奇猿狐のしなやかな素材は斧の可動部に理想的。
流れるように変形し必殺の一撃を叩き込む。
(ヴァーヴンアックス~ヴァーヴンナーゲル)
より堅くより強くを目標に旧モデルを改良。
その重量もあいまって強烈な一撃を生み出す。
(ヴァーヴンダルハラ~奇猿斧ワチャルナッカ)
MH4より登場する、ケチャワチャ素材のスラッシュアックス。
本項では亜種武器であるクク・ダンガ系統についても記述する。
目次
概要
- ケチャワチャの素材が持つ柔軟性に着目し、それを斧の可動部に導入。
スムーズな変形を可能とした改良型スラッシュアックス。
ケチャワチャの耳を加工したフレームにはあの目玉模様が鎮座しており、言い知れない存在感を放っている。
しかもその目玉模様は何故か赤く発光している。 強化を進めていくと、これがより激しく光るようになる。
斧と剣、それぞれの刃は鉤爪を加工したもので、先端部が湾曲している。
- 武器自体の強度など、まだ改良の余地は残されているが、これでも武器としては成立するレベル。
より上質な素材と使い手の実力があれば、より強力な武器へと進化していく可能性を秘めている。
性能
MH4
- 強化過程はヴァーヴンアックス→ヴァーヴンアックス改→ヴァーヴンナーゲル→
→ヴァーヴンダルハラ→ヴァーヴルンシンガー。
水属性を持つことと強化するにつれて名前が読みにくくなるのは他のケチャ武器と共通である。
- …どうせ序盤牙獣種の武器だし大した性能ではないんでしょ?と誰もが思ったことだろう。
だが、ある一点においてこの武器は序盤牙獣種の誇りを高らかに掲げているのだ。武器名 攻撃力 水属性値 ビン 会心率 スロット 斬れ味 ヴァーヴルンシンガー 810 400 強属性 0% 〇―― 青20→白10 豪剣斧【伊邪那岐】 864 330 強属性 0% 〇〇― 白10→白60 EX豪剣斧【伊邪那岐】 918 (250) 強撃 15% 〇〇〇 白10→白60 グレートナバルタスク 972 230 強撃 5% 〇―― 青50→白10
ヴァーヴルンシンガーが古龍武器三種を抑えて水属性値トップであるという事実に。
剣モードではこれに強属性ビンが乗るわけである。序盤牙獣種の誇り恐るべし。
そして剣モードが弾かれ無効になるスラアクならば、白ゲージの短さもそれほど気にならない。
故にグラビモスの様な肉質が固く水属性に極端に弱いモンスターが相手なら
ヴァーヴルンシンガーが最適解になりうるのだ。
MH4にアグナコトルやウラガンキンがいれば評価はより上がっていただろう。
- 無論、物理性能は比較すること自体バカらしいぐらい古龍武器三種に完敗している。
要は「使い分けが重要」ということである。
MH4G
- G級解禁に伴い、ヴァーヴルンシンガーも新たな強化先を引っさげて続投。
強化過程はヴァーヴルンシンガー→ヴァーヴルンナッカー→奇猿斧ワチャルナッカ。
最終強化である奇猿斧ワチャルナッカの性能はというと、- 属性特化武器の宿命か低めの攻撃力1296
- G級武器となり更に強化された水属性530
- それを更に強化する強属性ビン
- 素で少し短い白ゲージ、匠で延長
- 1つ増えたスロット2
- 相変わらず会心率0%
- 今作ではガララアジャラ亜種の素材で作る同じく水属性の物理寄り剣斧イルルヤンカシュが存在する。
今作でもやはり使い分けが重要…と言いたい所だがそうは問屋が卸さない。
なぜなら今作でGNTことグレートナバルタスクの強化先、KNDこと海王斧ナバルディードが
復活したからである。
実はこのKND、なんとグラビモス亜種が相手でもあちらに軍配が上がる。
結局KNDによって本来は物理特化と属性特化で棲み分けるはずの2振りが、只の繋ぎに陥落してしまった。
豪峻剣斧【山津見】?そんなのも居たね…
MHX
- ケチャワチャ続投に伴い登場。
今回は通常種武器と獰猛化派生武器で2種類の水属性ケチャ剣斧が存在する。しかし…- ケチャワチャの狩猟は上位から解禁となるので、当然ながら下位の時点では生産できない。
- また、何故か他のケチャ武器と違い、パワーブロウニーからの派生でしか生産できない。
- そして同じく続投するダイミョウザザミ由来のシザーアクスや
MH3G以来の復活を果たしたロアルドロス由来のドロスアックスが登場し、
