ウロボロス物語

Last-modified: 2012-05-24 (木) 09:13:38

~序章~

○○「・・ぅ・・・ぅぅ・・・・」
○○「(・・・ここはどこだ・・・海岸・・?)」
○○「(なぜ私はここにいるんだ・・・?)」
○○「・・・・・・・・・」
○○「・・・思い出せない。・・・僕は何を・・・」
老人「お~い、そこの君~ 無事か?!」

見たこともない老人が僕の後ろから声をかけてきた。

○○「あ・・・はい、大丈夫です。」
老人「まさか生存者がいたとはな、君、この辺で見かけないところを見ると、
    おおかた昨日の嵐に巻き込まれたんだろう?」
○○「・・・それが覚えてないのです。まったく覚えてないのです・・・・」
老人「・・・記憶喪失か・・・無理もない、昨日の嵐は異常だった。」
老人「ところで君、名前は?思い出せるか?」
○○「・・・・ハクシ・・・・です。(たぶん)」
老人「ハクシか、わしの名はバルド。ペンタウァの村長をやっている。」
老人「この周辺はモンスターも出るので危険だ。とりあえず近くにクーファの集落があるからそこへ行こう。詳しい話はそれからだ。」
ハクシ「はい・・・。」

何も思い出せない。嵐に巻き込まれたようだが・・・・そんな記憶はいっさいない・・・
まったく覚えのない土地・・・おまけにモンスターまでいるっていうじゃないか、
なんだっていうのだ・・・僕は一体・・・僕は・・

~第1章 クーファでの休息~

老人に連れられクーファの集落に行くこととなったハクシ。
集落には歩いて数分・・・・歩く前から見えていたぐらい近かった・・・
こんなに近いところで気を失って倒れていたことが、我ながら情けないとも思ったが、
近かったからこそあの老人が見つけてくれたのだから、悪いことばかりではない・・・

老人「ここがクーファの集落じゃ。集落内であればモンスターも寄ってこないから安心だ。」
ハクシ「ありがとうございます。」
若者「バルドさん!ハァハァ・・・心配してたんですよ。」

集落の中央部に数人の若者がいたのだが、そのうちの一人が走ってきてそういった。

若者「まだ少ないとはいえ、この周辺でもモンスターは出るのです。一人で出歩かないで下さい。」
老人「ほぉほぉ・・わるかったわるかった。ちょっとした散歩のつもりだったんじゃ。」
若者「困りますよ・・・まったく・・・・」
若者「ところでそちらの方は?」
老人「あぁ、こちらはハクシ、海岸で倒れていたのを助けたのじゃ。」
若者「倒れていたって、昨日の嵐に巻き込まれたっていうのか?!」
ハクシ「そのようです・・・」
若者「よく助かったな。命は大切にしないといけないよハクシ。」
ハクシ「えぇ・・・・。」
若者「それで君はどこから来たんだい?ここら辺では見たことのない顔だが?」
ハクシ「えっと・・・」
老人「そのことじゃが、彼は記憶喪失らしい。」
若者「記憶喪失・・・それは大変だな、俺で協力できることがあったらなんでもいってくれ。」
ハクシ「ありがとうございます。」
老人「それで君、これからどうするんだ?」
ハクシ「わかりません・・・記憶が戻れば良いのですが・・」
老人「時間が経てばその内戻るじゃろう。わしらはこれからペンタウァの町に戻る。」
ハクシ「・・・あ・・あの」
老人「なんじゃ?・・・・あぁ、君は何も持っていないんだったな。これをやる。」

  • 200Gを受け取った-

ハクシ「すみません。必ず返します。」
老人「気にするな。それよりも集落から出るつもりをしているのなら、武器ぐらい買っておいたほうがいいぞ。」
ハクシ「わかりました。ありがとうございます。」
老人「じゃあな。」

老人は若者と集落の奥へと消えていった。

ハクシ「さて・・・これから、どうするか・・・・とりあえず今日は疲れた、腹も減ったし宿に行こう」

宿は目と鼻の先だ。普段であればとてもくつろげそうもないほど雑な作りだが贅沢なんて言ってられない。

宿屋の親父「いらっしゃい~。ん?見ない顔だな旅の途中かい?」
ハクシ「いえ・・・昨日の嵐に巻き込まれて、ここにはついさっきバルドさんに連れられて・・」
宿屋の親父「昨日の嵐に巻き込まれたのか、それは大変だったな、たいしたもてなしは出来ないがゆっくりしていってくれ。」
ハクシ「はい。」

