バンクーバーオリンピック 男子1000m準決勝

Last-modified: 2017-09-29 (金) 20:15:45

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4名中上位2名が決勝に進出する。3位と4位は順位決定戦へ。
Q=決勝進出 QB=順位決定戦進出 ADV=救済措置で決勝進出 DSQ=失格
OR=オリンピックレコード WR=ワールドレコード

 

Semifinal1

<スタートリスト>

選手名(英語表記)選手名(日本語)年齢国名世界ランク1500mその他の情報
1J.R. CelskiJ.R.セルスキー19アメリカ-銅メダル世界選手権3位
2Lee Ho-Sukイ・ホソク23韓国6位12位トリノ銀,世界選手権1位
3Francois Hamelinフランソワ・ハメリン23カナダ4位-
4Lee Jung-Suイ・ジョンス20韓国1位金メダル

本命の韓国勢2人に、アメリカ2番手のセルスキー、カナダ2番手のハメリン弟が挑む。
韓国はどちらか1人は突破できるだろうが、2人とも突破できるか、それとも
北米勢が意地を見せるのか、が注目である。

 

<レース展開>
セルスキーが先頭に立ち、フランソワ・ハメリンが続く。北米2人がやはり前へ。
1500m金メダルのイ・ジョンスが3番手、イ・ホソクは4番手を進む。

 

残り5周半。フランソワ・ハメリンが内からセルスキーをかわし、先頭へ。
ここまでややスロー。ここから一気にペースが上がる。

 

残り3周半。韓国2人のうち、まずは3番手のイ・ジョンスが外からセルスキーへ並んでいく。
しかし、その次のコーナーでやや外に滑り、前に上がれない。

 

残り3周。今度は最後尾のイ・ホソクが大きく外を周って勢いをつけ、前を伺うが
前の2人がかなりペースを上げており、こちらもまた、上がることができない。
ここまでは北米2人にとって理想的な展開。

 

しかし!残り2周。もう一度イ・ホソクが大きく外を周って勢いをつける。
そして残り1周半。一気にインへ飛び込む。前の3人の間に割って入るスペースがあるのか!?
そんな見る者の心配をよそに、1人,2人,3人・・・前の3人全員を一瞬でかわして先頭に躍り出た!!
これはすごすぎる。このスピードの中1回のストレートで3人抜くなんて、どんな加速力なんだ・・・!!

 

すると残り1周、韓国が1人前に出たタイミングを狙っていたのか、
セルスキーがフランソワ・ハメリンをかわして2番手に上がり、決勝進出へ粘りこみを図る。うまい。
しかし・・・かわした瞬間にバランスを崩し、減速してしまう。

 

ハメリンにとっては、セルスキーに前に入られたと思ったら減速。前がつっかえてしまい、
次のコーナーを曲がる途中でバランスを崩して転倒する。
また、バランスを崩した際にハメリンがセルスキーの腰を持ったことで、セルスキーはさらに減速。

 

残り半周。完全に減速したセルスキーを、インからイ・ジョンスが悠々と捉えて2番手に上がる。
終わってみれば、韓国2人、余裕のワンツーであった・・・

 

<結果>

1着Lee Ho-Sukイ・ホソク韓国1.25.347Q
2着Lee Jung-Suイ・ジョンス韓国1.25.560Q
3着Francois Hamelinフランソワ・ハメリンカナダ1.45.324A
J.R. CelskiJ・R・セルスキーアメリカDSQ

ラップ(合計) :12.46-22.05-31.21-40.04-49.16-67.23-76.23-85.13
ラップ(周ごと):12.46-9.59-9.16-8.86-9.12-8.07-9.00-8.90

 

セルスキーは、ハメリンをかわした直後に減速してハメリンを転倒させたとして、失格。
ただ、セルスキーにしてみれば、しっかりかわした後の出来事であり、
むしろその後に腰を持たれて減速させられたことに不満を感じているようにも見えた。
この判定が正しいのかは、正直、やってる人じゃないとわからないな。解説者は判定を支持してた。

 

ハメリンはその被害者であるが、転倒した時点で3番手であり、救済されるか微妙?だったと思うが
結局、2番手から3番手へかわされる途中の出来事と判断されてか、救済措置が適用された。
場内は大盛り上がり。転倒はかなり痛そうだったけど、命拾い。

 

