煌黒龍アルバトリオンのテーマBGM。
殷々たる煌鐘の音 
- 使用作品
- MH3、MHP3、MH3G、MHX、MHXX
- 収録
- モンスターハンター3(tri-) オリジナル・サウンドトラック
MONSTER HUNTER 2004-2012【HUNT】*1
- アルバトリオンが初登場したMH3から使用されているBGM。
- MH3のサントラではDISC2のシークレットトラックとして収録されている。
これは旧作におけるミラボレアスたちの楽曲と同様の扱いであり、本種の特異性が窺える。
- MH3のサントラではDISC2のシークレットトラックとして収録されている。
- 歴代のラスボス戦闘BGMと比較しても、ラスボスらしさが際立って感じられる曲。
威圧感のあるパイプオルガンや重い鐘の音、後半で存在感を示すエレキギターが絶妙に噛み合わさり、
迫り来る終焉を感じさせる禍々しさに満ちていながらも非常に格好良い仕上がりとなっている。
MH3のBGMはどれも評価の高い名曲が多いが、この曲もまた暗黒の王と称される
煌黒龍アルバトリオンに相応しい曲で、人気が高い。
- MH3のメインテーマである『生命ある者へ』がモチーフとして流れている。
中盤と終盤でサビのアレンジが挿入されるのだが、
前者は絶望感と壮大さを感じさせる曲調、後者はどこか哀愁漂う曲調となっており、
それぞれ原曲のイメージや他のアレンジとはまた異なった印象を与える。
中盤のものはかなり大胆なアレンジが加えられているので、
戦闘中にBGMとして聴いているだけでは気付きにくいかもしれない。
- 転調が多く、1ループ中に6回転調する。
アルバトリオンの特徴である「属性の不安定さ」を表現したものだろうか。- 緩急がかなり激しい曲ではあるのだが、転調を跨ぐように音が入ってくるため、
曲全体の印象としては持続的であまりぶれない、という秀逸な構成になっている。
- 緩急がかなり激しい曲ではあるのだが、転調を跨ぐように音が入ってくるため、
- 黒龍の名を冠するモンスターの戦闘BGMの中で唯一混声コーラスが使用されていない
(同じMH3系列に登場したグラン・ミラオスの方にはコーラスが存在する)。
アルバトリオンのデザイン同様、BGMでも異彩を放った曲となっている。
- 若干読み辛い曲名だが、「いんいんたるこうしょうのね」と読む。
「殷々」は音の轟くさまを表し、「煌鐘」は文字通り煌めく鐘、
若しくはアルバトリオンの別名「煌黒龍」からとった造語だと思われる。
意味としては「轟き渡る煌めく鐘の音」といったところか。- なお、よく聴いてみると実際に曲の随所で鐘の音のような音が挿入されている。
曲の開始部分が最もわかりやすいだろうか。- MH3系作品のクエスト開始時に流れる登場ムービーでは開始早々に鐘の音が聞こえ、
その裏でまず神域の光景が映り、曲が激しくなってからアルバトリオンが登場する。
中々に格好良い演出であったが、MHX(X)ではムービーが無い為機能していなかった。
- MH3系作品のクエスト開始時に流れる登場ムービーでは開始早々に鐘の音が聞こえ、
- もう一か所印象的に使われている部分として、中盤の1分20秒頃が挙げられる。
直前の転調から「静かながらも焦燥感を煽る曲調」の部分に入っているのだが、
その中で大きな鐘の音が入った直後、それが呼び水となってエレキギターが加わってくる。
以降は荒れ狂う属性を象徴するようにガンガンにエレキギターが用いられるようになるため、
この鐘の音が一つの転機として機能していると言えよう。
- なお、よく聴いてみると実際に曲の随所で鐘の音のような音が挿入されている。
殷々たる煌鐘の音: World version 
- 使用作品
- MHW:I
- MHW:Iにて復活を果たしたアルバトリオンに用意された楽曲。
他の復活モンスターと同様に上記の曲をアレンジしたものとなっている。
- 曲のテンポや大まかな流れ自体は原曲を踏襲しているものの、所々で変化している部分も多い。
- まず、曲名にもある冒頭などの「鐘の音」が大きく異なっている。
原曲冒頭のものは音量が大きく、音自体を強く「聴かせる」という側面があったのだが、
こちらは音量は小さいものの響くもので、「遠くから聞こえてくる」といった印象を受ける。
鐘以外で流れる音もこちらの方がやや不気味であるかのように感じられる。
ただ、音量の小ささ故か登場ムービーでは聞こえなくなっている。- 中盤頃にあった印象的な鐘の音については、後述する変化もあってか用いられ方が異なる。
こちらではメロディの裏で幾度も鐘が聞こえるものとなった。 - 本作ではアルバトリオンの鳴き声がノイズと残響音を伴った金属音のような声色に変わっているため、
アルバトリオンの声そのものが鐘の音の役割を果たしているとも言える。
- 中盤頃にあった印象的な鐘の音については、後述する変化もあってか用いられ方が異なる。
