■その他のルール_1.3

Last-modified: 2016-11-16 (水) 00:33:23

その他のルールについて

 ここまでで記述していない幾つかのルールを明文化しました。こういった細かい裁定については、GMがより良い扱いを思いつくようであれば、そちらに差し替えてしまって構いません。
 移動速度に関しては、妖怪も出てくるような世界のことなので、かなり速めに設定しています。例えば「里から湖への移動」といった場面転換などではもっと大雑把に扱ってしまって良いでしょう。
 ダメージについては、種族毎に細かく考えると気絶などの状況に違いが生じるはずですが、普通に遊んでいる分には気にしなくても構わないように統一した扱いにしました。極端にダメージを受けた場合の扱いの指針なども書いてありますが、特に死亡に関することを考えなければならない状況はそれほど多くないはずですし、参考程度に留めておいてもらって構わない部分だと思います。毒の影響なども種族によっては異なるはずですが、「ではお酒は?」「付喪神の場合、素材によって影響が違うのでは?」等と考えていくときりがありませんので、「妖怪としての姿を持つ限りは、体が強いだけで基本は人間と同じ」という扱いをしています。より細かい扱いが必要ならば、GMの判断に任せます。自然回復などは、特に霊力を多く使うキャラクターでは気にする場面が多いでしょう。能力を使いやすくするため、回復速度自体はかなり緩めに設定してい
ます。
 重量ルールは「どのくらい物が持てるか」が問題になったときのための基準として用意しています。細かい数値が重要な問題になるのでなければ、それほど気にしなくて構わないと思います。
 財産のルールですが、幻想郷ではお金による取引ばかりではないと思いますので、簡単に数値上で扱えるようにこのようなルールを設定しました。もちろん、細かい持ち物を詳しく設定して取引をするのであれば、そちらでも構いません。重要な物品の取引は、財産ルールを離れてロールプレイによる交渉なども取り入れながら行った方がよいでしょう。
 最後に遮蔽のルールがありますが、属性使いの応用としてすぐに考えつく範囲だと思い、ルールを設定してあります。処理が面倒であれば、「何回まで攻撃を無効にする」といったルールにあらかじめ差し替えてしまってもよいかと思います。

移動速度

 地上を走る場合は秒間に「{身体}+〈運動〉」m、飛行する場合は1 秒間に「{知性}or{身体}+〈飛行〉」×2mを移動できるとする。競走する場合は、{身体}+〈運動〉あるいは{知性}or{身体}+〈飛行〉での対抗判定を行うとよい。

ダメージと霊力消費

HP と霊力の下限

 これらは0を下限とし、マイナスに下げるようなダメージは全て無視する。

気絶、または行動不能の状態

 HPや霊力が0になると、気絶して行動不能な状態になる。GMの判断で、気絶までの間に会話など
の演出の猶予を認めてもよい。

千幻抄では、キャラクターが死亡するほどの深刻な状況は想定していないため、死亡に関してはダメージなどからの規定はせず、GMの判断によるとする。
 HPが0で気絶していても、そのまま放置されて死亡するようなことはほとんどない。もちろん、人間が水も飲めない状態のまま長時間放置されていた場合や、気絶した状態で故意に命を奪うような傷を付けられた場合などはその限りではない。
 妖獣や付喪神などは、ダメージの程度によっては本来の姿しか取れなくなってしまう可能性がある。
 亡霊は死亡しない。但し、ダメージによっては実体を失う場合などもあり得る。
 吸血鬼も通常の手段では死亡しないが、極端に大きなダメージを受けると灰の状態になる可能性がある。灰の状態で日光に長時間晒されたりした場合は滅んでしまうこともあり得る。

気絶からの回復

 HPが回復した時点から30分程度で気絶から復帰する。自然治癒での回復もこれに含める。

自然治癒

 薬や医術による処置、能力以外に、十分食事と睡眠が取れている状態であれば、ダメージは自然治癒する。自然治癒によるHPの回復速度は1時間に1点の速度とする。十分な道具があり、〈応急処置〉〈医学〉のスキルがあれば、〈スキル〉Lv 分だけ1時間の回復量を増すことができる。

応急処置

 {知性}+〈応急処置〉or〈医学〉で目標値18の判定に成功することで、HPを達成値の半分だけ回復できる。霊魂や灰、元の姿に戻った妖器に対しては不可能とする。特殊な傷などを設定する場合は、目標値を適宜変更してよい。また、判定に成功すれば気絶も回復する。この作業には30分程度かかる。

怪我とHPダメージ

 HPダメージは軽い怪我や肉体的な疲労、あるいは防御的な結界の損傷として現れる。蓄積すると気絶するが、単にダメージを受けることでによってこれ以外の影響は無いとする。
 骨折などの大きな怪我が起こるような状況はルールでは規定せず、通常の戦闘ルールの枠内でのダメージによってこのような怪我を負うことはないとする。その他特殊な事故などがあった場合、怪我の程度に応じてGMの判断で行動に制限をかけてもよい。これらの回復に関しては、能力や特殊な薬を使わない限り、治癒には適切な時間経過が必要となる。

霊力消費と回復

 霊力消費は単に疲労として現れ、霊力が0になると気絶する。
起きている状態では、霊力は10分に1点の速度で回復する。睡眠を取っている場合、3時間の連続睡眠で最大値まで回復する。