部屋に入り一人になったハクシ

ハクシ「記憶・・・・喪失・・・か」
ハクシ「僕は・・・ここは・・・・・・・・・ZZZzz・・・・」

ハクシはそうとう疲れていたのだろう。横になると考えも纏まらないうちに眠りについてしまった。
 

第2章 全ての始まり  

宿屋の親父「お~い、起きろ。朝だぞ」
ハクシ「うぅ・・・う~ん」
宿屋の親父「起きろって、朝飯も出来ているんだ。さっさと起きろ」
ハクシ「う~ん・・・こ、ここは??・・・そうか昨日バルドさんに連れられて・・・」
宿屋の親父「やっと起きたか、相当疲れていたんだな、昨日晩飯も食わず寝てしまっていたからな」
「グ~」
宿屋の親父「はははっ腹減っただろ、朝飯用意できているからさっさと食ってしまえ」
ハクシ「すみません。いただきます。」

(宿の作りは粗末だったが飯は旨かった。)

ハクシ「ご馳走様でした。とても美味しかったです。」
宿屋の親父「それは良かった。全部で50Gだ。」
ハクシ「・・・・(そういえばここは宿だった。お金を取るのは当たり前だ。)」
宿屋の親父「どうした?」
ハクシ「いえ・・・何でもありません。(バルドさんにお金を貰っていなかったらどうなっていたのか・・・)」

  • 宿屋代 50Gを支払った-

宿屋の親父「おう。またな。」

こうして特に目的も無く何をしていいかわからぬまま宿を出ることとなった。

ハクシ「さて、宿を出たのはいいが、これからどうするか・・・」
若者B「お、昨日バルドさんにつれられてきた奴じゃないか。昨日はどうしたんだ?」
ハクシ「宿屋に泊まりました。」
若者B「よくそんな金があったなぁ。海岸で倒れていたって聞いたけど、」
ハクシ「バルドさんが貸してくれました。」
若者B「そうか、それは良かったな。さすがバルドさんだな」
ハクシ「・・・今、バルドさんはどこにいらっしゃいますか?」
若者B「あぁ、バルドさんなら昨日のうちにペンタウァの町に帰ったよ。」
ハクシ「そうですか。ありがとうございました。」

(とりあえずこのまま何もしないでもいられない、バルドさんにもう一度会ってみよう。)

若者B「ん?お前バルドさんのところへ行くのか?」
ハクシ「はい・・そのつもりです。」
若者B「お前武器も持たずに行くつもりか?」
ハクシ「ぁ・・・・そういえばバルドさんにも言われていたっけ」
若者B「武器屋はほらあっちだ。お金はまだあるんだろう?」
ハクシ「はい、まだ150Gあります。」
若者B「うん、それだけあれば十分だ。外に出るときはモンスターに気をつけるんだぞ。」
ハクシ「はい」

こうしてハクシは武器屋に向かった。

ハクシ「・・・・」

だれもいない。

ハクシ「すみませ~ん。だれかいらっしゃいませんか~」
△△「おう、武器屋にお客とは珍しいな」
ハクシ「!」

ふいに後ろにある入り口側の方から声をかけてきたのはヒゲの生やしたごついオッサン(こんなこと口が裂けてもいえないが)

防具屋のオッサン「俺は隣で防具屋やっているんだ。武器屋の奴なら部屋でまだ寝てるんだろう。」

そういうと防具屋のオッサンはカウンターの奥にある部屋に入っていった。

ドガッ!!☆

武器屋のオッサン「んが!!いてぇじゃね~か!なにすんだ」
防具屋のオッサン「なにすんだじゃね~だろ。客だよ客」
武器屋のオッサン「あ!?客?こんな品揃えじゃまともに客なんて来やしないさ」
防具屋のオッサン「それが来てるんだよ。それに自分で言うなよ それでも商売人かよ。お前は、」
武器屋のオッサン「わかったよ。行けばいいんだろ、まったく」

奥の部屋でごたごたしたと思ったら同じような顔をした2人のオッサンが出てきた。(私には見分けがつかない・・・)