- 原曲において大きな特色であったパイプオルガンやエレキギターについては、
こちらではほぼ排除され、その面での異端さはやや薄れる形になっている。
オーケストラ風になったことで音の厚み自体は見劣りせず、
原曲が「激しく荒々しい」とすれば、こちらは「威厳がありつつ激しい」といったところか。
- まず、曲名にもある冒頭などの「鐘の音」が大きく異なっている。
- 『生命ある者へ』のフレーズについては原曲にも増して印象的に用いられている。
- 原曲では短かった中盤部分の「静かなパートにパイプオルガンで該当フレーズが被さる」ものは、
該当部分の冒頭から『生命ある者へ』が主体として用いられ、後から原曲にもある部分が被さる。
このためより一層この部分に該当フレーズが用いられていることが判別しやすくなった。- なお、この部分では新たにシタールらしき楽器のメロディが追加されているのだが、
これがMH3のオンライン拠点(酒場)で用いられた楽曲に似ているとの指摘がある。
- なお、この部分では新たにシタールらしき楽器のメロディが追加されているのだが、
- 後半のパートについても、原曲より該当フレーズが目立つようになっている。
原曲の場合は前後の激しい転調部分の流れを受け継いで焦燥感を煽る裏メロが入り、
全体的には『生命ある者へ』の雄大さを感じさせない荒々しい印象を受ける。
一方、こちらの場合は前後との流れを少々断ち切る形で『生命ある者へ』原曲自体に近い、
ある種の穏やかさすら感じさせる部分になっている。
なんとMH3当時のクリアBGMである『成功!!!』がそのまま採用されている。
この『成功!!!』はMH3において日常的に聞く『生命ある者へ』アレンジ曲であり、
上述した『殷々たる煌鐘の音』の変化も合わさって該当フレーズを強く意識させるものになっている。- アルバトリオンと同様にMH3初出のイビルジョーの楽曲については
『生命ある者へ』フレーズ部分が埋没するほどに魔改造されている。
MH3Gのメインモンスター枠として復活を果たしたブラキディオスの楽曲については、
MH3G固有の拠点であるタンジアの港との関連性が取り入れられている。
これらを加味すると、MHW:Iにおけるアルバトリオンは明言されては居ないものの、
「MH3の代表的モンスター」枠として扱われている可能性が浮上する。
MH3はメインモンスターが骨格の都合上技術的に登場を断念されてしまったという経緯があり、
代わりにベリオロスがMHW:IにおけるMH3からの参戦枠のように扱われているのだが、*2
「楽曲面でのファンサービス」という点では間違いなくアルバトリオンが担っていると言えよう。
過去の例で言えばMHXにて復活したアマツマガツチのクリアBGMが当時のものが使われるのに近いか。
- 原曲では短かった中盤部分の「静かなパートにパイプオルガンで該当フレーズが被さる」ものは、
- 原曲と比べると転調する際の繋がりがやや突然で、激しい部分とそうでない部分の差が顕著。
このため良くも悪くも「緩急が激しい」という特徴がさらに増したといえる。
連続的だった原曲に対して纏まりが無いように感じられるかもしれないが、
実機プレイ上ではBGMが完全に止まる新たな超大技が存在し、
システム上も強制的に緩急が付けられるため、MHW:Iのアルバトリオンには寧ろ非常にマッチしている。
この点は「即死級攻撃はないものの大技を矢継ぎ早に繰り出してくる」旧作版と、
「対策しなければ即死する超大技がメインギミック」のMHW:I版の差に依る部分だろう。- この大技「エスカトンジャッジメント」発動時にはアルバトリオンが特徴的な鳴き声をあげる。
バインドボイスとしての効果はないものの、この咆哮が重なることで曲のぶつ切りが聞こえ辛くなっている。
音自体も銅鑼のように響き渡るもので、その裏でBGMが消え、環境音がくぐもって聞こえるようになる。
「音がくぐもる」という点ではドス古龍の一種のBGMで取り入れられていた仕様だが、
こちらはBGMではなくNPCの台詞にまで影響するというもので、かなり特徴的である。 - MHW:Iにおいてアルバトリオンは赤龍ムフェト・ジーヴァと遭遇しなければ基本戦えない*3。
このモンスターにもBGMが強制的に消える大技「王の雫」が存在しており、
アルバトリオンに挑むハンターは必ずと言っていいほど「王の雫」を経験することとなる。
「王の雫」もエスカトンジャッジメントと同様にギミックをクリアしないと即死する技であり、
アルバトリオン戦において同様の演出があることで「とんでもない技が来る」と察せられるようになっている。
来ることが判ってもギミックに対処できていないと即死は避けられないのだが
- この大技「エスカトンジャッジメント」発動時にはアルバトリオンが特徴的な鳴き声をあげる。
- 狩猟音楽祭2020では、本曲が演奏されたのだが、
なんと原曲同様にエレキギターも使用されたアレンジとなっている。