スマブラ個人小説/ななみの小説/亜空の使者 ~もう一つの物語~2

Last-modified: 2011-03-02 (水) 13:37:50

亜空の使者 ~もう一つの物語~の続きです。続編ではありません。
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第11話 森の勇者

~森~
「・・・再びマスターソードを抜く日が来たか・・・。」
そう言って、マスターソードの刺さっている台座に近づく者が居た。
それはリンクであった。リンクは剣をゆっくりと引き抜き、一振りした。
リンク「・・・マスターソード、また僕に力を貸してくれ・・・!」
そう言うと、リンクはマスターソードを鞘に収め、背中に背負った。

マスターソードを再び手にしたリンクは、森から出ようと歩いていた。
その時・・・リンクの視界に、緑の恐竜が飛び込んできた。
ナビィ「リンク!何か居るよ?」
リンク「・・・無視だ。無視。」
そう言ってリンクはそこを通り過ぎようとした。
しかし、その時だ。
上空を巨大な戦艦・ハルバードが飛んでいく。そして森に影虫をばら撒いたのだ。
影虫はプリムの姿に変わった。
リンク「・・・!! 敵か!?」
リンクはマスターソードを抜いた。その時、その緑の恐竜も起き上がったのだ。
「・・・どったの?」
リンク「いや、見れば分かるだろ(汗) 何なんだ、この敵達は・・・!?」
「なんかまずそう。食べたくない。」
リンク「いや、食べろなんて言ってないって(汗)」
「ま、いっか。面白そうだから加勢しちゃお。」
リンク「どういう理由だ!?」
二人が漫才(!?)をしている間に、プリム達は襲い掛かってきた。
リンク「!! 回転切り!」
「ばた足キック!」
リンクはその場で高速回転し、周りに居る相手を切りつける。
そして緑の恐竜は空中で足をばたつかせ、プリム達を蹴飛ばした。
しかし、倒しても倒しても、プリム達は次から次へと出てくる。
リンク「くっ、これじゃキリがない・・・!」
その時、緑の恐竜はリンクに背中を向けたのだ。
「乗って。」
リンク「は?」
「乗ってって言ってるのー。逃げなきゃマズイでしょ?」
リンク「わ・・・分かった!!」
リンクが緑の恐竜に飛び乗ると、緑の恐竜はものすごい勢いで走り始めた。
さすがにその脚力には敵わず、プリム達は追跡を諦めた。

「ふう!走ったー。」
リンク「そうだな。助かった・・・。 で、君は?」
ヨッシー「あ、ヨッシーだよ。キミは・・・」
リンク「リンクだ。よろしく。」
ヨッシー「あー、リンクね。知ってるような・・・知らないような。ま、いいか。」
二人(一人と一匹?)はお互いに自己紹介した。
その時、後ろからがさがさと音がした。そして三つの影が飛び出す。リンクはマスターソードを構え、ヨッシーは両手をパンチの形にした。
そしてその三つの影とは・・・羞恥心の三人だったのだ!
上地「ま、間に合った~!」
野久保「つるのさんが道に迷わなかったら、もっと早く着いたんじゃ・・・。」
つるの「し、しょうがないだろ!それより、ファイターだぞ!手っ取り早く捕まえないと!」
上地&野久保「「それはそうだ!」」
ケンカムードだったのが、すぐに直った。さすがは三人のチームワークと言ったところか。
リンク「・・・誰かは知らないが、僕達を倒そうとしているみたいだ!」
ヨッシー「負けないよ~?ヨッシー負けないよ~?」
上地「オレ達だって負けないぞ~!」
つるの「よしっ、ここは俺に任せろ!」
野久保「き、気をつけてくださいよ!」
そう言うと、つるのは二人の前に立ちはだかった。
リンク「(・・・ヨッシー、相手は一人だ。きっと二人相手にしていたら、隙が出来るはず・・・。)」
ヨッシー「(分かってますって♪)」
リンクとヨッシーは目で会話をした。その時だ。
「つっ、つるのさん!やっぱり危ないよ!」
つるのの後ろから上地の声がした。
つるの「平気だって!」
「でも・・・。」
リンク「隙ありっ!」
リンクはつるのに切りかかった。しかし、その時だ。
「ぶっちゃけ・・・食らえっ!」
リンク「ぐわっ!?」
リンクは突然の横からの跳び蹴りに対応できず、そのまま倒れた。
上地「やった、やったー!」
野久保「作戦成功だー!」
つるのの後ろで上地と野久保が喜ぶ。その後ろに木には、なんと上地の似顔絵が張ってあったのだ。
そして上地の似顔絵は「やっぱり危ないよ!」と声を発した後、消えた。
リンク「似顔絵が・・・声を!?じゃあさっきの声は・・・あの似顔絵が!?」
「そ。ぶっちゃけその通りだぜ。」
そう言いながら倒れたリンクを見下ろしたのは、ヒデヨシだった。
ヒデヨシ「ぶっちゃけオレの能力(ちから)は、『声を似顔絵に変える能力』だ。10m以内にならどこでも描ける。」
リンク「(『声を似顔絵に変える能力』・・・!?なんなんだ、一体・・・!?聞かない名だが・・・。こいつは・・・ただの子供じゃないのか!?)」
野久保「ヒデヨシ君は似顔絵を一枚描くごとに手足の指一本を折り曲げれば、声を発する似顔絵を描けるんだよ! にしても、足の指まで使えるなんて器用だなぁ・・・。」
野久保が呟く。
ヨッシー「じゃあ似顔絵描かせないように指を封じれば良いんだっ!」
ヨッシーがヒデヨシに向かっていく。
ヒデヨシ「・・・ナメんじゃねぇよ!」
ヨッシー「アワワ!?」
ヒデヨシの回し蹴りがヨッシーの顔面に命中する。ヨッシーは横にふっとばされた。
リンク「! ヨッシー!!」
ヨッシー「いてててて・・・。」
ヨッシーは起き上がる。
リンク「(くそっ・・・。相手は4人も居るうえに、あんな厄介な力を使われたら、対応できない・・・!)」
「リンク!」
ヨッシーの呼び声がした。リンクがそちらを向くと、つるののパンチが飛んだ。
リンク「くっ!」
リンクはそれをギリギリで避けた。よく見ると、つるのの服にヨッシーの似顔絵が張ってある。
リンク「(まずはあの子供を倒さないと・・・!)」
リンクはヒデヨシを睨んだ。そしてその睨みを、ヒデヨシは睨みで返す。
つるの「よし、そろそろ倒させてもらうぞ!食らえ、珍回答!」
『問題 蝋燭 この漢字はなんと読む?』
つるの「りょうけい!」
ブッブー。
その瞬間、リンクは凍りついた。何言ってるんだ、コイツは・・・と。
つるの「今だ!ヒデヨシ君、いっけー!」
つるのが叫んだ。だがヒデヨシは動かない。
上地「ど、どうしたんだよ、ヒデヨシ君!?」
野久保「あれは・・・まさか・・・!?」
野久保は全てを理解した。
ヒデヨシは・・・つるのの回答に驚愕していたのだ(目が真っ白)!
その顔を見て、つるのは「あっ!」と叫んだ。
つるの「しまった!珍回答は近くに味方が居たら味方も驚愕させちゃうのを忘れてたーッ!」
ヨッシー「さっきはよくもやったなーッ!」
ヨッシーがヒデヨシに頭突きを繰り出す。
ヒデヨシ「うがっ!?」
腹に強烈な頭突きを繰り出され、ヒデヨシはよろけた。
リンク「はっ・・・! 食らえ、疾風のブーメラン!」
つるの「うわーッ!」
上地、野久保「つるのさん!?」
やはり元は戦闘馴れしていない実在人物。ブーメランだけでもかなり痛いようだ。
ヨッシー「さぁさぁ、どんどん行くよーッ!」
ヨッシーは再びヒデヨシに向かっていく。

「    」

ヨッシー「・・・えッ!?誰・・・?」
ヨッシーはヒデヨシが言った事にやや驚いたようだ。
つるの「いててて・・・。」
ヒデヨシ「くっ・・・、うぅッ・・・。」
上地「つるのさん、ヒデヨシくん、もう無理だよ!急所近くに食らったみたいだし・・・。」
リンク「・・・・・。」
リンクは剣を構える。ヨッシーも4人を睨みつける。
野久保「み、みんなこっち睨んでるけど・・・。」
上地「逃げよう!やっぱ危ない!」
上地と野久保はつるのとヒデヨシを抱え、ワープしていった。
ヨッシー「・・・追いかけないの?」
リンク「無駄だろう。それに・・・。」
ヨッシー「・・・あの子?」
リンク「あぁ・・・。あの子は・・・ヒデヨシはおそらく、戦いたくて戦ってるんじゃない。目を見て分かった・・・。何かに縛り付けられてる。」
ヨッシー「そう言えば・・・あの子、何か言ってた。」
リンク「何か?」
ヨッシー「『レオルド』って言ってた。何のことかは、分からないけど・・・。」
リンク「・・・そうか。」
その時、二人の頭上をハルバードが飛んでいった。
リンク「! あの戦艦だ・・・。追いかけよう!」
そう言ってリンクは走り出す。
ヨッシー「あッ、ちょっと!?乗ってった方が早いよーッ!」
そう言って、ヨッシーはリンクを追いかけた。

~森の入り口付近~
「・・・完全に迷ってしまったみたいだ・・・。」
森の入り口を、一人の少年がうろついている。
「ここはどこで・・・何なんだろう?」
少年が呟く。その時、影虫がプリムの姿を形作った。
「えッ!?あ・・・わ・・・。た、助けてーーーーッ!」
少年は慌てて駆け出す。その時、大きな手裏剣がプリムを切り裂いた。
「あ・・・、え・・・?」
「お前ッ!大丈夫か?」
そう言うと、少年が持っていた手裏剣が少女の姿になったのだ。
「き・・・きみは!?」
ブラック☆スター「オレか?オレは世界最強の男・ブラック☆スターだ!」
椿「私は椿。武器です。」
武器という言葉に、もう一人の少年は首をかしげた。
「武器・・・?」
ブラック☆スター「なんだ、知らないのか?お前一体・・・」
椿「ブラック☆スター・・・、この子、たぶん私達とは違う。」
ブラック☆スター「あッ、そうなのか!」
ブラック☆スターはぽんと手を打つ。
その光景をみた少年は、ふふっと笑った。
学「あっ、僕は雪光学。高校2年生です。」
学はにこりと笑って自己紹介をした。

戦いを望む者と、望まぬ者。
思いがゆっくりと交差し、物語は動き出す・・・。

起こった事:リンク、マスターソードを引き抜く。
リンク、ヨッシーと出会う。その後、羞恥心&ヒデヨシと戦う。
森の付近にて、学がブラック☆スターと椿に出会う。

第12話 ピンチの中の瞬間移動

~研究施設~
「ここが亜空軍の研究施設・・・。」
そう言いながら、天井から抜け出して来た影が一つ。
それはサムスであったが、パワードスーツを着ていない。
サムス「私のパワードスーツはどこか・・・調べられる可能性は十分ある。探る価値はあるわ。」
そう言ったサムスはパラライザーを構え、通路を走っていく。

しばらくして、サムスは一つの部屋に飛び込んだ。
サムス「・・・・・。」
サムスはパラライザーを構え、警戒しながら辺りを見回す。
その時、何かの鳴き声が聞こえた。
サムスがそちらを向くと、そこには発電機があった。
そしてその中には・・・ピカチュウが入れられていたのだ!
ピカチュウ「ピカ・・・チャ~・・・。」
ピカチュウは体から無理矢理電気を取り出され、苦しんでいた。
サムス「なんて酷い事を・・・!」
その光景を見たサムスは、パラライザーの形を組み替えた。
そして一気に横に振ったパラライザーから光の鞭が飛び出し、発電機を破壊した。
その瞬間、ヴーーーヴーーーと警報の音が鳴った。
そして部屋に一気にロボット達がなだれ込んできた。
サムス「! 見つかった・・・!」
ピカチュウ「平気でチュウ!」
サムス「喋った!?いや、それより平気なの・・・?」
ピカチュウ「大丈夫でチュウ!こいつらを倒す元気はありまチュ!」
サムス「分かった・・・。」
その瞬間、ロボット達は飛び掛ってきた。
サムス「プラズマウィップ!」
ピカチュウ「ロケットずつき!なんでチュ!」
サムスはパラライザーから光の鞭を出し、ロボット達をなぎ倒す。
ピカチュウは力をため、ロボット達に回転しながらの頭突きを繰り出した。
ロボット達はふっとばされ、壁や床にぶつかった。
サムス「部屋に居ては不利・・・逃げましょう!」
ピカチュウ「そうでチュね!」
二人は同意見だった。そして二人は隙を見て飛び出し、通路を走った。

