読み合い/復帰のやり方

Last-modified: 2022-09-16 (金) 16:30:05

※こちらはVIP未満の方向けの記事になります。

はじめに

スマブラでVIPや逆VIP脱却を目指している諸兄は「復帰の方法」をご存知だろうか?
「空中ジャンプして上Bでしょ」
と多くの方が回答するだろうが空中ジャンプして上Bは復帰の方法「の1つ」に過ぎない

実況解説つきの上位勢の大会動画を見ていると、復帰・復帰阻止のシーンで
「しっかり(空中)ジャンプを残している!」
「(空中)ジャンプが無いぞ!?」
といった実況をよく耳にすることがあるだろう。
なぜこういった実況が入るかというと、復帰の場面において空中ジャンプが可能かどうかで復帰の成功率・復帰阻止の難易度に雲泥の差が生まれるからである。
ゆえに上位勢は復帰において一度きりの空中ジャンプを無駄にしないよう細心の注意を払っているし、実況者は「両者が空中ジャンプをしたかどうか」はよく注意して見ているため上記の実況が頻繁に出てくることになる。

と、このように空中ジャンプの重要性を前置きしてきたが、復帰阻止でストックを取られてしまうという人は空中ジャンプを雑に消費してはいないだろうか?
多段ジャンプ持ちでない限り、復帰のシーンで使える空中ジャンプは1回限りである。
これを踏まえて、上手な復帰の方法を考えて行こう。

以下は多段ジャンプを持たないキャラを中心とした解説だが、後半にて多段ジャンプキャラの復帰についても軽く触れる。

第1段階:空中ジャンプを温存する癖をつける

まず、軽めに飛ばされたらとりあえず空中ジャンプで体勢を立て直す癖がある場合は即座に矯正しよう

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初心者~初級者の99.9%が即空中ジャンプをしてしまう場面。上級者はそれを読んで空中攻撃でジャンプを潰してくる。

この段階では空中ジャンプはどうしても上Bだけではガケに届かない場合にのみ使うものという認識で、上Bのみで復帰する癖を付けよう
強くふっとばされた時には空中移動回避でふっとびにブレーキをかけても良いし、ヒカリアイクの横B等上B以外の復帰ワザがあるならもちろん利用して構わないが、リトルマックの横Bドクターマリオの下B等空中ジャンプ同様1回しか使えないものは、やはり上Bが届かない時にだけ使うようにする。
とにかく「空中ジャンプを使わず復帰すること」に慣れよう

この段階では、練習相手は対人ではなくCP戦の方が良い。
時には上Bが届かず落下してしまうこともあるかも知れないが、そうしているうちに自然と「上Bがガケに届く距離」と「空中ジャンプを使わなくても復帰はできるという意識」が身についていくだろう。
後述するが、特に「復帰ワザがぎりぎり届く位置を体で覚える」ということは非常に重要な意味を持つ。

第2段階:空中ジャンプを有効に使う

空中ジャンプを使わなくても復帰できるようになったら「空中ジャンプをどう使うか」を考えるフェーズになる。
ここはお互いのファイターや状況によって異なり明確な正解はないが、空中ジャンプの使い方の例をいくつか解説する。

2-1:空中攻撃で暴れる

復帰阻止に来た相手に対し空前などを振って返り討ちにしてから空中ジャンプ+上Bで復帰する。
多くのファイターで有効な使い方だが、特にしずえキングクルール勇者ミェンミェン等の様に上Bに攻撃判定がないまたは弱いため復帰阻止に来られやすいが縦の復帰距離が長いファイターは積極的に取り入れると良い。

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復帰阻止にきたメタナイトをミェンミェンの空前が捕えた。メタナイトはガケメテオで落下。空中ジャンプを残したミェンミェンは悠々と復帰する。

