東京四角形 -辻ヶ花サーガ-

Last-modified: 2020-06-18 (木) 14:20:41
 

シリーズ共通設定

  • ストーリー概要
    変化し続ける街、東京。それでも変わらないものを守りたい。
    ――あなたと生きていくために。
    巨大ターミナル駅の、ほど近く。時代に忘れ去られたようなエリアがあった。
    江戸時代には染師が多く住み、「辻ヶ花町」と呼ばれていたそのエリアは、再開発の手をなぜか逃れ続け、未だに昭和の面影を保っていたが、人口は激減していた。
    2016年。オリンピック開催を控えた東京は、再び開発の嵐を迎える。
    遂に「辻ヶ花町」にもその手は伸び、外資系大手デベロッパーがかつて「辻ヶ花神社」だった土地全てを買い上げるとの一報がもたらされ、住民たちは大混乱に陥る。
    古い工房でたったひとり、今でも「辻ヶ花町」で染師をしている上槇は、下見にやって来たデベロッパーの話に疑問を抱く。
    「この土地売買は、不法なものではないのか?」
    上槇は小学校の同級生である探偵・羽沢に調査を依頼するが――。
    「辻ヶ花町」で生まれ育った者たちが、複雑な想いを抱え、あなたと共にこの町を疾走する。
    それぞれの、守りたいもののために。
    ※「東京四角形 -辻ヶ花サーガ-」は、「ある晴天の土曜日」一日を、4人の主人公それぞれの目線から描いたシリーズです。
  • 用語解説
    【辻ヶ花神社】
     江戸時代には大きな神社だったが、昭和初期に廃れ、宮司もいなくなる。太平洋戦争時の空襲で焼失。
     戦後、その跡地に疎開から戻ってきた住民が住み着いた。神社は地元住民が小さな祠を建て、細々と守っている。
    【上槇工房】
     上槇が営む、自然染めの小さな工房。
     かつて近くに川が流れていたという土地を活かし、細々と藍等も育てている。住居と兼用。
    【地面師】
     地権者になりすまし、勝手に土地を転売し、最終的な買い手より多額の金銭を奪う詐欺師のこと。