ピカチュウ「ピカ・・・走ったでチュウ・・・。」
サムス「・・・ここは・・・?」
二人が逃げ回った後に辿り着いたのは、司令室か何かのような部屋だった。
壁には大量のモニターがあり、この研究施設だけでなく外部の様子も映っていた。
そして・・・。
サムス「! 私のパワードスーツ・・・!」
その中のモニターの一つに、パワードスーツの映ったモニターがあったのだ。
「ギンタ・・・!?」
その時、背後から声がした。
サムスとピカチュウが後ろを向くと、そこに居たのはアルヴィスだった。
パワードスーツが映ったモニターには、ギンタのフィギュアが入った管も映っていたのだ。
サムス「・・・お前は・・・?」
サムスはやや警戒し、パラライザーを向けていた。ピカチュウもほっぺの電気袋から電撃を出している。
アルヴィス「・・・俺はアルヴィス。仲間を探してここにきた。そう言うあなた達は・・・何者だ?」
サムス「・・・敵ではないようね。私はサムス・アラン。奪われたパワードスーツを探してここに来た・・・。」
ピカチュウ「僕はピカチュウでチュ!」
自己紹介をしながら、3人はお互いが敵同士ではない事を悟った。
サムス「・・・私はパワードスーツを取り返しに行く。あなたはどうしたいの?」
アルヴィス「俺は仲間を取り返しに行く。同行を願いたい。」
ピカチュウ「了解でチュ!」
3人はお互いの目的のため、走り出した。

~ハルバード艦内~
「ぐっ!」
ハルバード艦内で、バキッ!と誰かが殴られる音がした。
殴ったのはガノンドロフ。殴られたのはヒデヨシだった。
ガノンドロフ「貴様・・・命令を無視して寄り道をしたな?我々は“あの方”のために急いでいるのだ。その最中で・・・寄り道だと?ふざけるな!」
ヒデヨシ「・・・すみません。反省しています・・・。」
ヒデヨシは殴られた頬を押さえながら言った。
つるの「ガ、ガノンドロフさん!もう良いでしょう!」
野久保「そ、そうですよ!この子まだ13歳の子供ですよ!」
上地「森に行くのに遅れた事に関しては、迷った僕らも悪いですから・・・!」
羞恥心の3人が必死で弁解をする。ガノンドロフは3人を睨みつけた。
羞恥心「うっ・・・。」
ガノンドロフ「確かに貴様らも悪い・・・。だが、わざわざ探させる手間を作ったヒデヨシが今回ファイターを取り逃がす原因を作ったのだ!」
つるの「そ、そりゃあ・・・。」
つるのが何か言いかけたが、ガノンドロフはヒデヨシを見下ろし、言った。
ガノンドロフ「いいか?今度命令に背くような事をしてみろ。貴様の世界は無くなると思え!」
ヒデヨシ「・・・はい・・・。」
ヒデヨシはゆっくり立ち上がり、その部屋を出て行った。

その後、ヒデヨシは倉庫の中で一人すすり泣いていた。
ヒデヨシ「やっぱ・・・ぶっちゃけオレってダメなんだなぁ・・・。あの時『悪いか』とも言い返せないなんてよぉ・・・。やっぱり・・・オレは・・・!」
「そんな事ねぇよ!」
突然背後から明るく元気な声がした。声は少し若い。ヒデヨシはそちらを向く。
そこには一人の男が立っていた。しかし、影で隠れていてよく見えない。
男は言った。
「お前はお前の道行けばいいじゃん!1回や2回怒られたぐらいでへこむなって!どんな道行くかはお前が決める事じゃん!」
ヒデヨシ「オレの・・・道?」
「そ!お前の道!オ・・・ガノンドロフもさぁ、悩んでんだよ。自分の種族の王として生きていくのか、“この世界”を支配して、“この世界”で自分の理想の国を築くのか・・・。」
ヒデヨシ「あいつが・・・?」
「うん。でも、オレは信じてる!ガノンドロフがいつか、ゲルドの王として戻ってきてくれるって信じてる!
だからさ、お前も信じればいいじゃん!自分自身を!」
そう言うと、男は影の中へと消えていった。
ヒデヨシ「オレの・・・道・・・。」
ヒデヨシは、レオルドの言っていた「自分の選択」という言葉と、男の言っていた「自分の道」という言葉を思い出していた。
言っている事は同じだ。どちらも、自分の道を行けと言ってくれているのだ・・・。

「「たっ、助けてーーーーッ!」」
山の中と沼地付近では・・・いまだに二人の少年が逃げ回っていた。
しかし、体力というのは限界がある。同じ速度で逃げ続けるのは不可能だ。
二人は転ぶ。背後からはプリムが迫る。

もうダメだ・・・!

二人は諦めかけた。その時だ。

二人が目を開けると、風景が変わっている。
近くには川がある。川のほとりのようだ。
「・・・・・?」
二人が辺りを見回した・・・、その時、二人はお互いに気づいた。
「「あ・・・アンタ誰!?」」
そう叫んだ瞬間、近くでがさりと音がした。
ブラック☆スター「う~ん、うるさくて眠れねぇ・・・。」
学「うぅん・・・。」
椿「一体・・・誰?」
川のほとりで、学、ブラック☆スター、椿の3人が眠っていたようだった。それを二人は起こしてしまったようだ。
しかし、学の方は一方の少年を見た瞬間、驚いた顔になった。
学「モ・・・モン太君!?モン太君なのかい?」
モン太「・・・ってそう言うあなたは雪さん!?」
モン太と呼ばれた少年は、そう返した。
ブラック☆スター「? 知り合いか?」
学「あ、うん。泥門デビルバッツっていうチームのメンバー同士でね。僕は・・・まあ補欠に近いけどね。」
椿「再会・・・かぁ。」
椿がその風景を見ながら言う。
学「それにしてもモン太君、君一体あそこからどうやって・・・。」
モン太「いや、それが・・・。」
「ちょっとー。感動の再会を楽しんでるのは良いけど・・・僕の事は無視かッ!?」
モン太が何か言いかけた途端、もう一人の少年は口を挟んだ。
学「あの、その、えぇっと・・・。し、失礼しました!」
「全く・・・何なんだよ、ひょろひょろしてるクセに僕の事無視しやがって!」
学「そ、そりゃ僕は体格良くないですけど・・・。」
ブラック☆スター「そもそもお前誰だ!?」
陽平「僕?僕は陽平。春原陽平さ。」
椿「陽平君ね?分かった。」
椿がにこりと笑う。その時、陽平は心の中にニッと笑った。
陽平「(美人な人だ~、やった~!いい所に来たなぁ・・・。)」
陽平を不審に思いながらも、みんなは笑っていた。
その時、草陰からアーマンが飛び出してきた。
モン太「大きさ的に草陰どころじゃないだろーッ!(焦&汗)」
モン太のツッコミも聞かず、アーマンはこちらに向かってくる。
学「ひえ~~~~~ッ!?」
陽平「なっ、何なんだよ、一体ーーーッ!」
その時、今度こそ草陰から何かが飛び出した。影は3つ。
一つはアーマンに短い手でビンタをかます。一つは回転上昇しながら剣でアーマンを切り裂く。そしてもう一つは連続蹴りでアーマンをふっとばした。
ブラック☆スター「!?(速い・・・!)」
椿「・・・あなた達は・・・!?」
すると、3つの影は振り向いた。
プリン「あたし?あたしはポケモン界のアイドル・プリンちゃんよっ!」
ウルフ「オレはウルフ。ウルフ・オドネルだ。」
トゥーンリンク「僕はトゥーンリンクだよ!」
ブラック☆スター「??? で、どうしてここに?」
プリン「あたしは・・・歩いてたらいつの間にか。」
ウルフ「ピンク球と同じく。」
トゥーンリンク「二人に同じ。」
陽平「あ・・・僕も。」
モン太「オレも・・・。」
意見が一致している。揃いも揃って「歩いてたらいつの間にか」。
学「・・・そういえば、僕、君達を夢で見た気がする・・・。」
ブラック☆スター「オレもそんな夢見たけど・・・別にそれは関係ないだろ。」
ブラック☆スターが言うと、学は首を横に振った。
学「いや、それだけじゃないんだ。君達がこの川のほとりの近くに来る夢・・・。」
ブラック☆スター「ああ、もうそんな細かい事気にすんな!関係ないだろ、夢なんて!」
学「そう・・・かなぁ。」
何か心に引っかかる物がありそうな顔をしながら、学は考えた。

~ザキラ軍基地~
「連中・・・揃いも揃って“この世界”に来たのか・・・。」
椅子に座っている男が言った。その側で、小さなカエルのような生き物が言った。
「そのようであります!元々一人誘拐するつもりでありましたが、全員揃って来るとは、好都合であります!」
「フッ、その通りだな・・・。」
その男はゆっくりと立ち上がり、通信を入れた。
ザキラ「・・・ザキラ軍全員に告ぐ!
例のあの力を持つ子供達が、都合よく全員“この世界”に来た。よって・・・全員に命令を下す!
例のあの力を持つ子供達を全員捕らえ、この私、ザキラの元へ連れて来い!連中の知り合いを捕らえ、人質として使ってもかまわない。必ず・・・殺さずにここへ連れて来い!」
そう言ってこの軍のリーダーであるザキラは通信を切った。
ザキラ「・・・ケロロ君。君の小隊にも手伝ってもらおう。」
ケロロ「了解であります!ペコポン侵略の第一歩であります!ケ~ロケロケロケロ!!」
そう言って、ケロロは走り出した。

ザキラが狙う、“例のあの力を持つ子供達”。
“例のあの力”とは何なのか?何のために狙うのか?
それは、ゆっくりと明らかになってゆく・・・。

起こった事:サムス、研究施設に潜入。そしてピカチュウを助ける。その後、アルヴィスに出会う。
ヒデヨシ、何者かに励まされる。
陽平とモン太、ピンチの所で謎の瞬間移動。学一行に出会う。そしてプリン、ウルフ、トゥーンリンクに救われる。
ザキラ軍が動き出す。

第13話 リンクの誤解

~湖畔~
「いやぁ~、参ったなぁ~。」
湖畔の辺りを歩き回る男が一人・・・。
「何か撮影の対象になるものはないかな~?て言うかそもそもここどこだろう?はっはっは。」
カメラを持っているその男は富竹ジロウだった。
富竹「何か珍しいものは・・・」
その時、富竹の横を何かが突っ切った。
青いハリネズミ・・・毎度おなじみのソニックだった。
相変わらず二人を待たずに爆走しているようである。
富竹「僕の隣を青い閃光が突っ切った!?撮っておけば良かったかなぁ。」
その時、後ろから何者かがやってきた。アランとブルックである。
そしてアランは富竹を見るやいな、服の後ろの方を引っつかんだのだ。そしてそのまま歩き続ける。
富竹「え?は?え?」
ブルック「ア・・・アランさん、さすがに一般の方は・・・。」
アラン「うるせぇ。コイツの鍛え方がただの一般人に見えるか?」
ブルック「それはそうですが・・・。」
その時だった。
「Oh!?何すんだ、離せ!?」
いつものように声が聞こえた。
アラン「あのバカ、また・・・!?」
ブルック「急ぎましょう!」
アランとブルックは走り出す。富竹を引きずったまま(汗)
しかし、空を飛ぶアロアロスになかなか追いつけない。
その時、富竹がカメラを構え、アランの手を叩いた。
富竹「ちょ、ちょっと・・・離してくれないか?離してくれよ!」
アラン「何だ!」
富竹「ここは僕に任せてくれよ。」
アラン「・・・?」
不思議に思いながらも、アランは富竹を離した。
富竹「ありがとう。よし・・・。
これが僕の本気さぁっ!」
突然叫んだかと思うと、富竹は高く飛び上がっていた。
そしてアロアロスが富竹を見た瞬間だ。
富竹「富竹フラッシュ!」
富竹がカメラのシャッターを切る。
そのカメラからは異様なほどのフラッシュが焚かれた。
「うおっまぶしっ」と言わんばかりにアロアロスはふらふらしだし、そのまま転落したのだ。
そして富竹は着地し、そのまま走り出した。
富竹「うおおおおおおお!」
機関車の如く富竹はアロアロスに突っ込む。アロアロスはそのまま吹っ飛ばされ、お空の星になった。
そしてソニックが入ったカゴだけがその場に残り、ソニックはカゴを破壊して出てきた。
ソニック「Oh!やるな!」
富竹「あはは。なんてこと無いさ!」
富竹はあっはっはと笑っている。アランはブルックを見て言った。
アラン「・・・だから言っただろう。“コイツの鍛え方がただの一般人に見えるか?”ってな。それにこいつのカメラも異様な程フラッシュ焚いてやがる。」
ブルック「本当でしたね・・・。私、びっくりして目玉が飛び出すかと思いました!飛び出す目玉無いんですけど・・・。」
ブルックがスカルジョークを飛ばした。だがアランは無視。そのまま富竹に話しかけた。
アラン「お前・・・俺らについてこい。その方が安全だろ。」
富竹「・・・そうだね、さっきの鳥もただの鳥じゃないみたいだし・・・。僕一人では危険かも知れないね。分かった!僕も行くよ!
僕は富竹。フリーのカメラマンさ。よろしく!」
アラン「おう。んじゃ行くぞ、富竹!」
富竹を仲間に加え、アラン一行は先を急いだ。

謎のおまけ
アラン「ソニック、お前カゴ壊せるんじゃねぇか!!」
ブルック「自分で壊して出てきてくださいよ!?」
ソニック「Oh!あれは大人の事情ってヤツさ!」
富竹「嫌な事件だったね・・・。」
3人「何がだっ!!」

