The Story of Forest Rail

Last-modified: 2020-09-16 (水) 04:19:22
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基本情報

Union Workshopが開発した日本の架空路線アドオン。Steamでは2015年1月20日発売。森鉄物語。

日本
開発元Union Workshop
軌間1,067mm
電化方式非電化
最高速度80km/h
時代設定現代
価格2,480円
発売日2015年1月20日(Steam)
販売先SteamJustTrains

目次

路線解説

世界観

1890年代、松原の町と旭川の森林を結ぶ松原線が開通した。沼原から分岐する支線の大山口線とともに、地元の森林業者による材木輸送路線として運営されるようになった。

最初の数年間は貨物列車のみの運行であったが、沿線の林業の発展により人の行き来が増加したことから、1912年より旅客列車の運行が開始された。1930年代に入ると国鉄のキハ07形をベースにしたキハ750形気動車を導入し、輸送力増強に貢献した。

第二次世界大戦後、森林資源の保全を目的に多くの伐採場が閉鎖され、輸送量も大幅に減少した。旅客列車の運行も1960年代には取りやめとなり、路線も一部が廃止となった。

1990年代後半、沿線に観光需要が生まれ、人々が戻ってきた。地元の有力者の主導で旅客鉄道も復活し、香港で活躍していたトヨタ・コースターB20系マイクロバスを2台買い付け、鉄道用に改造して投入した。

かつて松原線で活躍したキハ750形気動車も整備の上復帰させ、加えて新たに冷房付きで社内に自販機を設置したCR75形(キハ130形)気動車の導入も発表されている。

とはいえ、本数は1日数往復と少なく、線路の大半は草花に覆われている。

実物紹介

地理的なモデルは北海道のふるさと銀河線であり、線形もそれをなぞっている。

ふるさと銀河線は北海道の池田駅と北見駅を結んでいた第三セクター鉄道路線で、1910年に国鉄の網走本線として開業。1961年に池北線に改称、1987年の国鉄分割民営化でJR北海道の路線となったあと、1989年に北海道ちほく高原鉄道に移管され、同社のふるさと銀河線となった。

北海道唯一の第三セクター鉄道であったが、利用客の減少で2006年に廃止となった。廃止後の2008年、陸別駅を拠点とする観光鉄道「ふるさと銀河線りくべつ鉄道」が誕生し、保存運転や体験運転が行われている。

アドオン概要

Train Simulatorでは、かつて貨物列車で賑わった廃止鉄道を旅客鉄道として復活させる目的で成立した「松原鉄道」の設定となり、そこに入社してきた主人公を主軸としたストーリーも展開される、奥が深い内容である。

本線となる松原線は松原と林甸場(りんてんじょう)を結び、ふるさと銀河線の足寄駅から置戸までの区間とほぼ一致する。支線は大山口線と呼ばれ、松原の1つ先の沼原で西に分岐し沢湖川(さわこかわ)方面へ向かう。50パーミル(!)近い急勾配とループ線を伴いながら山を越え、途中から史実の士幌線に近い線形を取り、旅客列車の今の終点、沢湖川に着く。沢湖川駅の場所は、史実の士幌線糠平駅の場所ととぼ同じである。

沿線には神社や寺など、「日本」を印象づける建物も配置されている。架空の強みを活かして日本の宮崎アニメ、2ちゃんねる掲示板の話題などに由来する要素が、建物や駅名に多く取り込んであるのも特徴。

車両

キハ750

モデルは日本国鉄のキハ07形。全面の丸っこい形状が特徴の両運転台気動車で、北海道から九州まで戦前から戦後にかけて幅広く活躍した。九州鉄道記念館に1両が保存されたほか、岡山県の片上鉄道にいる譲渡車による動態保存運転が行われている。

このアドオンでは国鉄末期の姿をベースに、松原鉄道としての要素が加えられた。運転操作の再現には力を入れておらず、新型気動車並みの簡単な運転操作になっている。

車内視点は運転席視点の状態でシームレスに移動できる。向こうの乗務員室に主人公キャラが車掌として?乗っているのも興味深い。

キハ720

松原鉄道の復活に合わせて中古で導入されたレールバス・・・。だが、これは実際にマイクロバスを改造してタイヤを鉄道車輪に取り替えた、文字通りのレールバスである。

折戸も増設してある。運転台は片側だけなので、終着駅では転車台で方向転換する。

その出自は香港のミニバスで、車種はトヨタのコースター。香港時代の行先表示も残り、1998年に新空港開港で閉鎖された啓徳空港の文字がある。古い年式のを相当格安で入手したのだろう。

そのせいか、導入後も故障続きでまともに走れず、結果的にキハ750形気動車に置き換わることとなった。

シナリオ

標準シナリオ3件とキャリアシナリオ4件、計7件を収録。Free Roamも4件あり。

標準(Standard)

標準シナリオは主人公が主体のストーリーで構成される。

  • Where is that Train’s Mummy? (この列車は何処からのミイラ?)
  • First Time on Duty (初めての乗務)
  • Are You Kidding Me? (あなたは正気なの?)
  • Story about Kisaragi Station (※) (きさらぎ駅のお話) - Steam Workshop
  • Legend of the Last Train (※) (最終列車の伝説) - Steam Workshop

※Steam版にはJustTrains版にある2件のシナリオがないが、後に開発者の手でSteamワークショップに投稿された。

Where is that Train’s Mummy?

