競技シーンにおけるステージ選択

Last-modified: 2023-11-22 (水) 20:39:25

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はじめに

大会やスマメイトのレート対戦といったスマブラのガチ対戦・競技シーンでは、基本的なステージとされる戦場終点に留まらず様々なステージが採用されている。 
なぜステージを単一化せず、わざわざ複数のステージを採用するのか?その理由は、スマブラはステージによって戦い方が大きく変化するからである。

一般的な対戦格闘ゲームにおいてステージは雰囲気を変えるだけの背景であり、対戦に直接的な影響を与えることは無い。
しかしスマブラではステージ毎に足場の広さ・すり抜け床(通称:台)の配置や数・画面端までの距離(=撃墜しやすさ)などが異なっており、それら全てが対戦に重大な影響を及ぼす。
ステージによってはそのファイターの立ち回りが変化することも、相性の有利不利が覆ることもザラにある。
こういったステージによる不公平さを解消する事を目的としつつ、ファイター毎の得意・苦手なステージを把握しておきそれらを適切に選択する事もスマブラの攻略・競技性の内とし、試合開始前に両選手間でステージを選択させるのが一般的なスマブラ大会のルールとなっている。

しかし、多種多様なステージが用意されたスマブラにおいては、余りにも広大すぎたり激しいギミックの対処を迫られたりするステージも存在し、そういったステージではプレイヤー間の技術を競い合うには不向きと言わざるを得ない。
また、選択の幅が広くなりすぎるとそれだけ参加者を悩ませる要因にもなり、円滑な大会進行も難しくなってしまう。
そのため、有志によって開催される非公式大会では概ね5~8種類程度、そしてある程度平坦な地形のステージのみ使用を許可されているケースが多い。

また、大会規定によってはスターター・カウンターや拒否といったステージ選択に関わるシステムが導入されており、ステージ一つ選ぶにも制限がある。
2先・3先といったスパンにおいて自身が得意なステージを採用するための計算、前の試合の結果や使用ファイターの変更を判断材料とする駆け引き。これもまた、競技シーンにおける盤外戦術の一つと言えるだろう。

このページでは、多くの競技シーンで採用されているステージとその特徴、ステージ選択のルールなどについて紹介していく。
各ステージの特徴を理解し、適切なステージを選択する際の参考にしてほしい。

台の有無による攻略・駆け引きの変化について

スマブラでは土台となる大きな足場に加え空中に浮かんだ小さな足場が存在するステージが大半を占める。この小さな足場のことを、ユーザー間では「台」と呼ばれている。
この台の存在は一般的な対戦アクション・格闘ゲームではなかなか見られない要素であり、かつ試合の内容にも絶大な影響を与えてくる。
従って、自分と相手の使用ファイターが台の有無で有利となるか不利となるかも計算しつつ、理想的な位置に台が配置されたステージを選択することが重要となってくる。

以下はほんの一例であるが、台が絡むことでどのように戦術が変化するのか紹介しておきたい。

立ち回り

文章にすれば当たり前のことだが、地上と台上は縦軸がズレた位置関係となる。
この点を利用し、台を絡めて上下に軸をずらしながら動き回って相手を揺さぶったり、横に対してリーチが長い攻撃や飛び道具を回避するための避難所として用いたりすることができる。

また、競技シーンに採用されるステージに存在する台はすべてがすり抜け床であり、台の下からジャンプすると台を突き抜けながら台に乗ることができる。また、台の上に立った状態からキーを下にはじくと台をすり抜けて真下へ降りる事ができるのも特徴。
スマブラでは基本的に下を取っている側が有利なバランスとなっており、同様に台に乗っている側は真下を取られるとピンチに陥る。
が、ここでこの台降りモーションは動作の速い段階から空中ワザでキャンセルする事が可能となっており、上手く使えば低い高度を維持したまま相手のスキをうかがいつつ台降り空中攻撃で差し込む、といった攻めの起点に利用する事もできる。

この台降りは空中にいる状態でも可能だが、「空中のニュートラル状態もしくはしりもち落下状態ではそのまますり抜ける事ができる」「攻撃や回避モーション中はできない」という特性を持っている。従って、空中ワザや空中回避を出しながら台をすり抜ける事はできない。
これを利用し、持続の長い空中ワザで飛び込んでくる相手を防ぐための盾代わりに使ったり、今作では防御手段として優秀な「急降下N回避」を安全な位置から狩りやすくなったりする。