~湖畔の某所~
カービィとゼルダは、やっと地上に帰ってきていた。
その時、カービィが遠くに何かを見つけ、走り出してしまった。
ゼルダ「あっ、待って・・・!」
ゼルダはカービィを追いかけようとした。その時だ。
「ふふフ・・・。見つけたゾ、ハイラルの姫、ゼルダ!」
ゼルダ「!?」
ゼルダが後ろを向くと、そこにはダークキャノンを構えたクッパが立っていた。
クッパがダークキャノンを放つ。ゼルダは撃たれてしまった。
だがそれにも気づかないのか、カービィはそのままどこかを目指して走り続けていた・・・。
クッパ「くっくっク・・・。上手くいったのダ!」
その時、影虫で出来た偽クッパがやってきた。そして偽クッパは自らの体を影虫に変え、フィギュアになったゼルダを包み込んだ。

リンク「あの戦艦、どこへ飛んだんだ・・・?」
ヨッシー「多分ねー、あっちー!」
湖畔の道を突っ切るリンクとヨッシーを、影虫で出来た偽のゼルダが見た。偽のゼルダはそのままダークキャノンを構える。
その時、ダークキャノンが何者かに切り裂かれたのだ。ダークキャノンは空中で爆破した。
爆発から逃れた偽のゼルダが睨んだ先には、マリオとピットが居た。
マリオ「お前の好きにはさせないぞ!」
ピット「なんのつもりかは知りませんが・・・これ以上被害は拡大させない!」
その途端、偽のゼルダは二人に襲い掛かる。偽者ではあるが、魔力や攻撃法はゼルダとほとんど同じ。瓜二つだ。
飛んでくるディンの炎や魔法を避けながら、二人は偽のゼルダに突っ込む。
マリオ「ファイア拳底!」
ピット「デュアルアタック!」
二人同時に強烈なスマッシュ攻撃を偽のゼルダに叩き込む。偽のゼルダは防ぎきれずに倒れ、フィギュア化した。
「・・・ん?」
その様子を見ていたのは・・・リンクだったのだ!
そしてその時、偽のゼルダのフィギュアは消え去ったのだ。
リンク「・・・うおぉーーーーーーッ!!」
リンクは物すごい勢いでマリオとピットに向かって走ってくる。そして高く飛び上がり・・・剣を突き刺す!
マリオはそれを避けた。だがリンクはかなり怒っている。
リンク「よくも・・・よくもゼルダ姫を!」
マリオ「ま、待ってくれよ!誤解だって!絶対誤k」
リンク「黙れ!」
某「何でも言う事を聞かせる力」らしき物を持っている人っぽく叫ぶリンク。マリオの話を聞くつもりは全くないようだ。
ヨッシー「・・・あれ、マリオさん。でも今リンクも怒ってるし・・・リンクに加勢しとこ。」
ピット「マリオさん!加勢します!」
ヨッシーはリンクの隣に、ピットはマリオの隣にとそれぞれ味方に付く。
そしてリンクはマリオに向かってきた。
マリオはリンクの斬撃を避けながら、説明の機会をうかがう。だが、怒りに身を任せたリンクには説明の機会など見当たらない。
ヨッシーはヨッシーでピットに襲い掛かる。ピットはそれに応戦するが、一人ではあまり戦えない。
マリオ「えぇい・・・!
お前ら!人の!話を!聞けぇーーーーッ!!」
マリオがブッちギレた。
ヨッシーにスーパージャンプパンチを、リンクにファイア拳底をお見舞いする。
二人は落ちてきた。
マリオ「あ・・・やりすぎた・・・。」
ピット「へんじがない フィギュアかしているようだ」
マリオ「ピット!?(汗)」
ピット「あ、すみません。つい旧ゲーム式表記が・・・。」
二人が漫才をしているその時だ。カーゴに乗ったデデデがフィギュア化したリンクとヨッシーをカーゴのアームで持ち去る。
その時・・・マリオの目にはピーチのフィギュアが目に留まった!(ルイージは!?)
マリオ「!!!! ピーチ姫ーーーーーッ!!」
デデデ「よし、やった!」
マリオの叫びをよそに、デデデはガッツポーズ。しかし!
カービィ「ども。」
デデデ「!?」
アームにカービィが居た!!
カービィ「じゃ・・・そういう事でッ!!」
カービィはファイナルカッターを繰り出し、カーゴのアームを切り裂く。そして落ちるリンクとヨッシーのフィギュアの台座に触れる。
その途端リンクとヨッシーのフィギュアは輝き、リンクとヨッシーは動き出した。
デデデ「あーッ!このー・・・!」
デデデは再び向かってくる。リンクは勇者の弓を取り出し、デデデを狙い打つ。
そしてデデデは一回転んだ。だがすぐに起き上がり、逃げ出したのだ。
マリオ「待てーッ!ピーチ姫を返せーッ!!」
マリオは一人で走り出す。それも猛スピードで。
ピット「あっ!待ってくださーい!」
リンク「さっきはすまない!僕も行く!」
ヨッシー「乗ってってよ~、マリオさ~ん!」
カービィ「選択肢 流れに乗る」(←おい)
5人はデデデを追った。そして見えてきたのは・・・デデデ城だ!

起こった事:富竹、アランらの仲間になる。
ゼルダ、クッパによってフィギュア化される。
偽ゼルダ、リンクとヨッシーを狙うがマリオとピットが阻止。しかしリンクが誤解。
カービィ、マリオら4名と合流。

第14話 苦い過去、そして手がかり

~遺跡への道~
レッド「ふう、歩いたなぁ・・・。ちょっと休憩しようか?」
リュカ「あ・・・はい・・・。」
レッドの提案で、二人は休む事にした。
そこは遠くに遺跡のような物が見える崖の上だった。遺跡まではやや時間がかかるだろう。
その時、二人の上を何かが飛んでいった。その影の正体はリザードンだった。
レッド「あっ!リザードン!」
リュカ「??」
突然興奮したかのように立ち上がったレッドを見て、リュカは少し慌てた。
レッド「あ・・・ごめん、驚いた?あれはかえんポケモン・リザードン。僕が探してるポケモンなんだ。ほら、これ。」
レッドは二枚の写真を取り出し、リザードンの方を指差した。
レッド「リザードンは・・・あの遺跡に飛んでいったね。よし、追いかけよう!」
リュカ「えっ?休憩は・・・!?」
レッド「休んでる暇ないよ!急がないとまた逃げちゃうかも知れないよ!」
ポケモンの事になると前が見えなくなるのか、レッドは駆け出していった。リュカはそれを追いかける。

「参ったッスねぇ・・・。」
遺跡の前を誰かが歩いている。ジャックだ。どうやら遺跡に落ちたらしい。
ジャック「ここはどこなんスか?そもそもみんなはどこに・・・。」
しばらく歩いて、ジャックは肩を落とした。
ジャック「はぁ・・・。」
その時、突然足元の岩が崩れ始めたのだ。
ジャック「おっ!?うぎゃぎゃぎゃぎゃ・・・ぎゃあ~~~~~ッ!」
ジャックはしばらく空中で粘ったが、そのまま岩と共に落ちていった。

ジャック「痛ててて・・・。」
しばらくして、ジャックは起き上がった。そこは遺跡の中だったようだ。
ジャック「え~ッ!?\(゜ロ\)ココハドコ?(/ロ゜)/オイラハダアレ?」(←おいこら)
ジャックはかなり慌てた。ますます状況が悪くなったからだ。
遺跡の外ならば仲間の助けも待てるし、逃げようと思えばどこへでも逃げられる。
だが内部に入ってしまっては、仲間が発見してくれる可能性も低くなる上、逃げようと思っても逃げられない事すらある。
ジャック「うわ~ん、みんな~・・・。」
ジャックは少し涙目になった。その時、のそのそと音がする。
ジャック「?」
「フシーーーーーーーーッ!!」
ジャック「のわぁ?!」
突然突っ込んできた緑色の生き物の体当たりを回避し、ジャックは体勢を整えながらバトルスコップを出す。
ジャック「だ・・・誰ッスか!?」
フシギソウ「・・・ボクはたねポケモン・フシギソウ。トレーナーに捨てられた、“野良ポケモン”さ。」

~所変わって遺跡の前~
リュカ「・・・レッドさん?」
レッド「うん?」
リュカ「さっきリザードンを見てすごく興奮してましたけど・・・なんでですか?」
そう質問された瞬間、レッドは立ち止まった。そしてゆっくりと口を開いた。
レッド「・・・実はね、あの写真の二匹は・・・僕が逃がしてしまったポケモンなんだ・・・。」
リュカ「えッ!?」
想像もつかない事を言われ、リュカは驚く。レッドがそんな事をする人間に見えないからだ。
リュカ「・・・嘘でしょ・・・!?」
レッド「嘘じゃないさ・・・。僕は一時期、ポケモンバトルで負け続けていた時期があった。それで、フシギソウとリザードンに当たっちゃったんだ。『強くないポケモンなんてどっかに行っちゃえ』って・・・。それできっと二匹は・・・傷ついたんだろうね。どこかへ行っちゃった。
すぐに戻ってくるかと思ったけど・・・甘い考えだったんだね。二匹はそのまま戻ってこなかった・・・。だから・・・僕は二匹を迎えに行く。そして謝るんだ。あんな事を言ってしまった事を・・・。」
リュカ「レッドさん・・・。」
昔の事を話すレッドの姿は、悲しみがありながら、絶対に会おうという決心も宿っていた。
レッド「・・・辛気臭い話はこれまでにして、行こうか。」
リュカ「あ・・・はい!」
その時、遺跡の入り口にある柱から誰かが飛び降りてきた。・・・ワリオだ!
ワリオ「ガッハッハ!久しぶりだなぁ、ビビリ君よぉ!」
リュカ「!!」
その途端、リュカはあの時の事を思い出した。

ネスは自分の身を挺してまで自分を守った・・・。
だけど、僕はそんな彼を見捨てた・・・。

リュカは自分の手を強く握り締める。さらにレッドはモンスターボールを出した。
リュカ「君だけは・・・許さない!」
レッド「邪魔をするなら、どいてもらうまで!」
ワリオ「ガッハッハ!お前らに倒せるのか?この俺様が!」
リュカ「負けない・・・。絶対に負けるもんか!」
そう叫んだリュカはワリオに突っ込む。そしてダッシュしながらのPKを放った。しかしそれをワリオは避ける。
ワリオ「どうした!全然当たらねぇぞ、ビビリ君!」
リュカ「負けない・・・!お前にだけは負けるもんかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
リュカはPKファイアーを放った。それがワリオに命中する。
ワリオ「ぐわっ!熱ちちちち!」
レッド「行けっ、ゼニガメ!あいつを倒すんだ!」
ゼニガメ「了解っ!食らえ~~~ッ!」
飛び出した瞬間、ゼニガメはワリオに尻尾で攻撃する。
ワリオ「ぎゃっ!やろう、不意打ちとは卑怯な・・・!」
リュカ、レッド、ゼニガメ「アンタにだけは言われなくない!!」
3人同時に突っ込まれたワリオ。当たり前だが・・・。
リュカ「コレで決める!PKサンダー・・・。」
ワリオ「ガッハッハ!そんな技で俺様がやられるか!」
ところが、青い電撃はワリオではなくリュカに命中したのだ。
ワリオ「なっ!?自滅!?」
ワリオは驚いた。だが次の瞬間だ。
リュカ「アターーーーーック!」
青い電撃を帯びたままリュカが猛スピードで突っ込んでくる。ワリオはモロに受け、そのままフィギュア化した。
リュカ「やったー! ・・・あれ?ネスさんは・・・!?」
リュカは勝利を喜んだが、ネスが居ない事に気づき、少ししょんぼりした。
レッド「・・・行こう。きっとどこかに居るよ。」
リュカ「うん・・・。」
そして、二人は遺跡の中へと入っていった。

~平地付近~
ドロシー「ふう、ここは何も無さそうだね。」
戦場の砦から逃げてきたドロシーは、何も無さそうな平地に降り立った。
その時、ドロシーの目に岩の陰に隠れて震えている一人の少年が留まった。
ドロシー「・・・そこのキミ!どうしたの?」
「はっ・・・!?」
少年は顔を上げると、ドロシーの顔を見た。少年の頭には切られた後のような白い角がある。
「あ・・・ボ、ボクは・・・!その・・・。」
ドロシー「怯えてるようだけど・・・どうかしたの?」
「そ、そんな事ないです!ボクは大丈夫ですから!」
少年はそう言ったが、声は明らかに怯えていた。
ドロシー「・・・アンタ見たところ人間じゃないね?何者?」
レシィ「ボ・・・ボクはレシィといいます。メトラル・・・です。」
レシィがそう言うと、ドロシーは首をかしげる。
ドロシー「メトラル?聞かない種族だね・・・?」
レシィ「そのはずです。ボクはメイトルパから召喚された存在ですから・・・。」
ドロシー「メイトルパ?召喚?」
分からない単語を並べられ、ドロシーはさらに分からない顔をする。
レシィ「ボク、ザキラさんに護衛獣として召喚された召喚獣なんです。メイトルパは獣の属性を持つ人がたくさん居て・・・ボクはそこから召喚されたんです。ロレイラルからレオルドさん、シルターンからハサハさん、サプレスからバルレルさん。その三人と一緒に・・・。
・・・あっ!?」
突然レシィは口を押さえた。
ドロシー「ザキラ?聞かない名だけど・・・誰の事?」
その途端、突然レシィは大慌てでドロシーから背を向けて走り出した。
レシィ「しっ、知りませんッ!ザキラ軍なんて、ボク初めて聞きましたッ!」
そう叫びながらレシィはどこかへ行ってしまった。
ドロシー「・・・ザキラ?ザキラ軍・・・?なんかありそうな名前だけど・・・一体何の事かしら?」
その時、遠くから誰かが走ってきた。
「そこの少年っ!止まりなさーいッ!」
「待てー!こらー!」
ドロシー「ま、またなんか増えた・・・。」
「逃げられましたか・・・。」
「・・・あ、そこのお姉さん。さっき頭に角の生えた男の子見ませんでしたか?」
突然問いかけられ、ドロシーは一瞬あせったが、答えた。
ドロシー「・・・見たよ?あっちへ行ったけど・・・。」
「そうですか!」
「ありがとうございます!」
そう言って二人は走り出した。
ドロシー「あっ、待ちな!」
二人は止まる。
ドロシー「あの子を追ってるみたいだけど・・・どうして?」
「彼は“ザキラ”“ザキラ軍”と言ったんです。“亜空軍”ではありませんが、一応事情聴取ということで・・・。」
ドロシー「・・・なるほど。あたしもあの子は気になってたんだ。あたしも行かせてもらうよ?あたしはドロシーって言うんだ。」
ドクターマリオ「それはありがたい!私はドクターマリオ。ドクマリと呼んでいただいても構いませんよ!」
こどもリンク「ボクはこどもリンク!よろしくね!」
“レシィを追う”という事で知り合った三人は、そのままレシィを追った。