武器屋のオッサン「おう。待たせたな、何が欲しんだ」(選べるほど品なんてないけどな)
ハクシ「モンスターと戦うための武器が欲しいのですが何がありますか?」
武器屋のオッサン「モンスターと戦うための武器ってお前さん、武器の1つも持ってないのか?」
ハクシ「はい、先日のの嵐に巻き込まれたようで・・・」
武器屋のオッサン「え、あの嵐に巻き込まれたのか・・・って、お金は持っているのか?」
ハクシ「はい、150G持っています」
武器屋のオッサン「それだけあれば十分だ(けけけっ十分過ぎるぐらいだ)」
ハクシ「それで、ここには何があるんですか?」
武器屋のオッサン「そうだな、投げナイフ、ダガー、弓、とりあえずこんなところだな」
ハクシ「どれが良いでしょうか?」
武器屋のオッサン「投げナイフは間合いは広いが威力が小さい ダガーは接近武器なので威力は大きいが攻撃を受けやすい、弓は間合いが広く威力も悪くない」
武器屋のオッサン「ということで余裕があるなら弓がお勧めだな」
ハクシ「弓はおいくらですか?」
武器屋のオッサン「丁度150Gだ」
ハクシ「それはちょっと・・・」
防具屋のオッサン「おいおい、お前はまたそうやって詐欺のような商売するのか」
武器屋のオッサン「!! なんだお前まだいたのか」
防具屋のオッサン「そこの君、騙されちゃいかんよ。弓なら50Gもありゃ買えるよ。」
武器屋のオッサン「ちょ!商売の邪魔すんなよ!!!」
防具屋のオッサン「邪魔とはなんだ邪魔とは!」
武器屋のオッサン「邪魔だから邪魔といったんだ!」

・・・・・言い争いが続くのを少し見守っていたが終わりそうもない・・・

ハクシ「あ、あの・・・」
武器屋のオッサン「あ、悪い悪い、150Gで無理って言うなら100Gでどうだ?(ヒソヒソ」
ハクシ「(高いよ・・・さっき防具屋のオッサンは50Gが相場みたいなこといっていたが・・・)一番安いので結構です」
武器屋のオッサン「それなら投げナイフだな。10Gだ」
ハクシ「それにします。」
防具屋のオッサン「お前、10Gって」
武器屋のオッサン「いいじゃねぇか 買うって言っているんだから」

口塞ぐようにして慌てて投げナイフを用意している。これも相場より高いのだろうな、
でもこれ以上関わっていたら日が暮れそうだ。

武器屋のオッサン「ほれ、これな。10Gだ」

  • 10Gを支払って 投げナイフ を買った-

武器屋のオッサン「気をつけて行くんだぞ」

・・・・やっと武器を買うことが出来た・・・・ただ武器を買うだけなのになんか異常に疲れた。
武器屋の中ではまだ口論が続いているところを見ると、さっさと切り上げてきて正解といったところだろう。

ハクシ「やれやれだな・・・でも武器も買えたし準備は整った。」
ハクシ「それじゃあバルドさんが行った町・・・ペンタウァっていったかなそこへ行こう」

こうしてハクシはクーファの集落を後にした。
 

第3章 旅立ちの町

バルドさんを訪ねるためペンタウァに向かうハクシ、
記憶を失い自分が何者であるかも定かではない、
名前だけはかろうじてハクシであろうと思い出せたものの、他は一切思い出せない。

ハクシ「・・・バルドさんのところへ行ってどうしよう・・・返すお金もないし返ってお世話になってしまうのでは・・・・」
ハクシ「町に行けば仕事ぐらい見つかるか・・・集落よりは大きいだろうしな・・・・」
ハクシ「!!」

目の前が急に暗くなる・・・
どうしたっていうのかまったくわからず気を失ってしまう・・・

ハクシ「ぅ・・ぅぅ・・ぃたた・・・」

頭に激痛を感じ起きた時にはもう日が暮れていた。
雑だが手当がされている・・・焚き火が炊かれていてテントが張ってある。
誰かに助けられたのだろうか、それにしたって、

△△「おう、気がついたか」

状況が把握できていないうちにテントから出てきた若者に声をかけられた。

ハクシ「・・はい、僕は・・」
△△「お前もマヌケなやつだな~ コボルトなんかにやられて気を失うなんて」
ハクシ「考え事をしていてふいを付かれたようです・・・」
△△「この辺だってモンスターぐらいいるんだから、外を出歩く時ぐらい緊張感持てよ。」
△△「俺が通りかかったからいいようなもので、それじゃあ命がいくつあっても足りないぞ。」
ハクシ「そうですね。助けていただき有難う御座います。」
△△「俺の名前はアカガミ、お前は?」
ハクシ「ハクシといいます。」
アカガミ「ハクシか・・・お前どこに行くんだ?」
ハクシ「ペンタウァに行く途中です。」
アカガミ「ペンタウァか、すぐ近くだな。でも今日はもう遅い、ここでキャンプして明日出発するといい。」
ハクシ「そうですね。」
アカガミ「さぁ 疲れただろう。もう寝よう。」
ハクシ「はい」

次の日、起きると隣にいたはずのアカガミさんはいない。
テントから出て周りを探したがいない。

「ガサガサ」

草むらから音がして人影が見えた。

ハクシ「アカガミさん、こんなところに・・・!!」

アカガミさんかと思って近づいたが明らかに違う、人型はしているものの生気をまったく感じない生き物。
おまけに武器を構えてすぐにでも襲い掛かってくるではないか。
「シューッ」相手の投げたナイフがハクシの横を通り過ぎテントを切り裂く。

