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Last-modified: 2012-08-10 (金) 13:32:47

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等価交換~ある王様の話~

それは、ある国の王様の話。

1.

 今年で七十という年の節目を迎えることになるこの国の王は、ここ数年足腰が弱っており、ほとんど一日中座っているか横になっているかという生活を送っていました。
 最早棺桶に入る日もそう遠くないことは王自身が一番よく分かっています。
 鏡の中に映る自身の顔を見るたび、口をつくのはため息ばかり。老いを感じずにはいられません。
 あの若々しい精悍な顔立ちはどこへ行ってしまったというのか。エネルギーに満ちあふれていた顔が、今では深く刻まれた皺で覆い尽くされ、まるで干からびた果実のよう。
 最近は物覚えも悪くなり、王の座を若い息子へと譲るよう家臣達からは勧められていました。
 ですが、王自身はまだ老いぼれ爺としてぼんやり日々を過ごすなど真っ平ご免だと断り続けて玉座に座り続けていました。人々から尊敬と畏怖の目で見られ、威厳を掲げて過ごす日々をそう簡単に捨てたくはなかったのです。
 王は、『王』であることに意味があるのだ、と。

 執念は日に日に強くなるものの、体の方は意思とは逆に衰えていくことを止められません。いかなる賢者であっても刻の流れを止めることなど出来ないのです。医師たちも出来る限りのことを尽くしましたが、彼の体は弱っていくばかり。

 そこで王は一つの決断を下したのです。

 ここ数年は家来たちに全力を持って『ある男』を捜すよう命を出していました。
 その男こそが王の望みを叶えるであろう最後の希望だったのです。

 ある晩、男を見つけたという報告が王の元に届きました。
 王は諸手を挙げて喜び、すぐさま男を城へ連れてくるよう命じました。
 ですが報告によると、男は
「代理の者を来させて呼びつけるような方と会うつもりなどありません。どうぞ自分の足でこちらまでお越し下さるようお伝え下さい」
 と、王からの直々の呼び出しであるにも関わらず拒んだのでした。
 男が見つかったのは王のいる国からは山を越えた先の土地なのでとても王自身が向かうことは出来ません。王はなんとしてでもその男が必要だったので、引っ捕らえて連れてこいと叫びました。
「首をはねると脅せ! なんとしてでも連れてくるのだッ!」
 王の怒りを買っては大変、と家臣達は男に何とか頼み込み、強引に城へと連れてきました。

2.