~デデデ城~
デデデ「よし、3つは手に入ったぞ。」
デデデは自分の城にピーチ、ネス、ルイージのフィギュアを持ってきていた。そしてそれにデデデの顔を模した金色のブローチを貼り付けた。だが・・・ピーチの分がない。
デデデ「あっ!しまった、まだ3つは出来てなかった・・・。仕方ない。ワガハイのをやろう。」
そう言ってデデデはブローチを貼り付けた。

レシィは一体何者なのか?ザキラ軍とは何なのか?デデデは何を考えているのか?
全ては明らかとなりつつある・・・。

起こった事:リュカとレッド、リザードンを発見。
ジャック、遺跡に迷い込み、フシギソウと遭遇。
リュカとレッドとゼニガメ、ワリオを倒す。
ドロシー、レシィと出会うがレシィ逃亡。直後にドクターマリオ、こどもリンクと出会う。
デデデ、フィギュア化した3人にブローチを装着。

第15話 まさかの寝返り

マリオ「よし着いたぞ!デデデ城だ、(#゜Д゜)ゴルァ!」(←やめなさい)
ピット、リンク「(・_・;)」(←顔文字流行させんな)
カービィ「よーし!デデデを追いかけよー!」
そう言って先陣を切って突っ込んでいったのはカービィだった。
マリオ「あっ!ちょい待て!ピーチ姫を助けるんは俺じゃあああああああああ!!」
ヨッシー「何かもう壊れてる!?Σ(゜Д゜;)」(←もういいよ)

デデデ「よし、これで後はかくまっておけば・・・。」
その時、デデデ城が揺れ始めた。
デデデ「な、何だ何だ!?」
揺れはさらに激しくなり、岩の一つがデデデの頭に直撃した。
デデデ「ばたんきゅー」
妙は叫び声を上げて、デデデは倒れてしまった。
そして崩れた天井から飛び降りてきたのは・・・クッパとその部下達だった。
クッパ「ふふふふフ!ここに隠れていると思ったのダ!」
そしてクッパはピーチのフィギュアを見つけ、抱えた。
クッパ「おオ、愛しのピーチヨ。ここに隠れておったカ。さテ、ピーチが手に入ったからには用はなイ。帰るのダ!」
クッパが部下達にそう言って帰ろうとした時だ。

「ちょい待てや(#゜Д゜)ゴルアァァァァァァァ!!」

そう叫んで現れたのは・・・マリオだった!
クッパ「えッ、マリオ!?てかお前そんな性格だったっケ!?Σ(゜Д゜;)」
マリオ「大人しくピーチ姫返せや、このウスラトンカチ・ドアホガメがあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
そう叫んだマリオはクッパに殴りかかった。
クッパ「お前にピーチが殴れるのかぁぁぁぁぁぁぁァ!!」
そう言ってクッパはピーチのフィギュアを盾にした。
マリオ「あっ、姫!」(←やっと戻った)
クッパ「くっくっク・・・!お前ならこうなると思ったのダ!」
マリオ「くそー!こんなウスラトンカチ・ドアホガメの策略にはまるとはっ!不覚・・・!」
クッパ「(ムカつク・・・。)ワガハイをなめるナ!お前に勝つためニ、特訓してきたのダ!食らエ!」
そう叫ぶと同時にクッパは口から炎を撒き散らす。
カービィ「あちっ!」
リンク「ほ、炎が壁になった!?」
ヨッシー「さすがに炎の中は進めないよ~!」
クッパ「はっはっハー。ざまー見ロ!やーいやーイ! っテ、ア!」
マリオ達を馬鹿にした直後・・・クッパが崖から転落した。
ピット「が、崖に落ちた・・・。」
マリオ「姫ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
マリオは大慌てで崖の近くに行った。その時、崖の下からクッパクラウンに乗ったクッパが現れた。手にはピーチのフィギュアがある。
クッパ「なんつってナー。ガッハッハ!帰るのダ!」
そう言ってクッパは逃げ出した。その際、ピーチに付いていた金色のブローチが取れた。
マリオはクッパを追った。リンク、ピット、ヨッシーもそれに続く。
カービィも続こうとした。その時、足元に落ちている金色のブローチが目に留まった。
カービィ「・・・ん~?」
カービィはしばらく、そのブローチを見つめていた。

~デデデ城、某所~
マリオ達の居ない別の場所で、エインシャント卿が亜空間爆弾を落とした。
落とされた亜空間爆弾に、2体のロボットが手を突っ込んだ。
エインシャント卿「・・・すまないな、お前達・・・。」
そう言ってエインシャント卿は飛び去っていった。
その後、デデデ城で起爆が起き、デデデ城の一部は亜空間に飲み込まれてしまった。

~荒野~
田中裕「おーい。そっちはどうだったー?こっちはワルイージと組んで探したんだ。でもそいつと一緒に居た子供がやたらと強くて逃げられちゃったよ。」
世界のナベアツ「そうでしたかー。こっちも全然。」
小島よしお「こっちはマリオとピットを見つけたんだけど、意外に強くってさ~。ドナルドさんが助けてくれなかったら、今頃やられてた、うぇ~い。」
ドナルド「ドナルドは、仲間がやられちゃうのは嫌だからね。」
千場吉兆の女将「そうでしたか・・・。私もセシリアさんと一緒に探しましたが、物すごい足の速さで逃げられました・・・。」
つるの「俺達も惜しかったよなー。」
野久保「うん。ヒデヨシ君と組んで追い詰めたけど、結局やられちゃったよね。」
上地「そうそう。何だっけ・・・、そう、ヨッシーとリンクだ!」
英孝「つまりさー、それって上手くいったのボクだけって事?」
荒野の・・・おそらくド真ん中で、実在人物達が集まって成果を報告しあっていた。だが元々戦闘馴れしていないからか、思ったほどの成果は出なかったようである。
英孝「やっぱボクイケメンだからね~。じゃ、みんなフィギュア運んで!」
実在人物「アンタも運べ!」
全員に言われ、英孝は断れなかった。
英孝「わ、分かったよ~。その代わりにハルバードが来たらみんなも運んでよ~?」
そう言って英孝はフィギュア化したレノとバルレルのフィギュアを持ってきた。が、しかし!
英孝「あっ、手が滑った!?」
英孝は手を滑らせ、レノとバルレルのフィギュアの台座に手を触れてしまった。
そして二人のフィギュアは輝き始め、レノとバルレルは動き出した。
レノ「ッ・・・、痛ってぇ・・・。」
バルレル「ちぃッ、あんなふざけた野郎にやられるたァな・・・。」
実在人物「起きちゃったーーーーーーーー!!!Σ(゜Д゜;)
どうしよーーーーーーーー!!!Σ(゜Д゜;≡;゜д゜)」
起こしてしまった事に、実在人物達は慌て始めた。一人を除いては。
ドナルド「みんな、慌てなくても大丈夫だよ。またフィギュア化させれば良いんだ!」
実在人物「あっ、そうか!」
そして、ドナルドは一歩前に出た。それと同時にバルレルは槍を構える。
バルレル「・・・どうすんだ、レノよォ?あいつは他の連中と違ってちぃっとばかり強敵だぞ!」
その時、レノはバルレルに耳打ちに何か話した。その途端、バルレルは構えていた槍を下ろした。
田中裕「な、何のつもりだ!?」
その直後、レノは実在人物達に向かって言った。
レノ「お前ら!俺達と組まないか?」
実在人物「何ーーーーーーーーーーっ!?Σ(゜Д゜;)」
実在人物達は驚いたが、羞恥心の三人は少し疑った。
野久保「う、嘘だ!きっと何かの罠だ!」
上地「そうだよ!きっとスパイか何かになるつもりだ!」
つるの「不意打ちを狙ってるんだ、きっと!」
羞恥心の三人がそう言うと、レノは付けていたÄRMを全て外し、地面に放り投げた。バルレルは槍を放り投げる。
千場吉兆の女将「あらあら・・・?」
レノ「・・・どうだ?これでもまだ疑うのか?今の俺達には防衛手段も無いし武器も無い。」
バルレル「よーく考えてみろ?俺達が居りゃ俺らと知り合いの連中は騙せる。それに俺達は実力は無い方でもねぇ。まぁ頼りにはなる方だとは思うがなァ?」
世界のナベアツ「そ、そりゃ私達よりはあなた達の方が強いですけど・・・。」
レノ「俺はこんな世界どうなろうと構わない。知った事か?それにお前らの入ってる亜空軍とやらに入った方が十分生き残れる可能性が高いしな?なぁ・・・・どうする?」
レノの言葉で、実在人物達は相談を始めた。
英孝「どうする?言ってる事は間違ってないよ、あいつら!」
ドナルド「ドナルドは、仲間が増えるのは嬉しいよ。」
全員ドナルドの言葉で意を決したようだ。
小島よしお「よし、分かった!お前らを仲間にしてやる!」
レノ「サンキュー!これからは仲間だな?」
バルレル「ま、仲良くやって行こうや?」
その時、ハルバードが飛んできた。中からダークライが出てくる。
ダークライ「・・・どうした?」
英孝「あっ、ダークライ!こいつら、ボク達の仲間になるってさ!」
ダークライ「・・・なるほど。分かった。“あの方”には伝えておこう。」
そう言ってダークライはハルバードに戻った。次に実在人物達が乗り込み、最後にÄRMと槍を回収したレノとバルレルが乗り込んだ。
レノは仮面の中で、バルレルは陰でにやりと笑った。

~ハルバード内の司令室~
「ガノンドロフよ、作戦は進んでいるのか?」
ガノンドロフ「はっ、順調に進んでおります・・・。」
ガノンドロフはモニターに映った何者かに頭を下げた。その何者かとは・・・マスターハンドだったのだ!
マスターハンド「お前には期待しているぞ・・・。」
ガノンドロフ「もったいなきお言葉・・・。全力を尽くさせていただきます。」
そう言いながら、ガノンドロフはにやりと怪しい笑みを浮かべた・・・。

クッパにさらわれたピーチ。亜空軍に寝返ったレノとバルレル。
そしてマスターハンド・・・。
物語の雲行きは、かなり怪しくなっている。

起こった事:ピーチ、まるで原作の如くクッパにさらわれる。
デデデ城の一部、亜空間に飲み込まれる。
レノとバルレル、亜空軍に寝返る。
ガノンドロフ、マスターハンドと密会。

第16話 再会

~遺跡~
遺跡の中へ入ったリュカとレッドは、リザードンを探していた。
レッド「おかしいなぁ・・・。確かにここに入ったはずだけど・・・。」
リュカ「ゆっくり探そうよ。多分・・・見つかるよ。」
レッド「・・・そうだね。」
リュカの意見に賛同し、レッドは走るのをやめ、歩きだした。