このままではやられてしまう。ハクシは無我夢中で武器を手にして反撃に出る。
「ザクッ・・・・ドデッッ・・・・・・・・・」反応が無い・・・・

相手は一撃だった・・・・何も焦ることは無かったのだ・・・弱い・・・
なにか物足りなさを感じながらも、弱くて助かったと一安心し落ち着きを取り戻す。

ハクシ「いったいこいつはなんだったんだ・・・いきなり襲ってきて・・」
ハクシ「人・・・・じゃないよな・・・」
△△「そいつはダーク・ハンター、モンスターだよ」
ハクシ「あ、アカガミさん」
アカガミ「さんはやめてくれ、アカガミでいいよ。でも良く大丈夫だったな。」
ハクシ「相手が弱かったんで助かりました。」
アカガミ「ハハハ、そうかそうか、でも君が昨日やられたコボルトよりも強いはずなんだぞ。」
ハクシ「そうなんですか?無我夢中で良くわからなかったのですが攻撃してみたら一撃でした。」
アカガミ「・・・武器は・・・・投げナイフ・・・特に変わったところはない一般的なものだな。」
アカガミ「ハンターとしての素質があるのかも知れないな。」
ハクシ「そうですか。アカガミさんはハンター何ですか?」
アカガミ「ああ、そうだ(さんはやめてくれって言ったが聞いてもらえそうに無いな・・・・)」
アカガミ「こんだけ強ければ町までは一人でも楽に行けるな。」
ハクシ「はい、元々そのつもりです」
アカガミ「はは、それは心強いな。じゃあここでお別れだ。ペンタウァはここから北に2時間ほど行った所にある。じゃあな」
ハクシ「はい、有難う御座います」

キャンプを後にしたハクシはペンタウァに向かうべく足を進める。
2時間ほど経つと海岸沿いに小さな町が見えてきた。
あそこがペンタウァに間違いなさそうだ。

クーファの集落よりは大きいものの田舎町という感じ、それでも人の数は結構多いみたいだ。
ハクシ「バルドさんはどこにいるだろう・・・」
村長だって言うぐらいだから一番大きな建物に行けばわかるだろうと思い探して回る。

ハクシ「武器屋・・・・防具屋・・・・道具屋・・・宿・・・」

様々な店が立ち並んでいる奥にひときわ大きな建物があり、そこには人だかりが出来ていた。

ハクシ「あのここの村長のバルドさんを知りませんか?」
町人「それならすぐそこの家にいらっしゃいますよ。ただ・・今は・・・」
ハクシ「何かあったのですか、この人だかりも気になりますが・・」
町人「何でもモンスターの呪いで村長さんが倒れたらしいんだよ」
町人「それでそのモンスターを倒すため、町のハンター達を集めているってわけだよ」
ハクシ「村長に会う事は出来ないですかね?」
町人「無理だと思うよ~ なんならセイトさんに聞いてみるといいよ。」
ハクシ「セイトさん?」
町人「ああ、あそこで話をしている若い男だよ。」
ハクシ「ありがとうございます。」

クーファで見かけた若者だ。村長の護衛でもやっているのだろう。ハンターらしき人と話をしている。

セイト「誰か私と共に洞窟にいるモンスターを退治してくれる者はいないか」
ハンターA「洞窟なんて俺らでも滅多に立ち寄らん場所だぞ。」
ハンターB「あんなところへ行ったら無事では帰ってこれんぞ。ましてやそこのモンスターを退治するなんて」
セイト「洞窟のモンスターが村長に呪いをかけた事はわかっているんだ」
セイト「そいつを退治すれば必ず村長の呪いは解けるはず」
ハンターA「でもな~ われわれじゃあ 力になれんよ。」
ハンターC「他の町のハンターにでも助けを求めるんだな。ハマーとか行けばいくらか強い奴がいるかもしれん。」
セイト「それじゃあ 村長の命が持たないかもしれない。」
ハンターB「気の毒だけど我々だって命は大切なんだ。無理とわかっていてもやるような奴はいない。」
ハンターC「そうだな・・・これ以上、話をしても無駄だろう。私達は仕事に戻らせてもらうよ」

そういうとハンター達は人だかりを抜けて町の入り口の方へ行ってしまった。
それと同時に人だかりも顔を伏せるようにしてそろそろと散って行った。
ハクシは一人、村長の家(らしきもの)の前でたたずむセイトに声をかけることにした。

