うたげ

Last-modified: 2006-05-15 (月) 14:34:25

四季折々の節目の日に人々はムラにカミを迎え、人々はマツリを催した。
マツリの場は人々とカミが出逢い、うたい踊る交流の場となって、
やがてその場から万華の芸能が開花していった。
日本の古典芸能と呼ばれているものには、歴史の古い順に、
「雅楽」「能楽」「文楽」「歌舞伎」が挙げられる。
「雅楽」はユーラシア大陸から渡来した楽舞を朝廷の芸能として洗練したもので、
1300年もの時を超えて継承している。
「能楽」は古くから日本にあった寺社での神事の芸能が、
15世紀頃、当時の支配者だった武家階級の支持によって高度に芸術化されたもので、
4種類の楽器と謡と舞によって演じられる仮面楽劇だ。
「文楽」と「歌舞伎」は江戸期になって経済活動の主役に躍り出た市民階級が育んだ演劇。
お馴染みの「忠臣蔵」や「俊寛」などはもともと「文楽」で生まれた作品であるように、
「文楽」と「歌舞伎」はそれぞれの作品や演出方法を互いに吸収して発展を遂げた。
~互いに吸収して発展を遂げる~。
日本の芸能は、それぞれが独自の「型と様式」を持つこと、
そして今日まで層を重ねながら並んで生きてきた「重層性」が特徴である。