アーカイブ/派閥

Last-modified: 2025-05-12 (月) 04:49:30

アーカイブ:固有名詞 | 遺物 | キャラクター | 星神 | 敵対種 | 派閥 | 光円錐


本棚:入手場所|内容:宇宙ステーション「ヘルタ」 | ヤリーロ-Ⅵ(1) | (2) | (3) | 仙舟「羅浮」(1) | (2) |(3) |ピノコニー(1)| (2) |オンパロス (1)|(2)|収録なし


概要

崩壊スターレイルの派閥をまとめたアーカイブで、丹恒の部屋やメニュー画面から入ることができる。

!注意!

  • ストーリーの進捗によって一部項目の内容が変化することもありますが、このページは基本的に最新Ver.のアーカイブを掲載しているため一部ネタバレが含まれています
  • また、ゲーム内で確認できる原文を忠実に写しています。
    改行や誤字・脱字、ダッシュ等の誤った用法を含め全てゲーム内のものをそのまま記しているため、このページでそれらを発見しても、すぐさま訂正することはご遠慮ください。

派閥

死すべき種族が神々の意志を推測することは、カゲロウが星から離れていくのと同じくらい無駄なことである。だが、共通の誤解を持った人たちが集まることで、さらなる価値が生まれる。知識は共通認識を形成し、誤った解釈は信条となり、群体は集団を引き寄せ……派閥が自然と生まれる。

大小さまざまな派閥が星神の意図を独自の信条で解釈しており、代弁者を名乗る派閥も多く存在する。多くの星神は派閥の動きに興味はないが、アリをいじめるのが好きな神もいる。彼らは巧妙に糸を引いて、派閥に創造性を発揮させ、自分たちが世界に介入したことを波紋としている。

星神のほとんどが孤独で遠い存在だが、星の海を埋め尽くす派閥的な力によって、星々は賑やかに活動している。旗揚げした派閥は、敵か味方かしかおらず、宇宙で平穏な一角を見つけるのは難しい。

星穹列車-開拓

「ブッー!ブッー!着席しろ、立ち上がるな、気をつけろ。ウッー!ウッー!シートベルトは常に着用、食堂車はカードゲームをする場所じゃない!」
     ――『星穹列車安全指南(パム版)』

「開拓」の星神アキヴィリが殞落したあと、彼の開拓の意志は彼の跡を追う「ナナシビト」に引き継がれた、その中に彼が搭乗していた星穹列車も含まれる。だが、「万界の癌」が広がっており、列車のレールもその影響を受けている。疫病が発生する前から、列車は困難に襲われていた。道が封鎖されている時は、静かに立ち往生するしかなかった。

何年も何年も続いた後、赤髪の少女が無人の列車に出会う。エンジンとレールの間に残された言葉にならない物語に魅了された彼女は、時間をかけてひびを埋め、擦り切れた部分を滑らかにし、列車を修理した。そして、好奇心旺盛な少女は列車の車両に乗り込み、宇宙を計測する開拓の旅に出た。

星穹列車は各駅に停車し、乗客は慌ただしく乗り降りする。旅人たちは、それぞれ異なる世界から来て、それぞれ異なる過去を持ち、それぞれ異なる目的地に向かうが、列車に乗っている限り、同じ旅を共有することになる。だから、乗客にはそれぞれの思いや思惑があったとしても、列車と姫子はこれを気にしない――この旅に加わりたい人のために、扉は惜しみなく開かれる。

星核ハンター-???

