妖術のルール

Last-modified: 2017-07-07 (金) 01:57:43

妖術に関するルール

妖術の習得

 [妖術]は、ルール上は「[魔法]の個々のスペルを独立したレベルを持つ能力として習得する」ものとして扱う。但し、幾つか[妖術]独自の能力も設定されている。これらについては、「妖術リスト」を参照。[属性使い]と組み合わせる場合を除き、人間は[妖術]を習得できない。
 キャラクター作成時には、種族能力などで明記されている場合を除き、[妖術]は4Lv までしか習得できない。また、戦闘系と精霊系のスペルは[妖術]として習得できない。[エモーション]など、[妖術]として習得する場合は扱いが異なるスペルも存在する。
 [妖術]のコストは、特に記されていなければ「妖術のコスト表」に従う。
 1人のキャラクターが習得可能な[妖術]の数は、「(最も高い[妖術]Lv)+2」個までとする。種族能力などの中には、[妖術]の習得数制限に含めないものもある。

妖術のコスト表

レベル(Lv)0→1→2→3→4→5→6→7→+1
妖術のコスト12468101212

成長における取得に関して

 [妖術]を成長させる場合、成長によって得た能力コストのうち60%(切り上げ)までしか使用できない。
 [妖力]や[妖術]は妖怪の特徴を示す能力であり、魔法などのように体系が見いだせるものではないため、新しい[妖術]を習得するためには、個々の妖怪が自分で能力を編み出さなければならない。また、新しい[妖術]の習得は妖怪としての特徴の変化と見なすべき状況もある。これらのことを踏まえて、[妖力]や[妖術]を習得する際には、どのような能力を持つキャラクターであるのかイメージをはっきりさせること。GMは明らかに繋がりのない[妖力]や[妖術]の習得を認めなくてもよい。
 また、能力の習得までに時間がかかることにして、月~年単位の時間経過のある場合のみ習得を許可する、といった扱いでもよい。原則的に、1回の成長で新規に取得できる[妖力]または[妖術]は1つまでとする。

スキルとの組合せ

 [妖術]は、スキルと組み合わせて習得することで「歌によって相手を眠らせる」といった能力として扱うことができる。この場合、以下のようなルールに従う。

スキルと組み合わせた妖術の習得
 [妖術]の習得の際に、スキルを指定して「組み合わせた妖術」として習得することができる。このとき、組合せる(スキル)Lvが[妖術]Lv以上でなければならない。[妖術]Lvを(スキル)Lvより高く成長させてもよいが、この場合は[妖術]Lvを(スキル)Lvで代用する。
 加えて、習得の際にスキルに適した{特性値}を1つ指定する。この[妖術]の発動判定では、{知性}ではなく指定した特性値を使用する。
発動判定に使用する特性値の変更
 組み合わせたスキルに応じて、発動判定で使用する特性値を変更できる。特性値は組み合わせた[妖術]の習得時に決定し、それ以後変更することはできない。特性値は、プレイヤーの設定した能力に対するイメージを考慮しつつ、GMが決定すること。通常は、そのスキルを使用する際によく用いられる特性値となる。
 一般的な組合せの例を挙げておくと
  ・〈踊り〉:{身体}
  ・〈叫び〉:{耐久}
  ・〈歌〉〈絵画〉〈料理〉など:{感覚}
  ・(文学):{知性}(組合せの効果は得るが、元の特性値から変更しない)
  ・〈凝視〉:{意志}
等が考えられる。
発動判定ボーナス
 スキルとの組み合せを行った[妖術]は、発動判定の判定値に+1 のボーナスを得る。
発動時の制限
 組み合わせた能力をどのようにスキルと組み合わせて発動しているかは、習得時に設定しておくこと。組み合わせた[妖術]の発動は、設定したスキルの使用(どのようにスキルを組み合わせているとイメージするかに依存する。習得時に決めておくこと)が可能であることが条件になる。例えば、声の出ない状況では〈歌〉による発動を試みることはできない。必ずしも対象が対応する行動の影響を受けなければならないわけではない。例えば、耳の聞こえない相手に〈歌〉と組み合わせた妖術を使用してもよい。
 〈絵画〉〈文学〉(詩など)〈料理〉といった、「何かを製作する」スキルと組み合わせている場合、「その場で簡単に何かを作る作業をしている」と解釈してもよいし、「あらかじめ作った物をその場で取り出している」と考えてもよい。こういった物品は、必ずしも相手に見せたり食べさせたりする必要はない。当然、対応する物品を明らかに所持していない状況では使用不可能とする。GMは場合によっては持ち物を確認し、不自然ではないか裁定しておくこと。
 元々物品を作成しておく形でスキルと組み合わせた[妖術]を発動しても、発動はその場で行っていることに注意する。例えば[妖術]と組み合わせる予定で絵を描いていたとしても、[妖術]の発動判定や霊力の消費は発動時に行う。
 スキルとの組合せを行って習得した[妖術]を、「組み合せをしない場合の通常の[妖術]」と見なし、{知性}を用いて判定を行うことはできない。必ず「組み合わせた[妖術]」として使用する。
妖術の使用を隠す
 スキルと組み合わせを行っている[妖術]の場合、対応するスキルの判定に対して{意志}+〈抵抗〉または{感覚}+〈感知〉判定(いずれも3D まで)に成功しなければ、抵抗の成否にかかわらず、[妖術]の使用に気付かない。
 抵抗は通常通りに行うが、自分が能力の対象になった事実に気付くことはなく、この時点で能力が使用された事に気付くこともできない。抵抗に失敗した場合は通常通り能力の影響を受けるが、能力による影響と断定することはできず、使用者も特定できない。例えば[スリープ]の影響を受けた場合、自然に居眠りをしたものと錯覚する。明らかに自分が居眠りをするとは思えない状況でも、能力による効果であると自動的に気付くことはない(もちろん、プレイヤーが状況から類推することは自由)。