着地

1on1では非常に重要度が増す「着地狩り」だが、この着地狩りの本命と言える着地隙を狙う攻めは台が絡むと更に多様性を増す。
通常の駆け引きに加えて「台の上に着地するか・台をすり抜けて地上に着地するか」といった択を着地狩りする側に迫る形にでき、特にしりもち落下の状態で相手の着地狩りを凌ぐには非常に重要となる。

こういった特性から、特に上Bで上から復帰をする機会が少なくないファイターやガーキャン上Bによる切り返しを積極的に用いるファイターにとっては恩恵が大きいと言える。

コンボ

スマブラでは相手を上に浮かせるワザを何度も当ててダメージを稼ぐ、いわゆるお手玉と呼ばれるコンボが有名だが、そのお手玉に台を絡めることで更に火力を伸ばしていくコンボが存在する。
これが通称「台経由コンボ」と呼ばれる。

(地上から)相手を浮かせる→ジャンプ→空中攻撃といった形で追撃を行った際、空中攻撃の後に台に着地することで着地までかかる時間を削減しつつ相手と近い高度に降りる形にできる。これにより、台がない状態では決められないようなコンボを完走させることができる。
ただし、コンボの内容によっては台の存在がかえって邪魔になる事もあるため、一概に台経由コンボがそうでないコンボより強力とは限らない。

台上のダウン展開

地上から程よいベクトル・勢いで相手をふっとばすと、相手に台上でのダウン・受け身を強いるような展開を作れることがある。
台上が狭いのもあり、移動起き上がりや攻撃起き上がりによる抵抗も通常のダウン時にも増して弱まってしまう。それに伴い、ダウンを奪った側にとっては極めて有利な状況となる。

お互いが使用するファイターによっては大火力・撃墜に至るまでを回避する手段がほぼ無いといっても過言ではないほど熾烈な攻めを仕掛けられるため、この台上のダウン展開を積極的に狙えるようなファイターおよびステージの組み合わせは強力なシナジー要素と言えるだろう。

採用ステージ

ステージ概形比較

外部リンク:Stage Comparison Tool
競技シーンで採用されるステージの撃墜ラインや台の配置を視覚的に比較できる。

現在の競技シーンで主流となっているステージ

ここで紹介するステージは国内・海外問わず多くの競技シーンにおいて採用されているため、これから大会やスマメイトの参加を検討している人は以下のステージを押さえておけばまず間違いない。
また、試合を見る側の人もステージの特徴を押さえておけばプレイヤー同士の駆け引きがより楽しめるだろう。

戦場

3枚の台があり、台が占める横範囲が広いという特徴を持つ。
従って、台を絡めた立ち回りや駆け引きが強いファイターが有利となるステージ

ステージ土台から上への撃墜ラインまではかなり広いが、すり抜け床の上から撃墜を狙うシーンが多くなるため実際はそこまで上撃墜を狙いにくいステージでもない。
特に中央台から上撃墜ラインまでは非常に狭く、この台まで運べるようなコンボを持つファイターは早期撃墜を狙いやすい。

台が敷き詰められている関係か狭いイメージを持たれやすいが、実は土台の面積は終点と同等。
特に通常ジャンプで台に乗れないほどジャンプが低いファイター*1の場合、台を絡めて逃げ回る相手を捕まえるのが厳しくなるかもしれない。
過去シリーズでは公式から「最もオーソドックスなステージ」と紹介されたこともあるが「突風が吹いたり、濁流が流れていたり、触れたら即死するようなギミックが徘徊するステージに比べれば」という話であり、競技シーンで使われるステージの中では終点同様に尖っているステージであるといえる。

終点

他のステージとの相違点として、台が一切ないという唯一無二の特徴を持つ。

このステージでは台で縦に位置関係をずらしたり着地を誤魔化したりする事で駆け引きの幅を広げる事ができず、真横に並んだ状態で対面する機会が増える
従って、高性能な飛び道具や設置ワザを持つ、地上での機動力が高い(ライン争奪や間合い調整をする能力が高い)といった特徴を持ち、地上の制圧力が高いファイターが有利となりやすい

また、台を絡めた立ち回りやコンボなども一切できないため、台が絡むと立ち回りやコンボが強化されるファイターにとっても逆風。
台に降りるかステージに降りるかで着地を誤魔化すこともできなくなる分、落下や空中横移動などの速度が遅く着地狩りを拒否しにくいファイターにとっては特に着地狩りが強いファイター相手にターン継続されやすい。
逆に落下の速いファイターや着地の誤魔化しの手段が多いファイターは下手に台のあるステージよりも着地狩りを拒否しやすいケースもある。

