No9 ロドニー/元ネタ解説

Last-modified: 2018-11-11 (日) 21:58:38
所属Royal Navy
艦種・艦型ネルソン級戦艦
正式名称HMS Rodney (29)
名前の由来George Brydges Rodney, 1st Baron Rodney(1718-1792)イギリス海軍提督 数々の戦闘を戦い抜いた。特に1782年のアメリカ独立戦争のでフランス軍に勝利したことが良く知られている。特に仏海軍との戦闘で"breaking the line(ラインを破る戦術)"を開拓した指揮官として有名。
愛称Rodnol, Ronnie
モットーNon Generant Aquilae Columbas(Eagles do not breed doves)
起工日1922.12.28
進水日1925.12.17
就役日(竣工日)1927.11.10
退役日(除籍後)1946 1947除籍(1948.3.26解体)
全長(身長)216.4m
基準排水量(体重)33950英t(34495t)
出力Admiralty式重油専焼缶8基Brown Curtis式蒸気タービン2基2軸 45000shp(45624.1PS)
最高速度23.0kt(42.60km/h)
航続距離12.0kt(22.22km/h)/16500海里(30558km)
乗員1341~1361名
装備(1945)16inch45口径Mk.I三連装砲3基9門
6inch50口径Mk.XXII連装砲6基12門
4.7inch40口径Mk.VIII単装高角砲6門
ヴィッカース2ポンド機関砲x48(6x8)
20mmエリコン機関砲x68(2x5+58x1)
装甲舷側:13~14inch 甲板:4.25~6.25inch 砲塔:7.2~16inch(主) 1~1.5inch(副) バーベット:12~15inch 艦橋:6.5~14inch 隔壁:4~12inch
建造所Cammell Laird,Birkenhead, Merseyside
(キャメル・レアード社 イングランド国北西イングランド地域マージーサイド州バーケンヘッド市)
  • ネルソン級の設計内容についてはネルソン参照。
  • ロドニーはネルソン級2番艦として起工され、第二次大戦の勃発までを大西洋艦隊で過ごした。
    その間、試作のレーダーなどを装備して運用テストを行い、英海軍としては初めてレーダーを装備した戦艦となった。
    開戦後は大西洋を通ってくる商戦を攻撃するドイツ海軍を追いかけ回していたが、舵に重大な故障が発生し一ヶ月間修理を受ける。
    1940年5月にはドイツ軍機から攻撃を受け500kg爆弾一発が直撃するものの、爆弾は不発で上甲板を貫通したあと、船内の装甲甲板を滑落して外に出ていった。
    40年末には通商破壊を繰り返すグナイゼナウシャルンホルストの追撃戦に参加したが空振りに終わる。
  • 1941年5月、ロドニーは商船護衛に付いて大西洋を航海中だった。商船には民間人の他、アメリカのドックでロドニー自身の近代化改修を行うための装備なども積まれており、復路ではカナダ軍を乗せて帰国する予定であった。
    だが、ドイツ戦艦ビスマルクが出撃し、交戦したフッドが撃沈された。さらにアーク・ロイヤルの追撃により船速が大きく低下したビスマルクを追撃するため護衛を離れ、戦艦キングジョージ5世と共にビスマルク追撃戦に参加した。
    1941年5月27日午前8時47分、距離2万2千mから砲撃を開始。15分後ロドニーの主砲がビスマルクの前部に命中、1番2番砲塔の旋回が不可能になる。
    さらにキングジョージ5世の砲撃により3番砲塔も使用不能に陥り、速力も出せず砲塔1基のみとなったビスマルクに対して生まれて以来バカにされ続けた主砲の前方集中配備を最大限に発揮するポジションを取ったロドニーは、艦首に装備された24.5inch水中魚雷発射管から魚雷12発全弾を発射、1本をビスマルクの右舷に命中させながら更に突進し、最終的には距離2700mまで接近して主砲340発、副砲716発を発射して主砲塔を完全に破壊。
    約90分の戦闘後、燃料不足とビスマルクの退艦準備が始まったのを見届けると、ロドニーは戦域を離脱した。
  • ビスマルク追撃戦により一躍欠陥戦艦の汚名を濯いだロドニーだったが、代償として予定されていた近代化改修は遅れ、英国本土で応急的に行われたものの、船体のリベット構造に欠陥が見つかり漏水に苦しんだ。
    しかし戦局は厳しくロドニーは地中海やアイスランドを往復し、1942年以降エンジンのオーバーホール無しで156,000海里を航海し、シチリアやサレルノの上陸支援砲撃、ノルマンディの支援砲撃などを行うと、ムルマンスクへの船団を護衛したのち、1944年12月からは本国艦隊旗艦としてスカパ・フローに係留され、以降外に出ることはなかった。
    44年に一度近代化改修案が持ち上がったが、終戦が見えてきたため取りやめとなっている。
    1948年2月、除籍され翌月解体。

小ネタ

  • 世界七大戦艦と称された長門型やコロラド級、ネルソン級はこの時期の標準装備として戦艦であってもより格上の敵との交戦などを考え、水中魚雷発射管を装備していた。
    長門型やコロラド級は開戦前の近代化改修によって撤去されていたが、ネルソン級のみ近代化改修していなかったため開戦時は装備されたままであり、ロドニーがビスマルクに命中させた魚雷は大戦中戦艦が戦艦に命中させた魚雷の唯一の例である。
    最終的にネルソン級も魚雷を外している。