「彼の者をここへ!」
 玉座に座る王が声高々に言うと、扉の向こうから手枷をはめられた一人の男が衛兵に挟まれる形で歩いてきます。
 夜色の髪に血のような赤い瞳を持つ男でした。
 重い足取りで寄ってくる彼の表情は渋々といった様子で、頬にまだ新しい切り傷が見受けられました。少々乱闘があったようで、服も汚れています。どうやらそれが機嫌を損ねている原因のようで、たまに汚れを指先で拭っています。
 こほん、と王は咳払いを一つ。
「まずは家臣共の非礼を我が代わりに詫びよう。そなたが誘いに応じてくれぬというのでな、少々乱暴を働いたようだ」
 王はあくまでも憮然とした態度で男に言いました。
 男は自分の両脇に立つ兵を一瞥すると、
「ええ、それはもう酷い目に遭いました。物騒なものを突きつけられ、首を落とすぞ、とまで。こんな野蛮な方々を部下に置いておかれるとは、王様は人を見る目を持ち合わせていらっしゃらないようで」
 そう言って薄く笑いました。王はフンと鼻を鳴らします。
 そして、自分と二人きりにしろと言って家臣達を全員部屋から追い出しました。
「おやまあ。宜しいんですか? 護衛も付けずに、私が狼藉を働くかもしれませんのに」
「捕らわれの身で何が出来る」
「……出来る、と言ったらどうなさるんです?」
 男はニヤリと不気味に笑って王の顔色を伺います。王は男の『噂』をさんざん耳にしているので、顔には出さずとも一瞬怯んだようでした。息を呑む王に、「冗談ですよ」と男は肩をすくめてみせます。
「それで、一国の王が私のような者に何のご用です。……まあ、見たところ大体の見当はつきますがね」
「……申してみよ」
 王に促され、ふっと男は笑います。
「大分お年を召していらっしゃる。もうそう長くはないでしょうね。それでもまだ王の座に居座るのは、『王』であり続けたいから。その椅子にずいぶんと固執してらっしゃる。いくら自分の子供とはいえ、自分以外の人間に譲りたくない。だから、私を呼んだ。そう、貴方の望みは――さしずめ、『永遠の命』でしょうかね?」
 男の言葉を聞いた王の顔に自然と笑みが浮かびます。皺だらけの顔の中で目だけがぎらぎらと異様に輝いていました。 
「そう。永遠の命――それだ。それこそが我の望みを叶えるのに必要不可欠なもの。それで、どうなんだ? 噂に違わず、お主は人の寿命を延ばすことが出来る力があるのか?」
「勿論。欲しい方に欲しい分だけの命を、力を、お与えしましょう。我々はこれを『延命(えんめい)』と呼んで――」
「そんな話はどうでも良い! どうすれば良い? どうすれば我を不老不死にしてくれるのだ。何が望みか申せ。欲しいものは全て与えよう。金貨か? それとも土地が欲しいか? 地位か?」
 王は口角に泡を散らしながら男に詰め寄りました。
 やれやれ、と男は呆れた様子で苦笑を浮かべます。
「まあ、そう焦らずに。王様、物事にはまず順序というものがございます。この『延命』という方法は、一般的には禁術とされるもの。貴方は超えてはならない一線を越えてしまうことになりますが……そうとしてでも寿命を延ばしたいのですよね?」
「そうだと言っている。禁じられたものだろろうが構うものか。我は生き続けるのだ。そうして、永遠にこの国の王で在り続ける!」
「素晴らしい考えをお持ちのようで」
 野心に満ちあふれる王を見て、男は愉快そうに
「では、王。貴方には、望むだけに相応しい対価を払っていただくことになります」
 そう、続けました。
「対価?」
 王は眉をひそめて聞き返します。「ええ、対価です」と男が頷きました。
「とある国では、不治の病に冒された恋仲の女性を助けるため、女に『延命』の術を施すよう恋人である男は全てを私に差し出しました。つまるところ――そういうことです。何の代価を無しに不老不死を得られるならばこの世の人間全てが不死となってしまいます。自分の身丈よりも多くを望むには、それなりの対価が必要なのです。さて、王。貴方を生かし続けるために、『何か』を差し出しても良いと思う方はいらっしゃいますか?」
 むう、と王は呻きます。そう易々と手に入るものではないとは分かっていましたが、自分の命を延ばすためには別の命が必要だとは思いませんでした。
「金貨では駄目なのか?」
「はい。どれだけ積まれようとも、金はただの『物』でしかない。まあ、その金を積んでどなたかに命を差し出してもらうという手も有りでしょうが、ね」
 意味深に笑う男を余所に、王は考え込んでしまいます。金を握らせて死んでくれなどと誰かに言って、そのことが人々に広まってしまえば自分の威厳に関わることかもしれません。そもそも、死ななくなれば常に金は必要になる物だから出来る限り使いたくないと考えていたのです。
 王は悩みました。
 男は王の出す結論を待っていました。
 そのままどれぐらいの時間が経ったでしょう。何か妙案を思いついたのか、王はハッとした顔をして、次に満面の笑みを浮かべました。
「……そうだ! 良い考えが思い浮かんだ。他人の命が必要なのだろう? ならば、要らぬ命を利用すれば良いのではないか?」
 素晴らしい考えだろう、と王は自分の考えを男に話します。
 それは、罪を犯し処刑を待つ罪人たちの命を自分の命に代えるというものでした。
 死刑囚ならばどのみち殺すのだから、その命をせめて王の寿命として役立てる方が彼ら自身にとっても国としても良いことだろう、と。
 王は嬉々とした様子で男にどうだと訊ねます。
「それでも延命とやらは可能か? どうだ、答えろ」
「……出来ますよ」
 答える男は目を丸くして、驚いた様子でした。
 よし、と王は手を一つ叩き、立ち上がります。
「ならば急いで国中の罪人を一カ所に集めさせよう。そやつらの命全てを我に移すのだ。やれるな?」
 男は顎を引いて頷きますが、
「ですがそれでは不死には足りぬでしょう。不死とは永遠。とても数が足りませんよ」
「そうか……だが何年かは延びるだろう? 今のところはそれで構わぬ。我は今のままでは困るのだ。我が力だけではろくに城の中も動き回れぬ体など、王として耐えられん」
「分かりました。では、王。貴方に罪人の命の分だけの命を与えることをここに誓いましょう。……逃げも隠れもしませんので、この拘束を解いていただけるととても助かるのですが」
「ふむ。今すぐ解かせよう。家来共には客人として丁重に扱うようよく言っておく」
 王が大声を上げて扉の外にいた家臣を呼び戻します。
 男は拘束を解かれ、一番広い客室へと案内されました。豪華な食事も与えられました。