総じて、スマブラにおいて基本・スタンダード的な立ち位置でありながら、競技シーンで採用されるステージとしてはある意味非常に特殊な扱いをされるステージでもある。
ファイター間の相性も濃く出るステージなので、選択・拒否の判断は慎重に検討したい。
長らくスターターステージとして扱われてきたが、昨今ではカウンターステージとして扱われることも増えてきている。だいたいカズヤのせい

小戦場

発売後に無料アップデートで追加されたステージだが、公式から「競技シーンでは主流である1on1に向いている」と発表された事もあって瞬く間に主流の立ち位置となった。

戦場から中央部分の台を削除し、かつ左右にある台の配置を真ん中に寄せたようなステージ。
また、中央部分の高い台を削除した分のバランスを取るためか、上への撃墜ラインが終点と同じ(戦場より狭い)に調整してあるのも特徴。
なお、メテオ判定は戦場と同じで若干低い位置にある。

台を絡めることで上への撃墜が狙いやすく、特に台経由コンボが得意なファイターは早期撃墜を狙いやすいステージ。
似たような構成のポケモンスタジアム2などと比較しても狭めな作りのため、良くも悪くも短期決戦になりやすい

ポケモンスタジアム2

ステージ上は全体的に広めで台も2つあるバランスの良い構造であり、多くのファイターにとって戦いやすいためか支持率が特に高いステージの一角。
上撃墜は終点・小戦場と同じで、ガケ端から左右の撃墜ラインまでの距離は終点や戦場と同じ。
ステージの土台が広い関係で、ステージ中央から左右撃墜に必要な%は増える。
あまり知られていないが下方向の撃墜ラインはメテオ判定・落下判定ともにやや高い位置に設定されており、終点・戦場のノリで潜りすぎたり急降下したりすると戻れないケースがあるので注意。

台の高さが戦場・小戦場(及びポケモンスタジアム)より高く設計されており、大ジャンプ1回で台に上がれないファイターが増える*2
お手玉する場合は台に上がれる小戦場の方が追撃しやすく有利、台下で粘られる場合は台に上がれないポケモンスタジアム2の方が大ジャンプから迫れて有利などの差が生じる。
相手に台に上がられた方が不利か上がられない方が不利かも選択のポイントとなる。

ステージが広いため、一部逃げを得意とするファイターにも追い風。
左右の広さだけでなく終点、カロスポケモンリーグ、台無し状態の村と街に次いで台の無い部分が広く、飛び道具を台で誤魔化すといった動きを取られづらい。
逆に逃げるファイターを追いかけるのが苦手なファイターは若干逆風が吹くステージとなるだろう。

画面中央下部あたりに柱が立っており、復帰力が高いファイターが下を潜って反対側に回るような芸当ができなくなる。
このため、速度は無いが復帰阻止の圧が高いファイターはより復帰阻止が強力に。
また、ガケの下あたりの構造も直角になっており、ここに引っかかって復帰できなくなるケースも多々ある。
ガケ下のカメラワークがやや特殊なのもあり、密かに復帰ミスが誘発される。ガケ下で精密操作が求められるファイターは慣れておきたい。

すま村

広めの台が1枚だけ中央から左右に伸びているような配置がされているのが他のステージとの大きな違い。
小戦場やポケモンスタジアム2のように台の間で切れ目がないため、台上でもラインを奪い合う駆け引きが起きることも。
台はポケモンスタジアム2よりほんのり高く、剣術Miiが大ジャンプで乗れない高さとなる。

終点と比較して土台の横幅がやや狭く、厚みも少ない。端的に言えば狭いため、インファイターにとっては立ち回りやすいステージと言える。
また、土台から上方向への撃墜ラインがやや遠いという特徴もある。そのため、上強や上スマッシュでの撃墜が得意なファイターにとってはやや逆風。
ただし、大きな台の存在で上方向を広くカバーするタイプのワザは活躍しやすくなる他、そもそものステージが狭いので撃墜拒否自体は難しくなる。
左右方向に対しては土台の狭さとガケから撃墜ラインまでの距離の短さもありかなり撃墜しやすい。
メテオ撃墜ライン、また落下判定ラインも高めに設定されている。急降下空中技で落ちてしまうケースもあるので要注意。
これにより急降下復帰阻止は他ステージよりもやりづらくなっている。