そのほかの障害

 毒や病気に関しては特に規定しない。基本的には、一定の目標値に対して{耐久}+〈抵抗〉での判定を行うことで、感染や治癒の判定を行うとよい。効果については、ダメージや各種行動へのペナルティなども含め、GMが自由に規定してよい。

重量

 ({身体}×10)kg程度が「両手で抱えて何とか持ち上げられる」重量とする。地面に引きずって動かす場合は、路面状態によるが、({身体}×15)kg程度を目安とする。実際に大きな物を持っているときの回避や行動へのペナルティは、状況に応じてGMが決めること。
 魔法などで物を動かす場合もこのルールを使う。{身体}の代わりに、スペルや能力毎に規定されている数値(「{知性}+[該当する能力]Lv」などと規定してある)を用いること。

財産

 日用品や食料、金銭などのキャラクターの細かい所持品の量の目安として「財産」を用いる。財産は(幻想郷が明治時代付近に隔離されたことを考慮して)円と銭で表す。
 情報の購入や何らかの作業の依頼など、細かい取引は、データ上では「財産のやりとり」で行う。財産は貨幣のみではなく、食料品や日用品、さらには魔法に使用するごく一般的な消耗品(符の材料になる紙や染料、薬草、鉱物など)、といった広範囲な物全体を示すと見なすため、ほとんどのキャラクターに対して財産による取引を行って良い。「財産による取引」では、貨幣が通じる相手であれば貨幣で、食料を優先する相手であれば食料で、魔法使いであれば魔法的な物品で、それぞれ取引を行っていることになる。(あるいは、食料などによる取引を行った結果を財産の増減として解釈する、と考えても良い。)
(例えば、「誰かの居場所を教えてもらう代わりに1 日分の獣肉をあげる」という取引を行った場合、データ上では5銭~10銭程度の財産の受け渡しとして処理する、ということ。)これら細かい物品の間の交換は、人間や妖怪と出会える状況であればかなり簡単に行えるとする。このため、各キャラクターの手持ちの財産が具体的にどのような物であるのかは、不自然でない範囲であれば、自由に状況に合わせて変更して良い。

通貨

 幻想郷では円と銭が通貨として流通しているとする。1 円=100銭で、1銭を現代の感覚では100円程度とする。但し、通常の意味で言う「貨幣経済」が浸透しているわけではないことに注意。人里や妖怪の山などを中心に、「貨幣の意味を認める者」の間でだけ流通する。簡略化のため、流通しているお金や相場は同一の物であるとする。(人里と妖怪の山での貨幣の違いなどを中心に置いたシナリオでセッションを行いたい場合などは、GMが設定すること)
 加えて、基本的に生活用品や食料は自給自足や物々交換で取引されることが多い。このため、貨幣の意味を認めている者の間であっても、貨幣の価値は「とりあえず他の品との交換ができるもの」という程度でしかなく、その価値も流動的で曖昧なものである。「1銭」のお金の価値は、取引や交渉、都合次第で10倍にも10分の1にもなる。

1日の生活費

 食費は5銭~10銭程度とみなす。〈食料採集〉があり、周囲に森や山、川などの自然環境があって、キャラクターが行動可能であれば、(〈食料採集〉Lv) 人程度の毎日の食料には不自由しないとする。

取引

 取引は基本的には物々交換となる。どちらかと言えば、財産や通貨は数値的な目安にすぎない。基本的に、相応の場所に行ったり、人物に会ったりすることができれば、同程度の価値の生活用品や食料、金銭の間での取引は問題なく行えるとしてよい。値切り交渉などを楽しみたければロールプレイをするか、〈商売〉〈言いくるめ〉等の判定を行うこと。もちろん、現実世界と同じように、非常に稀少な物品の場合、金銭やその他の物品との取引は絶対に応じない、という場合もあり得る。参考として、また簡略化のため、いくつかの相場を指針としてあげておく。もちろん、これらに必ず従わなければならないわけではない。

  • 宿代(泊めてもらった謝礼):10~50銭
  • 近接武器:10 円~500円
  • 魔法のアイテム:最低で、魔法のアイテムの項で取得するコスト×5(円) 程度は必要。相手が取引に応じる場合に限る。

遮蔽

 戦闘中に構造物などを遮蔽に使う場合、あるいは属性使いの[生成]などで遮蔽を作る場合、以下のように扱う。

  • 体がすっぽり収まる程度(2m×2m程度) の広さがあるか、片側を包み込むような形でなければ遮蔽として機能しない。
  • 遮蔽がある場合は隠れている者へ攻撃を行うことはできない。
  • 遮蔽に隠れている者は攻撃を行えない。
  • 遮蔽を狙った攻撃は判定無しに命中する。
  • 遮蔽は強度を持つ。ダメージはダイスを振って決める部分を無視し、固定値の分だけ遮蔽の強度
    を減らす。
  • 強度が0以下になるような攻撃を受けた場合、遮蔽は消滅する。遮蔽に隠れているキャラクター
    へのダメージはないとする。
  • [生成]のスペルによる遮蔽の強度は([属性使い]Lv×4)として扱う。
  • 通常の物体による遮蔽の強度は、属性使いの大きさ表などを参考にGMが適宜決めるとよい。

(ver1.2から改訂なし)