~遺跡内某所~
フシギソウ「はっぱカッター!」
ジャック「アースウェイブ!」
そして遺跡の某所では・・・フシギソウとジャックが戦っていた。二人は互角だ。
フシギソウ「お前なんかに・・・捨てられたボクの気持ちが分かるもんか!食らえ、ばくれつフラワー!」
フシギソウの背中のつぼみが大きく膨らみ、爆発する。ジャックは天井に叩きつけられ、そして床にぶつかった。だがフィギュア化はしていない。
ジャック「うッ・・・、痛ててて・・・。」
ジャックは左腕に出来た傷口を押さえた。フシギソウは睨み付けながら言った。
フシギソウ「どうだ。捨てられたボクの力は分かったか。捨てられたから・・・ボクは“恨み”でこうも強くなれたんだ。分かったならとっとと帰れ。ボクは人間なんか見たくないんだ!」
フシギソウがそう言うと、ジャックは口を開いた。
ジャック「・・・それは捨てられたから強くなったんじゃないッス。」
フシギソウ「何・・・!?」
ジャック「その強さは、“恨み”で起因したもんじゃない。それは“捨てたトレーナーが認めてくれるように強くなろう”って気持ちからなった強さッス。それをお前は“恨み”って言っているだけッス!」
フシギソウ「ば・・・バカを言うな!ボクは恨みで強くなったんだ!それ以外の理由なんてない!ボクはトレーナーを憎んでるんだ!」
フシギソウが叫ぶと、ジャックはそれに負けないぐらいの声で叫んだ。
ジャック「本当にそれだけなのか!?お前の思い出にはそれしかないんッスか!?よく思い出してみるッス!!きっと楽しい事や嬉しい事もあるはずッス!!」
フシギソウ「うるさい・・・黙れぇッ!」
フシギソウが突っ込んでくる。ジャックはよろよろと立ち上がり、スコップを構えた。
ジャック「・・・話しても聞かないみたいッスね・・・。」
フシギソウが突っ込んできた時・・・ジャックも飛び込んだ。フシギソウは全力で向かってくる。ジャックも全力でスコップを振るった。
そして・・・フシギソウはがくっと倒れ、フィギュアとなった。
ジャック「・・・本当によく思い出してみるッスよ。お前の思い出を・・・。」
そう言うと、ジャックはバトルスコップをÄRMに戻し、出口を目指してよろよろと歩きだした。

その後。
レッド「あ、あれは・・・!」
レッドはフシギソウのフィギュアを見つけた。そして一気に駆け出していく。その目には、驚きと感動が映っていた。
レッドはフシギソウかどうか確認をすると、台座に触れた。するとフシギソウは動き出した。
フシギソウ「う・・・うぅん・・・。」
レッド「気が付いたかい?」
フシギソウ「・・・レッド・・・。」
その時、フシギソウの中ではジャックの言葉が何回も渦巻いていた。楽しい事や嬉しい事・・・レッドとの思い出が浮かんできた。
レッド「また会えてよかった・・・。あの時はごめんね。勝負に負け続けていたからって・・・キミ達に当たっちゃった・・・。」
フシギソウ「・・・気にしてないよ、そんなの。」
フシギソウは心を開いた。昔の時のように。
レッド「じゃあ・・・その・・・一緒に来てくれるかい?」
フシギソウ「もちろん!」
レッド「ありがとう・・・。それじゃ・・・!」
レッドはモンスターボールを取り出すと、フシギソウに当てた。モンスターボールは3回ほど揺れると、カチリと音がした。
レッド「フシギソウ、ゲットだぜ!」
リュカ「良かったね!これでフシギソウは戻ってきたよ。」
レッド「うん。あとはリザードンだけか・・・。」
その時、モンスターボールからフシギソウが飛び出した。
フシギソウ「リザードンのうめき声なら聞いたよ。」
レッド「本当!?」
フシギソウ「本当だよ!嘘ついてどうなるのさ!」
リュカ「え、えっと・・・それはどこ?」
フシギソウ「うーん、確かあっち!ついてきて!」
そう言うと、フシギソウは走り出した。レッドとリュカもそれに続く。

そうしてフシギソウについていくと、大きなホールのような所についた。
リュカ「あ、あの~・・・本当にここなの?」
フシギソウ「ここだと思うけど。この辺から声したし。」
フシギソウが不思議に思っていると、上から何かが飛び降りてきた。それはリザードンだったのだ!
レッド「! リザードン!」
リザードン「レッド・・・か・・・?」
リザードンはレッドを睨む。レッドはそれに向き合った。
レッド「・・・そうだ。僕はレッドだよ。」
リザードン「何をしに来た?まさかこの俺を捕まえに来たとでも言うのか?」
レッド「そうだよ。僕はキミを・・・迎えに来た。」
リザードン「ふざけるな!!」
突然リザードンが怒りながら叫ぶ。
リザードン「俺に弱い、どこへでも行けと言っておきながら、また連れ戻すだと!?自分勝手にも程がある!」
レッド「・・・聞いてくれ、リザードン!僕はあの時の事は・・・反省してる。悪い事をしたと思ってる。今だからこそ・・・またキミと一緒に戦いたいんだ!」
リザードン「バカげた事を言うなッ!!」
リザードンがレッドに襲い掛かる。それを止めたのはフシギソウだった。ツルのムチでリザードンの腕を絞めている。
リザードン「離せ、フシギソウ!お前もレッドを恨んでいるのだろう!」
フシギソウ「あぁ、恨んでるよ。昔のボクはね!」
そう言ってリザードンを地面に叩きつける。
フシギソウ「確かにレッドはあんな事言ったけどさ、それでも悪い思い出ばっかじゃないんだよ!楽しい事や嬉しい事もあったじゃんよ!」
リザードン「ふざけるな!俺の怒りに比べれば・・・取るに足らん!それに人間は口先だけの嘘をつく!」
その時、レッドが腰に付けていたボールから、ゼニガメが飛び出した。
ゼニガメ「嘘じゃないぞ、リザードン!レッドは反省してる!オイラにそう話してた!『なんて酷い事を言ったんだろう』って!」
リザードン「そんな・・・そんなはずがあるか!」
リザードンは口から炎を吐き、暴れまわる。その時、氷の塊がリザードンにぶつかった。それを発したのは、リュカだった。
リュカ「嘘じゃないよ!レッドさんは・・・レッドさんはキミ達に謝るために旅をしてたんだよ!キミ達とまた一緒に居たくて旅をしてたんだよ!折角会えたのに・・・そんな言い方ないじゃないか!」
リザードン「うるさい!お前に俺の何が分かる!」
リュカ「確かにレッドさんは酷い事を言ったかも知れない・・・。でもだからって逃げ出すのは変だよ!トレーナーを信じてるなら、その場に留まれるはずじゃないか!!」
リュカの言葉に、リザードンの腕の動きが止まった。その時、ゼニガメのたきのぼりとフシギソウのばくれつフラワーが炸裂した。
リザードンは上に吹っ飛ばされ、フィギュアになって落ちてきた。
レッド「・・・二匹とも・・・なんで・・・?」
ゼニガメ「昔っからリザードンって頭固いじゃん?」
フシギソウ「こうでもしないと、冷静になってくれないって。冷静になれば話聞いてくれるから。さ、今のうち!」
フシギソウの言葉で、レッドはリザードンにモンスターボールを投げた。モンスターボールは3回ほど揺れると、カチリと音がした。
レッド「リザードン、ゲットだぜ・・・。」
だが、レッドはすぐにはリザードンを出さなかった。まだ申し訳なさと戸惑いがあるのだ。
リュカ「出さないんですか?」
レッド「うん・・・。なんかね、結局強行手段になってしまって・・・少しリザードンに申し訳ないんだ。もしかしたら、本当について来たくなかったのかも知れない・・・。」
レッドはリザードンの入ったモンスターボールをしばらく見つめていた。リュカ、ゼニガメ、フシギソウはレッドを気遣い、しばらく何も言わないでいた。
その時だ。空から何かが落ちてくる。それは・・・巨大な機械兵士だった!
リュカ「あ、わわ!?」
ガレオム「ファイターとはお前達の事だな!?俺の名はガレオム!お前達を倒しに来た!」
レッド「いや、まだ何も言ってない・・・(汗)」
レッドのツッコミも聞かず、ガレオムは襲い掛かってきた。
ガレオム「食らうがいい!」
そう言って強烈なパンチを繰り出す。
それはレッドに当たりそうになったが、リュカはレッドを抱えてPKジャンプで上手く逃げた。そしてフシギソウとゼニガメはガレオムの動きを止めようと、ツルのムチで足を縛ったり、みずでっぽうで劣化させようとした。しかし・・・。
ガレオム「最強の俺様に、そんな物が通じるかぁッ!」
ゼニガメ、フシギソウ「うわーッ!」
ガレオムに振り払われ、二匹は吹っ飛ばされた。
レッド「(このままじゃ二匹が危ない・・・!)戻れ!」
レッドは二匹の身を心配し、二匹をボールに戻した。その時、リュカも地面に着地した。
その瞬間だ。ガレオムのパンチがレッドに向かって飛ぶ。ポケモンは強いとは言え、彼自身は非力だ。
そしてパンチが直撃する・・・かと思われた。レッドの目の前で、パンチは止まっている。止めていたのは・・・リザードンだったのだ!
ガレオム「ぬっ!?なんという力・・・。お前、何者だ!?」
リザードン「・・・俺はかえんポケモン・リザードン!レッドのポケモンだ!」
そう言うと、リザードンはガレオムの腕を右に逸らし、一気に腹に飛び込んだ。そしてそこでいわくだきを使う。
ガレオム「ぐはぁぁぁぁぁぁぁッ!」
ガレオムはリザードンのいわくだきで重要部分を破壊されたのか、そのまま倒れた。
レッド「リザードン・・・。」
リザードン「・・・冷静になって考えてみると、俺はやはり勘違いしていたようだ。トレーナーは恨むモンじゃないようだな・・・!」
リザードンがニッと笑う。レッドも笑った。
レッド「よくやった、リザードン!」
そう言ってレッドはリザードンをボールに戻す。そして二人が帰ろうとした時だ。
ガレオム「まだだ・・・まだ終わらんぞぉぉぉぉぉっ!!」
ガレオムが起き上がり、レッドとリュカを捕まえた。そした高く飛び上がり、頭部を分解した。そこには亜空間爆弾が入っている。しかもカウントももうない。
リュカ「! レ、レッドさん!しっかりして、レッドさん!」
しかし、レッドは気を失っている。カウントは少しずつ無くなっていく。
リュカ「ダメだ・・・助からない!」
リュカはそう思った。だが、その時、ネスの行動が目に浮かんだ。
自分が撃たれると分かっていながら・・・ネスは自分を守った。
その時、リュカは意を決した。
リュカ「PKサンダー!」
リュカは青い電撃を操り、自分達をつかんでいる方のガレオムの腕を破壊した。二人はそのまま落下する。みるみるうちに地面が近くなる。
リュカ「・・・!」
レッドを抱きかかえながら、リュカは目を閉じた。
その時、遠くから何者かが高速で飛んできた。レッドとリュカをつかむと、そのまま遠い崖へと飛んでいく。
そしてガレオムは爆発した。遺跡を飲み込み、ワリオのフィギュアも飲み込まれていた。

メタナイト「大丈夫か?」
レッドとリュカを救ったのは、メタナイトであった。
リュカ「あ、あなた達は・・・!?」
マルス「そんな事より、まずは休んだ方がいい。かなり体力を消耗してるみたいだから。」
マルスに言われると、リュカはかなり息切れしているのに気が付いた。

~遺跡付近の森~
「な・・・なんスか、一体・・・!?」
森から様子を見ていたのは、ジャックだった。どうやら上手く逃げ切ったらしい。
ジャック「逃げ切ったはいいッスけど・・・これからどこに行けばいいのやら・・・。」
息切れしながら、ジャックは座り込んだ。
その時、ジャックの後ろから手が伸びた。それはジャックの口を塞ぐ。
その手の正体はロディだった。ロディが茂みに目をやると、ダークライが飛び出してきた。ダークライはジャックの目を覗き込む。
ジャック「・・・!?」
ダークライ「お前は 亜空軍の 仲間だ。」
そう言われた瞬間、ジャックは気を失った。
ダークライ「・・・これで強力な切り札は出来た訳だな・・・。」
ロディ「・・・そうだね。」
気を失ったジャックを見て、二人はそう言った。

起こった事:レッド、フシギソウとリザードンをゲットする。
リュカ、ガレオムの爆破からレッドを守る。その後、メタナイトらに遭遇。
ジャック、ロディとダークライにより気を失う。

第17話 狙われた雪光(※雪光崩壊注意!)