 今頃、国中に罪人を集めるようお触れが出ている頃でしょう。
 男は窓枠に寄りかかり、部屋から暗い夜空を見上げていました。
「城を手に入れ、国を手に入れ、土地も金もあれどいつか命は尽きるもの……その手はすでに多くのものを掴んでいるでしょうに、まだ物足りぬと欲する……愚かな王だ」
 夜風が男の漆黒の髪を揺らします。見上げた先には下弦の月が地上に生きる者たちを嘲笑うかのように浮いていました。
「老いることなく、死すことなく、常に在り続けること。それは果たして――『生きている』と言えるのでしょうかねえ」
 くつくつと喉を鳴らして笑う男の言葉は誰に聞かれることもありませんでした。

3.

 国中の罪人が一カ所に集められ、その光景を見下ろすことの出来るバルコニーに王と男は居ました。
「どうだ。これだけの人数がいれば我はどのくらい長生きできるか分かるか?」
 男は階下に集められた老若男女の罪人を見て、「さあ……」と呟きます。
 百人はいるように思えました。どこまでも貪欲な御方だ、と男は独りごちりましたが、王には聞こえなかったようでした。
「私の受けてきた依頼と言えば、大切な人を生き返らせて欲しいと言う一人による一人のためのものばかりでしたからね。ここまで規模の大きいものは見たことがない」
「……まさか失敗するかもしれぬとは言わんだろうな? 上手くいかなかったそのときは、我に虚言を申した不届き者として一生牢に閉じこめるぞ」
「おや、怖い。失敗は許されないというわけですか。では、精一杯尽くさせていただきましょう」
 男はふざけた調子で肩をすくめると、両手を罪人に向けて伸ばしました。
「これから何をするんだ?」
「お静かに。王様はただそこで座っているだけで結構ですよ」
 いつの間にか男の手には小瓶の姿がありました。左右に振るたび、中の緑色の液体がちゃぷちゃぷと音を立てて波を立てています。男は瓶の栓を抜き、瓶を傾けました。液体が緩やかに弧を描きながら重力に沿ってこぼれ落ちていきます。
「綺麗だ……」
 王は無意識に呟いていました。
「命の輝きですから」
 男は答えながら、こぼれ落ちていく液体にふっと息を吹きかけます。霧状になった液体が空中に散ったかと思われた瞬間――
 一番手前にいた罪人がその場に膝を折り、崩れ落ちました。
 また一人、また一人と罪人たちが倒れていきます。半分が倒れた頃には緑色だった液体が水色へと変わっていました。全員が倒れた頃には、紫色へと変化していました。
「これで終わりです」
「なに。もうか?」
 地面に散らばる紫色の液体が結晶に姿を変えました。それらを瓶の中に詰め直し、男は頷きます。
 念のため王は家来たちに罪人の様子を見てくるよう命じました。
 全員心臓が止まっていると報告が返り、王は浮かべた笑みを濃くします。
「さ、王。これがあちらにいた罪人全ての命です。お好きなだけどうぞお飲み下さい」
 男が差し出す瓶を受け取り、王は瓶を口に咥えると空を仰ぎ見ました。一気に全てを飲み干したのです。
 喉仏が微かに上下して、王は唇をぺろりと舐めました。
「……なんだ。特に何の味もせぬのだな。何も変わらないようだが、本当に我の寿命は延びたのか?」
 飲み干したものの、何の変化も現れないことを不審に思い、男を訝しがり始めます。

