この世を打ち崩す雪神の、第二の睥睨の具現。
《矢》を鋭く放ち、神は空と星を貫く。
ウカムルバスの素材で作られた弓。
睥睨(へいげい)とはにらみつけることや、威圧することを差す。
愛称はアイカム、ほうきゅん(はきゅんにならったもの)等。
目次
概要
- 超巨大モンスターであるウカムルバスの弓だけあって、全体的に他の弓よりも一回り大きいのが特徴。
特にリム部分の中間にある崩竜の顎そのまんまな飾りが非常に目立つ。
性能
MHP2G
- 初登場作品。その性能は
- MHP2Gの弓では最高の攻撃力432
- 無いに等しい氷属性100
- MHP2Gではどうやっても消し切れない会心率-40%
- 強撃、睡眠、ペイントビンに対応。
- デフォルトで溜め4が解放されており、溜め4は連射LV5
- おまけの防御+10
しかし斬れ味の無い弓ならば、酷い斬れ味というデメリットは無関係…
と思いきや、そうは問屋がおろさなかった。
- 前述の通り、この弓はデフォルトで溜め4の連射LV5が解放された弓なのだが、
その連射5にたどり着くまでの溜めLVを見てみると…溜め1 溜め2 溜め3 溜め4 貫通LV2 連射LV2 拡散LV2 連射LV5
「溜め4じゃないと働かねーぞ」とでも言いたげである。
連射5になるまではまるで火力にならない貫通、連射、拡散のLV2のみであり、
咆哮で動けなくなる前にとっさに撃って低いながらもダメージ、
といった戦法が使えない(というかダメージがほぼ期待できない)。
常識だが弓にとって大前提である集中に加え、さらにマイナス会心の補修や
火力強化のための攻撃力UPや通常弾・連射矢UP等の欲しいスキルがいくつもある。
溜め4で更なる火力が解放される弓ではなく、溜め4じゃないとまともに戦えないという珍しい弓である。
- 属性値が低いため氷属性弓の世界では戦えず、ケンカ相手は無属性連射弓の連中になる。
持ち前の攻撃力と氷属性が微力を尽くしてくれるためパワーハンターボウあたりは蹴散らせるが、
搦め手で攻めるユミ【凶】やウィングボウIV、物理一直線の轟弓【大虎髯】や殲滅と破壊の剛弓あたりが
このアイカムのライバルとなる。
大虎髯はなんとか勝てるものの、攻撃力384に会心率20%のバケモノじみた性能の剛弓には勝てない。
しかしG級ミラボレアスは強敵なので作るのが大変、という方には担がれる事もあるかもしれない。- 色々書いたが、この武勇伝は会心率や溜めLVを補える専用装備、立ち回りが揃った上での物である。
「その専用装備を他の連射弓に使ったら?」とか「そのぐらいできるなら他の弓使ったらいいんじゃない?」
という事を口に出すと雪の神の怒りに触れるので注意。
- 色々書いたが、この武勇伝は会心率や溜めLVを補える専用装備、立ち回りが揃った上での物である。
- また余談だが、武器解説文の神話では空と星を貫くと書かれているが、
この武器は連射弓であり、貫きたくても貫けないといった矛盾がある。
それとも神が溜め一連打地雷なのだろうか?