村と街

台が多く、かつギミックなしのルールであっても時間によって台が動き配置が変化するというトリッキーな特徴があるステージ。

全体的に広く、逃げ場も多いため引き行動が強いファイターや縦横ともに機敏に動けるファイターが有利となりやすい
ただし、台が動く関係上、時には追う側にも逃げる側にもアドリブが求められる事も。

また、台が絡むと早期撃墜が起こりやすいのも特徴。
特に画面左右への撃墜ラインが近めな上に台がステージの左右に配置された状態になる事があり、その際に台上からふっとばすと驚くほど低い%から撃墜に繋がる事も。
このことから、横への撃墜が得意なファイターにとっては追い風が吹くステージと言える。ちなみに右側の方が若干撃墜ラインに近い。

上撃墜ラインは前作では低い位置に設定されていたが、今作では逆に高い位置に設定されている。
メテオ撃墜ラインは戦場と同じだが、落下判定はカロスの次に高い位置にある。
全体的に変わった撃墜ラインをしている点に注意。

台が3枚ある状態の時は左右の台が高い位置にあるため、ここから上にふっとばすことでも早期撃墜に繋がりやすい。

台は基本的に画面の左右へ流れていき、新しい台が流れてくる。この流れてくる間は(ほんの短い間とは言え)場外に台がある状態になるため、復帰の邪魔をしたり逆に助けになったりと様々な影響を与える。
台が動く周期は一定のため、慣れれば制限時間を見る事で台が動くタイミングを計りつつ利用する事もできなくはない。
具体的には村(台3つ)30秒→移動15秒→街(台2つ)35秒→移動15秒→…を繰り返している。

台が移動しきって次の台が流れてくるまでは一時的に終点のように台が一切ない地形になるため、ファイターによってはこの時間が攻めるチャンスになる。

ホロウバスティオン

ソラが配信されて以降、中央に浮遊台が1つあるのみというシンプルな構造のため試験的に採用する大会が増えてゆき、2023年現在はポケスタ2に並ぶ汎用性の高いステージとして多くの大会でスターターに採用されている。

ステージや撃墜ラインといった構造は終点と同一で、中央に浮遊台が1つ配置されている。
台が中央にしかない関係上、崖上がりの逃げに使いにくいぶん攻め側が展開を維持しやすく、着地狩り展開においても台に逃げようとするとステージ中央付近へのルートを余儀なくされるため、こちらも守り側よりも攻め側が読み勝ちやすい。
更にライン有利側が自然と台の下を確保できる(ライン不利側が台を使った揺さぶりをしにくい)ことや、すま村やポケスタ2より台が低いため台の上に届く攻撃が多かったり台に乗せての読み合いや台経由コンボを仕掛けやすいといった理由からも、総じてターンを握った側が押し切る展開が生まれやすいステージと言える。

とは言え、ポケスタ2ほど逃げ・待ち有利でもなく、すま村ほどインファイト有利でもないため拒否ステージに選ばれることが少なく、台が低めで多くのファイターが利用でき、上下左右の撃墜ラインも平均的な距離のためあらゆるファイトスタイルを受け入れる懐の深さを持ち、2023年現在の競技シーンではかなり1stピックに選ばれやすいステージである。
ただ、大会ではステージギミックOFFが基本のためダイブ・トゥ・ハート演出は見られないのは少々惜しいところ。

また、DLCのため、オンライン大会では採用しにくいのも難点。
しかしオフライン大会での人気や需要を鑑みて、スマメイトでは「ステージ選択者が購入していること」を条件にスターターステージに採用されている。
相手がソラを持っていなくとも選択できるが、「自分は持ってないので相手にホロウバスティオンを選んでもらう」ということは禁止されている。

大会によっては使われる事があるステージ

以下のステージは現時点ではメジャーではないが、今後の研究やニーズ次第では大会で目にする機会が増えてくるかもしれない。

北の大空洞

左右のガケ近くに台が配置されている構造はカロスポケモンリーグと似ているが、土台およびガケの形状は戦場や終点と変わらない。
また、上への撃墜ラインは終点とほぼ同等。

カロスポケモンリーグと比べるとやや狭めなため徹底したガン逃げをされる可能性は低いと目され、セフィロス配信~ソラ配信前後は大規模大会にも採用されるなど、それまでほとんど動きがなかった大会ステージに新風が巻き起こった。
しかし、ド派手な背景によるアンブラの時計塔に並ぶトップクラスの視認妨害や、ワイヤー復帰でまれに不自然な挙動を起こす可能性があることが分かり、後に配信されたホロウバスティオンと入れ替わるように下火になっていった。