 その時でした。

 王の白い髪の毛が根本から黒く変色し始めたのです。
「ああ、ほら、始まったようですよ、王」
「なんだと? おい、誰か鏡を持て!」
 そう命令する声もしわがれたものではなく、張りのある若い男性の声です。
 王自身も自ら違いがハッキリと分かったのか目を見張りました。
 鏡を見る頃には、あれだけ深く刻まれていた顔の皺が一つ残らず全て消えて何処からどう見ても七十を迎えた老人には見えない顔立ちになっていました。二十代か、十代に見えなくも無い年頃です。
 皮と骨だけになっていた腕や足にも見る見るうちに筋肉が蘇り、王はすっくと椅子から軽やかに起ち上がります。今しがた座っていた重い椅子さえも軽々と持ち上げてしまえます。
「素晴らしい……! これがあの我か! おい、我がどう見える?」
「はい、王。とても若々しい青年に見えます。どうやら、貴方の望んだ時代まで若くなったようですね」
「素晴らしい、素晴らしいぞ! お主には特別に報酬を遣わそう。何が欲しいか申せ」
 曲がっていた腰もすっかりまっすぐに戻り、若くなった王はピンと背筋を伸ばして立つと男にそう訊ねました。
「では、家までの馬車を一台頂きましょうか。このまま帰れと言われても山を歩いて越えるには面倒ですからね」
 なんだそんなことで良いのか、欲のない男だ――と王は豪快に笑って男に馬車を一台与えて帰させました。

 その後、国は若返った王によりますます勢いを増したのでした。

4.

 それから、一年が経った頃の話です。
 黒髪に赤い瞳を持つ男の元へ、一人の客人が訪れました。
 憔悴しきり、頬が痩せこけているせいか二つの眼球がこぼれ落ちそうな顔立ちです。
 珍客の存在に男は一瞬驚いていましたが、誰かということが分かると愛想良く笑って見せます。
「おや、誰かと思えばいつかの王ではありませんか。こんな辺鄙な場所へ、お付きの者も付けずにお一人でどうなさったのです?」
 客人は、あの若返った王でした。
 身に纏っているのは豪華な刺繍の施された一級品ではなく、ゴミ箱から拾ったとしか思えないボロ切れを纏い、櫛の通った艶のある黒髪は乱れに乱れ、白い肌は泥で汚れていました。
 王は男に詰め寄ると、その胸ぐらを掴み上げます。男の体など軽々と宙に浮いてしまいました。
「一体どうなっているんだッ!!」
 王は顔を怒りで歪め、鬼のような形相で男を問い詰めます。
「まずは落ち着いてください、王。どうしたというのです。『延命』に何か問題でも?」
「ああ、そうだ! お前の耳には届いていないかもしれんが、国が滅んだ!」
「……それは、それは。この度はご愁傷様です――と言えば宜しいですか?」
 男はわざとらしく残念そうな顔で呟くので、その行動は余計に王の怒りを買いました。
 もともと、国が滅んだという話は山を挟んだ男の住む地域にも届いていました。
 勢いを増した若き王の国は、次々と別の国へと攻め入り領土を着々と拡大していたのですが、そのやり方が強引だったが為に、同盟を結んでいる国同士が揃って王を裏切ったのです。
 王に心から忠誠を誓っていた者達は反乱の戦で殺され、当然、王自身も殺された――と記事になっていましたが、こうして男の目の前に若き王は立っています。
 その訳は『延命』によるもの。
 殺されたはずの王は、土葬された棺桶の中で目を覚ましたのです。王は一度死んだのです。ですが、『延命』により幾つもの命を体内に宿した王は死なずに生き延びました。そして必死に土の下から這い出てやっとの思いで男の元へと駆けつけたのでした。
「国も城も全て奪われ、我を知る者は皆殺された! これでは我は生きていても何の意味もないッ!」
「ですが半永久的な命を、との望んだのは誰でない王自身ではないですか」
「ええい、黙れ! 今すぐ我を元の体に戻せ!」
 王は男の首を絞めながら叫びます。
 男は苦しむ素振りもなく、ただ淡々とした様子で王を見下ろしながら答えます。
「出来ません。奪った命は全て、王の体に溶け込んでしまいましたからね」
 言葉に嘘はないと悟ると、王は舌打ちして男から手を離しました。
 苛立たしげに髪を掻き上げる王を見て、男はニヤリと笑います。
「強欲の報いでしょうね。貴方は多くを望みすぎた」
「……何を言う」
「あの時、広間に集めた罪人は全員が死刑囚ではなかったでしょう? 死刑囚の者は運命で元々そうなると定められているもの。個々で差はあれど、寿命はそう長くないものなのですよ。それなのに、集めた『命』の量は多いものだった。――王、貴方は死刑囚でない罪人もあの中に混ぜましたね。より多くの寿命を得るために、罪の軽い者の命まで奪った」
「……」
 王は何も言い返しませんでした。無言を肯定ととり、男は更に続けます。
「望まぬ死から得たものなどたかが知れている。不老不死の対価にはなり得なかった。だから代わりとして、貴方の持つ物の中から対価をとったのでしょう。固執していた王の座や、城に国、金銀財宝も全て奪われた――そして貴方は不老不死を得たと、そういうことですかね」
「! まさか、造反も同盟国の裏切りもお前が仕組んだことなのかッ!?」
 まさか、と男は肩をすくめます。
「私は何もしていませんよ。全て貴方の身から出たサビのこと。自業自得というやつですよ」
 くつくつと笑い、男は不死の祝福に手を叩きました。王が睨むと、拍手は止みます。
「王でなければ生き延びたところで意味はないッ!」
 机の上に置いてあったナイフを掴むと、王はその切っ先を左胸に突き刺しました。
 耐え難い痛みが全身を駆け抜け、王は奇声を発します。おやまあ、と男は大して驚いてもいない声を一応上げました。
 血が吹き出て、部屋の床を汚します。王はその場にうずくまりました。
 ですが、いっこうに心臓が止まる気配はありません。
「せっかく奪った命ですのに、無駄遣いなさることはないと思いますがねえ」
「黙れ。今、我は死したはずだが……?」
 王はナイフを引き抜いたばかりの左胸を触りました。確かに空いたはずの穴が、そこにはありませんでした。
「ええ、死にました。死ぬほど痛かったでしょうに、変わった御方だ。今の方の寿命は二十年ほどでしたので、今の王を生きながらえさせているのは次の方の命です」
「なんだと!? 我はあと一体何年生きることになっているんだッ!」
 男は、そうですねえ、と呟きながら虚空を見上げます。
「ざっと見積もって、あと五百年分はあるんじゃないでしょうか」
 男の言葉に王は目を見開き愕然とします。
「五百年だと……? 我はこのまま五百年も生きなければいけないのか?」
「ええ、まあ。今のように自殺を繰り返していけばもっと早く終わると思いますが、それでも三百回ほどは死を経験しないと無理かと」
 死に至るまでの痛みは相当の物です。それを百回も繰り返さなければ王自身が死ぬことは出来ないと知って王は気が触れたかのように両目から大粒の涙を流したまま大声で笑い、男の前から去っていきました。