となると"神"がそういう意味に見えてくるから不思議である
まあ握り潰せる訳がない双剣や火炎弾が撃てないのに火で燃やすライトよりはマシだが。
MHP3
- 前回での反省か、溜めLVはまだだいぶマシなものへと変更された。
溜め1 溜め2 溜め3 溜め4 拡散LV2 貫通LV3 貫通LV4 (拡散LV4)
攻撃力270(285)、氷属性9、会心率-30%、強撃、睡眠、ペイントに加え減気ビンに対応、
曲射は放散型と、貫通弓として新しいスタートを切った。
そしてようやく神話の辻褄が合った。
- 同タイプの弓としては虫弓ブランもある。
属性値こそあちらに負けているものの、物理期待値が大差あるため、氷貫通弓としてはほぼこれ一択である。
ただし、氷+貫通が有効なモンスターはハプルボッカやドボルベルクくらいであり、
多くの氷弱点の敵に対しては連射のエーデルバイスのほうが戦いやすい。
- 氷弓としてはあまり出番がないため、
アイカムのライバルは無属性貫通弓の突風弓【裏影縫】と角王弓ゲイルホーンになる。
回避スキルを削り、最大まで火力を詰め込むスキル構成にした場合、
それぞれの期待値はほとんど変わらない…のだが、
裏影縫とゲイルホーンはデフォルトで溜め4が解放されている。
溜め4運用はDPSが溜め3運用に劣るとはいえ、
常に溜め3で立ち回るのは困難であり、溜め4解放のアドバンテージは大きい。
ただし、溜め3基準の期待値では裏影縫やゲイルホーンをごくわずかに上回る。
また、上記二張の溜め3は貫通3、こちらは貫通4のため、
クリティカル距離の広さや属性ダメの通り次第でそれ以上のポテンシャルを引き出せたりする。
ゲイルホーンや裏影縫に出番を取られがちだが、実際のところこちらも相当強力な貫通弓であると言える。
- ちなみに、装填数UPで拡散4が追加される。
これを散弾・拡散矢強化と併用する事で全拡散弓中最高のダメージを叩き出す事が可能。
前作ではどうにもできなかった会心率も、今作では弱点特効という心強い味方がいるので十分補える。
しかしこの戦法をとるには装填数UP、集中、拡散矢強化、弱点特効や見切りの付く防具やお守りと
溜め4で拡散矢を扱える技量が必要である。
また、DPSではどう足掻こうがセレーネの後塵を拝する。そのため、使い所はかなり限られるだろう。
MH4G
- ウカムルバスの復活に伴ってこの武器が復活し、さらにG級強化先として崩天弓アイカオンカムが追加されたが、
溜め1 溜め2 溜め3 溜め4 貫通Lv1 連射Lv1 拡散Lv3 連射Lv5
他の性能は、攻撃力444、氷属性100、会心率-30%と概ねいつも通り。
「本作では武器解説文に倣って貫通弓デビュー!!」なんてことにはならなかった。
今回の貫通弓の仕様を考えるとむしろラッキーのような…?
- 今まで通り無属性弓に喧嘩を売ろうとすると、
そこには絶衝弓【虎翼】という巨大な壁が立ちはだかる。
絶衝弓は攻撃力408に会心率‐10%と、単純な数値上の期待値でも崩天弓に迫っており、
溜め3できっちり連射Lv5が出るので、連射弓としてはまず勝てない。
更に今作メインモンスター武器の叛逆弓カーマレギオンや、
オオナズチ素材の魔法具弓、魔弓グリモワールなどといった高性能な無属性連射剛射弓も存在するため、
アイカオンカムの入り込む余地は無いだろう。
- しかしMHP2G同様、残念武器かと言うとそんな事はない。
よく見ると溜め3が拡散Lv2から拡散Lv3になっている。
拡散タイプの矢の本数はLv3以上で5本になるので、
弓の基本たる溜め3での運用が実用的になったのである。
無論Lv4以上の矢はモーション値で勝るのだが、実はその差はLv3とLv5を比較してもおよそ1.13倍程度しか無い。- これを拡散Lv5が撃てる弓の期待値に直すと、攻撃力は約393相当。
会心率も考慮するとその期待値は約363となる。
見ての通り実際の期待値がかなり下がってはいるが、
それでも溜め3拡散としてはラスボス武器の亡国のクピドを押さえて物理期待値一位となる。 - 更に連射や貫通は、集弾性やクリティカル距離などの要素が強化されるのに対し、
拡散にはそのような要素がない。
つまり溜め3までの拡散弓として使えば十分強く、
矢の本数も多いため低い氷属性もそれなりに働いてくれる。
- これを拡散Lv5が撃てる弓の期待値に直すと、攻撃力は約393相当。
- しかし所詮はLv3、溜め4で出て来