オンライン大会では有料コンテンツである点もネックとなり、オフライン大会以上に採用例が少ない。

カロスポケモンリーグ

ステージ上は終点と大差ないが、ガケ際にかなり濃い特徴があるステージ。
ガケが壁状になっているため、カベジャンプなどカベを駆使したテクニックをガケ外の駆け引きに取り入れやすい。その一方でステージ下を潜って反対側のガケに回る芸当は不可能となるので、ファイターの性質によって復帰の追い風にもなれば向かい風にもなる。
更に左右のガケ際に台が配置されているため、ラインを失った状態やガケのぼりの読み合いで台が絡んできやすい。

ガケ際の台を使うことでラインを交換しやすいため、引き行動・逃げが強いファイターが有利になりやすい
また、そもそもの台の位置がポケモンスタジアム2やすま村よりも高いため、ジャンプ力が低いファイターは通常ジャンプで上がれない事も。

上への撃墜ラインが戦場とほぼ同等の高さで、かつ台がステージ中央部分にないため上撃墜が得意なファイターにはやや逆風。特にホムラの空Nなど、固定ふっとびの強いワザは弱体化する形となる。
左右の撃墜ラインも終点などと比較して若干広いため、全体的に長生きしやすいステージであるといえる。

下方向はメテオ判定は終点と同等だが、落下判定がメジャーなステージではすま村に次いで高い位置にある点に注意。
急降下空中ワザで阻止しようとすると後隙でそのまま落下してしまうケースがある。

総じてファイターの相性が特に出やすいステージであり、このステージを選択or拒否するかは慎重な判断が求められる。
2022年頃より、機動力の高いファイターが2枚の台を往復して逃げ回る戦法を徹底した際にジャンプ力の低いファイターが追いつく事が困難となる問題を解消するためか、大規模大会にてこのステージを北の大空洞と入れ替える風向きが強まっている。
スマメイトにおいてはホロウバスティオンや北の大空洞がDLCステージであることもあってか長らく採用され続けていたが、現在ではオフ大会でほとんど採用されていないことも受けてお役御免に。

ヨッシーストーリー

一見戦場とよく似ているが、実際はかなり細かく差があるステージ。
目に見えて違うのはステージの両端が下にやや傾いている点。これが一部ファイターのガケ攻めに影響し、ガケの読み合いで出来ること・出来ないが変化する。
また、ガケ下がカロスポケモンリーグのように壁状になっている。
加えて、撃墜ラインが上下左右すべて狭いにもかかわらず台の位置が3枚とも若干高くなっている。特に上方向の撃墜ラインは終点と同じなので、上に運ぶコンボで戦場よりも早期撃墜を狙いやすくなる。
上方向にふっとばす固定ふっとびの強いワザで〆ることが出来るファイターは強く恩恵を受けることだろう。

国内ではメジャーではないが、欧米を中心とした海外大会では採用される事がたまにある。

ライラットクルーズ

ステージ両端がヨッシーストーリー以上に斜め下に折れていること、ステージが非常に薄くガケつかまりの判定がシビアなことなどからかなり特殊性の強いステージ。
一例として、傾斜の存在により空中攻撃の着地隙が変化したり、小ジャンプ上り攻撃がチビキャラにも当たるようになったり、逆に中背キャラにも当たらなくなったり。
撃墜ラインは狭め。

国内でも比較的多くの大会で採用されていたステージなのだが、現在は小戦場の実装とともにそちらに取って代わられることとなった。
海外ではそこまでメジャーな立ち位置ではないが、大会によっては今なお採用される事がある。
ガケ周りでバグが発生することがある点が問題視され、現在では排斥される傾向にある。

おまけ:過去に大会で採用されたことがあったユニークなステージ達

初代『64』版から始まり『SP』に至るまで、競技性を追い求めたプレイヤー達は様々なステージで対戦を行い、ガチ対戦に相応しいステージを研究してきた。
そしてその中には、現在は使われていないが過去には定番だったステージ、とある欠陥が発覚したことで次第に使用されなくなったステージ、今となっては採用した意図が理解できないようなトンデモステージまでもが存在する。
今でこそ大会で採用されるステージはほぼ固定化されているが、それも過去作から長きにわたって試行錯誤した末に辿りついた結果と言えよう。

