基本データ
File not found: "Cookbook_4.png" at page "シュールストレミング"[添付] | 名称 | 日本版 | シュールストレミング | |
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効果対象艦 | ||||
すべての小型艦船 | ||||
上昇値 | 持続時間 | |||
火力+7 | 50分 | |||
調理に必要なコスト | ||||
燃料 | 100 | 弾薬 | 75 | |
鋼材 | 50 | ボーキ | 25 | |
備考 | ||||
解説
- スウェーデンで生産・消費されるニシンの発酵食品とそれを缶詰にしたもの。
シュール(酸っぱい)ストレンミング(バルト海産ニシン)という意味。 - ヨーロッパでは古代から、内陸部でブタや牛、羊や鶏といった畜肉をタンパク源としてきたが、海岸部ではそれらの飼育が難しい分、
群遊していて大量に捕れる魚類、特にタラやニシンを重要なタンパク源としていた。
そして魚の来ない時期にも食べられるよう、保存加工が施されたが、その方法は大量の海水を天日に干したり、加熱して水分を蒸発させることで作られた塩を用いた塩漬けであり、
内陸部などにも運ばれて食されていた。 - スカンジナビア半島は周辺を良質な漁場で囲まれた場所であったため、ここに住み着いた人々も当然漁業は主要なタンパク源であった。
ところがスカンジナビア半島は日照時間が短く、日光の力も弱く、更に暖を取る燃料(木材)の生育も遅いため少ないことから、
塩の生産は大量の保存食を作る需要に対して全く追いついていなかった。
このため1年を通じて安定してタンパク源を得るために必要な保存方法はとても限られた。
天日干しや寒冷な気候を活かした冷凍保存は秋冬に限られるため、春に大量に捕れるニシンの保存は温暖な地域よりずっと難しかったのである。 - しかし難しいからと言って諦めては餓死してしまう。
スカンジナビア半島の人々は少ない塩で貯蔵する方法をあれこれ考えた。
一般に塩漬けには大量の塩を食品にすり込む乾式塩蔵と、濃い塩水に付ける湿式塩蔵がある。
湿式塩蔵は塩の量が少なくて済むのだが、長期保存にはやはり定期的に塩水の濃度を調整・交換が必要になる。
彼らはこれを限界まで塩を節約するために薄め、交換せずにおいてみた。
果たして魚は猛烈な臭気を発したが、それは食べられなくなるような腐敗ではなく、臭いさえ我慢すれば食事に耐えうる発酵となることに気づいたのである。
こうして中世にはスカンジナビア半島でこの世界でもまれに見る強い臭気の発酵食品が食されるようになった。
保存が効くことから軍用食に採用されたことが17世紀の史料に記述されている。 - 19世紀に入ると缶詰製造法の普及により世界各地で保存食品の缶詰化が行われた。
塩漬け牛肉を缶詰加工したコンビーフ、塩漬け豚肉のスパム、塩漬けイワシのアンチョビなど多くの保存食が缶詰として流通したが、
これらは缶への封入時に滅菌処理されるため、発酵や熟成はその時点で止まる。
しかしシュールストレミングは発酵を継続させるために滅菌処理されなかったため、封入後も発酵が進行する。
このため缶の内部で発生したガスが缶を膨らませる他、開封時に噴出する恐れもある。
これは発酵の進行を止めると直ちに腐敗するためであり、また発酵が進みすぎると魚体が分解され尽くしてしまうので、
製造から二ヶ月以内に消費することが望ましい。 - 日本にも似たような塩を節約した結果発酵が進んで異臭を放つ干物「くさや」が存在する。