やがる連射Lv5を単なるデメリットと切り捨ててしまうのは勿体無い。
圧倒的な攻撃力と溜め4補正の威力から弱点に集中して放たれる矢が凄まじい威力を持つのも事実なのだ。
そう、この弓は矢タイプの違う溜め3と溜め4を使い分けることで真価を発揮するという、
どこかで見たような完全なプロハン仕様の弓として生まれ変わった。
拡散と連射ではクリティカル距離に大差がないのが幸いである。
- この弓が特に輝ける相手、それはズバリラージャンである。
ラージャンは全体的に肉質が柔らかく氷属性を弱点とするため、
総威力に優れた超火力の拡散矢で効率よくダメージを稼ぐことができる。
しかしラージャンは動きが素早いため常に拡散弓の距離で戦うのは難しい。
さらに本作では闘気硬化と極限状態の二つの能力で前脚及び後脚の矢を撥ね返してしまうため、
その際メインとなる拡散矢は封印しなければならないのだが、
ここで溜め4の連射矢がその問題を解決してくれる。
このように、拡散と連射を状況に応じて使い分ける戦法が有効なのである。
- 複数のタイプの矢を使い分ける性質上、剛弾の採用が本気で視野に入る数少ない武器の一つである。
また、今作から登場した新スキルの弾導強化が、
拡散と連射のクリティカル距離の差を埋めるスキルとして有用である。
非常に癖の強い武器ではあるが、
スキルや立ち回りを良く吟味して使いこなせばとんでもない力を発揮する可能性を秘めているかもしれない。
- この武器の攻撃力は、武器倍率に直すと370となる。
他のウカムル武器はどれも350~360程度であり、この武器倍率はMH4Gの全武器中トップタイである。
極限強化【攻撃】をするとその武器倍率は驚異の390となり、
低い会心率も相まって、見切りスキルが弱体化したMH4以降では珍しい、
攻撃力UPスキルより見切りスキルの方が期待値の上昇幅が大きい武器となる。
せっかくの特徴を生かすためにも火力スキルには見切りを選択してやるといい。- ミラルーツ防具の配信によって、この武器に剛弾と見切りを付ける構成がより現実味を増した。
この防具は一式で剛弾が発動する上に、達人のスキルポイントが大量に付与されている。
うまく使えば、神おまが無くとも剛弾+見切りマスターという、
この武器のためだけにあるようなロマン構成を現実的に運用することができるのだ。
ただしこの防具はスロットが少なく、一式だと他のスキルがほとんど発動できない。
またマイナススキルの不運も地味に厄介。
そのため基本的には部位ごとの運用になるだろう。
ただし、ここに必須の集中を加えてさらに他のスキルが欲しい
……となると、やはりそれなりのお守りが必要になる。
いっそのことミラルーツ防具に付与されている無傷のポイントを活用してとことん火力を求めるのも一興か。 - ちなみに、対ラージャンの想定では、最低限の生存スキルは耐震だけあればいいとされている。
そこで、最高値のお守りでどこまでスキルが盛れるかを計算してみると、
耐震、剛弾、集中、見切り+3、挑戦者+2あたりが最高の構成となる。
このスキルでラージャンが怒り状態の時に頭に溜め4の連射Lv5を当て、会心が出た時のダメージは、
なんと強撃ビン無しでも大タル爆弾Gの威力を超える。
限り無くロマンに近い想定だが、弓が一撃で出せる威力としては今までにないとんでもない値である。
- ミラルーツ防具の配信によって、この武器に剛弾と見切りを付ける構成がより現実味を増した。
MHX
- ウカムルバス続投でこの弓も続投。最終強化を施すとアイカオンカムになる。
なお本作ではウカムルバスが所謂裏ボスポジションであるため、
自力で挑むならHR60以上まで上げるか、イベントクエスト「崩竜激震」をダウンロードしてくる必要がある。
まず一番重要な溜め攻撃を見ると…溜め1 溜め2 溜め3 溜め4 拡散LV2 連射LV3 拡散LV4 (拡散LV5)
溜め4が封印されているが、解放しても矢のタイプが同じなので狙う価値はあるだろう。
もう説明文通りの貫通弓でない事は気にしてはいけない
他のスペックは
攻撃力260、氷属性11、会心率-30%、スロット1、
LV1強撃、睡眠、ペイントに加え減気ビンに対応、曲射は放散型といつも通り。
総括すると、自慢の高火力はそのままに一番のネックだった溜め攻撃が改善されたため、
今作トップクラスの性能を誇る拡散弓になったと言えるだろう。 - 相変わらず氷属性は無いも同然なので、汎用性の高い無属性及び爆破属性の弓がライバルとなる。