ハクシ「こんにちは」
セイト「君は?昨日クーファで会った・・・ハクシ・・・君」
ハクシ「そうです・・・バルドさんに会いに来たのですが、なんだか大変なことになっているようですね。」
セイト「そうなんだ。私にもっと力があれば苦労はないのだが」
ハクシ「私に出来ることがあれば力になりますよ。」
セイト「いや、気持ちは嬉しいが町のハンターも断るぐらいだ。やめておいた方がいい。」
ハクシ「お金のお礼も出来ていません。戦闘には協力できるかわかりませんが何かさせてください。」
セイト「君、記憶喪失って言ったが戦闘はどうなんだ?」
ハクシ「初めは良くわからず焦りましたが、この辺のモンスターなら平気なようです。」
セイト「それじゃあハマーへ行ってくれんか?町から馬車が出ているから時間はかからんはずだ」
セイト「ただモンスターはこの辺より少し強いから気をつけてくれ」
ハクシ「わかりました。それでハマーへ行って何を?」
セイト「ハマーに行けばここの町のハンターより強いハンターがいるかもしれんから探してきてほしいんだ。」
ハクシ「わかりました。」
セイト「気をつけていってくれ」
ハクシ「はい」

こうしてハクシはハマーへ向けて旅立つこととなる。

第4章 ハマーへの道中

馬車に乗りハマーへ向かうハクシ。
馬車には他に若い娘と老人が乗っていた。

老人「そこのおまえさん、見馴れん顔だがハマーに何しに行くんだ?」
ハクシ「私ですか?ちょっと強いハンターを探してくるように頼まれまして。」
老人「ほうほう、そうかそうか、わしはなペンタウァでも3本の指に入るといわれたハンターじゃったんじゃ。」
老人「だがハマーに行って世界は変わった。」
ハクシ「そんなに強いハンターが多かったんですか・・?」
老人「いやいや、カジノにはまってしまってなw もうハンターなんて危険な仕事やってられんくなったんじゃww」
ハクシ「ははは・・そうですか。」
老人「おまえさんも一度はカジノに行ってみるといいぞ。」
ハクシ「そうですね。(そんなことしている暇はないよ・・)」

「ガタン!」

老人「!!」
ハクシ「!!!」

大きな音と共に突然馬車が止まる。

老人「どどどうしたんじゃぁ!」
御者「モンスターです!モンスターが出ました!!」
ハクシ「なんだって」

ハクシは馬車から飛び出しあたりを見渡すと回りには蜂の大群が。
ハクシに気付いたのか蜂はいっせいにこちらに向かってくる。

老人「気をつけろ!その蜂はただの蜂じゃないぞ!猛毒を持っておる!うかつに手を出すな!」
ハクシ「そんな事言ったって!!」
老人「近くに蜂を操っている虫使いがおるから、そいつを倒すんじゃ!」
ハクシ「わかりました!」

虫使いは蜂が向かって来た方向にいるのがすぐに確認できた。
・・・が、この大群をかわしてあそこまで行くことはとてもできない。
このままじゃやられる!・・・とその時。
後方から火の玉が飛び出し蜂の大群に襲い掛かる。

□□「さぁ!今よ!虫使いのところへ!」

火の玉によって蜂の大群は左右に別れ、虫使いまでの道ができている。
ハクシは虫使い向かって駆け寄り、投げナイフで攻撃を仕掛ける。

ハクシ「うおぉぉーー」
虫使い「キャーーー」

虫使いはダメージを受けるもまだ死んではいない。
蜂の大群は体制を建て直しこちらに向かってくる。

□□「離れて!」

ハクシは転がるようにしてその場から距離をとると、
虫使いは火柱にやられ、それと共に蜂の大群は遠くに逃げていった。

□□「大丈夫?」
ハクシ「助かりました。ありがとうございます。」
老人「良くやった。しかし娘さん魔法使いじゃったのか。」
若い娘「はい。まだまだ修行中の身ですが・・・。」
老人「いやいや。あれだけの魔法、立派なもんじゃよ」
ハクシ「そうですよ。貴方がいなければやられてました。」
若い娘「それはそうと馬車が見当たりませんが・・・。」
ハクシ「!!」
ハクシ「どこへ行ったんだ・・・」
老人「あれじゃよ・・どうせわしらが戦闘している間に逃げたんじゃよ」
若い娘「・・・。(この爺さんは何もしてないじゃない)」
ハクシ「そんな・・・・これからどうしたら」
老人「よくあることじゃ、でも安心せい。ハマーはすぐそこじゃ」

老人の指差すほうに小さく町が見えた。

老人「さあいこうか。」
若い娘「そうですわね。」
ハクシ「はい。」

こうしてハクシはペンタウァからなんとかハマーに辿り着く事ができた。

第5章前編 ハマーの酒場

ハマーにたどり着いた3人。着いた時にはすでにあたりは暗くなり始めていた。
老人「ようやくたどり着いたの」
この老人のおかげでたった数kmの距離を1時間以上かかってしまった。
一緒に歩く身になって欲しいものだ。
□□「それでは私は先を急ぎますので」
若い娘は一人でさっさと町の中へ入っていった。

