砲弾の種類

Last-modified: 2023-03-04 (土) 12:23:07
 

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徹甲弾(AP)

装甲化された車輌(戦車など)を攻撃するための砲弾。本シムに登場する砲弾は、大部分徹甲榴弾(APHE)であるのでほとんど使用する機会はない。あるとすれば2ポンド砲の40ミリ徹甲弾くらいである。詳細はイギリス軍の砲弾を参照。


 

徹甲榴弾(APHE)

装甲化された車輌(戦車など)を攻撃するための砲弾。本シムに登場する砲弾は、大部分徹甲榴弾(APHE)であるので最も使用機会の多い砲弾である。詳細はソ連軍の砲弾ドイツ軍の砲弾アメリカ軍の砲弾を参照。


 

高速(硬芯)徹甲弾(APCR)

高速を以て敵装甲を貫徹することを意図した砲弾。砲弾の運動エネルギーはK=1/2mv^2で表されるため、弾速を上げた方が手っ取り早く貫通力を稼ぐことができる。初速を稼ぐために弾頭は通常の徹甲弾よりも軽量になっている。弾頭の直径は同じであるが、軟鉄と芯の二層構造で構成されており、芯の部分は鉄よりも硬く重い材質(タングステンなど)を使用した砲弾形状が細い芯(コア)が入っている。
弾頭直径はそのままで弾頭が軽くなったため空気抵抗に弱く、欠点として貫通力の減衰が通常の徹甲弾よりも大きい点や、通常砲弾よりも跳弾しやすい点、直径の小さな芯の部分しか貫通しないため、加害能力がAPHEよりも弱い点などが挙げられる。
車両によっては搭載されていない車両もある。詳細はソ連軍の砲弾ドイツ軍の砲弾アメリカ軍の砲弾イギリス軍の砲弾を参照。


 

榴弾(HE)

何かに当たると爆発する砲弾。歩兵や火砲といった装甲化されていない目標に対して使う。大抵の砲弾は、遅延信管が付いておりTabキーで瞬発・遅発の切り替えが出来、Endキーで三段階まで遅延させられる。また、装甲化された車輌に関してもある程度は効果を期待できる。また、頻度こそ高くないが不発弾が出ることもある。詳細はソ連軍の砲弾ドイツ軍の砲弾アメリカ軍の砲弾イギリス軍の砲弾を参照。具体的な使用方法は砲撃教習を参照。


 

対戦車榴弾(HEAT)

モンロー・ノイマン効果によって装甲を貫徹する特殊な砲弾。炸薬の爆発した圧力によって生成したメタルジェットにより装甲板を穿孔する。たいていはドイツ軍車輌に搭載されているが、搭載弾数は少ない。話だけ聞くと強そうな砲弾だが、角度によっては簡単に効果を失するため使い勝手は徹甲弾や徹甲榴弾の方が良い、しかし主に使う事になる短砲身4号にとっては切り札のような物である(史実では戦車に使うのは禁止されていたらしいが)。当たってから起爆、メタルジェットを生成するので距離が離れても貫通力が低下しないが履帯やサイドスカート、シュルツェンなどに当たるとそこで起爆してしまい車体に届く前に威力が減衰してしまう事がある。敵に対し垂直に着弾した場合に最も威力を発揮する。詳細はドイツ軍の砲弾を参照。
残念ながら本ゲームでは、メタルジェットで貫通する仕組みが再現されておらず、「○mm抜ける砲弾」でしかない。そのため、貫通してから信管が作動したり、貫通するも信管が作動しないという本来の仕組みとは逆転した現象が起こってしまう。


 

散弾(Canister)

大砲が陸戦にて大々的に使用されるようになった18世紀頃から使用されている砲弾。ケースに入った小さな弾を多量に砲口より指向する。ソ連軍の車輌とアメリカ軍の車輌にしか搭載されない。詳細はソ連軍の砲弾アメリカ軍の砲弾を参照。


 

榴霰弾(Shrapnel)

時限信管のついた砲弾に多量の子弾を詰め込んだ砲弾。18世紀後半のイギリス軍将校ヘンリー・シュラプネルが開発した。第一次世界大戦初期までは歩兵集団を攻撃するのに大変有効と考えられており、日本を含む列強各国で運用されていた。しかし、信管の設定を敵との距離に合わせて厳密に行わなければ威力を発揮しないことから、次第に通常榴弾に取って代わられた。本シムにおいても、信管の設定は厳密に行わなければ効果を発揮し得ない。また、ソ連軍の車輌にしか搭載されていない。詳細はソ連軍の砲弾を参照。

 

榴散弾の効用と調定に付いて考察した動画


 