バランスブレイカー筆頭の勇猛と光明の凄烈弓は連射弓なので土俵が違うものの、
風化した弓、THEデザイア、魔導弓アルマデールが立ちはだかる。 - 会心率を含めた計算なら風化した弓は247.5、デザイアは244.4、アルマデールは240、アイカオンカムは240.5。
唯一プラス会心を持つデザイアはあらゆる火力スキルの恩恵を受けられる上、
LV2強撃ビンに対応しているため溜め3の威力では彼らを上回る。
風化した弓は会心率こそ最悪だが攻撃力は全武器トップという特性から見切りとの相性が抜群で、
会心率を上げるスキルが充実している環境に丁度合っている。
アルマデールは単純に火力だけ見れば見劣りするが、
毒ビン強化とスロット2がアピールポイント。 - これほどの強豪が犇く中、アイカオンカムは増弾剛射で差別化したいところ。
アイカオンカムはこの面子の中で唯一、
溜め3と4のタイプが同じかつ拡散LV5が撃てる。
今作では狩猟スタイル次第でどの弓でも剛射が使えるようになり、
射撃後に放たれる剛射はレベルが1段階上の矢に変化する。
つまり装填数UPで溜め4を解放すると
溜め3の拡散LV4を放った後、即座に溜め4の拡散LV5をぶっ放す事ができる。
実際にこれがどれほど効果的かは、一般的な拡散弓が主力とする「溜め3拡散LV4」と比較してみればわかるだろう。- 物理ダメージ補正…溜め3は1.5倍、溜め4は1.7倍
- モーション値…拡散LV4は24、拡散LV5は26
通常射撃から剛射の流れで見ても111%上回っている。
アイカオンカムがLV1強撃ビンしか装填できないとしても、
この威力補正のお陰でLV2強撃ビンのデザイアに並ぶ事ができるのだ。
更に強撃ビンを使い切った後は、溜め4LV5の超火力がそのままデザイアに差を付ける。
剛射に慣れたアーチャーならば検討の余地は大いにあるだろう。- そして剛射のみならず、今作導入されたジャスト回避、
狩技「アクセルレイン」のお陰で溜め4を撃つ機会が増えているのも追い風である。
勿論溜め3を狙えなかった時の保険でも火力が増強される。
攻撃力も会心率も高いTHEデザイアの強さばかりが目立つが、
実はアイカオンカムはそれにタメを張れる希少な弓の一つだったりする。
特に、全身が柔らかく氷に弱いラージャンにはお誂え向きだろう。
…というより、実はアイシクルボウがリストラされている今作では唯一の氷属性拡散弓だったりする。
MHXX
- 究極強化で新しく崩界弓アイカカムノミなる銘を得る。
攻撃力が340に、属性値が一応13に上がった以外の性能はほぼ据え置き。
攻撃力340というのは、ウカムル武器にしてはかなり低いものの、
今作の属性弓は攻撃力が抑えられている傾向にあるため、この弓に限ったことではない。
- 今作では主に銀嶺のせいで軒並み実用性が怪しくなっているウカムル武器の中では、
珍しく使える性能となっている。
攻撃力こそ前作のような飛び抜けた高さではないものの、
痛いマイナス会心を一気に補える裏会心の存在は大きく、
装填数UPと剛射とのシナジーも相変わらず。
前作ではこの弓しかなかった氷属性拡散弓のポジションには新たにベリオ弓が加わったが、
あちらはこちらより攻撃力が70も低く、溜め3も拡散3止まり、装填数UPの適性もない…が、
こちらは装填できない強撃ビンLv2を使え、会心率が高いため超会心と相性が良く、属性値もこちらより高い。
要するにスキルや相手によって使い分ければいいというだけの話である。 - 一方で、前作のように拡散弓全体に喧嘩を売れるような性能というわけではない。
特に、前作でもしのぎを削った風化弓は、裏会心運用では物理性能ではほぼ勝ち目がない。
活躍させるにはきちんと氷属性が通る相手を選ぶ必要がある。
余談
- アイカムルバスでありアイカムバルスではない。
カムルバスが付くのはウカムル武器共通なのだが、何故だかこの武器はよく間違えられるらしい。
言うまでもないがかの滅びの呪文とは全く関係ない。目がぁぁぁぁぁ - 上述した通りMHX現在まで、
登場する度にメインウェポンとなる射撃タイプが変わっており、立ち回りに一貫性の出ない武器である。
しかし、通して少し癖のある性能と、周囲との差別化のために、
セオリーから外れたひと工夫が必要であることは変わらない。
そのややピーキーな性能から、弓界のマスコット同様にコアなファンがいる事も確かである。