加の攻撃判定も決して弱くはないが、回避成功のプロセスを辿る必要がある。
ガンランスは極ノ型の「砲撃ブースト」でMHFのランスよりも柔軟な「前進回避」が可能で、
MHF-G時代の価値観であればガードよりもこちらのカウンターが重視されていた事だろう。
だが本武器実装当時はガードは完全に復権した上に「ガンランス(とランス)のガード」
に他武器種にはないアイデンティティが見出されていた最中である。
古参のカウンターギミックである反射が復権し、
ガードによる確実なカウンターを取れるようになった事も向かい風である。
  • ちなみに巧流強化の消費無効状態は研匠の効果とは異なる処理が行われているようで、
    「装備中の武器種の種類」や「消費特効の有無」で適用される回数が変動する特徴を持つ。
    しかしガンランスの砲撃に関しては軒並み反応を示さないようであり、
    既に発動した状態であっても消費無効状態を維持したまま斬れ味が落ちる矛盾塊か。
空ゲージの維持に必要な回避回数が多い
ガンランスで発生する巧流の回復量は“+10”。辿異スキルによる変動はない。
先述の通り双剣に次ぐ回復量で、上記の前提だと“2回”ほど回避できれば極竜滅砲の消費量を補えるが、
回避し損ねたまま極竜滅砲などの砲撃技を使うと必要回避数の負債が生じる。
鬱陶しい制約だが、これを放置すると回避だけでは空ゲージの段階まで戻せなくなってしまう。
とはいえ巧流の効果は極めて受動的であり、実際に回復できるかはモンスターの行動次第。
いちいち相手の行動を待たされるぐらいなら、いっそ一発撃つごとにリロードしてた方がマシだろう。
  • 望ましいのは極竜滅砲(竜撃砲 / 爆竜轟砲)のクールタイム中に回復しきることだが、
    理想的な「砲皇&ガード性能+3*2」の前提で五発装填した場合の冷却時間は“約25秒”。
    各種攻撃の回避難易度を考えると、斬れ味を維持したまま最速で撃ち続けるのは不可能に近い。
    • 反対にこれらのスキルを発動させていない前提(三発装填)の場合は“約60秒”。
      この程度なら斬れ味と極竜滅砲の両立も現実的になるが、問題の根底はそこではない。
とにかく斬れ味ゲージの構造が悪すぎる
それでも巧流の回復量は三連突きの3セット分に相当する数値であり、
巧流強化の追加効果も近接攻撃の消費を肩代わりする形で各砲撃のフォローに繋がる。
極竜滅砲による消費の頻度と量が多いガンランスでは基本的に無駄になりにくいが、
それでも一発の消費量が多いので、やはり二発か三発ほど耐えられる余裕は必要となる。
つまりガノンシーフの斬れ味が落ちやすいのは空から白までの段階が短すぎることに原因があり
これによって巧流を前提としていながら巧流と相性が悪い武器となってしまったのである。
鱗のヌメリを利用した設計とは一体なんだったのか。どう考えても設計不良なんだよなぁ…
最終強化で空ゲージが延びれば勝手も変わったのだが……どうしてこうなった。
  • 辿異種ガノトトスの武器は「調整が極端」と言われているが、コレは極端以前の問題である。
    なにしろ他のガンランスと同じ感覚で使えば三分足らずで白ゲージまで落ち切り、
    だからといって斬れ味を維持しようとすれば攻撃の手を止めてでも回避に専念しなければならず、
    加えて短時間でフレーム回避を重ねていくのならばガードの余地は一切なくなると、
    巧流スキルと極ノ型ガンランスの持ち味をトリプルで殺すのだがら末恐ろしいというもの。
    仮に両立出来たとしても、それでようやく横並びになれるという事実も世知辛い。
    辿異スキル抜きでも優秀だったリオフロガとはえらい違いである。
  • また、本武器実装当時の極ノ型ガンランスの追加された
    攻撃技が“ダッシュ薙ぎ払い”と“極竜滅砲”の二種に限られていた。
    そして極竜滅砲は威力の高い肉質無視攻撃故に安定したダメージが期待できる技であり、
    斬れ味の消費量を含めても“回転叩きつけ”や“属性砲”を凌ぐ主力技となりうる存在である。
    仮に天ノ型でヒートブレードを活用したとしても極竜滅砲や抜刀ダッシュが扱えないハンデは免れず、
    強引に白ゲージで運用したとしても対抗馬の存在に埋もれる結果にしかならない。
    それ故に、属性ブレードが実装される以前は悲惨としか言いようがない状態であったのだ。
  • 属性ブレードの実装で最大の欠点は克服できたものの、巧流ギミックの問題点は改善されていない。
    それどころか属性ブレード(ヒートブレード)は辿異スキルを含めて巧流の効果を受け付けないため、
    斬れ味のリカバリーだけでなく攻撃力の強化も見込める雌伏強化と比べると見劣りしてしまいがち。
    戦線復帰はめでたい事だが、アイデンティティを有耶無耶にされたことを考えると複雑な気分である。