特に『X』ではトンデモステージが採用された痕跡が多々見られるが、それだけ当時のメタナイトなどに頭を悩ませた結果であるといえる。
問題点があるとするなら、そういったトンデモステージになればなるほどメタナイトの自由度の高さが存分に発揮されてしまっていたことだが…

開く

プププランド

形状が戦場とほぼ同じで、かつギミックも背景のウィスピーウッズが弱めの風を吹かせてくるだけという影響度が小さいもののみ。
そのため、特に通常の対戦で戦場を選ぶことができなかった『初代』ではメジャーな扱いを受けていたステージ。
『DX』『for』時代でも採用されていたが、『X』ではシリーズで唯一実装されなかった。
戦場と比較するとガケの角度が直角気味なので、復帰ワザでステージ下に潜ってしまう事故が起こりやすい。(『DX』の戦場よりはマシかもしれないが……)

本作では上が戦場と同じ広さになったことでお役御免に…と思われたが、現在でもごくまれに戦場の亜種として採用されることはある。

夢の泉

こちらも台の配置が戦場と似通っており、ギミックありの場合は左右の台が上下するくらい。
しかしステージ下部は画面外まで繋がっているため、下を潜れないようになっている。また、戦場のようなネズミ返しが無いため復帰ミスを起こしにくい。

『DX』の競技シーンではメジャーなステージの一つだが、『SP』では戦場があるので特に採用する理由もないという形に落ち着いている。
また、着地時に水しぶきが上がる演出のせいで視認性が下がったり処理落ちが発生してしまうのが競技シーンにおいてはマイナスとなる。
上記の理由から終点化・戦場化を選べるルールの大会でも、このステージの終点化・戦場化は禁止されているケースが珍しくない。

ポケモンスタジアム

現在の「ポケモンスタジアム2」と同様に試合開始時はシンプルな形状のステージ。『DX』の競技シーンで採用されたが、当時はギミックOFFなど無かったので時間経過で4種類の地形に変化する

ギミックOFFだったとしても、ポケモンスタジアム2とは台の高さ・ステージの広さ・開始時の位置が台の上か土台の上かといった多くの違いがあり完全に別物。
『SP』で採用されることはまずないステージであるため、間違ってここを選ばないように気を付けよう。

ちなみに『SP』でここではなく「2」が採用された理由は最初期はオーロラビジョンのせいでステージの視認性がかなり悪く、当時ギミックOFF時にオーロラビジョンが点かなかった「ポケモンスタジアム2」の方が評価されたからである。
また、ギミックオフ時のタイプノーマルのステージにおいても、まれにファイターが地面にめり込んでしまうことがあるという問題点もある。
現在はアップデートによりオーロラビジョンの視認性が改善されている(「2」のオーロラビジョンも点くようになり、視認性も改善されている)が、ステージの形状が違うことから当時の名残で「2」が使われ続けているものであると思われる。

メイド イン ワリオ

左右に台が二段ずつ、計4つ配置されているのが特徴的なステージ。
ガケはカロスポケモンリーグ同様に垂直な壁となっている。

一見すると独自性のある面白いステージに見えなくもないが、実は上下左右の撃墜ラインがとんでもなく狭いという問題点を持つ。
特に横は終点の3/4程度しかなく、横に運ぶコンボの多くが早期撃墜できる即死コンボと化す。
『SP』最初期にはギミックOFFの導入により注目されたこともあったが、試合内容が大味すぎて瞬く間に競技シーンから姿を消した。

ヨッシーアイランド

すま村のようにステージ中央に広めの台が一つあるステージ。崖は垂直壁。
ステージに若干の傾斜があることで、直進する飛び道具が消えてしまったり受け身のタイミングが変化したりする。
撃墜ラインは、上は終点と同じでそれ以外はやや狭い。

一時期は採用されたこともあったが、ステージの構造がすま村と被る点や坂がある点が好まれず次第に消えていった。

イッシュポケモンリーグ

左右に台が2つある点で小戦場と似ているステージ。広さも小戦場とほぼ同じ。
違いとしては、台がやや高い位置にあることで台上に届く攻撃が限定される。また、崖が画面下まで繋がっている。

形状はなかなか良いのだが、全体的に暗く落雷によるフラッシュも発生することで視認性がかなり悪い。
『SP』初期はそれなりに採用されていたが、テレポートで復帰出来ないことがあるといった問題点が発覚しお役御免に。
現在では小戦場があるため、問題点が改善されても採用されることはないと思われる。


