武器/凶琴【秋嵐】

Last-modified: 2023-12-10 (日) 07:42:55

天雲に住したまう神の似姿。
猛り狂う音色は水厄を招き、 手向かう愚物に罰を与える。

嵐龍アマツマガツチの素材から造られる狩猟笛。

目次

概要

  • 笛ではなく琵琶(びわ)である。黒い甲殻で作られた土台に白い飛膜を貼り付けている。
    一部が黒いが、これは撥面という名の通り撥(ばち)を当てる部分。残念ながら撥は付属しておりません。
    また、棹先端の海老尾*1は、説明文の通り神(アマツマガツチ)の頭を模した装飾である。可愛い。
    アマツの型の海老とはこれいかに。
    実際に演奏してみるとベンベロベロンベロンベロロロンと、琵琶らしい綺麗な音色が響く。
    • 笛ではなく琵琶なのが時々ツッコまれるが、
      楽器ですらない狩猟笛などごまんとあるので大丈夫(?)である。
      ただ演奏の際、弦の部分ではなく棹の部分を持って演奏するという謎の格好になる。

性能

MHP3

  • 他のアマツマガツチ素材の武器は微妙な性能で知られているが、これはかなり強力な狩猟笛である。
  • 攻撃力は255と非常に高いが、かなり痛い会心率-20%、大して意味をなさない水属性16、
    そして(斬れ味レベル+1を発動させて)青ゲージ60という斬れ味が足を引っ張る。
    白ゲージに到達しないことと、会心率の影響で数値通りの攻撃力を実現することは難しい。
  • 「なんだ、やっぱり笛も微妙な性能じゃあないか」と、ここまで読んで思った方もいるかもしれない。
    しかし、この笛の凄さは旋律内容にある。
    …このように書くと「攻撃力UPが吹けるのか?」と考えるだろうが、攻撃力UPは大も小も演奏できない
    音色はの3色であり、赤音色は吹けない。
    じゃあ何が凄いのかというと、確かに攻撃力UPは吹けないものの
    高周波属性攻撃強化聴覚保護&風圧耐性属性耐性強化属性やられ無効という
    徹底した「サポート旋律」を持つことである。
    (高周波以外は)どれもこれも相手を選ばず使える楽譜であり、その快適性は他の狩猟笛の群を抜く。
    そのため、パーティプレイでは引っ張りだこでもある忙しい笛である。
    やはりラスボスの名に恥じない性能であった。
  • なお、実はこの便利な音色、ウカムルバスの素材から造られる崩笛イコカムルバスと完全に一致している。
    だが、向こうも同じくキツイ会心率-20%を持ち攻撃力も差がほとんどない上、なんとあちらは
    斬れ味レベル+1を発動させてやっと青ゲージが得られるというとてつもない鈍器である。
    しかもその青ゲージの長さはわずか10。…もう緑ゲージの笛でもいいのではなかろうか…。
    一応、向こうはスキルを揃えさえすれば緑ゲージでもそれなりの物理期待値となる。
    それに対して、こちらは斬れ味レベル+1をつけるだけで十分安定した火力を叩き出すことができる。
    ウカムルバスのクエストはアマツマガツチを突破しないといけない都合上、製作時期もこちらが早い。
    ただし、両者にそこまで大きな差があるわけではないので、あまりこだわることもないだろう。