武器比較

  • 以下は同じく辿異武器のニリィガーロンドとの比較である。
武器名攻撃力属性値会心率スロット斬れ味(匠)砲撃辿異スキル
ガノンシーフ1265
(倍率:550)
水:100015%○○○白80
(空15紫20白15)
放射型Lv9巧流強化
ニリィガーロンド1276
(倍率:555)
天翔:1050*30%○○○紫40白50
(空40紫10)
通常型Lv9風圧強化+1
  • 困ったことに、ニリィガーロンドには僅差ながら攻撃力も属性値も劣ってしまっているのに、
    あちらは斬れ味までまともなのである。
    会心率では差をつけているが、属性ブレード運用だと閃転無しでは実質どちらも変わらない。
    たとえ閃転強化+2まで加えたとしても、ガノンシーフ側の武器倍率加算値は38*4である。
    確かにニリィガーロンドを上回れるが、
    わざわざ辿異スキル2枠分を消費してまで発動させるほどの数値でもない。
    そしてここだけの話、実装順もガノンシーフよりもニリィガーロンドの方が早かったので、
    (勝ち組限定とはいえ)既にニリィガーロンドを所持していたプレイヤーほど強化しきる意欲が湧かなかったようだ。
    ガノトトスが辿異種の中でも指折りの厄介な攻撃手段を有しているモンスターであることも原因だろう。
  • ちなみに、GR800相当の辿異武器ガンランスの中で最も低い武器倍率は、
    ヴァシムーンバオユ540
    上記は水属性同士の比較だが、言い換えれば水属性の比較ですら危うい立場であるとも。
  • 以上のように、何かとニリィガーロンドに食われがちな状況だが、
    水属性かつ放射型の辿異武器ガンランス」という特徴は残されている。
    武器スロットにシジルを焼き付ける余裕がない場面も決して少なくはなく、
    対抗馬のニリィとの違いを引き出せる最後で最大の長所になりうる。扱うなら意識してやりたいところ。

余談

  • 武器銘に使われている言葉の意味は以下の通り。
    • リィン(Rein):手綱・(馬具の)革紐(英語)
    • スケイル(Scale):鱗・縮尺・測り皿(英語)
    • チェッシュ(Schach):チェス(ドイツ語)
    • シーフー(Xihu):西湖(中国語)
    シーフ以外の言葉には「拘束、牽制、位取る、抑える、追い詰める」といった意味も含まれるので、
    罠の如くばらまいたゲルでプレッシャーを与える辿異種ガノトトスの戦い方を連想させる要素はある。
    それでも武器のネーミングと奇妙なデザインに関連性が見当たらないのは腑に落ちないが。
  • 冒頭に記した通りだが、武器説明文には「鱗のヌメリを利用した設計をされている」とある。
    ヌメリを利用した武器としては有名な先例が存在するが、
    あちらはそのヌメリの影響で斬れ味が妙なことになっている
    もしやこの武器……ひいてはガノトトスの辿異武器全般も、
    ヌメリのせいであんな斬れ味になっているのだろうか。

関連項目

モンスター/ガノトトス
武器/ガノス武器
武器/海王槍リヴァイアサン - 通常種および亜種由来のガンランス。
モンハン用語/死にスキル - 動作不良の通称。


*1 厳密には「竜撃砲 → 爆竜轟砲」の切り替えで消費する弾は“加算”と見なされないため、正確な加算数は「+4」。
*2 「ガード性能+2&ガード性能強化+1」or「ガード性能+1&ガード性能強化+2」
*3 水100%、雷70%、火30%。この場合、水属性1050、雷属性735、火属性315に相当する。
*4 式:2×5×(√15)=38.729