Izumi Chisa(チサ)は松原町にやってきた。彼女を待ち受けていたものは?

シナリオはチサが松原鉄道の本社を探すところから始まる。ようやく拠点の駅を見つけたが、そこにいたのは香港のミニバスを改造したキハ720形気動車であった。このシーンのあとに運転席視点に切り替わり、駅横の転車台を通って扇形庫に入庫したところでシナリオが完了。

  • 運転車両:キハ720
  • 所要時間:10分

First Time on Duty

チサにとって初乗務の朝。面白いことが待ち受けているのだろうか。

乗務するのは例のキハ720形気動車である。運転中も度々エンストを起こす事態に陥るが、各駅停車で沼底駅に到着して、客扱いを終えたらシナリオは完了する。

  • 運転車両:キハ720
  • 所要時間:45分
  • 出発地:松原

Are You Kidding Me?

この日はいい天気。チサにとっては支線の初乗務。果たして乗り心地は。

日暮川から登り勾配、松石駅を頂点に如月駅まで下る。見た目なバスな車両は下り急勾配で一気に加速し、サイドブレーキとバックギアで暴走を回避することに。無事に到着した如月駅で客扱いを終えたらシナリオが完了。

  • 運転車両:キハ720
  • 所要時間:30分
  • 出発地:日暮川

Story about Kisaragi Station

ついに松原鉄道に「本物の列車」が入線。良い方向に進むであろうか。

ちゃんとした鉄道車両のキハ750形を運転、まずは車庫から松原駅のホームへ入線し客扱い。この列車の通る支線には「如月駅」があり、過去に2ちゃんねる掲示板で話題になった「きさらぎ駅」の都市伝説にも触れている。峠を越えて奈可町(ならかまち)駅に着いて客扱いを終えたらシナリオが完了。

  • 運転車両:キハ750
  • 所要時間:40分

Legend of the Last Train

列車やバスの最終列車では、様々な物語に事欠かない。

キハ750形で林甸場(りんてんじょう)駅からの最終列車で、あまり明るくないストーリーを聞かされる。途中の陰拗里(いんのさと)廃駅で予期せぬ急停車、50年前の地滑りにより集落が消滅したという。沼底駅停車・客扱いでシナリオ完了。

  • 運転車両:キハ750
  • 所要時間:45分

キャリア(Career)

キャリアシナリオは、松原鉄道の列車をストーリー要素無しで運転する。

  • Main Line Full Length Run (本線の全線運転)
  • Branch Line Full Length Run (支線の全線運転)
  • Late Return Part A (復路・パートA)
  • Late Return Part B (復路・パートB)
  • Only Rapid Service on Matsuhara Line (松原線唯一の快速列車)

Main Line Full Length Run

キハ750形で松原駅から林甸場駅まで、本線の全区間を通し運転する。

  • 所要時間:85分
  • 出発地:松原

Branch Line Full Length Run

キハ750形で松原駅から沢湖川駅まで、支線の全区間を通し運転する。ポイントは手動なため、進路の間違いがないよう注意。

  • 所要時間:85分
  • 出発地:松原

Late Return Part A

キハ750形で沢湖川駅から松原駅まで、このうち途中の奈可町駅までを運転。支線の最終列車である。

  • 所要時間:40分
  • 出発地:沢湖川

Late Return Part B

キハ750形で沢湖川駅から松原駅まで、後半は奈可町駅から終点の松原駅までを運転。

  • 所要時間:45分
  • 出発地:奈可町

Only Rapid Service on Matsuhara Line

キハ750形で林甸場駅から松原駅まで、本線の最終列車を運転。この列車は唯一の快速列車で、一部の駅は通過となる。

  • 所要時間:75分
  • 出発地:林甸場

Free Roam

Free roam scenario from Matsuhara summer

夏の松原駅。

  • 季節:夏
  • 車両:キハ750・キハ720
  • 時間帯:日中
  • 主要スポット:松原市街地、沼原市街地、沼原神社

Free roam scenario from Rintenjo summer

夏の林甸場駅。

  • 季節:夏
  • 車両:キハ750
  • 時間帯:夜遅く
  • 主要スポット:林甸場市街地の夜景、ホタルの光、灯篭流し

Free roam scenario from Sawakokawa spring

春の沢湖川駅。

  • 季節:春
  • 車両:キハ750・キハ720
  • 時間帯:日中
  • 主要スポット:支線の沿線風景

Free roam scenario from Uenamu

夏の上沼駅。

  • 季節:夏
  • 車両:キハ750
  • 時間帯:日中
  • 主要スポット:日本式寺院

実績

解除可能な実績は用意されていない。

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