MHX

  • 衝撃の復活を遂げたアマツマガツチと共に、凶琴【秋嵐】も復活。
    それどころか最終強化では「天嵐ノ琴【晴雲秋月】」という新しい銘まで貰った。
    もっとも、攻撃力240に会心率-20%、水属性16というのはMHP3とほぼ同じ。
    音色も変わっていない。
    ただ一つ違うのは匠+2で白ゲージが出現するようになった事。
    つまり上位武器で最強の威力を誇る狩猟笛というわけである。まあ、白ゲージは10しかないが。
    …実質的には、MHXのスキル環境が厳しめであることもあって白ゲージ運用はあまり現実的ではない。
    とはいえ青ゲージでも十分すぎる威力は持っているので構わないだろう。
  • なお、どうしても白ゲージ運用をしたい、という場合は二つ名ディノバルド防具が有効。
    一式で斬れ味レベル+2に加え、剛刃研磨砥石使用高速化が発動するため、
    立ち回り次第では大部分の攻撃を白ゲージで行うことが可能になる。
    それでも頻繁な砥石の使用が必要となるが…。
  • 同じ音色の武器4種で比較すると、
    まず黄と橙の位置の関係上ギルドスタイルのときに連音攻撃で属性攻撃強化を吹きやすいのが巨響ディエヴ
    そして聴覚保護&風圧軽減を吹きやすいのが崩天笛と天嵐ノ琴である。
    音符の順を含めて同じ音色の崩天笛とは斬れ味レベル+2で大きく差が付くが、
    斬れ味レベル+1ではどちらも最大火力は上がらず継戦能力の上昇に留まる。
    あちらは元の緑ゲージが長く斬れ味レベル+1の恩恵はほとんどないが、
    天嵐ノ琴では青ゲージが実用レベルまで伸び、十分な恩恵を受けられる。
    斬れ味レベル+2発動時にはそれぞれ青ゲージと白ゲージが追加されるが、どちらも20や10と非常に短く、
    前述の剛刃研磨や業物が欲しくなるような斬れ味である。
    斬れ味レベル+2を含めた火力では天嵐ノ琴が一歩リードしているが最大火力の斬れ味の長さではやや劣る。
    どちらもスロットは無く性能面で大きな違いがあるわけではないので、
    微量の属性値の有効さや好みなどでどちらを使うか決めてしまっても問題ないだろう。
  • ちなみに匠が有効な黄橙笛の中では
    素の火力が一番高いのが天嵐ノ琴、二番が巨響、三番が崩天笛となる。
    しかし二番の巨響との差はわずか11のため、斬れ味の維持・スロット数を含めると、
    匠なしでの運用では巨響に軍配があがるだろう。
  • ちなみにMHP3ではアマツマガツチ討伐後に作れたイコカムルバスだが、MHXでは順番が逆転している。
    アカムトルム及びウカムルバスはHR60、アマツマガツチはHR70にならなければ受注できない*2
    HR解放さえしていればどちらにも参加はできるが、基本的には性能通りの順番になったといえるだろう。

MHXX

  • 念願のG級進出により、この武器も新たな強化形を獲得。
    極致に辿り着くことで、太虚ノ琴【玄天】となる。
    性能は以下の通り。
    • 凄まじいまでの攻撃力360
    • 枷となる会心率-20%
    • 水笛では最低値の水属性20
    • 音色は変わらず
    • 斬れ味は僅かな、匠を付けても紫は出ない
    • スロットなし
  • その高い武器倍率のお陰で、スキル・旋律効果を考慮しない場合の殴り性能は全狩猟笛の中で3位。
    斬れ味白とマイナス会心でありながらこの火力である。
    ただし素の白ゲージが10と短く、臨戦維持でもしないと直ぐに青まで落ちてしまう。
  • 黄橙笛は紅龍のミラバルカンアリストが新たに加わり、全5本に。
    そしてこのミラバルカンアリスト、攻撃力330爆破55、そしてスロット3を有するという大傑作である。
    素の斬れ味こそ玄天と同じ白10だが、匠による増加分が全て紫という隙の無さ。
    製作には苦労するが、相応の性能は備えている。
    • ただしあちらは音符の並びが異なり、となっている。
      これにより、「聴覚保護【小】&風圧軽減」の旋律は玄天の方が演奏しやすい。
      自分の扱い易い方を選ぶと良いだろう。

