サマービートコマンドメンツ

Last-modified: 2024-10-20 (日) 14:11:30

そう言うと、プロブレムは全身についた砂を撫で落とした。

「ぷえぇー、口の中も砂だらへー」
「あはは、お恥ずかしながら私もです」

水着の中も砂だらけですね。砂まみれの2人が笑う。
シオンはというと、カノンの横で髪についた砂をネコのようにクシクシと払いながら、自慢げな顔でこちらを見上げていた。

「運命、とった、1位」

ブレイドライン、アクシオンゲート、ORANGEという三騎士団の KING が揃い踏みしたビーチフラッグス大会は、爆速ネコと化したシオンの優勝で幕を閉じたのだった。
正直、3人ともあまりに速すぎて、審判としての仕事はほとんどできなかったのだが、シオンが圧勝してくれて助かった。

「てか、砂落とすの無謀じゃね? 一回海の中入っちゃった方が一気に全身キレイにできる気がするー」

「それ私も思ってました!」

「しおみずベトベトする」

「最後は私のクーとエーでシャワーしたげるからさ」

「あんまり、冷たいのはいや」

「温水かぁー、よくわかんないけど、たぶんできるんじゃね?」

「相変わらずプロブレムの能力はよくわからないですねー」

「カノンのちからも、正直なぞ」

「ネコに変身できる子に言われたくないですよー」

「あはははは♪ そんじゃま、一回泳ぎにいこっか!」

ん、とプロブレムが手を差し出す。
行きましょう! と屈託のない笑顔でカノンも手を差し伸べる。
連れてって。と既に眠そうなシオンが手を伸ばす。

「あんまり深いところまでは行かないよ?」

もちろん! と3人が笑う。
フェスが終わったあとの海はとても静かで、すこし暑かった。


──『サマービートコマンドメンツ』より抜粋