この復帰の良いところは、仮に暴れを潰されてしまっても空中ジャンプがまだ残っているため復帰ができることである(即撃墜してしまった場合を除く)。

「空中ジャンプしてから空中攻撃を振る」という手もあるが、この方法で振った暴れを潰されてしまった場合は最も厳しい「空中ジャンプがない復帰」になってしまうので要注意。
よほど空中攻撃の範囲や判定の強さに自信がない限り無茶は禁物。
特にマリオやピカチュウ等空中攻撃のリーチが短いファイターで剣士キャラ相手にこのような空中攻撃暴れを選択するのはリスクが大きい。

復帰阻止には来ずガケで待ち構えている相手に対して空中ジャンプ+空上等でガケの下から攻撃を通すという方法もある。

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ガケの上でクッパが炎を吐いてガケつかまりを阻止しているが、ゼルダはその下から空上で攻撃。

ゼルダやインクリング、しずえ等復帰力が高く空上の性能が高いファイターで狙うと良い。
こちらは空中ジャンプを潰されるリスクが少ないローリスクな使い方。

2-2:空中ジャンプで復帰のタイミングをずらす

とりあえず最短・最速でガケに戻りたくなる心理が働いてしまうが、それこそが復帰ルートが単調になる理由=復帰阻止を通されてしまう原因である

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低めにふっとんだウルフを見てガケをおりてくるサムス。どう復帰するか?「早くステージに戻らなければ」とウルフは即座に前ジャンプ………あっ!ボボボボボウルフはすでに空中ジャンプを失ってしまった。復帰ワザは届かず早期撃墜を許してしまう

左スティックをステージ側に倒したくなるのをぐっとこらえて、ステージから離れた場所で真上に空中ジャンプをしてやれば復帰のタイミングをずらしたり復帰阻止をやりすごすことができる。

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先ほどと同じ展開。サムスは空前を狙っている。ウルフはあえてガケから離れるようにジャンプ(上の画像との位置関係に注目)。サムスは空前を振るがすでに間合いの外。サムスも自滅のリスクがあるので深追いするにも限界がある。空前をかわしたウルフはここでステージ側へ移動開始。復帰ワザが届く距離さえあれば復帰は完了する。落ち着いて距離を取ったウルフは復帰阻止を回避して復帰に成功

ガノンドロフドンキーコングの様に復帰力が低いファイターを使っている時ほど、こうした択で相手の裏をかくことは重要になってくる。
もちろんこれは復帰のタイミングやルートを変更するフェイントであり、読まれてしまっては元も子もないので注意。
しかしこのフェイントが通れば相手に「この相手は最短距離では復帰してこないかも…」という疑念が生まれ、今度は最短距離での復帰が通りやすくなる。

この「空中ジャンプによるタイミングずらし」は真下からの復帰でも有効。
上Bを早めに出すか遅らせて出すかでガケの2F狩りやメテオ・ガケメテオを回避しよう。

そしてここで、本稿第1段階の項に書いた「復帰ワザの距離の把握」が重要になる。
復帰ワザの距離を正確に把握していないと「これくらいまでなら離れても届く」「これくらいまでなら遅らせても届く」という判断が難しくなってくる。
結果として復帰ワザの早出しをせざるを得ず、それが復帰タイミングやルートの幅のなさ=ワンパターンな復帰に繋がってくる。

2-3:空中ジャンプで復帰ワザの軌道を変える

これは例えばウルフ剣術Mii(ソードダッシュ)等角度の変更ができる上Bや、ミェンミェンベレト / ベレス等範囲が広いワイヤー復帰を持つファイターで顕著に効果がある。
上Bをガケの横から出すか、斜め下から出すか、真下から出すかの3択に散らすだけでも効果があり、さらにはステージ下まで潜り込んでからであったり、ガケより高い位置から上Bを斜め下に繰り出してガケをつかむといったこともファイターによっては可能。
これらの復帰ワザがあるファイターは、空中ジャンプがあるかないかで上Bの軌道のバリエーションを大きく増やせるということである。

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ワイヤー復帰キャラを恐怖に陥れるカービィの空下ドリルワイヤー復帰の範囲はキャラにより異なる。自ファイターの復帰ルートをしっかり把握して単調にならないようにしよう