属性使いとの組合せ

 スキルとの組み合わせと同様、[属性使い]と組み合わせてもよい。詳しいルールについては、「属性使い- 妖術との組合せ」の項を参照。この場合に限り、人間であっても妖術の習得が可能になる。

発動にかかる時間

 特に書かれていない限り、10秒程度の時間があれば1つのスペルの発動を行うことができる。戦闘シーンであれば、1ターンに1つのスペルを使用できる。

妖術の発動条件

 [妖術]を発動する場合、特に組み合せを行っていないのであれば、動作などは必要ない。対象とするキャラクターや物体、あるいは範囲が効果範囲内であり、かちこれらを術者自身の視覚で捉えているか、位置を正しく把握していなければならない。発動に十分な時間があれば、[妖術]を発動させることができる。
 組み合せを行っているのであれば、組み合せの際の指定に応じて決まる。

妖術の消費霊力

 [妖術]を発動する場合、「組合せ」を行っているか否かに関わらず、消費霊力を「[妖術]Lvの半分」(切り捨て)だけ軽減できる。最小で1点は消費する。

抵抗判定

 スペルの説明で「精神抵抗を行う」と書いてあった場合、対象は「10+[妖術]レベル+達成値× 2の十の位」を目標に{意志}+〈抵抗〉で判定を行い、失敗した場合にはスペルの解説通りに効果を受ける。(例えば、妖術[スリープ] レベル4のキャラクターが妖術[スリープ] をかけて、達成値26を出した場合、抵抗目標値は10+4+5=19)精神抵抗以外の場合も、抵抗判定の目標値は同じようにして求める。術者が事前に3分以上集中した場合、抵抗目標値に+5できる。集中している間はその場を動くことができない。
 「抵抗を行う」と明記されていないスペルについても、かけられる相手に拒否する意志があれば、同様のルールで精神抵抗を行って効果があるか否かを決定してよい。但し、キャラクターを対象とするスペルであるか否かに注意すること。

コラム:スキルとの組合せに関して

 スキルとの組合せには様々なイメージが可能なため、最終的に「あるスキルの使い方と[妖術]の組合せを認めるべきか」は、どれだけプレイヤーの説明が上手いかどうかになってしまいます。例えば、「相手に歌を聴かせて眠らせる」という[妖術]であれば、相手が歌を聴けない状況であれば能力は有効でないと見なすべきかも知れません。しかし、「相手を眠りに誘う歌を歌っている(=相手が聴いているかどうかは関係ない)」と設定したならば、この制限を回避することができます。後者のような設定は都合が良すぎると言うのであれば、結局はどこまでが適切でどこからが不適切なのか線引きが必要になってしまいますし、そうした縷々を納得のいくように、かつ一般の状況で適用可能なように設定することはあまり現実的ではありません。
 こうした問題を考えて、千幻抄では、「あまり厳密なことは言わず、原則としてどのような
形の組合せも許可する」「妖術の効果への制限は、発動時の術者の行動程度に留め、それ以上は厳密にしない」というスタンスで扱うことにしていますし、このような扱いをGMに推奨します。組合せの利点に見合うだけのコストは、スキルを習得する時点で十分支払われていると考えて構いませんし、よほど異様な組合せでない限り十分な利点を与えるべきです。(状況による制限などを課すことで習得コストなどを軽減できる、というルールにする手もありますが、現状からさらに煩雑さを増しすぎる可能性などを考慮して導入していません)