ハイラル城

左右非対称かつ上下にとても広い。今の競技シーンから考えると、この時点で違和感がすさまじい。
ガチ1on1においては紛れもないトンデモステージだが、『初代』では実際に採用されていた時期がある。

こんなステージで大丈夫なのか?と思われるかもしれないが当然大丈夫ではなかった
ある大会でこのステージを採用しないべきという意見が出たにもかかわらず採用された結果、その大会で1試合50分という試合が繰り広げられる*3惨状が引き起こされ競技シーンから排斥された。

レインボークルーズ

まさかの遷移型ステージ。上下左右に遷移するステージを移動しながらの対戦となる。
こんなステージでガチ1on1をしたら大変なことになるのは言うまでもないだろう。

『X』で短期間ながら採用されていたが、ここが採用された意図は未だに謎である。*4

ドルピックタウン

開幕時の浮遊足場は比較的まともなのだが、着陸先の地形が問題。左右非対称、地続き、水中エリアなどやりたい放題である。
そして残念ながらギミックOFFでもステージの変化が行われてしまう。

ダメージのあるギミックは無いので決して戦いにくい訳ではないのだが、競技性を考えれば明確にナシである。
『X』では一定期間採用されていたが、復活することはもう二度とないだろう。

フリゲートオルフェオン

開幕の地形は左右非対称。オマケに台が移動したりする。
そしてこのステージが採用されていた『X』当時ギミックOFFは無かったので、ちゃんと反転する。
反転した後の地形は比較的まともだが、反転時に強制的に空中に投げ出されるためハプニングが盛りだくさん。まさに愉快なパーティーゲームである。

ギミックOFFにした場合は反転前の地形になってしまう。せめて反転後の地形なら採用もなくはなかったかもしれない。

戦艦ハルバード

浮遊足場だけを見ればそこまで悪いステージでもないが、それ以外に危険な要素が多すぎる。
具体的には、このステージが採用されていた『X』当時は常にギミックONなのでレーザー砲などの攻撃が普通に行われる。撃墜に直接繋がるという点では特に滅茶苦茶なステージである。
また、ステージの浮遊足場は下から貫通出来る特性もある。Xメタナイトはこの特性との相性が抜群だったので名実ともにホームステージである。

たとえギミックOFFにしても、開幕時の格納庫から発進するギミックは残ってしまう。これで1スト落ちようものならシャレにならない。

攻城戦

左右非対称、地続き、壊れる足場、高すぎる高低差など、ツッコミどころ満載のステージ。『X』『for』ではステージの切り替わりもあったのでさらに滅茶苦茶だった。
ダメージを与えるギミックがないだけマシ、というのが当時の感覚だろうか。

これほど暴れん坊なステージにもかかわらず、『X』や初期の『SP』の海外大会では実際に採用されていた

ダックハント

草むらやイヌの足場、飛んでいるカモなど怪しい点は幾つかあるが、一番危険なのはステージ左にある木の足場。
この木の上に逃げることで、多くのファイターは2段ジャンプ→空中攻撃でしか手が出せずに事実上試合がストップしてしまう。そこではチャージ可能なワザを安全に溜め放題なので一部ファイターへの恩恵が極端に大きすぎた(特にクラウドは『for』当時リミットブレイクに時間制限がなかったので、誇張抜きに常時リミットブレイク状態となり手が付けられなかった)。
『for』時代は割と長い期間採用されていたが、クラウドの参戦後に確立された木登り戦法があまりにも危険だと判断され末期には排斥された。

メメントス

ジョーカーが実装されてからほんの短い期間だけオフ大会で採用されたことがある。
左右非対称な点が問題視されやはり長続きすることはなかった。

ステージ選択のルール

主要な大会でのルールは以下のようになっている事が多い。

オフラインの大会

オフ環境では実際に対戦するプレイヤー同士がその場に居合わせて対戦する形となるため、じゃんけんや直前の試合の結果により片方のプレイヤーにステージ選択権を与え、もう片方のプレイヤーがどうしても使いたくないステージ(通称:拒否ステージ)を申告してからステージを決定するという一連の流れを、言葉による意思疎通によって行うルールが敷かれている。

主には
① 両選手間でじゃんけんをする。
② じゃんけんに勝った側にステージ選択権が与えられる。負けた側が幾つかのステージを拒否するよう申告し、勝った側が拒否されなかったステージの中から好きなステージを選択して試合する。
③ 直前の試合に敗北した側にステージ選択権が与えられる。勝利した側が幾つかのステージを拒否するよう申告し、負けた側が拒否されなかったステージの中から好きなステージを選択して試合する。
④ ③を、どちらかのプレイヤーが規定された試合数を先取するまで繰り返す。
といった形式である事が多い。

