麻婆豆腐

Last-modified: 2015-01-12 (月) 22:23:57

読み

まーぼーどうふ

意味

中華料理のうち、典型的な四川料理の1つで刺激的な辛味が特徴。
挽肉を赤唐辛子、花椒*1、豆板醤で味付けして炒め、鶏ガラスープを加えて豆腐を煮た料理。

日本の一般的な中華料理屋では、花椒の辛味が日本人には刺激が強すぎるため、花椒を抜いたり減らすなどして辛味をおさえることが多い。
一方、「四川料理店」と銘打っている店では、本来通りに花椒を使い、仕上げにさらに上から振りかけることもある。
日本でも本場四川風の麻婆豆腐を提供する店が増えているため、気付かずに食べると超激辛罰ゲームを自分に爆撃することになるので、初めての店では注文前に確認した方が良い。*2

麻婆豆腐の作り方

材料

  • 豆腐 1丁*3
  • 豚挽肉 100~150グラム*4
  • 長ネギのみじん切り 適量*5
  • 豆板醤 大さじ1*6
  • しょうゆ 大さじ2
  • 酒 大さじ1
  • 鶏がらスープの素 小さじ1
  • 熱湯 150~200cc
  • 水溶き片栗粉 大さじ2(片栗粉1,水2)
  • 甜麺醤 お好みで*7
  • 山椒 お好みで
  • にんにく お好みで
  • しょうが お好みで
  • 砂糖 お好みで
  • ごま油 お好みで
  • など

作り方

  1. 豆腐を切る
    豆腐を1.5cm~2cm角くらいの大きさに切る。

    豆腐の下ごしらえについて
    豆腐を湯通し(または塩ゆで)すると崩れにくくなり、調理しやすくなる。
    しかしその分、固くなってしまい味付けが難しくなってしまう。
    できるなら、下ごしらえせずにそのまま調理した方が良い。
  2. 中華鍋を空焼きにする
    焦げ付きを防ぐために、鍋をしっかりと空焼きにする。
  3. 油をなじませる
    加熱した鍋に多めの油を取り、なじませる。軽く馴染ませたら、余った油は鍋から戻しておく。
  4. 油を入れる
    あらためて、調理に使う量の油を鍋に入れる。

    油の量について
    家庭版の麻婆豆腐レシピでは、油の量を大さじ1~2杯程度、または鍋に油をひく程度としていることが多い。ヘルシー志向を反映して、油の使用量を減らす傾向にもある。
    本格的な中華料理を作る場合は、大量の油をとり、火力の強さと調理の課程で不要な油を飛ばすという使い方をする。大さじで3~5杯くらい入れてしまって構わない。
    ただ、しっかりと火力をコントロールして不要な油を飛ばさないといけない。それと、調理台の周りは盛大に汚れる。
  5. 挽肉を炒める
    挽肉を投入し、バラバラにほぐすように炒める。
    強火のまま炒めるやり方と、弱火でほぐしたあと強火で炒めるやり方がある。どちらの場合でも、挽肉がダマにならないように注意する。
    挽肉は、少しくらい焦げてもいいというくらいのつもりで、しっかりと炒める。水分が残っていたり半生の部分が残っていると、臭みが出てしまう。
  6. 豆板醤を入れて炒める
    豆板醤を入れて焦がさないように炒める。
    豆板醤を入れる時は弱火にしておくと、焦がす失敗が少ない。
    炒める時は強火で手早く。
    油を多めに入れている場合は、鍋を傾けて油を集めておき、その中に豆板醤を入れることで手早く炒めることができる。
    焦がさないように、焦げるギリギリまで炒める。
    豆板醤の香りを引き出すことが重要。
  7. しょうゆを入れて炒める
    用意したしょうゆを半分ほど入れて、強火のまま炒める。
    香りをしっかりと引き出すために、焦げるギリギリまで炒める。
  8. 熱湯を加える
    強火で炒めているところに、沸かしておいた熱湯を一気に入れる。激しく泡立つので火傷に注意する。*8
  9. 調味料を入れて味をととのえる
    火力を弱めて、しょうゆ、酒、鶏がらスープの素、そのほか好みの調味料を入れて味をととのえる。
    味見は忘れずに。

    「鶏がらスープを作って入れる」方法について
    水(お湯)に、鶏がらスープの素、しょうゆ、酒、その他調味料を加えて鶏がらスープを作っておき、これを炒めた挽肉に加える方法もある。
    この場合、スープが跳ねないように、火は弱めにしておくことが一般的。
    手早く簡単にできる。
    調味料を別々に合わせてしまうので、味の調整はやや難しい。
    火力で油を飛ばすタイミングが少ないので、初めに使う油は少なめにしておく必要がある。
  10. 豆腐を加える
    豆腐を加えて、崩さないようになじませ、強火にして沸騰するまで加熱する。*9
    スープが沸騰したら弱火にし、ゆっくり煮込む。弱火で煮込むことで豆腐にスープが染みこみ、やわらかくなる。*10
    煮込んでいる間に長ネギを切っておくと良い。
    適度に煮込んだところで、刻んだ長ネギを加える。
  11. とろみを付ける
    弱火のまま、水溶き片栗粉を数回に分けて少しずつ入れ、とろみを付ける。
    少し入れたらかき混ぜたり鍋を揺すったりしながら、様子を見つつ入れるようにするとダマが出来にくい。かき混ぜる時には、豆腐を崩さないように気を付ける。
  12. 強火にして加熱する
    とろみが決まったら、すぐに強火にして鍋を加熱する。
    ときどき鍋を揺らしながら、30秒ほど火を通す。
    初めに多めの油を使っている場合は、ここでさらに余分な油が飛ぶ。
    使っている油が少ない場合は、好みにより油を加えることもある。

*1 かしょう。「四川山椒」や「中国山椒」ともいう。日本の山椒の同族別種で、香りがだいぶ違う。
*2 四川風は辛さが苦手な人だと、豆腐だけすらも完食できないほどに辛い。
*3 絹ごし豆腐の方がおいしくできるといわれるが、崩れやすく調理が難しい。木綿豆腐を使う場合はしっかりと煮込んで柔らかさを出すと良い。
*4 日本麻婆豆腐では豚挽肉が一般的。元祖の四川麻婆豆腐は牛挽肉だったそうで、中国では牛肉と豚肉の選択が出来る店もあるらしい。
*5 葉ニンニクを使う事もある。
*6 トウバンジャン。そら豆、唐辛子などを主に使った、中国の発酵調味料。
*7 テンメンジャン。小麦から作った、中国の発酵調味料。甘みのある味噌のような味であるため、糖類が多く加えられている日本製コチュジャンで代用されることもある。
*8 激しく泡立つことで油とスープがなじみ、同時に余分な油が飛ぶといわれる。中華料理の神秘である。
*9 鶏がらスープを弱火で入れた場合は、スープが軽く沸いたあとで豆腐を加える。
*10 あまり煮込まずに豆腐の風味を残した仕上げにする調理法もある。