老人「さぁてわしらも行くか・・・お主はハンターを探しているんだったよな」
ハクシ「はい」
老人「では酒場に行くといい、酒場は向こうじゃよ」
ハクシ「そうですか。わかりました。それではまた」
老人とさっさと別れ酒場へと急ぐ。

酒場に着く頃にはすでに辺りは暗くなってしまっていた。
ハクシ「ボロいな・・」
思わず声に出てしまうほどに寂びれた酒場。
少し傾いたD'sと書かれた看板。中に入ると一人のマスターが暇そうにグラスを磨いていた。
マスター「いらっしゃい。」
お客はカウンターに老人が一人。先ほど別れたはずの老人が一人・・・・あれ?
さっき別れて置いてきたはずの老人がなぜ先に!

他に客もいない。ハンター探しどころではない。とりあえず老人に声をかけることに
ハクシ「また会いましたね」
老人「・・はて?どこかであったかぇ??」
老人はすでに酔っている・・・さっき別れたばかりなのに
付き合ってられないので話しを進めることに
ハクシ「それはそうと夜だってのにお客全然いませんね」
マスター「悪かったね。」
無愛想にマスターが言った。睨んでる・・・この人客を睨んでるよ。
マスター「カジノの近くに大きな酒場が最近出来てね。みんな客はそっちに取られてしまったよ。」
ため息混じりでボソリとつぶやく、無愛想キャラだ。
これじゃあ流行る店だって流行らないだろうに、
マスター「あんた客だろ何にする?」
ハクシ「そうですね。いただきます。」
お腹も減っていたので適当に飯にすることに。

食べながら町の事をいろいろと聞くと、強いハンターが沢山いたのは昔の話。
カジノが出来てからというものハンターよりもギャンブラーばかり集まる町に。
ハンターもカジノに出入りするようになってからは、本業に身が入らずその腕を落としていったという。
ここに来たのも無駄足というわけだ。

ハクシ「それじゃあそろそろ遅いので」
マスター「そうかい。じゃあ全部で580Gとなるよ」
ハクシ「はい?」
マスター「だから580G」
・・・現在モンスターを倒して得たお金を合わせておおよそ800G一応足りるが非常に高い。
クーファでは50Gで宿に止まり朝食まで食べれたのに、これはぼったくりもいいところだ。
ハクシ「・・あの、高くないですか!?」
マスター「はい?あんたどこの田舎者だい(笑」
ハクシ「わかりました。払いますよ・・・」
マスター「( =゚∀゚)ノ毎度あり!」
こいつ・・・・

いらぬ所で思わぬ出費にあってしまったものだ。
残り220G、今晩の宿代+帰りの馬車代を考えるともう無駄なお金は使えない。
ハンターはいないわ、ぼったくられるわ、まったくもって幸先が悪い。
こんなんでやっていけるのであろうか・・・

第5章後編 再び

酒場を出ると町の明かりも消え始め少し遠くにあるカジノの明かりが際立って目立つ。
カジノの近くにあるという酒場に寄ろうかとも思ったが、お金もないので宿屋を探すことに、

宿屋は町の中央にある噴水前にあったのですぐに見つけることが出来た。
ハクシ「・・・いかにも高そうだなぁ」
宿屋というよりは高級ホテル。とてもお金が足りそうも無い。

○○「なんじゃお前さん、お金も持っておらんのか」
宿屋を見上げて立ち尽くすハクシに後ろから声をかける老人が、
・・・先ほどの老人だ。

よく会うな・・・この老人。さっきまで酔いつぶれていたくせに
老人「ここであったも何かの縁、わしの家で良かったら泊まっていけ」
ハクシ「いいんですか!?ありがとうございます」
散々馬鹿にしてきたが良い人だった。

老人の家は町から少し外れたところにあるそうなので歩いていくことに、
・・・またこれが歩くのが遅い。
老人「ところでお前さん、名を聞いてなかったの。わしはテス、お前さんは?」
ハクシ「ハクシと言います」
テス「ハクシか珍しい名じゃな~出身はどこじゃ?」
ハクシ「・・・・それが」

ハクシは自分が記憶喪失であること、そして今ハンターを探している経緯を説明した。

テス「そうか、自分が何者かわからんとはつらいの」
テス「さて、ここがわしの家じゃ。たいしたもてなしできんがゆっくりして行け」
ハクシ「はい、ありがとうございます。」

