2周目

Last-modified: 2013-09-15 (日) 23:47:52

前置き

サガシリーズにおいて、周回要素が導入されたのはサガフロ1が初めてである。ただしこの作品では2周目になっても特別大きな変化はなく、単に7人の主人公すべてをクリアすればおまけがあるという程度のものだった。

 

しかしその次の作品であるサガフロ2では、2周目以降ゲームの進め方そのものを大きく左右する様々な要素が登場することになった。ここまでの大きな変化は少なくとものちのアンサガ、ミンサガでも導入されていない。そしてこの根幹には、サガフロ2という作品そのもののコンセプトが大きく影響を及ぼしていると言えるのである。

 

ヒストリーチョイス

サガフロ2を初めてプレイされた方の中には、パッケージに書かれている構築型フリーシナリオや説明書p.10にあるヒストリーチョイスの意味がよくわからなかった人も多いのではないかと思われる。
たしかに一部選択式のシナリオがあったり(しかも選択の一つは悲劇的な結末を迎える)、ギュスターヴ編⇔ウィル編や合間合間の町シナリオを自由に選択はできるものの、その進み方は時系列で限定されているため、実質的にはこちらがシナリオを選択することが不可能な構造になっているからだ。

 

しかしウィル編の最終ボスを苦難の末に乗り越え、あまりの苦労に「もういいよ・・・」と思いながらもクリアデータから2周目を始めてみてほしい。すると1周目の最初にはなかったはずの、見覚えのある物語がイベント選択画面に大量に出てくるはずだ。
そう、2周目では1周目にクリアしたすべてのイベントを最初から選ぶことができるようになっているのである。最初のイベントから再び始めるもよし、稼ぎを優先して選択するもよし、あの感動のイベントをもう一度堪能するもよし。やろうと思えばいきなりラストバトルから始めることもできる*1。これこそがヒストリー「チョイス」の真相なのだ。
又、シナリオの出現数制限の制約が撤廃されるため、初回にウィル編を固め打ちしたりして出現しなかった「ギュスターヴと海賊」や「暗殺者ヨハン」を所定のイベントをこなすだけで簡単に出現させられるようになる。初回見逃してしまった、と言う人にも優しい。
ただ、バハラグのエキストラプレイ等とは違い、一度2周目を開始するとエッグを再び倒すまで再スタートを切る事は出来ない。間違って湧水の宝珠を途中で捨てて「詰み」状態になると復帰不能である。この場合は残念ながら今までの周回分の努力が全て水泡に帰すので注意しよう。

 

新しい自分への置き土産

引き継がれるのはこれだけではない。前の周までに獲得したすべての技や術も同様に引き継がれるのである。
このゲームの技や術は従来の閃き以外にデュエルでの合成や戦闘後の学習によって習得することができるが、これらはすべて次の周でも即使用することが可能だ。閃き道場や仲間を鍛える場所と時間が非常に限られている今作では、このように一回の戦闘で技・術を習得する方法は増えたものの、戦闘回数自体が少なめなため一つの周回ですべての技・術を覚えることは難しい。
しかしこの欠点を補うのがこの技・術の引継ぎであり、なおかつ強力な技を序盤から使えることで周回プレイにありがちな味方が弱い序盤から中盤のレベル上げ作業がだるいという要素を払しょくする役割を担っているのである。ただしプレイヤーキャラの初期ステータスやアイテムは変わらないので、ターンごとにWPとJPが回復してもうかつに乱発はできないのだが。
又、学習しているのは味方だけではない。敵の学習レベルも引き継がれているので敵のパワーアップに注意が必要。特にサウスマウンドトップの戦いは初回をギュスターヴ編固め打ちで学習を避けて楽に攻略していると、敵の無慈悲な術の嵐に心を砕かれる事にもなりかねない。

 

村の為だ、行こう

さて、この2周目データを用いて挑むのはなんとグリフォン。岩荒野(「大砂漠のメガリス」他)と石切場跡(「対決!アレクセイ」「エーデルリッター」)でこちらを見つけるや高速で襲い掛かってくる、HP22972、技Lv28、術Lv26の強敵である。プレイしたことのある人にはこいつに当たってしまい一瞬のうちにゲームオーバーにされた方もいるのではなかろうか。
そしてこの強敵を2周目データとはいえいきなり倒さなければならないのだ。技や術はそろっていてもステータスも装備品もないこの状況にミスター・サガ愛は、そして村を守るべく立ち上がったサルゴンと2匹のスライムはどう立ち向かっていくのだろうか。


*1 ただしTASの力をもってしても勝つことはできないらしい