「アリス・ミラー城」殺人事件

Last-modified: 2009-10-13 (火) 23:42:16
 

北山猛邦 『「アリス・ミラー城」殺人事件』 講談社ノベルス

 

神秘の鏡「アリス・ミラー」を手に入れるため、孤島にあるアリス・ミラー城へ招待された探偵たち。
そこで待ち受けていたのは密室殺人、不可能殺人、見立て殺人と次々と事件が起こり、
『そして誰もいなくなった』のように殺人が行われるごとに消えていくチェスの駒。

 

とめどなく起こる残虐な殺人事件に多少辟易としながらも、
「物理の北山」の名のままに様々なトリックが満載で楽しく読むことが出来ました。

 

しかし多くの探偵がいるのに何故犯行を阻止できなかったのかと疑問に感じますが、
「名」探偵ではない探偵が居ただけに過ぎないのかもしれません。
キャラ立ちがしっかりしているので、大量に登場人物がいても混同する心配はないでしょう。

 

ラストの意味を3回ほど読み返してやっと理解できた時、後味の悪さを超えて「やられた!」と思えました。

 

北山猛邦の作品の中では今のところ一番の傑作ではないのでしょうか。

 

読んでいる最中に決して最後のページを見ないように注意していただきたいです。

 

担当者 - もげ