しかしこれは、自由に角度をつけられる復帰ワザだけに限った話ではない。
例えばガオガエンの場合、上Bの上昇中にガケをつかむか、下降中にガケをつかむか、ステージ上に直接着地するかといったルート変更が可能である。
天空タイプの復帰ワザも同様。
リンク族やマリオ等一般的な斜め上上昇ワザも、真下からまたは斜め下からガケをつかむか、上Bでガケ上に飛び出すかといった選択ができる。
 
また、全キャラ共通で「空中ジャンプから移動回避でガケをつかむ」といった復帰が可能であることも見逃せない。
空中ジャンプや移動回避の性能により有効性は異なるが、特にクラウドネス等復帰ワザの性能が心許ないファイターは無視できない復帰方法になる。

この様な空中ジャンプによる復帰ルートの増加は「2-2」で記した「復帰のタイミングをずらす」ことにも繋がる。

2-4:空中ジャンプで復帰する

冒頭および第1段階の項目で封印を促した復帰方法である。
これを冒頭で忠告したのは何も考えずに空中ジャンプを使ってはいけないからである。
逆を言えばあらゆる復帰ルートを頭に入れ、最も有効な復帰方法が空中ジャンプであると正しく判断できてそれが通ったのならそれは正解である
とは言えハイリスクな復帰方法であるということはくれぐれも忘れないように。
復帰力がないファイターは、空中ジャンプが無ければ0%から一撃食らっただけで死にかねないのである。

多段ジャンプ持ちの復帰における空中ジャンプ

基本的には、上記の2-1~2-4に記した内容は多段ジャンプ持ちでも大きくは変わらない。
が、その有効性には差がある
ファイターにより差はあるが、「2-1:空中攻撃で暴れる」や「2-2:空中ジャンプで復帰のタイミングをずらす」において多段ジャンプ持ちは有利なことが多い。
滞空時間が長いため空中攻撃を何度も振れるし、相手の復帰阻止が届かない距離で復帰阻止が空振りするのを見てから復帰するといったことが可能になる。

一方、「2-3:空中ジャンプで復帰ワザの軌道を変える」や「2-4:空中ジャンプで復帰する」に関しては有効性に乏しいことが多い。
プリン並の空中機動力がない限り、多段ジャンプ持ちは空中での移動性能、特に縦の機動力が乏しいことが多く、いくら空中ジャンプを頑張ってルートを変えようとしても相手からは復帰ルートがバレバレであることが少なくない。
となれば「2-2」の通り、滞空時間という長所を活かして「いつ復帰ワザ*1を出すか」というところで相手を出し抜くことが他のファイターより重要になるだろう。

また、多段ジャンプ持ちの復帰において他のファイターより圧倒的に有利なのが上から復帰できることである。
これは初心者でも無意識に実践できていることが多いが、「自由に行動できる状態でステージの真上から降りる」という復帰ルートは非常に安全性が高い。
スネークの復帰が強いと言われるゆえんである*2
斜め上に高めに飛ばされた場合はこの復帰方法がほぼ最適解と言って過言ではないので安心して選んで良いが、ゼルダやネス等の様に高空へ届く撃墜ワザを持つファイターも存在するため油断はしないこと。

多段ジャンプ持ちは復帰において有利であると考えられがちだが、実際には利点も欠点もあり絶対的優位があるというわけではない。
多段ジャンプ持ちとて無限に空中ジャンプができるわけではなく、空中ジャンプを潰されてしまえば復帰ワザしか残らないというルールは変わらない。
「復帰における空中ジャンプの使い方」は全キャラ共通の重要事項なのである。

コメント


*1 空中移動回避でガケをつかむ択を含む。
*2 スネークの復帰力の高さは、厳密には上から復帰できることに加えて自爆を使えば空中ジャンプがなかろうともどんな距離からでも復帰できるという特徴や、上空から着地するにあたってC4落としによる着地狩り拒否や空ダによる空中制御が強いのも合わせての評価である。