5.

 どのぐらいの月日が経ったでしょうか。
 世代は代わり、『延命』の力を得て若返った王のことなど名前すら知らない人たちばかりが暮らしている街がありました。
 その郊外に小さな一軒家がありました。廃墟と見間違うようなとても古い家です。
 そこには一人の青年が住んでいました。
 目は虚ろで一日中ぶつぶつと壁に向かって独り言を呟くような変わった人間だったので、街の人々は気味悪がって男を家ごと避けていました。
 そんな家の前に、外套に身を包んだ旅人とおぼわしき男が立っていたので、
「おい、アンタ。そこに住んでる奴はちょっと頭がおかしいから近づかない方が良いぜ」
 通りかかった街の住人がそう声を掛けました。
「頭がおかしい、とは?」
 旅人は黒色の長い髪に赤い目をしていました。
 職場に向かう途中の住人は自分の頭の横でくるくると人差し指を回しながら、
「いかれちまってんのさ。何かにつけて自分は王様だとか何とか言って、それでもって毎日『死にたい』って呟いている。下手なこたぁ言わねえ。関わると厄介だから止めといた方が良いぜ」
「おや。自分が王様だと。それはおかしな話ですね」
 旅人は薄く微笑むと、視線を住居へと向けました。

 家の中では、
「死にたい……もう嫌だ……痛い……死なせてくれ……」
 ぶつぶつと呟く声がか細く続いていました。

 その男の体には無数の傷跡が生々しく残っていました。
 男は右手にナイフを持っており、左手首を切りつけます。
 流した血で床一面が赤黒く汚れています。一人分とは思えない大量の血でした。
 新たな傷口から血が滲みます。男は他の場所を幾度となく斬りつけました。

 何度も、何度も、何度も、何度でも――――

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