スマブラ個人小説/スマゲンの小説/短編集1

Last-modified: 2009-05-22 (金) 20:42:04

名前のまま、ここはスマゲンの短編集です。マリオの気まぐれシリーズにもvsシリーズにも当てはまらない短めの読み切り小説を集めました。そのため、普通の独立した読み切り小説よりも短い読み切り小説が載っています。

収録作品

少年と花

少年の一輪の花の短い短いお話です。少年の一輪の花に対する「思い」とは・・・。
ジャンルは・・・、よく分かりません。
少年はスマブラに対して未熟な設定となっています。
少年が誰なのかは、あとがきを読めば分かります。まあ、本編を見ても分かるでしょう。

本編

少年は歩いていた。
目の前にやや大きめの花が現れた。
花には目がある。花の外側は赤く、内側は黄色と白だ。葉は2枚ある。
風により、花は微妙に揺れていた。
少年は花の前でしばらく立ち止まっていた。
「この花、どこかで見た気がする・・・。」
花はすぐにでも引っこ抜いてくれと言わんばかりに、こっちをじっと見て、自ら葉を動かしている。いや、そう見えるだけなのか?それとも、本当に動いているのか?
少年はしゃがみこんだ。
「この花は僕が引っこ抜いていいのだろうか?でも、なぜ僕なんだ?」
少年は思ったのだ、なぜ今まで誰にも引っこ抜かれなかったのだろう・・・。なぜ、この花は自分を選んだのか?
「思い出したぞ、この花はマリオさんやネコ目じゃなくて背の高い、僕が使ってったけな?どんなふうに使って、どんなことが起きたかは思い出せない・・・。なんで肝心な部分を忘れてるんだ。」
少年は花を触ってみようとした。・・・しかし、途中で止めた。
少年は今まで自分がやったことを思い出した。
「花さん、僕は剣を使って、何のためらいもなく、草刈りとかをしたことが何回もある。そうすれば、ルピーっていうお金が出てきたりするんだ。それが草刈りをする理由。・・・僕は草花を大切にしないんだ。だから花さん、僕を引っこ抜いてもらう相手として選ぶのは、ダメだよ。」
そう言って少年はまた、歩こうとする。
「待ってよ。」
少年には誰かの声が聞こえた。まわりを見てみたが、誰もいない。あるのは道に咲く、一輪の花のみ・・・。
今のは本当の声だったかはわからないが、少年は今のは花の声だと思った。
少年は振り返った。やはり花はこっちをじっと見ている。
少年はまた、花に向けて話し出した。
「そもそも、なぜ引っこ抜いてほしいんだい?」
もちろん、花は答えられなかった。
「・・・そうだ!思い出したぞ!この花は確か、火炎を放射する花だ!名前は・・・、思い出せない・・・。」
少年はしばらく考え込んだ。
「・・・確か、マリオさんは君の力を借りて、炎を自在に操ってたよね?そうだ、間違いない。」
少年は花をじっと見つめまた話した。
「僕なんかより、君を必要とする人、君をうまく活用する人がいるよ。僕は君を上手く使うことはできないよ・・・。」
そう言うと少年は少し早めでまた歩きだした。
しかし、すぐに少年は花の視線を感じ、立ち止まった。
そして、また話し出した。
「・・・思い出した!かも・・・。君の名前は確か・・・、ワイヤーフラワーだっけ?うん、多分そうだ。ごめんね、そしてさようなら、ワイヤーフラワー!」
そう言うと遂に少年は走り出した。
花は寂しかったが、嬉しかった。
たとえ望んだ者に使われなくても、最後に間違っていても自分の名前を呼んでくれたのが。

あとがき

もうお分かりでしょうが、少年はトゥーンリンク、花はファイアフラワーです。
この小説が伝えたいこと、というよりも感じてほしいことは、少年と花の気持ちです。
少年は、花を気遣ったつもりですが、花にとっては、それは寂しいことだったのです。
相手の気持ちをわかり合うことが、もっとも大切なことなのです。
しかし、少年は自分の意思は変えませんでしたが、最後に花の名前を呼んであげました。間違ってはいましたが・・・。
それは花にとって嬉しいことでした。