~荒野~
エインシャント卿「くっ・・・。」
何者かに追われるように、エインシャント卿が逃げ回っている。
現に追いかけられているのだ。マリオ達に。
リンク「待てぇぇぇ!」
ヨッシー「その爆弾を使わせるもんか!」
5人はエインシャント卿を追いかける。そう、彼はまた亜空間爆弾を持っているのだ。
エインシャント卿「くっ、やむを得ない。ここは起爆させず帰還せねば・・・!」
その時だ。一体のロボットがエインシャント卿の持っている亜空間爆弾にしがみつき、地面に落とした。そしてさらに二体のロボットが現れ、亜空間爆弾に手を差し込む。
エインシャント卿「・・・! お前達・・・!!」
その時、一体のロボットがエインシャント卿に手を振った。
ロボット達は庇っているのだ。エインシャント卿を・・・。
マリオ「くそっ、離れろ!離れろーッ!」
ピット「うっ・・・だめだ、はずれない!」
その時、新たに二体のロボットが現れ、手を差し込んだロボットをはずそうとするマリオとピットを捕まえ、亜空間爆弾から離す。
そして亜空間爆弾は起爆した。その場に居たロボット達も巻き込まれる。
カービィ「わ、ワープスター!」
ヨッシー「マリオさん、こっち!」
カービィはワープスターにリンクとピットを乗せ、ヨッシーは背中にマリオを乗せた。
5人は助かったが・・・荒野は亜空間に飲み込まれていった。

~湿地~
湿地にはディディーとフォックスが居た。二人でなにやら話している。
ディディー「それでさ~、その時キラーっていう大砲が飛んできて、それをオイラがドーンッ!」
フォックス「そ、そうなのか。(状況さっぱり分からん・・・。)汗)」
その時、ディディーが黒い矢印で射抜かれた。その先に居たのは・・・クッパだ!
クッパ「がっはっハ!ここに居たカ!だがここでゲームオーバーなのダ!」
フォックス「くっ、あれはちょっとマズイぞ・・・!」
クッパがフォックスを狙う。その時、空から何かが飛んできた。それはアーウィンだった!そしてそこから何者かが飛び降りる。
飛び降りた何者かはクッパのダークキャノンをブラスターで打ち抜いた。それはファルコであった。
クッパ「あッ!おのレ~!よくもやったナ!」
クッパがそう言うと、ディディーのフィギュアを影虫が包み込む。そしてそこから偽のディディーが現れた。
クッパ「ここはコイツに任せテ、我輩は逃げるのダ!」
そう言ってクッパはどこかへと逃げ出す。
ファルコ「あのカメ、逃げやがったな!」
フォックス「寝てる場合じゃないぞ、ディディー!」
そう言ってフォックスはディディーのフィギュアの台座に触れる。するとディディーのフィギュアは輝き始め、ディディーは動き出した。
ディディー「あいてて、やられた・・・。」
その様子を見た偽のディディーは、さらに影虫を取り込む。そして巨大化したのだ!
ディディー「うわ!?オイラがでかくなった!」
フォックス「偽者だっつーの!さて、こいつをどうするかだな!」
ファルコ「ブッ倒すしか・・・ねぇと思うぜ!」
フォックス達が戦いの体勢になった。すると巨大な偽ディディーは襲い掛かってくる。
ディディー「オイラのマネするなーッ!」
そう叫んだディディーはローリングアタックを偽ディディーにお見舞いする。だが巨大なのでその威力も微々たる物だ。逆に偽ディディーに弾き飛ばされた。
フォックス「大丈夫か?この猿ッ、食らえ!」
フォックスは飛び上がり、テイル&レッグで応戦する。顔面に直撃し、結構効いたようだ。
ファルコ「フォックス!アレやるぞ、アレ!」
フォックス「えっ!?あれって・・・?」
ファルコ「どうでもいい、俺の言うとおりにやれよ!」
そう言ってファルコはフォックスに何か言う。すると二人は構えを取った。
フォックス、ファルコ「ファイアー!」
フォックスとファルコが同時にファイアフォックス、ファイアバードで突っ込んでくる。さすがにこれには耐えられず、偽ディディーは倒れ、消え去った。
ディディー「やったー!やっつけたぞー!」
ディディーが一人ではしゃぐ。すると、ファルコはどこかへと歩き始めた。ディディーはそれに気づき、ファルコの襟首を掴んで引き戻す。
ディディー「ドンキーの兄貴が連れてかれちゃったんだよ、一緒に来てよ~!」
ファルコ「うるせぇ。かまってられっか。」
そう言って再びファルコはどこかへ行こうとする。ディディーはまたファルコの襟首を掴み、今度はそのまま引きずっていった。
フォックス「なると思った・・・。」
フォックスはやれやれと思いながらも、二人についていった。

数分後。
ディディー「ん?何だ、あれ?」
ディディーは空に浮かぶ島のような物を見つけた。
ファルコ「ありゃあ・・・“エインシャント島”だな。」
フォックス「知ってるのか?」
ファルコ「噂で聞いた。“他の地と一切関わらず、独自の文化を築いている島がある”ってな。どうやらあれの事みてぇだな。」
その時、ディディーはエインシャント島に向かうボートのような物を見つけた。そしてそれをよく見ると・・・上にドンキーのフィギュアが乗っている!
ディディー「あっ、兄貴!」
ファルコ「そんなこったろうと思ったぜ。グレートフォックスを呼んでおいたんだよ!」
フォックス「あれで追いかけるのか?」
ファルコ「いや、さっきアーウィンを置いてきちまったからな。ついてこい、サル!」
ディディー「ディディーだよーッ!」
ディディーはファルコを追いかけていった。そしてその二人をフォックスは追いかけていった。

~湿地付近~
あい「ねー、この辺でしょ?あのオッサンが行けって命令したの?」
植木「んー、確かな~。」
あい「(がくっ・・・。)もーッ!覚えといてよ、行き場所ぐらい!」
鈴子「と言うか・・・任務は終わってるんじゃないんですの?」
湿地付近であいと植木、そして鈴子がもめていた。どうやら命令で来たようだが、本当にここだったのか思い出せないらしい。
「こんな所で何をしている?」
その時、三人の後ろから声がした。そこに居たのは・・・ガノンドロフ!
鈴子「も・・・申し訳ありません!すぐに担当場所に向かいます!」
鈴子の言葉を聞き、ガノンドロフはあきれたように言った。
ガノンドロフ「戻れと命令したのが聞こえなかったのか?何度も通信を入れたぞ。」
植木「・・・あ、携帯マナーモードになってる。」
あい「何やってんのよ!電車の中じゃないんだから!」
あいが植木の頭をバシーンと叩く。ガノンドロフはため息をついた。
ガノンドロフ「本当に大丈夫なのか?この三人・・・。」
その時だ。植木がバッと後ろを向く。
あい「・・・植木?どうしたの?」
植木「しっ!ちょっと黙っててくれ。」
植木はあいにそう言った。全員が喋るのをやめる。
しばらくすると・・・話し声が聞こえてきた。
「ねー!歩くの疲れたよー!」
「僕も・・・。ちょっと休まない?」
「何言ってんの!さっき休んだばっかでしょ!」
「もう少しがんばろう?ね?」
「努力MAX!だぜ?ほら、もう少し!」
あい「・・・誰か話してる?」
ガノンドロフ「・・・このまま帰るのもあれだ。お前達!さっき声が聞こえたが・・・その連中をフィギュア化して持って帰るぞ。」
植木「マジで?」
ガノンドロフ「そもそもここに送ったのはファイターを集めさせるためだぞ、忘れたか?」
ガノンドロフに言われ、植木とあいは様子をうかがった。
そこに居たのはプリン、ウルフ、トゥーンリンク、陽平、モン太、学、ブラック☆スター、椿だった。どうやら野宿中らしい。
ガノンドロフ「・・・まずはあのデコを捕らえろ。ヤツならばさほど戦闘能力は無いだろう。」
植木「あー、分かった。」
デコと言うのは、学の事だった。そりゃ髪薄くてデコ広いけど・・・ねぇ。
その時だった。学が「荷物取ってきますね」と言って外れた。
ガノンドロフ「今だ、行け!」
ガノンドロフの合図で、植木、あい、鈴子が飛び出した。
植木は旅人(ガリバー)で学を捕らえた。あいと鈴子はそれに気付いた7人の前に立ちふさがる。
あい「動かないでっ!」
鈴子「動いたら容赦しませんわよ!」
植木「“旅人”は外部からしか壊せねぇ。あんまり抵抗すると・・・コイツ、マズイ事になるぞ。」
三人に言われ、7人は思わず足が止まる。
プリン「オイコラ、デコハゲ!何捕まってんだよッ!(`Д´)」
学『す、すみませ~ん!』
旅人の中から、学の声が聞こえる。その時、ガノンドロフが現れた。
ガノンドロフ「フッ・・・。どうする、お前達?抵抗すればヤツは危険な目に遭う。もし仲間が大事ならば・・・貴様ら全員我らの仲間になれ!それか・・・大人しくフィギュアになる事だ!」
ウルフ「ちぃッ、デコさえ捕まってなけりゃ良いモンを・・・!」
トゥーンリンク「学さん・・・!どうしよう!?」
モン太「抵抗すれば雪さんが危ない・・・。」
陽平「でも抵抗しなかったら仲間になるか持ってかれるか・・・!」
ブラック☆スター「学を助ける方法は後者しかないが・・・。」
椿「どんな相手かも・・・分からない・・・!」
7人は戸惑っていた。その時だ。旅人の中から、学の声がする。
学『僕は平気だよ!僕に構わず戦ってくれ!みんな!』
ウルフ「・・・あのハゲ・・・!」
プリン「みんな・・・。学はああ言ってる。仲間は信じる。そうでしょ?それに・・・仲間のピンチをほっとくってのは・・・最悪なヤツのやる事よッ!」
トゥーンリンク「そうだね!連中の仲間につかなくても、助ける方法ならいくらでもある!」
ブラック☆スター「ここは強行突破で!」
その様子を見たガノンドロフは、植木に命じた。
ガノンドロフ「・・・植木!やれ!」
植木「分かった・・・。百鬼夜行(ピック)!」
そう言って植木は旅人に向かって連結した黄色と黒のブロックが突撃していく。
プリン「みんなッ!ダッシュで止めるわよッ!!」
プリンの合図で全員が飛び掛る。その時だ。
「タママインパクトぉッ!!」
突然横から破壊光線のような物が飛び出し、百鬼夜行が破壊された。
植木「!? 百鬼夜行が・・・壊された!?」
あい「そんな!神器を簡単に・・・!?」
その時、同じ方向から弾丸、手裏剣、怪音波が飛んだ。
鈴子「ッ・・・ビーズキャノン!」
ガノンドロフ「はあぁッ!」
鈴子はビーズを爆弾に変え、弾丸と手裏剣を打ち落とす。ガノンドロフは魔力を使い、怪音波を防いだ。そしてその衝撃で土煙が舞い上がった。
そして土煙が晴れ、そこに居たのは・・・タママ二等兵、ギロロ伍長、ドロロ兵長、クルル曹長だった!
4人(匹?)は学の入った旅人を囲み、まるで学を守るかのように立っていた。
ガノンドロフ「!? 貴様ら・・・何者だ!?」
タママ「時計回りにタママ二等兵、ギロロ伍長、ドロロ兵長、クルル曹長ですぅ!」
あい「な、何なの!?あいつらの仲間!?」
プリン「いや、こんな丸顔知らないし。」
プリンがすぐさま否定。
鈴子「なら・・・どうして守ったんですの!?」
ギロロ「お前達亜空軍にとっては単なる人質に過ぎんが、こちらにとっては必要な人材なのだ。」
ドロロ「春原陽平、雷門太郎、雪光学、ブラック☆スター・・・。この4名は殺さず連れ帰る事になっているのでござる。」
3人「はぁ?(汗)」
指名された陽平、モン太、ブラック☆スターが首をかしげる。するとクルルが口を開いた。
クルル「く~っくっくっく~。お前ら不思議に思った事ねぇのか?夢で見た人間が夢で見た場所にワープする、つまり正夢みたいな夢をよく見るって事をよぉ?俺達がここに来れたのはその力のお陰なんだぜ?」
3人「!!」
その瞬間、3人は驚いたかのような顔になった。
タママ「そういう事ですぅ!ボコボコにされたくなかったら、ご指名された4人を大人しく引き渡すですぅ!」
ガノンドロフ「ふざけるな!突然出てきておいてなんだ!こいつらは人質だぞ!」
ギロロ「まだ分からんのか、こいつらは我々にとっては重要な人材なのだ!」
植木「意味分からんぞ!」
クルル「お前らには関係ねぇからとっとと渡せ。」
鈴子「お断りですわ!」
ドロロ「あれだけ話して、まだ聞かんのでござるか!」
あい「だって意味分からないんだもん、あんたらの話!」
8人が対立する。プリン達は黙って見ている。
プリン「だってめんどくさそうだもん。」
その時だ。

「おい。いい加減にしろよ、メタボ&カエル4匹&他3名。」

ガノンドロフ「メタッ!?」
ケロロ小隊「カエッ!?」
うえきキャラ「他ッ!?」
8人は一気に声のした方を向いた。そこには・・・旅人を破壊した雪光が立っていた。だが目が影に隠れてよく見えない。
植木「・・・って、嘘だろ!?旅人って外部からは簡単に壊せるけど、内部からはそう簡単には・・・!」
学「黙れ、その他1号。
かなりドスの効いた声で学が喋る。それにはさすがにモン太やプリン達も驚いた。しかも顔を上げた学は目が死んでいた。
学「黙って聞いてりゃ俺らの事道具みてぇに言いやがって・・・。
ふざけんじゃねぇよ!!
次の瞬間、ガノンドロフの頬にストレートパンチが飛んだ。ガノンドロフはモロに食らい、吹っ飛ぶ。
学「そしてカエルは・・・池に帰れッ!!
そして次はケロロ小隊4人を蹴り飛ばす。4人はばらばらに吹っ飛び、木にぶつかった。そしてゆっくりと植木達3人に近づく。
あい「ひっ・・・。」
すると、学は質問をぶつけた。
学「お前ら・・・学年は?」
植木「えっ?中1だけど・・・。」
あい「あ、あたしも・・・。」
鈴子「中3ですわ・・・。」
学「そうか。俺は高2だよ。」
その数秒後だ。

学「目上にタメ口聞いてんじゃねぇよ!!

次の瞬間、植木達3人の頬にパンチが飛んだ。そのまま3人は倒れた。単なる気絶だったので、誰もフィギュア化はしなかった。
プリン達は思った。道具扱いするような発言はやめようと。そして、雪光は意外と怖い・・・と。

起こった事:ロボット達がエインシャント卿を庇い、亜空間爆弾起爆。荒野消滅。
フォックスとディディー、ファルコと共闘。エインシャント島を目指す。
ガノンドロフら4名+ケロロ小隊4名がプリン達を奇襲。雪光を捕らえる。しかし雪光がキレる。そして奇襲してきた連中を全滅

第18話 決心(※微妙に流血表現注意!)