どちらも村下位序盤から狩猟・生産できるため、MH4系列で築き上げてきた
最序盤水属性剣斧としての立場をあっさり奪われてしまう。 - 更にはメインモンスターの一角を担うタマミツネ由来のにはたづみ流斧の彫字が大変優秀なので、
水属性剣斧の最終候補としての立場も危うい。
以上を踏まえた上で、それぞれの性能を見ていこう。
ヴァーヴンナーゲル
- 通常種武器のヴァーヴンアックスをそのまま最終強化するとヴァーヴンナーゲルとなる。
その性能は…- 高い攻撃力220
- 控えめな水属性24
- 強属性ビン
- 斬れ味は素で長い緑100、匠の増加分は全て青
- 会心率&スロットなし
かといって斧運用をしようにも、白ゲージの出ないなまくら斬れ味が足を引っ張る。
長い緑ゲージで鈍器運用をするくらいなら、より適性のある剣斧は他にある。
…と、あらゆる要素が絶妙に噛み合っておらず、なんとも中途半端な性能になってしまっている。
今作では剣鬼形態やエネルギーチャージといった狩技の存在により、
過去作以上に剣モード&強撃ビンが重視される環境にある。
このため、ごく一部の例外を除く非強撃ビン剣斧がそうであるように、この武器もダメージレースに
参入できる余地はなく、趣味の域を出ないのが実情である。
そもそもこの性能で仮に強撃ビンであったとしても、上記のミツネ剣斧には及ばないのだが。
- 強化途中に長い鼻繋がりでガムート素材、猿繋がりでドドブランゴ素材、
最終強化では特に関係無さそうなセルレギオス素材と、やたら色々なモンスターの素材を要求されるが、
いずれもキークエストや依頼で狩猟することになる相手なので、もし作成するとしても
素材集めにはさほど苦労しないだろう。
ヴァーヴルンシンガー
- 一方、通常種武器の強化途中で獰猛化素材を使用するとヴァーヴンダルハラに派生し、
最終強化はヴァーヴルンシンガーとなる。その性能は…- やや低めの攻撃力190
- 非常に高い水属性40
- 強属性ビン
- 斬れ味は素で青20、匠+2で白20
- 何かと便利なスロット1
- 会心率0%
水属性が非常に有効なウラガンキンやバサルモス&グラビモスの狩猟には最適解となり得る。
- しかし、最終強化で唐突にアマツマガツチの素材を要求されるため作成難度が妙に高く、
完成時期も遅くなってしまうのがネック。
高い水属性値を得るためには古龍の力が必要なのだろうか。当のアマツ武器の属性値はお察しレベルだが…
MHXX
ヴァーヴンペダンカパ
- 通常種武器は究極強化を行うと、新たにヴァーヴンペダンカパという銘になる。やっぱり読みにくい…
その性能は…- かなり高めの攻撃力340
- 及第点の水属性30
- 強属性ビン
- 斬れ味は素で白10、匠+2でも紫は出ない
- 会心率&スロットなし
一見悪くないように見える。が、やはり強属性ビンであることが足枷となり、
ミツネ剣斧2種を筆頭とする強撃ビン剣斧と比べると、相変わらず見劣りしている感は否めない。
攻撃力に大きな差はあれど、強撃ビンではないという一点だけで、
その期待値は強撃ビンにあっさり埋められてしまう。凄まじい格差社会である。
- ビン格差に悩まされるくらいなら、開き直って斧運用をするという最後の手段もある。
高い物理に匠で伸びる白ゲージと斧としての適性は十分あり、そこに属性値が30も付いてくるのだから
素のスペック自体は決して悪くない。
斧モードを活かしやすいブシドーやブレイヴスタイルで立ち回る、テンペストアクスを積むなどで
差別化を図るのも一興だろう。
- 物理重視の強属性ビンとしては、矛砕ダイミョウザザミのウィルギガンフエグリがライバルとなる。
同じ攻撃力に匠+2で紫10、会心率10%、防御力+20、そして狩技ブースト効果まで備え、
早い話こちらのほぼ上位互換といえる一振りである。
一応、あちらは素の斬れ味が青しかなく属性値も26とこちらが微妙に勝る部分もあり、
そして何より二つ名武器ゆえに作成難度が非常に高いため、完成時期での棲み分けとなる。
- …と、何かと不憫な本武器だが、作成難度が低いという明確な利点もある。
ケチャ素材と獰猛な特大水袋を集め、G★4でセルレギオスの角をへし折れば、
HR解放前に完成する。しかもレア素材は不要。
