イギリス海軍コンビーフ

Last-modified: 2018-01-29 (月) 08:26:06

基本データ

File not found: "Cookbook_4.png" at page "イギリス海軍コンビーフ"[添付]名称日本版イギリス海軍コンビーフ
効果対象艦
イギリスの巡洋戦艦
上昇値持続時間
装甲+1060分
調理に必要なコスト
燃料150弾薬50
鋼材75ボーキ60
備考
 

解説

  • コンビーフは牛肉を保存用に塩漬けしたもの。
    コーンは現在ではとうもろこしを指すが、中世頃では粒状のもの全般をコーンといい、麦粒や塩粒もコーンだった。
    また動詞でコーンは塩をすり込むという意味にもなる。
  • 人類が畜産を始めた中では牛は比較的古くから利用されてきた生き物であり、約8000年前にはその起源を見ることができる。
    しかし他の畜産動物(豚、鶏、羊等)と比べて牛はその巨体ゆえに解体・保存に大変な労力が必要とされた。
    一般的な食用牛の体重は小柄でも500kgを超え、可食部はそのうち25%程度である。
    これは80~90kgで可食部が50%程度の豚と比べて明らかに労力を要し、また効率もよくない。
    冷蔵庫もない時代大量の肉を長期保存するためには塩漬けや燻製など加工を必要とするが、その労力は大変なものであった。
    このため牛肉は大抵の場合、お祭りなど「人が大勢集まる場面」に供されるものだった。
    大勢の人間が一度に食べるなら大量の肉は保存セずともすぐに消費されるからである。
  • 一方で牛はまた、世界各地においてその力強さから神聖なもの、特別なものとして見られていた。
    ヒンドゥー教における牛の神聖視は有名だが、他にも多くの国で牛は神の家畜として相応しい力強さを持つ生き物と考えられていたし、
    あるいは神の力を表す象徴として牛に化けたり、牛頭の姿を取るなど、牛は優れた力を持つイメージを持たれていた。
    そこから発展して、牛肉や牛骨から取ったダシによるスープは牛の力強さを分け与えてくれる、薬効があることもまた長く信じられていた。
    病人食として牛骨から取った濃いダシ汁のビーフティーはクリミア戦争の最重要補給物資の一つであったし、ビーフブロスは今日再び健康食として見直されている。
  • さて近代に入るまで牛肉はかなりの贅沢品であったが、大量に消費するあてのある部署では牛肉食はよりポピュラーであった。
    一例として500人の人間に200gの肉を提供するためには、豚を5匹解体するより牛1頭を解体するほうが楽である。
    こうしたことから人の集まる軍隊では必然的に、牛肉食は比較的普及することになった。
    また軍隊は人を集める方法として贅沢な食事すなわち牛肉を勧誘の謳い文句にしたこともある。
    さらに前述の薬効などは過酷な運動を強いられる軍隊特に海軍でうってつけとされた。
    大抵の軍隊は大きな牛の塊肉を塩漬けにしたものが積み込まれ、樽に水を張って塩抜きし、調理される。
  • 1485年、イギリスでは当時の自作農だったヨーマンと呼ばれる人々が、国王直属の義勇軍として馳せ参じるようになった。
    彼らは国王の親衛隊であるヨーマン・オブ・ザ・ガードと王宮の警護やロンドン塔に幽閉された重要囚人の看守という役割のヨーマン・ウォーダーズとなった。
    そのヨーマンたちに支払う給金として現金以外に牛肉の塊を直接支給されていたことから、ビーフイーターと呼ばれている。
    (ジンのビーフィターはこのヨーマンのように力強い香りを持つことから名付けられた)
  • イギリス人の牛肉食嗜好は他のヨーロッパ諸国よりも顕著に高かったと言われ、17世紀頃の牛肉を食べられるそこそこ裕福な家庭は、日曜の教会へ向かう前にオーブンで大きな牛肉の塊をローストするか、
    教会への道すがらにあるパン屋で、朝のパンを焼いた予熱の残るかまどに肉を預けて教会へ向かい、礼拝を済ませると程よく火の通った牛肉を食べ、一週間の残りはその肉をシチューにしたり冷たいまま野菜と混ぜて食べたりした。
    このようなイギリスの質素で単純な食習慣は、豊かな食習慣文化を誇る他のヨーロッパ諸国から嘲笑の的だった。
    17~8世紀のヨーロッパ、特にフランスにおいて「ロスビフ」といえば牛肉ばかり食べる舌の貧しいイギリス人への嘲笑的なあだ名である。
  • 19世紀に缶詰食が軍隊の保存食として脚光を浴びると、こんにち我々のよく知る牛肉をほぐし身にして加熱調理し、脂分と混ぜたコンビーフが調理も勘弁なため軍隊へ急速に普及した。
    日本海海戦においても戦艦三笠の海戦時の昼食はコンビーフだったと言われる。
    イギリスでは第一次世界大戦でほぼすべての艦に配備された。
  • 日本でコンビーフが一躍有名となったのは1923年の関東大震災で、アメリカからの支援物資に大量のコンビーフ缶が含まれていたことがきっかけとされる。
    当時アメリカにはフラッシュデッカーズと呼ばれる300隻もの駆逐艦が配備されており、緊急の支援策として高速の駆逐艦を移動させ、艦内の余剰食料を放出したのだった。

コメント

  • 舟の形に削る、それと皿を割るんじゃありません -- 2017-12-09 (土) 16:10:35