MHR:S

  • Ver.15でアマツマガツチが復活したのに伴い、本武器も復活した。
    本作の環境・性能に合わせて性能面の見直しが入っている。
    • 全狩猟笛中2位タイの攻撃力350
    • 毎度の事ながら低い会心率-25%
    • 過去作からすれば目を疑う水属性47
    • 旋律効果属性攻撃力UP体力継続回復全属性やられ無効
    • 斬れ味は素で極短い、もちろん匠で延長可能
    • 残念ながらスロットはなし、百竜装飾品スロットはLv3
    • 鉄蟲糸技威力強化の固有効果あり
    ようやく現れた属性攻撃力UP旋律を持つ水属性笛。しかも属性値は水属性狩猟笛の中で2位につけている。
    百竜スロットLv3のおかげで弱点特効【属性】も発動できる為、水属性攻撃についてはこの笛の右に出るものはいないだろう。
    属性は斬れ味白→紫の補正差が大きい為、素で紫ゲージ持ちである事も属性主体運用をする上では非常に重要。
    他の水属性笛は紫ゲージを出すまでにある程度匠を積まなければならない傾向にある為、
    そこも他のライバルに差をつける要因となるだろう。
  • さらに攻撃力も登場時点の環境は2位タイと高水準。
    鉄蟲糸技威力強化を内蔵している事もあり、震打炸裂音珠の威力は全狩猟笛の中でもトップクラス
    属性主体運用と鉄蟲糸技特化運用の二つの運用に対応できるのがこの笛の魅力と言えるだろう。
    いっそ物理攻撃力重視にし、闇討ち等も更に上乗せして鉄蟲糸技によるロマン特化運用をするのもあり。
    どちらかに寄ってしまっても、旋律と属性値、攻撃力の高さ+鉄蟲糸技強化によりいい仕事をしてくれる。
    傀異強化の内容がマイセットに登録されないので、工房での付け替えが面倒くさいなら2本持ってしまうのもアリ。
  • 残念ながら会心率は-25%と無視できない低さであるものの、
    狩猟笛の音波ダメージには会心が参照されない仕様により影響は小さめ。
    • 属性攻撃力UPについては言うまでもないが、全属性やられ無効も「全属性耐性を10上昇させる」という効果があるため
      龍気変換を併用すれば火力増強旋律となる。
      龍気変換の効果で属性耐性が0になってしまっても「全属性やられを無効化する効果」はちゃんと発動する為、
      龍気変換の効果を底上げしつつ厄介な属性やられによるデバフを予防できるのもポイント。
      • 水属性値で1位をマークしている水響ドロスロアも同旋律を持つ。
        あちらは属性攻撃力UPを吹けない代わりにスロットが豊富で、武器のみで水属性強化Lv5を発動できるのが強み。
        防御力UPも演奏できるため、生存力や防御力ダウン効果を付与してくるエスピナス亜種に対する相性に関してはドロスロアに軍配が上がる。
  • 鉄蟲糸技威力強化の固有効果は鉄蟲糸響打の追撃の肉質無視ダメージには乗るが、肝心の属性ダメージには乗らない
    よってこの効果を十分に発揮するには、震打などの物理火力が高い鉄蟲糸技を当てる必要がある。
    前述の通りサンブレイク環境の主流である属性主体運用でも十分強いが、
    鉄蟲糸響打の影響で影が薄かった物理ダメージ主体の鉄蟲糸技が再び日の目を見るデザインとなっている。
  • マルチプレイでの運用を考えた場合でも、今作の属性特化環境やスキル事情がこの笛を後押しする。
    属性攻撃力UP、前述した龍気変換との相性が良い全属性やられ無効はもちろんのこと、
    狂竜症【蝕】や伏魔響命、狂化といった自らの体力と引き換えに火力を底上げするスキルが多数存在する今作では
    体力継続回復旋律による延命、リスク緩和が輝く。味方のスキル構成問わず機能する*3点も優秀。
    全体として、ソロでもマルチプレイでもサンブレイクの環境に非常に噛み合った性能に仕上がった名笛と言えるだろう。
    • 尚、直接的な火力UP旋律が属性攻撃力UPのみである為、味方が蓄蓄構築のような物理主体装備の場合や
      狩猟対象が属性やられをしてこない場合には味方に発動している旋律が実質体力継続回復だけになってしまう為注意。
  • 演奏で弦を弾く音がするのは変わらないが、素材元のBGMを継承する本作の傾向に沿い、
    今回は「大風に羽衣の舞う」のフレーズが流れるようになった。
    その都合で以前よりも音程が高くなり、また掻き鳴らさず1音ずつ弾かれることもあって、
    琵琶というよりは琴のような印象を抱かせる仕上がりになっている。武器銘もだし。