※厳密な再現はされていないけど一応差がつけられている砲弾

  • ベトン弾 (Anti-Concreate)
    鉄筋コンクリート製のトーチカを破壊することを目的とした砲弾。コンクリートは戦車に使用される鋼鉄より変形に弱く割れやすい性質がある。そのため、HEなどの炸薬が炸裂したときの衝撃波でも大きな効果が見込める。コンクリートに対して最も大きな効果を出すためには、コンクリート壁にある程度侵徹させた後に炸薬を起爆させることである。
    この特性持つ砲弾としてAPHE(徹甲榴弾)が挙げられる。APHEとの違いは、ベトン弾では貫通力よりも炸薬量が重視されるため、砲弾の外殻がAPHEよりも薄く貫通力が抑えられている代わりに炸薬量が増加させてある。信管はAPHEと同じく弾底信管である。このように、APHEと似ながらも貫通力と炸薬量のバランスが違い、よりコンクリートの破壊に特化してるのがベトン弾である。
    ゲーム中ではKV-2が持っているが、貫通力の高いHEとなっている。また、コンクリートの特性が再現できないため、ベトン弾の意味はない。
  • 煙幕弾 (Smoke)
    野砲による煙幕展張や戦闘中に視界を遮りたいときに使用される砲弾。弾頭には白リンが主に入っている。白リンが空気中で自然燃焼すると吸湿して五酸化二リンが白い煙となって発生することを利用している。燃焼の反応も早いため、急速に視界を遮ることができる特性が煙幕弾の炸薬として好まれた。また、煙幕を発生させる仕組み上、白リンが燃えるのため限定的な焼夷弾として使用することもできた。
    ゲーム中では煙幕展張が見られるが、残念ながら煙をAIが認識しないため、視界を遮る効果はない。
  • 装弾筒付徹甲弾 APDS
    APCRと同じく高初速の砲弾を撃ちだすことで貫通力を強化している砲弾。APCRの欠点であった空気抵抗に弱く、遠距離における威力減衰が大きい問題を解決している。
    発射された弾頭は空気抵抗を抑えるために細い形状の方が望ましいが、細い弾頭では発射薬の爆圧を充分には得られず初速を稼げないという問題が生じた。そこで、発射されるときのみ爆圧を存分に受けられる断面積を持ち、発射された後は細い芯のみ飛翔する構造が求められた。この構造を実現したのがAPDSである。
    弾頭はAPCRにあったような細長い芯と、芯を固定するように装着された通常の砲弾の直径と同じ直径を持つ装弾筒で構成される。発射薬が爆発するとまず装弾筒が大きな断面積を持って爆圧を受け弾頭が加速する。そして砲口から発射された後、装弾筒は芯から外れて投棄され、細長い芯のみが飛翔する。これにより、遠距離でも弾速が失われにくく、貫通力の減衰も小さくなった。
    欠点はAPCR同様、跳弾しやすく傾斜装甲に弱い点と1944年当時の技術では、装弾筒の投棄のタイミングが安定せず、著しく精度が低い点である(17pdrのAPDSでは1km弱で当たらなくなったそうである。)。
    ゲーム中では精度低下が再現されておらず、1km以遠でもよく当たる。
    この「芯と装弾筒」という構造はドイツの野砲(榴弾砲)の砲弾の構造でも見られる。初速の向上が図れるため、直径の一回り小さい榴弾に装弾筒を装着して射撃することで、榴弾の射程を向上されるために使用された。また10cm以上の野砲の一部では、対戦車戦闘能力を上げるため、一回り小さい通常の徹甲弾に装弾筒を取り付け、初速の速い砲弾を撃ちだすことで貫通力を上げている。
  • 装弾筒付対戦車榴弾 (HEAT-DS?)
    パンツァーシュレックの発展型、パンツァートートに使用されたとされる弾薬。APDS同様に一回り小さいHEAT弾頭に装弾筒が装着され、発射後に分離する。
    詳しいことは分からないが、本来HEAT弾頭は直径が小さくなると貫通力が低下するため、戦車などに搭載される場合は弾速が遅くても直径を維持する。しかし、携帯型兵器の場合、仕様できる炸薬量に限りがある(反動が大きくなる)と思われるため、重い弾を高速で発射することはできない。また、戦車よりも反撃に弱く一撃必殺が求められやすい。弾速を上げ、命中率を上げようとした場合、たとえ貫通力が劣っても軽い弾に装弾筒を取り付けるという方法が取られたと思われる。(あくまで考察です...サボ付HEATとか珍しすぎて...)
    ゲーム中では選択可能弾薬の没データに存在している。一体このゲーム最初はどこまで作る気だったんだ...

コメント欄

  • ざっくりですが、砲弾の解説追加しました。 -- 2017-10-24 (火) 19:37:33
  • わーお -- 2023-03-04 (土) 12:23:07