似たような性能の水断ドロスプラッシュよりも作成が簡単。
良くも悪くも作成難度には見合った性能なので、ミツネ剣斧2種、ウィルギガンフエグリの
どれかが完成するまでは頼りになるだろう。
奇猿斧ワチャルナッカ
- 獰猛化派生で究極強化を行うと、銘はMH4G同様に奇猿斧ワチャルナッカとなる。
獰猛化狩猟の証Vが必要なので、限界突破時期はG★3後。
また、最終強化同様に究極強化では再びアマツ素材を要求され、当のG級アマツは早くても
イベントクエストに挑戦できるHR13までは登場せず、それを活用しない場合はHR70までオアズケ。
今作の獰猛化ケチャ武器は、アマツ素材のせいで完成までの道のりが無駄に長いという印象が強い。
そしてアマツマガツチを制し、苦労して完成させたその性能は…- 平均的な攻撃力300
- 水属性剣斧最高値の水属性45
- 高い属性値と相性抜群の強属性ビン
- 斬れ味は素で白30、匠+1で紫15、+2で紫40まで延長
- 会心率0%
- 拡張性の高いスロット3
苦労に見合った至れり尽くせりな性能。
対ウラガンキン及びグラビモス(バサルモス)用最終兵器として素晴らしい性能をしている。
前述の通りHR解放後にしか作れないという致命的欠点を抱えているが。
加えてガンキン/グラビドシリーズ共にスラアクとの相性がよくなく、作ったところで見返りに乏しい。 - グラビ以外で活用するにはミツネ剣斧2種の壁がやはり厚すぎる。
- 水属性剣斧で唯一のスロット3持ちなので、どうしてもスロットが必要ならば出番はあるだろう。
クク・ダグダンガ
白猿狐の美しさと強靱さをこの剣斧に凝縮。
軽やかに姿を変え獲物を翻弄する猟場の奇術師。
(クク・ダンガ~クク・ダグダンガ)
- MH4Gに登場する、ケチャワチャ亜種の素材を用いて作成するスラッシュアックス。
通常種武器をベースに青白く染まった外見に火属性を宿すなど、亜種の特徴を反映させたものとなっている。
ヴァーヴルンシンガーからの派生でクク・ダンガを生産し、最終強化でクク・ダグダンガとなる。
その性能は…- 通常種武器と同じく属性特化武器らしい低めの攻撃力1242
- 高い火属性500
- 安心の強属性ビン
- 素で長めの白ゲージ、匠で更に延長
- 拡張性に優れたスロット3
- 会心率0%
- ライバルとして、
- 早い段階で作製でき、覚醒必須だが高めの属性値と攻撃力を持つコンクエスタ
- 同時期に作製できる紅蓮斧ヘルゼスティ
- 殆どの点でこれら2振りの上を行く光焔斧リオエクシード
- 幸いにも通常種武器とは違い、ライバルに食われることもあまりない。
高い属性値と強属性ビン、素の長い白とスロット3の拡張性の高さで差別化を図っていきたい。
都合の良いことに今作ではオオナズチが復活している。
オオナズチは物理肉質が硬く、火属性の通りがとても良いため、強属性ビンを活かせる
絶好のターゲットなのである。
スラッシュアックスは強撃ビン一択としばしば揶揄されることも多いが、
この武器は珍しく確固たる立ち位置を得られている数少ない一例と言えよう。
先述した通り素で長い白ゲージを持つため、匠を切る運用が可能。
その分を火属性攻撃強化や属性攻撃強化、
今作で新たに追加されたスキル、会心撃【属性】を見切りと合わせて発動させるのに回し、
オオナズチを焼き尽くしてしまおう。
余談
- 武器銘にある「ヴァーヴン」とは、おそらく猿繋がりでヒヒの英名「バブーン」から来ていると思われる。
- 強化していくとヴァーヴルンシンガーと
(MH4における)最終強化のタイミングで銘にしれっと「ル」が投入される。しかも実に中途半端な位置に。
しかし強化前がヴァーヴンアックスから長らく「ヴァーヴン」のままだったせいで、
スラッシュアックス使いからもたまに「ヴァーヴンシンガー」と銘を間違えて覚えられていたりする。
中には勘違いしたままMH4で使い倒し、その後MH4Gでヴァーヴルンナッカーに強化しても気づかず、
間違いに気付かないまま最終強化してしまったという人もいるかもしれない。
- 強化していくとヴァーヴルンシンガーと
- 通常種武器の「ナーゲル」及び亜種武器の「クク」は、それぞれドイツ語・マレーシア語で「爪」という意味。
妙な語感のものが多いケチャ武器の中では、比較的分かりやすい部類かもしれない。