MHF

  • MHFにおいても遷悠種としてアマツマガツチが登場した事に伴い、
    遷悠武器として本武器が登場。
    HR5で凶琴【秋嵐】を生産した後、GR100にて天嵐ノ琴【晴雲秋月】、そして太虚ノ琴【玄天】と強化できる。
  • 太虚ノ琴【玄天】の性能は下記の通り。
    • GR800で作成できる最終強化辿異武器に匹敵する攻撃力2730
    • 非常に高い攻撃力の代償ともいえる会心率マイナス25%
    • 高いとは言えない水属性620
    • 斬れ味は青色が中心だが紫ゲージもあり、斬れ味レベル+1で空色ゲージも出る。
    • 音色は
    • 遷悠武器の特性として、早食いスキル自動発動
  • 本武器実装時点でのMHFプレイヤーの主流は上述した辿異武器となっており、
    アマツマガツチの武器は攻撃力こそそれに匹敵するもののマイナス会心持ちという弱点もあり、
    多くの武器種ではプレイヤーの注目を引くには至らなかった。
    太虚ノ琴【玄天】も同様ではあるのだが、本武器の音色は特筆に値するものとなっている。
    2018年夏時点では辿異武器にはなく、G級系統全般で見ても極めてレアなこの音色だが、
    「音色変換」も駆使すると、自分強化を除くと以下の旋律を奏でることが可能である。
    • 攻撃力UP【大】
    • スタミナ減少無効【大】
    • 龍風圧無効
    • 水耐性強化【小】
    • 水耐性強化【大】
    • 雷耐性強化【大】
    • 龍耐性強化【大】
    • 火耐性強化【大】
    • 氷耐性強化【小】
    • 怯み無効(いたわり+3スキルと同等効果)
    • 斬れ味消費軽減(業物+2と重複する)
    • 状態異常攻撃強化
    お分かりいただけただろうか。支援用の旋律が非常に多いのである。
    龍風圧無効を除く*4といずれも実用性の高い旋律効果が揃っており、
    特に狩煉道で便利な、全属性の耐性を(一部【小】があるが)吹けるのはこの音色のみとなっている。
  • 無論、1クエストでこの全ての旋律を駆使するのは実質不可能と言ってよいが、
    様々な状況で活用できる、まさに支援に特化した音色となっているのである。
    それをマイナス会心があるとはいえ、最新の辿異武器に匹敵する物理性能で扱える本武器は、
    ある意味ユニーク性の強いものとなっていると言える。
    そういう点においては、MHP3の本武器の特徴を再現しているといえなくもない。
    • ちなみにG級武器全体で見てもこの音色の武器は極めて少なく、
      最初期に実装されたもの以外では本武器しか存在しない。
      この音色の組み合わせで攻撃力UP【大】を吹けるようになったのはMHF-Zからであり、
      それまではこの音色では攻撃力UP【大】が吹けず、
      プレイヤーからは好まれていなかった事が最大の理由となっている。
  • 素材元のアマツマガツチであるが、
    遷悠種の狩猟可能ランクが変更された後に調整されたモンスターであるため、
    それ以前のものと比べるとランク相応の強さになっており、GR100でも挑みやすくなっている。
    故に、手に入れやすいのも評価点であると言えるだろう。

余談

  • 銘の【秋嵐】「しゅうらん」というのは、「秋の間、山中に発生する靄」のことである。
    靄は「もや」と読み、簡単に言うと霧の薄いもの。
    ……しかし実際のアマツマガツチとの戦闘と比べると随分穏やかな言葉である。
    あの豪雨だと、1メートル先も見えそうにないように感じるが……。
    最終強化時の【晴雲秋月】「せいうんしゅうげつ」は、
    そのまま晴れた空に浮かぶ白雲と秋の澄んだ夜空にかかる月のことで、
    転じて心に穢れがなく澄み渡っているさまを表す。
    何だか渓流のエリア7を思い出しそうな銘である。
    究極強化時の【玄天】は、古代中国における九天のうち、北を指す言葉である。
    また、天そのものや天体を意味することもある。
  • 琵琶は日本発祥の楽器だと思っている人も多いが、実はそのルーツは中国にある。
    日本で平家物語を語った琵琶法師の印象が強いのかもしれない。
  • アマツマガツチと因縁の深いジンオウガ狩猟笛も弦楽器である。
    あちらはギターと見せかけてベースなので、ちょうど東西の弦楽器が揃うことになる。
    狩猟であることを忘れてはならない。

関連項目

モンスター/アマツマガツチ
武器/アマツ武器
武器/燃ユル終焉ヲ謳ウ翼 - ラスボス武器で音色が一致している。
武器/処女といふ名の白骸 - 同上。ただし音符の並びは異なる。
武器/禍ツ琵琶【封】 - 琵琶の形をした狩猟笛後輩。


*1 「えびお」、または「かいろうび」と読む。ギターでいうヘッドの部分。モンハン的に言うなら柄攻撃で突き刺す部分
*2 2016年6月17日にこの3体のイベントクエストが出揃ったため、HR8の解放直後に挑めるようになっている(解放直後の装備で挑んで勝てるかどうかは別問題であるが…)。
*3 同じ体力回復効果を持つスキルやアイテムであっても、鋼殻の恩恵のように狂竜症【蝕】や伏魔響命による継続ダメージ発生中は回復効果が発動しないスキルがある。体力継続回復旋律にはそういった制限がない
*4 MHFのG級においては各自で発動するのが常識となっているため。スキル/三界の護りも参照のこと。