もしセルスキーがバランスを崩していなかったら、セルスキーとイ・ジョンス、どっちが勝っていたのか気になる・・
セルスキーとしてはたぶん思い通りのレースだったはず。バランスを崩したことだけ除けばね。

 

イ・ホソクの強烈なパフォーマンスが印象に残ったレースだったが
派手に勝ったイ・ホソクより、結果的に省エネで決勝進出したイ・ジョンスの方が
実は勝ち組・・・だったのかもしれない。

 

Semifinal2

<スタートリスト>

選手名(英語表記)選手名(日本語)年齢国名世界ランク1500mその他の情報
1Sung Si-Bakソン・シバク22韓国5位5位
2Charles Hamelinチャールズ・ハメリン25カナダ3位7位
3Apolo Anton Ohnoアポロ・アントン・オーノ27アメリカ2位銀メダルトリノ銅,世界選手権2位
4Han Jialiang韓 佳良22中国13位-

カナダのエース・ハメリン兄、アメリカのエース・オーノと
韓国の中ではこの距離では3番手と思われるソン・シバク。ほとんど実力が同じと思われる3人が揃った。

 

<レース展開>
積極的なレースが持ち味のチャールズ・ハメリンがここもスタートから先頭に立つ。
格下の韓佳良が2番手につけ、以下、ソン・シバクが3番手、オーノが4番手。

 

残り7周。ソン・シバクがインをついて韓佳良をかわし、2番手に上がる。
この際、2人のブレードがぶつかって韓佳良がバランスを崩し、4番手に後退。
早くも3強が前の3人となる。

 

残り4周半。一瞬わずかにペースを緩めたハメリンを、ソン・シバクがかわして先頭へ。
韓国勢→ハメリン→オーノの順といえば、1500mの準決勝第1組と同じ展開である。
その1500mでは、オーノが最後ハメリンをかわして、ハメリンを敗退に追いやったが、今回はいかに・・・!?

 

やはり今回も、オーノがじわじわと前を伺うような姿勢を見せる。
そして残り1周。先に仕掛けたのは・・・オーノではなく、ハメリンだった。
チャールズ・ハメリンがインをついてソン・シバクをかわしたのだ!!まだ前をかわす体力があったとは!

 

そして残り半周。今度は、3番手のオーノがインをついて、前の2人をまとめてかわし去った!!
ソン・シバクは本人も予想外だっただろうが、3番手に後退!

 

しかし諦めない。最後のストレートでインに飛び込む。
ハメリンも負けじとインへ。3人ほとんど並んでゴール。しかしオーノはわずかにトップを取った。

 

2着争いは・・・?カナダのコーチはガッツポーズ。場内も大盛り上がり。
しかし、ゴール前のスロー映像が流れると、なんとも微妙。場内も静まり返るが・・・

 

<結果>

1着Apolo Anton Ohnoアポロ・アントン・オーノアメリカ1.25.033Q
2着Charles Hamelinチャールズ・ハメリンカナダ1.25.062Q
3着Sung Si-Bakソン・シバク韓国1.25.068QB
4着Han Jialiang韓 佳良中国1.25.462QB

ラップ(合計) :12.50-22.04-30.92-40.26-49.24-58.13-67.11-75.99-84.92
ラップ(周ごと):12.50-9.54-8.88-9.34-8.98-8.91-8.98-8.88-8.93

 

2着争いは、100分の6秒差でハメリンに軍配。場内もほっと安堵の声。
1500mに続き、1000mも韓国勢のワンツースリーはこれでなくなった。
実力的には、起こっても決して驚けないことだったが、ここは北米勢が意地を見せた。

 

Semifinals → B Final

通過順位選手名選手名(日本語)タイム
3着Sung Si-Bakソン・シバク韓国1.25.068QB
4着Han Jialiang韓 佳良中国1.25.462QB

以上が順位決定戦(5-8位決定戦)に進出。

 

Semifinals → A Final

通過順位選手名選手名(日本語)タイム
1着Apolo Anton Ohnoアポロ・アントン・オーノアメリカ1.25.033Q
1着Lee Ho-Sukイ・ホソク韓国1.25.347Q
2着Charles Hamelinチャールズ・ハメリンカナダ1.25.062Q
2着Lee Jung-Suイ・ジョンス韓国1.25.560Q
3着Francois Hamelinフランソワ・ハメリンカナダ1.45.324A

以上が決勝に進出。