こうしてハクシは老人テスの家で一晩泊めてもらうことになった。
ハクシ「それにしても全然話しが進まないな・・・」
ハクシは独り言をいい床についた。

第6章 ハンターと仲間

寝心地は悪くどうにも熟睡は出来なかった
夜空が微かに明るくなり始めたばかりだがすっかり目が覚めてしまった。

部屋から居間に行ってみると、そこにはテスが布団もかけず床で寝ている。
ハクシ「こんな所で寝ていたら風邪をひいてしまうよ」
ハクシは自分が使っていた布団を持ってきてかけてあげた。
ハクシ「それにしても・・・・えらい酒臭いなぁ・・」
近寄っただけで分かるほどの酒臭さ。

老人「んぅ~なんじゃもう朝か・・・頭が痛い・・・お前さんはだれじゃ?」
ハクシ「ハクシですよ。昨日テスさんがここまでつれてきてくれたんじゃないですか・・・まったく」
老人「なに~テス~!?わしはトキャじゃ。テスなんかと一緒にするな」
ハクシ「え!?何言っているんですか(^^;」
一瞬ボケたとも思ったがそうでもない様子。

○○「なんあじゃ~?もう起きたのか早いのう」
後ろを振り返ると瓜二つの老人の姿が、どうもこちらがテスさんのようだ。
テス「こやつはわしの双子の弟のトキャ、まーた酒場でつぶれて帰ってきたのじゃろ」
・・・そうか。酒場であったのもテスさんかと思いきやトキャさんだったというわけだ。
トキャ「よーく見れば昨日酒場で一緒に飲んだ小僧ではないか」
ハクシ「はい、よく覚えていましたね(一緒に飲んだ覚えは無いけどね)」
トキャ「それよりテス!お前わしのことを飲んだくれのどうしようもない奴みたいに言っておるが」
トキャ「お前はどうせ久し振りに帰って来たにも関わらずカジノで一遊びしてきたんじゃろー?」
テス「あーたんまり稼いできたよ!たった1時間で30万G大収穫じゃw カッカッカッ」
トキャ「なにー!?負けてばかりのお前が珍しい」
・・・
・・・・・老人の話は長い。とにかく長い。

・・・

辺りもすっかりと日が開け明るくなっていた。
テス「お腹も空いてきたし飯にするかのう」
トキャ「そうじゃのう・・・お前さんも遠慮するな食べてけ」
ハクシ「はい、ごちそうになります。」

朝食を頂くハクシ。
テス「ところでハクシ、ハンターはまだ見つかっていないんじゃろ?」
ハクシ「はい、そうですね」
トキャ「なんじゃハンター探しか?それならつい先日えらく強いって噂のラクタを見かけたぞい」
テス「なんじゃ、あやつ今こっちに来ておったのか」
トキャ「でももういないと思うぞーなんでもペンタウァの村長がモンスターに呪いをかけられたとかで」
トキャ「そいつを倒すためにペンタウァに行くとかいっておったからのう」
ハクシ「!!」
テス「なんと!」

どうもハマーまで来たが無駄足に終わってしまったようだ。
とにかく早くペンタウァに戻らなくてはいけない。バルドさんの病状のほうも心配だ。

こうしてハクシはハマーからペンタウァに急いで戻ることになった。

ペンタウァに着くとすぐにバルドさんの家に向かうが状況は変わらない様子。
ラクタというハンターもまだ来てない様子。そのことをセイトさんに話すと
セイト「そうか。そのハンターがすぐに来てくれればいいのだが・・・医者によると長老の命ももってあと2日」
セイト「今日はもう日も落ちかけているから、これから洞窟に行くのは危険過ぎる」
セイト「となると明日倒しに行くしかないのだ。」
ハクシ「その時は私もついて行きます」
セイト「それは心強い。村でなんとか見つけたハンター二人も一緒にいくことになっている。」
セイト「4人いれば何とかなるかもしれん。とりあえず今日はもう遅い、ここに泊まっていくといい」
ハクシ「ありがとうございます」

部屋に案内されたハクシ。すでにそこには二人のハンターがくつろいでいた。
セイト「紹介するよ。こちらはハクシ君。ハンターというわけではないが明日一緒に行くこととなった」
○○「お~い、大丈夫なのか?そんな弱っちそうなの連れて行って」
××「足手まといはごめんだわ」

背が高く痩せ型で若い感じの男のハンターと顔は布で覆われていてよく確認できないが若い感じの女のハンター
ハクシ「大丈夫です。無理はしません。足手まといだと思ったら置いていって構いません」
セイト「こう言っている事だし仲良くしてくれ、明日は早いぞ」

