大学生の花(宮あおい)は、彼(大沢たかお)と出会ってすぐに恋に落ちた。
やがて彼が人間の姿で暮らす"おおかみおとこ"だと知ることになったが、
花の気持ちが変わることはなかった。
そして一緒に暮らし始めた2人の間に、新たな命が生まれる。
雪の日に生まれた姉は≪雪≫、雨の日に生まれた弟は≪雨≫と名づけられた。
雪は活発で好奇心旺盛。雨はひ弱で臆病。
一見ごく普通の家族だが、生まれてきた子供たちは、
「人間とおおかみ」のふたつの顔を持つ、≪おおかみこども≫だった。
そのことを隠しながら、家族4人は都会の片隅でひっそりと暮らし始める。
つつましくも幸せな毎日。
しかし永遠に続くと思われた日々は、
父である"おおかみおとこ"の死によって突然奪われてしまった―――
取り残された花は、打ちひしがれながらも
「2人をちゃんと育てる」と心に誓う。
そして子供たちが将来「人間か、おおかみか」どちらでも選べるように、
都会の人の目を離れて、厳しくも豊かな自然に囲まれた田舎町に移り住むことを決意した。