一見複雑そうだが、要は「じゃんけんの勝者もしくは直前の試合の敗者がステージ選択権を持ち、対戦相手には一部ステージを拒否する権利だけが与えられる」とだけ覚えておけばよい。

オンラインの大会

オン環境では実際に対戦するプレイヤー同士がその場に居合わせる形にならず、すべてのプレイヤーに意思疎通でステージ選択を決めさせるようとすると円滑な大会進行が厳しくなる。
そのため、お互いに好きなステージを選択してから試合を開始し、ゲーム内の機能により引かれたステージでそのまま試合する形式を取っているものが多い。

また、オンラインによる試合では選んだステージの背景やグラフィックがラグ・処理落ちの原因になる事もある。
そのため、大会によっては終点化・戦場化させるにも一部ステージの使用を禁止している場合がある(「夢の泉」はその代表格)。
また、デフォルトの終点も一時的にやや見づらい背景となるため、大会によっては特定のステージの終点化のみ使用を許可されているケースもある。

スターターステージ、カウンターステージという概念

競技シーンにおける大会の多くでは2試合先取もしくは3試合先取で勝者を決めるルールが採用されており、その試合ごとに両選手間で使用ステージを決定する事となる。
そして、それと同時に大会によっては1試合目から選べる(全試合で選べる)ステージと、2試合目以降から選べるステージをそれぞれ別に定めている事がある。このうち、前者をスターターステージ後者をカウンターステージと呼ぶ。
スターターステージに採用される事が多いのは戦場・終点といったスマブラの基本となるステージやポケモンスタジアム2のように人気・支持率が高いステージ、カウンターステージに採用される事が多いのはカロスポケモンリーグのように何かしら尖った特徴があるステージである。

このルールの導入により、1試合目では基本的なステージでお互いの地力を測り、それに応じて2試合目以降はよりステージ選択を巡る駆け引きが繰り広げられる形となる。

一部ファイター特有のステージ選択基準

スティーブはステージによって採掘で集めやすい素材・採掘のスピード・採掘に使う道具が変わってくる。
これらはスティーブにとって非常に重要な「強力なワザを使用するのに必要な素材を効率よく集める」という立ち回りの指針に多大な影響を与えるため、スティーブ使いとそれに対面したプレイヤーはこの点も踏まえてステージを選択する必要がある。

特に難解なのが他ステージの「終点化」および「戦場化」でも採掘に使う道具は変わるという点(集めやすい素材と採掘のスピードに関してはデフォルトの終点・戦場と変わらない)。
終点化・戦場化が許可されているルールの場合はこの点も踏まえて終点・戦場を選択する事になるだろう。

詳細はこちらの項目を参照。

おわりに

スマブラの競技シーンでは、ファイターの練度を高めたりキャラ対策を考えたりするだけに留まらず、ステージの選択を巡っての攻略・駆け引きも繰り広げられる。
つまるところ、対戦がスタートする前のファイター選択・ステージ選択の時点で既に勝負は始まっているのであり、この点を疎かにすると勝算があった相手にあっさり負けるような事態も珍しくない
これもまたファイターを上手く使いこなしている人が、大会で勝てるとは限らない理由のひとつと言えるだろう。

最後に、真の強者・優秀なプレイヤーを決めるに相応しい大会ルールは現在進行形で模索・研究されている最中であり、各種ステージの扱いは大会運営のさじ加減ひとつで容易に変化するものである。
従って、一部のステージに特化するのではなく、あらゆるステージに精通し、大会の新たなルールに柔軟に適応することこそが競技シーンで活躍する上では肝要だと言えるだろう

コメント


*1 プリン、スネーク、スティーブ、カズヤ
*2 戦場の左右台に乗れないファイターに加えてカービィ、ガノンドロフ、リトル・マック、ベレト、リュウ、ケン、テリー(左右に慣性を乗せている時)、ホムラが乗れなくなる。
*3 スマブラ64にはストック+タイム制のルールが存在しない。USの競技シーンでは文化的に改造に忌避感がない事から、改造でストック+タイムルールや終点が使えるようにしたカスタムROMが使われている模様。
*4 一説ではアイスクライマーの投げ連対策とされているが、真相は定かではない。