○○「まぁ よろしくな。俺はピノ」
××「私はアイビ」
ハクシ「ハクシです。よろしくおねがいします。」

夜が明ければ彼ら4人は洞窟に向かうことになる。
洞窟には村長に呪いをかけたというモンスターが。
そのモンスターを倒すためにペンタウァに向かっているというハンター・ラクタはまだ姿を見せない。
  

第7章前編 洞窟は迷宮

まだ日が昇らぬ早朝、あたりは霧に包まれ物音一つせず静まり返っている。

セイト「それでは準備はいいな、行こうか」
ハクシ「はい」
ピノ「おう」
アイビ「・・・」

一行はセイトが用意した馬車で洞窟へと向かう。
普段なら誰一人として近寄ろうとしない洞窟、
中に入らなくても周りには多くのモンスターで溢れているというが
一匹のモンスターに遭遇する事もなく入口へとたどり着いた。

ハクシ「何だか不気味ですね」
ピノ「怖気づいたか?何なら帰ってもいいんだぞ」
ハクシ「いいえ、大丈夫です」

セイト「さあ、行くぞ」

洞窟は真っ暗でまるで迷路のように入り組んでいる。
たいまつ片手にゆっくりと進む。

ピノ「だいぶ進んだけど、たいしたモンスター居ないな」
ピノ「それよりこの洞窟まるで迷路だ。迷いそうだ」
アイビ「単なる迷路ならいいけどね」
アイビ「まるで洞窟自体が生きているみたい。前に来た時とまったく違う洞窟になっているわ」

セイト「君はここに入ったことがあったのか。で、まったく違うというと?」
アイビ「あったはずの道がなくなっていたり、なかったはずの道ができていたり」
アイビ「それにモンスターの数が少なすぎる」
セイト「確かに・・・」
アイビ「なんか嫌な予感がするわ、急ぎましょう。」
セイト「そうだな」

進むうちに徐々にモンスターは増えてくるものの4人は順調に奥へと足を進めていく。
洞窟に入って数時間、外は日が昇り既に明るくなっているだろうが、
洞窟の中は依然真っ暗、たいまつがなくなってしまえば歩く事もままならないだろう。

ハクシ「・・・、水の音がしますね」
ピノ「そうだな。向こうのようだ」

水の音がするほうへ進むと広い空間に出る。
たいまつだけでは奥まではっきりと確認することが出来ない。

ハクシ「池ですね。水が沸いてます」
セイト「丁度いい。ここで少し休んでいこう。」
アイビ「私は少し周り見てくるわ」
ピノ「じゃあ俺も、1人じゃ危険だろ?」
アイビ「・・・」
セイト「あまり遠くには行かないでくれ」
アイビ「この先の道を少し確認するだけよ。すぐに戻るわ」

そう言うと二人は奥へと進んでいく。

この洞窟、一体どこまで続くのだろうか。
2人の足音が小さくなり聞こえなくなると
広い空間に水の音だけが響き渡る。

※CGIゲームOUROBOROS2を元ネタとする自作の物語であり、ゲームストーリーとは異なります。
※物語のストーリーは気まぐれで更新&改変を行います。

感想等

  • かなり、面白いです(^v^) 激しく続き希望 (^^) -- アッキー? 2009-10-01 (木) 23:55:01
  • 続きが気になる>< -- アッキー? 2009-10-03 (土) 11:47:33
  • とても面白いですね^^4章が早く出るとうれしいです^^ -- ヘル? 2010-04-06 (火) 10:01:20
  • とても面白いですね^^4章が早く出るとうれしいです^^ -- ヘル? 2010-04-06 (火) 10:01:22
  • 久しぶりに感想があって嬉しかったので、かなり久しぶりに続き書いてみました。いろいろと路線が変わってしまっている感があるけど・・・(^^; -- rikku? 2010-04-06 (火) 20:39:41
  • おもしろかったですwできればハマーその後も・・・w -- 流星? 2011-03-22 (火) 16:18:39
  • 続きを書きたい感はあるのだけどなにぶん今年はいろいろと忙しく、また予期せぬ事態によってほとんどINもできていないので・・・(。。\\\ -- rikku? 2011-05-10 (火) 13:01:20
  • 続きが読みたい・・・ (T-T -- おい? 2011-07-14 (木) 18:18:22
  • いろいろネタも出来てきたので続き書きたいとは思っているのですけどね。 -- rikku? 2011-07-14 (木) 21:15:05
  • ネタはあっても土台となるストーリーはほぼ即興。そろそろ詰みそう・・・1ページ限界も突破しそう -- rikku? 2011-08-11 (木) 18:03:36
  • あっぱれです (^-^ -- kiuyo? 2011-08-20 (土) 18:23:25
  • 続き、楽しみにしています。しかしwiki運営+ゲーム進行とは…頑張ってください  -- kiuyo? 2011-09-08 (木) 17:59:08