~渓谷付近~
パノ「居ないわねぇ・・・レノ・・・。」
レノを探して旅していたパノとハサハは、渓谷付近まで来ていた。しかし、レノが見つかるはずもなく、途方に暮れていた。
パノ「・・・やっぱあの時・・・あたしがしっかりしてさえいれば・・・!」
パノが自分の拳を握り締める。ハサハはそれを見ていた。
ハサハ「・・・パノおねえちゃん・・・?」
その途端、パノは握り締めていた拳を解いた。
パノ「あっ、ううん。なんでもないよ。平気平気!じゃ、行こうか!」
そう言ってパノが歩き出した時だ。

「ザケル!」

突然パノに向かって電撃が飛んでくる。パノはそれを間一髪で避けた。
パノ「・・・敵!?」
パノはボールハンマーを取り出し、ハサハは手に抱いている大きな宝珠を強く抱きしめた。
「お前・・・ザキラ軍の人間だな!?」
パノ「は?」
突然の発言に、パノの目が丸くなった。
「私達はザキラ軍を止めるために戦っているのだ!」
ハサハ「・・・“ザキラ”!?」
ハサハの顔つきが変わる。途端にハサハは脅えた表情になった。
パノ「ハサハ?どうしたの!?」
ハサハ「ちがう・・・ハサハじゃない・・・。ハサハはだれも傷付けてない・・・!!ハサハは・・・“護衛獣”になっただけ・・・!」
突然ハサハは下を向き、がたがたと震えながら呟いている。目は脅えていた。
その時、お互いの背後にプリムが現れた。プリムはハサハ、相手には小さな子供に襲い掛かる。
パノ「ボールクラッシュ!」
「ザケルガ!」
パノのボールハンマーから鉄球が飛び、ハサハに飛び掛ったプリムを一掃する。そして向こうは小さな子供が口から電撃を出し、プリムを消した。
パノ「!? あんたらが呼んだんじゃ・・・!」
「なっ・・・、お前達が出したんじゃ!?」
その途端、お互い敵でない事に気づいた。その時、ばらばらにされた影虫が集まり、タウタウを形作った。タウタウが襲い掛かる。
パノ「ッ・・・ハサハ!召雷よ!」
しかし、ハサハは相変わらず震えており、動こうとしない。タウタウが迫る。4人は目を閉じた。

「ヒートブラスト!」
「アイスリング!」

氷の剣がタウタウを切り裂き、炎の玉がタウタウを燃やす。タウタウは消滅した。
パノ「・・・あんた・・・スノウ!?」
スノウ「あっ・・・パノさん!?あなたも来てたんだ?」
パノとスノウは少し再会を喜んだ。
クリスタル「貴方達は・・・ガッシュ・ベルに高嶺清麿ね?ペアを組んでいる魔物と人間でしょう?最近、噂で聞いたわ。」
清麿「(青いキツネ!?)ああ、そうだが・・・。」
ガッシュ「清麿!この方は知り合いなのか?」
清麿「知らんわッ!!」
清麿が怒鳴る。スノウはハサハを見た。
スノウ「・・・キミは?」
ハサハ「あ・・・ハサハだよ・・・。」
スノウ「そっか!」
スノウはにこりと笑った。その笑顔に安心したのか、ハサハの震えは止まり、ようやく顔を上げた。
清麿「しかし、ザキラ軍と勘違いしてしまい・・・本当にすまない。」
クリスタル「大丈夫よ。すぐに和解できたんだし。ね?」
パノ「ま、まぁね!」
ガッシュ「ムゥ・・・優しい王様として、やっていけない事をしてしまったのだ・・・。」
ハサハ「ハサハは・・・だいじょうぶだよ・・・。」
どうやらクリスタルの発言でお互いに和解したようだ。
スノウ「ねぇ、清麿さん。“ザキラ軍”って何なの?」
スノウが清麿に尋ねる。
清麿「・・・ザキラ軍というのは、“この世界”を我が物にしようと企んでいる連中がはびこっている組織だ。俺とガッシュはその存在を知り、止めようとしている・・・。」
清麿が言った。するとパノは口を開いた。
パノ「じゃあ・・・それを止めなきゃ色々マズイってわけね?」
ガッシュ「ウヌ・・・。もしかしたら、私達の世界も侵略するかも知れないのだ・・・!」
クリスタル「・・・話を聞いてみたけど、どうやら一緒に居た方が良さそうじゃない?
私は亜空軍の存在を知って、止めようとしてる。あなた達はザキラ軍を止めようとしてる。もしそれらの組織が組んでいる、もしくは対立しているとしたら・・・どちらも見つけられる可能性は高いわ。」
清麿「そうだな・・・。少人数では何かあった時に対処できない。」
パノ「じゃ、あたし達はこれから・・・チームって事ね?」
亜空軍とザキラ軍・・・似通った目的で、彼らは行動を共にした。

~森付近~
植木「はぁ・・・痛い目に遭った・・・。」
あい「てゆーかここどこー!?」
鈴子「気が付いたらここに居た・・・。残っているのは、ドスの効いた声が残された音声データだけ・・・。」
鈴子は手元にある携帯の音声データを再生した。

『正直お前らの顔にムカっ腹が立ったから、適当に放っておくよ。帰りたきゃ帰れよ。
ただ・・・二度と俺の前に現れるんじゃねえ!!

その声は学の声だったが、恐ろしいほどドスが効いている。状況的には、植木達は学にここに置いていかれたようである。学よ、どれだけの怒りだったんだ。
あい「どうしよ~・・・どうやって帰ろ~!?」
その時、3人の付近に誰かがワープしてきた。それは清一郎とヒデヨシだった。
清一郎「お前ら!何でこんな所に居たんや?」
植木「おお、佐野にヒデヨシ?」
あい「むっ、迎えに来てくれたの!?助かった~・・・。」
あいが胸を撫で下ろした。その時だ。

「やあ。久しぶりだね。」

背後から声が聞こえる。植木達は揃ってそちらを向いた。
そこに居たのは・・・ロベルト・ハイドン!
植木「なっ・・・ロベルト!?」
「彼は君達を勧誘しに来たのだよ。我ら“ザキラ軍”に。」
ヒデヨシ「! ザキラ軍・・・!?」
さらに声が聞こえる。ヒデヨシはそこにあった単語に耳を疑った。
そしてそこに居たのはザキラ、その両サイドにはレオルドとレシィが居た。
清一郎「なっ、何や、お前らは!?」
ザキラ「我が名はザキラ。ザキラ軍を統一する・・・まぁリーダーと言った所だよ。私達は“この世界”を支配し、各々の理想郷を作り上げようと思っているのだよ。そしてロベルト、彼も私達の仲間なのだ。
君達は世界を守りたい、そして居なくなったロベルトを探して亜空軍に居たのだろう?」
鈴子「!? 何故それを!?」
ザキラ「我々の情報網は亜空軍より優れている。君達の世界を救う方法も知っている。どうだ・・・我々と組まないか?」
ザキラは植木達にそう言った。
ヒデヨシ「ッ・・・てめぇふざけ・・・!」
植木「分かった。」
植木の言葉に、ヒデヨシは耳を疑った。
ヒデヨシ「・・・植木?お前何言ってんだよ!コイツと組んでみろ!?組んだ事がバレたら・・・ぶっちゃけ亜空軍に世界を消されっちまうんだぞ!」
植木「こいつは“世界を救う方法も知っている”って言った。こっちに居た方が・・・世界を救える可能性は高くなる。」
ヒデヨシ「お前・・・お前何言って・・・ッ!」
あい「分かった。あたしも組むよ。」
清一郎「俺も・・・構わんで。」
鈴子「その勧誘・・・受けますわ。」
3人が口を揃えて言った。ヒデヨシはさらに耳を疑った。
ザキラ「歓迎しよう。植木耕助君、森あい君、佐野清一郎君、鈴子・ジェラード君。」
ヒデヨシ「(・・・嘘だろ・・・!?)」
レシィ「(・・・あの緑の髪の人・・・?)」
未だに口を開かないヒデヨシに、ロベルトは尋ねた。
ロベルト「もちろん君も来るんだよね?ヒデヨシ君。」
ザキラ「迷う事などないぞ、宗屋ヒデヨシ君。我らの仲間となれば、君の世界も救える。君の仲間もこちらに来たのだよ?それに・・・レオルドとも一緒に居られる。」
ヒデヨシ「!!」
ヒデヨシはザキラの方に目をやった。隣にはレオルドが居る。ヒデヨシはレオルドの目を見ると、にっと笑ってウィンクをした。同時にヒデヨシの耳がピクピクと動く。レオルドはその微妙な変化を見逃さなかった。
レオルド「(・・・“オレには秘策がある、ちょっと嘘をつく”・・・?)」
レオルドはそう受け取った。そしてヒデヨシは口を開いた。
ヒデヨシ「・・・フフッ!あーっはっはっは!残念だったなァ!ぶっちゃけオレはそんなガラクタ機械と一緒になんて居たくねーよ!」
ザキラ「・・・!? (バカな、出来杉の報告には奴がレオルドに“友達になろう”と言っていたと・・・!?)」
ザキラは少し耳を疑った。
ヒデヨシ「それになぁ・・・。」
次の瞬間、ヒデヨシの目つきが変わった。
ヒデヨシ「ぶっちゃけオレはお前らとは組まない!植木、例えお前らが居てもな!オレは・・・もう自分には嘘はつかない!」
あい「な、何言ってるのヒデヨシ!みんなこっちに居るんだよ?あたし達の世界も守れるんだよ!」
ヒデヨシ「うっせぇ!何かを犠牲にしなきゃ世界を守れないなんて間違ってる!犠牲にした何かに申し訳ないとか思わないのか!お前らはそんなに非情なのか!?ぶっちゃけオレはそんな非情な連中と思って仲間になった覚えはねぇ!」
清一郎「そ、そりゃあ・・・。」
鈴子「ッ・・・。」
植木達が戸惑う。その時、ヒデヨシがザキラ達の後ろを指差した。
ヒデヨシ「あーッ!何だアレ!?」
「!?」
全員が後ろを向く。だが何もない。そしてヒデヨシの方を向くと・・・ヒデヨシが居ない。
あい「にっ、逃げた!?」
植木「あっはっは。こりゃ一本取られたな!」
植木が笑っている。あいは「何笑ってんのよ!」と言いながら植木の頭をバシーンと叩いた。
ザキラ「・・・ロベルト。君に任せたぞ。」
ロベルト「良いんですか?もしかしたら死んじゃうかも知れませんよ?」
ザキラ「構わん。我々に刃向かう者には死んでもらうまでだ。」
ロベルト「分かりました・・・。でも一応手加減しておいて、生きてたら仲間になるよう言ってみましょうか。」
そう言ってロベルトは近くにあった石ころを握った。
ロベルト「理想を・・・現実に変える能力!」
そう言った瞬間、石ころがヒデヨシに向かって飛んでいく。そしてヒデヨシの右肩を貫いた。途端にヒデヨシの肩から血が吹き出す。
ヒデヨシ「ッ!ぐぁああああああッ!!」
ヒデヨシは強烈な痛みに耐えられず、倒れた。右肩を押さえ、苦しみながら地面を転がる。その際にヒデヨシの真っ赤な血が地面のあちこちに付いた。
レシィ「ひっ・・・!」
その光景にレシィは両目を手で覆い、目を逸らす。臆病な気質が見て取れた。
そしてロベルトはにこりと笑ってヒデヨシに言った。
ロベルト「悪い事は言わない。君もこっちにおいでよ。命は惜しいだろう?」
ヒデヨシ「て、めぇ・・・!」
ヒデヨシはロベルトを睨みつける。その様子を見て、ロベルトはため息をついた。
ロベルト「・・・どうやら聞いてくれないようだね・・・。しょうがない。君の心臓を貫いて・・・死んでもらうしかないね。」
そう言ってもう一つ石ころを取った。
その時、レオルドがヒデヨシの前に出た。
ヒデヨシ「・・・レオルド・・・!?」
ロベルト「何だい、レオルド?邪魔をするなら君も消すよ?」
レオルド「違イマス、邪魔ヲスルツモリハ全クゴザイマセン。タダ、仲間ヲ増ヤセルちゃんすデス。可能性ガアル人間ヲ殺スノハ、ソレコソ惜シイノデハ?」
ロベルト「・・・それもそうだね。でもどうするんだい?抵抗を続けたら?」
レオルド「・・・ソコハドウニカシマス。トニカク、彼ヲ説得サセテ下サイ。モシカシタラ、気ガ変ワルカモ知レマセン。イヤ、子供ノ考エデス。キット気ハ変ワルデショウ・・・。」
レオルドの話を聞き、ロベルトは石ころを捨て、ザキラに言った。
ロベルト「どうします?」
ザキラ「ふむ・・・。彼の能力自体は戦いには使えない。だが奇襲にはもってこいだな・・・。よし、レオルド。お前に任せよう。」
レオルド「ハッ。」
レオルドはザキラに対して一礼をした。そしてレオルドはヒデヨシに耳打ちに言った。
レオルド「ひでよしサン、何故アノヨウナ事ヲ・・・!?」
ヒデヨシ「へへっ、何でかなぁ・・・。痛い目に遭うの分かってんのに・・・。なんか、ぶっちゃけもう自分に嘘つきたくなくってな・・・。」
レオルド「・・・本音ヲ言ウ事モ大事デスガ、命ハ失ッタラドウシヨウモ無イデハナイデスカ!?」
ヒデヨシ「ははっ、ぶっちゃけそのハズだよなぁ・・・。でも、何か・・・嫌だったんだよ。自分の・・・心に・・・嘘・・・つくの・・・。」
そう言うと、ヒデヨシはがくりと倒れた。
レオルド「!!」
レオルドは一瞬戸惑った。だが少し落ち着き、ヒデヨシを調べた。温度が変わっていない。生きている。
レオルド「(良カッタ、流血ノしょっくデ気絶シテイルダケダ・・・。シカシ、早ク手当テヲシナクテハ。)」
生きている事を確認し、レオルドは安心した。
ザキラ「・・・気絶したか?まぁ良い。連れ帰って命だけは助けておこう。そうすれば恩や仲間が居るという状況で、加入せざるを得なくなるだろう。それに、我らの基地が位置する場所は特殊な方法を使わない限り出られない。」
ザキラが言うと、レオルドはヒデヨシを抱えた。そして、彼らはワープして消えた。

ひでよしサン・・・貴方ハ私ガオ守リシマス・・・。
決めた・・・。ボクはあの人が迷ってしまわないように・・・側に居よう!

