作品集200

Last-modified: 2017-07-16 (日) 19:28:17
悪の象徴 ~ ○月×日 布都様とデートした。たのしかった。  烏口泣鳴氏

【作品集】200
【タイトル】悪の象徴 ~ ○月×日 布都様とデートした。たのしかった。   
【書いた人】烏口泣鳴氏
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/200/1412499959
【あらすじ&感想】
せいがとふとがふたりでたのしいテーマパークにいきました。
ふたりはいっしょにパフェをたべたり、ジェットコースターにのったりしました。
レストランでおさけをのんでパレードをみてわらいあってとてもゆういぎなじかんをすごしていました。
とてもよかったです

この作品の青娥ときたら他人が絶望したり弱みを見せたりするところが大好きで、
そのためなら笑顔で人を操ったり、他人の痛いところをついたり、食べ物を粗末にしかけたり、
弱ってる相手にその場の思い付きででた言葉を吹き込んで丸め込もうとしたり怒らせたりする『悪』と呼ぶにふさわしいキャラだった
相方の布都もなにかにつけて焼き払おうとするわ、身長が足りないのに遊具に乗ろうとするわ、他人の気遣いを無碍にするわ、
粗相はするわ、グラスを割っちゃうわ、太子様のせっかくの誘いを断るわと見事な『悪』だった
そんな似た者同士の二人の、青娥の一人相撲のくせにきちんと押し合い引き合いしてるデートの一日を書いた作品

私はただただ、こいねがう。  肥溜め落ち太郎氏

【作品集】200
【タイトル】私はただただ、こいねがう。  
【書いた人】肥溜め落ち太郎氏
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/200/1412389292
【あらすじ&感想】
時は2000年1月。ボストン、ハイウェイ一二八号線沿いのサイバーシティに彼女は潜んでいた。
「死んでたまるか。私は知識と添い遂げる。」
ただそれだけを考えて、魔女パチュリー・ノーレッジはとあるバイオベンチャー企業の一員として人間に、社会に、科学に潜り込んで生きていた。
ある日パチュリーは同僚の管理していた研究サンプルから自社の中に強力なオカルトの存在を認識する。
その存在を確かめるために倉庫に忍び込んだパチュリーを待っていたのは銀糸の髪の吸血鬼だった。

現代を舞台として魔女としては落ちぶれたパチュリーを中心にオカルトと科学、オカルトと社会、オカルトと恋を書いた作品。
途中の科学の分野の専門用語についてははっきりいってまるでわからなかったが特に問題なく読めたのでご安心。
それでもよくわからない言葉を羅列されるとうんざりしたり、飽きたり、めんどうになったりするかもしれないがその時は諦めてページを閉じよう。
テンポがよくてさっぱりした会話は読みやすいが、発言者を見失うこともたびたびあって困った。
もしかしたら現実の裏側でも恋をしたオカルトがこうして犠牲になって社会が発展してるのかもしれない。
独自設定と、ボリュームと、気合いの詰まった作品だった。
紅楼夢10頒布作品だそうだが、とりあえず創想話で読むのは無料なので読んでもいいんじゃないだろうか。

タグに関しては霊レミタグは最後まで読んだ時に意味が分かる、そういうものなので霊レミを期待して読むのはやめた方がいい。

竹の花と、鈴の音と  珈琲味のお湯氏

【作品集】200
【タイトル】竹の花と、鈴の音と   【書いた人】珈琲味のお湯氏
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/200/1412091416
【あらすじ&感想】
病的に白い肌、静脈さえ青く浮き上がっている首筋。
鈴仙が明らかに異様な状態のてゐに声をかけたときに返ってきた言葉は
「そろそろ、寿命の時季だね。一回死ぬから」
「あなたはてゐの事を何も、分かっていないのよ?」
鈴仙はてゐのため、そしてなにより自分のために迷いの竹林の最奥、
てゐのもっとも深い部分へとてゐを探しに行くことにした。

長生きしてればしてるほど妖怪って力が強くなりそうだし、
そうなるとかなり長生きしてるてゐは実は強いんじゃね?って思ってたのでこの話も抵抗なく読めた。
鈴仙の複雑でいい加減で自分勝手な思考は二次創作でよくある苦労人のイメージとは少し違う
自己保身、周りの目、後付けの理由づけ、そんな鈴仙。
それに対して神の時代から土地を見守り、
神とも土地そのものともいえないような不可思議な精神を獲得したてゐの心温まるふれあいだった。

うんちくは最悪適当に読み飛ばしても二次創作としてはまあ困らないと思う

『文々。新聞コラム選『文通の美点』『冬の晴れやかな革命』』  SYSTEMA氏

作品集200
『文々。新聞コラム選『文通の美点』『冬の晴れやかな革命』』 作:SYSTEMA氏
ごめん。正直合ってない。だけでは無意味だから少し辛くなるがなぜそう感じたのかも書く
まず、これを新聞コラムの一部とした設定に意味が見出せない。
短編2編ではなくコラムなのには理由があると思うのだが私には読み取れなかった。
話自体は良い雰囲気とキャラに合った文体で、空行を使った段組もびっちり詰ったパチュリーと適度にあいたレミリアと上手く対照させている等
細かい部分はとても上手い。のだけれどそれを言うならば、この2人はこういうプライベートな事例をコラムに堂々とのせる性格をしているだろうか?
はやり、コラムの一部と言う設定に意味を見出せないし、逆に不自然さを感じてしまう。

六畳一間の幻想郷  烏口泣鳴氏

【作品集】200
【タイトル】六畳一間の幻想郷   【書いた人】烏口泣鳴氏
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/200/1411302387
【あらすじ&感想】
とある部屋で「小鈴」は考えを巡らせる。
友達として阿求と並ぶためには幻想郷縁起と並べるだけのなにかを書かなければいけない。
テーマや題材を選べば少しでも近づけるかもしれない。
そう、たとえば人の心についてとか。

真っ白な通路を抜けて鉄格子のはまった六畳一間の部屋にたどり着く。
そこでただぼんやりと虚空を見つめる女性に面会に来たのだ。
「咲夜さん、お久しぶりです」
「咲夜? 私の名前?」

 

283が烏口泣鳴の名前を挙げてたからなんとなく選んで読んでみたが>>283の感想通りの作品が多くてなんだか鬱々としてきたぞ
内容はまあタグ通り、まさに六畳一間の幻想郷
だけど神主の作品を通じてしか幻想郷を知りえず、自分の頭の中でしか幻想郷とふれあえないんだから
思いをはせているときは彼女らとなにが違うのか
ただ今後も彼女は自分の作品のために幻想郷の住人を増やし続けていったんじゃないかと思うとちょっと気持ちが沈む
別に人のコメントにあったけど前後がぷっつり切れてる感じもある
ただそれはきっと作者的には不要なんだろうね
作者の読ませたい部分とこっちがかみ合わないから楽しむために別のところを注目しようとして、
とっかかりを探して本筋とあんまり関係ないところを気にしちゃうのかも

二色金魚  茨木春氏

【作品集】200
【タイトル】二色金魚  【書いた人】 茨木春 氏
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/200/1411704464
作品全体を通して情景描写が秀逸。決して稠密な描写ではないのにどの光景も容易に目に浮かぶ。
単に景色がわかる、というのではなく主人公霊夢の感情がそのまま風景に投影された結果の情景がちゃんと見える。
たった15kだけど幻想郷を垣間見た気分にさせてくれる作品。