黒い機械兵士とメトラルの少年は、何かを決心した。

起こった事:パノ&ハサハ、渓谷付近で清麿&ガッシュ、スノウ&クリスタルと出会い、行動を共にする。
ロベルトがザキラ軍に居たと発覚。ヒデヨシを除くうえきキャラ、即座にザキラ軍に寝返る。
ヒデヨシ、ザキラ軍に抵抗するも負傷。気絶し連れ去られる。

第19話 ザキラ軍

~ザキラ軍基地・医療室前~
タママ「いてて・・・。ヒドイ目に遭ったですぅ~・・・。」
ギロロ「くっ、こちらの情報では“雪光学は戦えない”との事だったのだがな・・・?」
クルル「く~っくっくっく~。人の怒りは凶暴化を促進するってか~?くっくっく。」
ドロロ「とにかく、手当てを受けたら至急任務に戻るでござるよ。」
医療室の前で、学によってやや負傷したケロロ小隊のメンバーがたむろしていた。
「あっれ~?みんな揃いも揃って帰って来たのでありますか?」
タママ「ぐ、軍曹さん!」
そのたむろしているケロロ小隊のメンバーに近づいてきたのは、ケロロ小隊のリーダーであるケロロ軍曹だった。
ケロロ「まったくだらしないでありますな~。ザキラ殿はうえきの法則の連中を仲間に引き入れて戻ってきたでありますよ?君らにもそれぐらいはして欲しいな~・・・。」
クルル「じゃあアンタが来た所でどうにかなったのかい?軍曹さんよ~。」
ケロロ「ぐさーッ!そ、それは・・・。」
クルルに質問され、ケロロは言葉に詰まった。
その時、後ろからガシャンガシャンと機械の足音がする。現れたのは、気を失ったヒデヨシを抱えたレオルドだった。
ギロロ「んっ?レオルドか、どうした?」
レオルド「怪我人デス。道ヲ空ケテ頂キタイノデスガ・・・。」
ドロロ「拙者達はそんなに負傷していないので後でも構わないでござるが・・・その方の右肩の怪我は一体?」
タママ「仲間になって戻って来る時、誰かにやられたですか~!?」
ケロロ小隊のメンバーが、ヒデヨシの右肩にある、銃弾で貫かれたかのような傷を見て言う。レオルドは言葉に詰まったが、事実を言った。
レオルド「・・・ろべるとサンガ・・・無理ニ仲間ニ引キ込モウトシタ際ニ・・・コノ怪我ヲ・・・。」
その言葉を聞いた途端、ケロロ小隊のメンバーは驚いた。
ギロロ「何っ!?奴め・・・、あれだけ強引には引き込まないと言っておきながら!」
クルル「ま、往生際が悪かったんじゃねぇの?くっくっく。」
ドロロ「しかし、ここまでやるとは・・・。これは急患が必要でござるな。」
タママ「ちょっとロベ君やりすぎですぅ~・・・。」
だがケロロだけは笑っていた。
ケロロ「な~に言ってんの!ロベルト殿は全く悪くないでありますよ。
ドロロ「し、しかし・・・。」
ケロロ「大体、同じ世界から来たんだから、強さぐらい分かってるはずじゃん?それなのに抵抗する方が悪いでありますよ。」
ケロロが言うと、クルルがパソコンを打ちながらクックックと笑って言った。
クルル「残念だがヒデヨシはロベルトに会った経験は一度もねぇし、植木達に言われるまで名前も知らなかったようだぜ~?」
ケロロ「・・・。 それでも、抵抗する方が悪いであります!当然の結果でありますよ!」
そう言ってケロロは立ち去った。そしてレオルドは医療室に入っていく。

「・・・本当の正義って・・・何なんだろうねぇ・・・。」

~テラス~
植木「・・・・・。」
ザキラ軍の基地のテラスに出た植木は、ずっと遠くを見つめていた。
その時、誰かが後ろからやって来た。レシィだった。
レシィ「あの~・・・植木さん?どうしました?」
植木「いや、ここって不思議な空の色してるなぁって・・・。」
レシィ「あぁ・・・。ここは“亜空間”とあの世界の狭間に存在する所らしいです。だから・・・それに影響されて、ここから見える空は紫色なんです。朝でも夜でも・・・星は見えないんです・・・。」
レシィが語った。その目は、青い空、眩い星に懐かしさを持っているかのような目だった。
植木「そっか・・・。それはそれで寂しいかもな・・・。」
レシィ「い、いえ!そんな事ないですよ!ボク、ザキラさんのお手伝いが出来て・・・嬉しいですから!」
レシィはそう言った。
レシィ「あの・・・それじゃそろそろボク・・・、ヒデヨシさんの様子を見てきます。」
そう言ってレシィは立ち去ろうとした。その時だった。
植木「待てよ。」
レシィ「・・・?」
植木に呼び止められ、レシィは立ち止まる。すると植木はレシィに言った。
植木「お前・・・無理してんだろ?」
レシィ「!! そ、そんな事ありません!楽しいですよ!」
植木「やっぱ無理してる。そう質問された時、俺が言おうとしたのと同じ事言った。」
レシィ「・・・!!」
植木はレシィの方を向くと、口を開いた。
植木「お前・・・本当はあいつの護衛獣なんてやりたくないんじゃねぇか?本当は自由になりたい。人も傷つけたくない。違うか?」
レシィ「・・・はい・・・!」
植木の言う事が全て当たっており、レシィは思わず本当の事を言った。
植木「・・・じゃ、お前・・・俺と同じだ!」
レシィ「え?」
植木「俺も人は傷つけたくねぇ。でも・・・俺の世界がかかってるから、やるしかない。もしこの世界も俺の世界も、両方救える方法があれば、それをしたい。もしそれがあったら、俺はそっちへ行く。
そう思うと・・・ヒデヨシには悪い事したな・・・。あいつ、俺達と仲間だからって、無理して付いてきてたんだ。だからあいつ・・・苦しかったんだろうな。それなのに・・・俺、あいつに“もう良い、逃げたければ逃げろ”とすら言ってやれなかった・・・!」
そう言って植木は拳を握り締める。
レシィ「・・・あの・・・お手伝い、させて頂けませんか!?」
植木「?」
レシィ「ボク・・・もし、どちらの世界も救える方法があったら、植木さんに付いて行きます!例え・・・いっ、痛い事が・・・あっても・・・!」
レシィはそう言ったが、痛い事が嫌いらしく、やや目に涙がたまる。すると植木はレシィに言った。
植木「無理しなくて良いぞ。護衛獣になんてならなくて良い。お前はお前らしく生きれば良いんじゃないか?」
レシィ「うぅ・・・。」
植木「・・・それじゃ、ヒデヨシの所行ってやってくれよ。あいつ・・・きっと寂しかっただろうから。」
レシィ「あ・・・はい!」
そして、レシィは医療室に向かって走っていった。

~司令室~
司令室に入ったザキラは、パソコンの前に座っている少女に声をかけた。
ザキラ「長門有希君。ロベルト君が能力を使った。限定条件“寿命が1年減る”の除去を。」
長門「・・・それならもう済ませた。」
ザキラ「そうか・・・仕事が早いな。いつもすまないな。だが彼の能力のコスト0でやるには、君の情報操作が不可欠なのだ。
限定条件自体は消せないが・・・君が情報操作さえすれば、寿命が減ったのは無かった事になる。」
長門「・・・理由なら分かってる。」
つまり、こういう事だ。
ロベルトは自分の能力“理想を現実に変える能力”を使う際、限定条件により、自らの寿命を1年分減らしているのだ。だが長門の情報操作を使って寿命が減った・・・つまり能力を使った事だけを無かった事にすれば、ロベルトはいかなる状況でもコスト0でその能力を使える。これではまさに最強の能力だ。
ザキラ「フフッ・・・。そうだった、君は飲み込みが早かったな。何度も繰り返してすまない。ところで、例の計画は・・・?」
長門「・・・順調に進んでる。」
そう言う長門の見つめるパソコンには、何かの装置のような物の設計図が書かれていた。
ザキラ「そうか・・・。では引き続き作業を行ってくれ。」
長門「分かった・・・。」

ザキラ「“例のあの力を持つ子供達”よ・・・。お前達は私のためにその力を使ってこそ存在価値があるのだ・・・。」
そう呟き、ザキラはにやりと笑った。

~医療室~
ヒデヨシ「う・・・う~ん・・・。」
ヒデヨシはゆっくりと目を開けた。見た事のない部屋だ。ヒデヨシは寝たまま、周りを見回す。
すると、目の前にレオルドが現れた。
レオルド「気ガ付キマシタカ?」
ヒデヨシ「レ・・・レオルド!」
ヒデヨシは飛び起きた。その目には嬉しさが溢れていた。
しかし、すぐに周りを見回し、レオルドに尋ねた。
ヒデヨシ「ここは・・・?」
レオルド「・・・ざきら軍ノ・・・基地デス。」
ヒデヨシ「・・・やっぱりか・・・。」
ヒデヨシは元気を無くし、うつむいてしまった。
レオルド「スミマセン・・・。シカシ、貴方ノ命ヲ救ウニハ・・・コレシカ無カッタノデス。」
ヒデヨシ「大丈夫だよ、ぶっちゃけ大体想像はつくさ・・・。」
そう言うとヒデヨシは窓から外を眺めた。見た事もない空の色に、ヒデヨシはため息をついた。
ヒデヨシ「青い空・・・しばらく見れないんだろうな。」
レオルド「・・・本当ニスミマセン・・・。」
レオルドがうつむくと、ヒデヨシは笑顔を作って言った。
ヒデヨシ「謝んなくても良いって、レオルド!ぶっちゃけオレなら平気さ!」
そう言ったが、レオルドにはその笑顔は無理に作った笑顔にしか見えなかった。
ヒデヨシ「良いんだよ・・・。ぶっちゃけオレには、頼れるお前が居る・・・。信じられるお前が居るからさ。
なァ・・・レオルド・・・。」
そう言ってヒデヨシは静かに、小さい一粒の涙を流していた。

ヒデヨシ「一つ、いいか?」
レオルド「何デショウ?」
ヒデヨシ「ぶっちゃけ何でオレ・・・上何も着てねぇんだ!?ぶっちゃけ寒い!寒い!」
ヒデヨシが両腕をさすり始める。
「あ、すみませーん!」
医療室に誰かが駆け込んでくる。それはレシィだった。
レシィ「すみません、ヒデヨシのシャツ、血が付いてたから洗ってたんです。シャツの色は白でしたから、漂白剤使って白く戻して、それで穴の開いた部分を縫って直してたんです!それで今乾かしてる途中で・・・。
あ、これ・・・どうぞ!」
そう言ってレシィが差し出したのは、黒いパーカーだった。ヒデヨシはすぐさま貰い、それを羽織った。
レシィ「あ、あの・・・ごめんなさい、サイズが合いそうなのそれしか見つからなくて・・・。」
ヒデヨシ「ふぃー、あったけぇ・・・。ところでさ、オレをここで手当てしてたのは誰なんだ?」
レオルド「私デス・・・。ココデノ最新ノ医術ヲ利用サセテ頂キマシタ。右肩ハ・・・傷ハモウ無イト思イマスガ・・・。」
するとヒデヨシはパーカーをずらし、右肩を見た。貫かれた痕が消えている。
ヒデヨシ「・・・どーりで右肩の痛みが薄れてるわけだ・・・。」
そう言うと、ヒデヨシは二人に笑顔を見せた。ヒデヨシにとっては、こちらに来て久しぶりの笑顔だった。
ヒデヨシ「ありがとな。二人とも。」
その言葉は、二人はこちらではあまり聞かない言葉だった。レシィは笑った。レオルドも嬉しそうだ。
レシィ「・・・どういたしまして。」
レオルド「無事デ何ヨリデス・・・。」

二人の優しさに触れ、笑顔を見せるようになったヒデヨシ。
しかし、この笑顔もとある事件により、壊されていく・・・。

起こった事:レオルド、ヒデヨシの手当てをする。
レシィ、植木と会話。ザキラは長門と会話。

“この世界”の運命は、ゆだねられた・・・。

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