「――刃、銀狼、サム……以上4人、生死は問わない。
『運命の奴隷』を傷つけてはならない、自分で考える力を失わせてもいけない」
     ――スターピースカンパニーが公開した指名手配書

静寂の中で、「万界の癌」は水に投じられた石のように広大な星の海に広がり、短時間のうちに、この歪んだ難解な物質は世界を曇らせた。だが、その残滓と共に訪れたのは光輝く宝石――星核であった。

星核の行く先々に、消えた生命と崩壊した文明が残っている。被害を受けた文明にとって、星核は破壊の象徴である。それでも、濁流に真珠を求める人は星の海に現れた。彼らは「星核ハンター」を自称し、星核を手に入れるため様々な世界から集まった者たちである。

「星核ハンター」について、その行為以外は何も知られていない。彼らはどの星神を信じ、星核に何を求めている?……数ある噂の中の共通認識は1つだけ。「星核ハンター」のメンバーは少ないが、全員が非常に優秀である。

ナナシビト-開拓

「謎の人物が様々な世界に足を踏み入れ、そして去っていく」
     エイドリアン・スペンサー-スミス 『星空の寓話集』
数千年前、星神アキヴィリが世界を旅し、星の海にレールを敷いて世界を繋ぎ、宇宙や探検の伝説を残した。勇敢で好奇心旺盛な人々は、刺激的な冒険に惹かれ、「開拓」の神の足跡を辿るため、銀河探索の旅に加わった。

旅人たちは自らを「ナナシビト」と名乗り、アキヴィリが創った列車に乗り、レールで結ばれた惑星の間を駆け抜け、刺激的な冒険に出た。伝説によると、「開拓」のアキヴィリは人間と共に行動するのが好きで、異なる世界の酒を飲み、「ナナシビト」と様々な民謡を歌ったという。彼らは列車の軌跡を流れ星の尾のように改造し、人々が首を傾げているのを見ては笑っていた。彼らが窮地に陥った時、神の力を借りて難を逃れたこともある。アキヴィリと信者たちの絆は深く、彼らの冒険に惹かれた異世界の旅人たちが次々と「ナナシビト」になって列車に乗った。

アキヴィリが殞落したあと、「ナナシビト」は彼の遺志を継ぎ、いつの日か「開拓」の意志が全宇宙を繋ぐことを信じ、未知の世界を開拓し続けた。彼と彼の跡を追う者を乗せた列車は、今も星々の間を行き来している。噂によると、列車は亡くなった星神の心臓を動力源としており、未知の癌に汚染されたレールを修復しようと奮闘している。

仙舟同盟-巡狩

「長年の敵愾心、一隻の船に万の災難。水の命は限り無く、一杓だけ飲むことはない」
     ――仙舟 『宇内通鑑』

古代神話の時代、長生の薬を求めるよう命じられた仙舟は、長い年月をかけて肉体の意志を消耗し、最後には薬師の加護を願ったという。しかし、長生の果実は、海を荒らし、人々を苦しめるだけだった。巡狩の星神である嵐が深淵より戻り、重力を弦に見立て、満を持して弓を引き、一撃で建木を折り、「豊穣」の罪を断つまで。仙舟が誤った道から脱した後、船員は「巡狩」に導かれて同盟を結び、強力な雲騎軍を組織した。同盟は不死の汚染を断絶する事を己が責任とし、豊穣の忌み物を道標に、無限の星海を巡航する。

長い時を経て「仙舟同盟」は、神がいた様々な世界に上陸し、不死の忌み物を一掃してきた。豊穣を崇拝する種族は、天舟に星を消滅させられる可能性を考慮に入れなければならない。まさにこれが「仙舟同盟」が求めている抑止力なのであった。彼らは自ら警鐘となり、生に貪欲なすべての人が払うことができない代償となった。

現在、様々な種族が集まる仙舟は、「豊穣」への復讐と、「巡狩」の意志を完全に遂行するためにある。だから、不死の苦しみが続く限り、星間を巡る旅は続く。

巡海レンジャー-巡狩

「侠の極たる者、心に星斗を抱く」
     ――仙舟 『宇内通鑑』

すべての「巡狩」の信者が「豊穣」と敵対しているわけではない。宇宙には百戦錬磨の遊侠たちがいる。彼らは嵐の暴力を以て暴力を制す手段を尊び、嵐の殺伐とした果断を称賛し、宇宙の善と正義は、個人の行動によって果たされなければならないと信じている。

「巡海レンジャー」は義侠団体を立ち上げ、巡狩の運命を歩み、星神の祝福を宇宙に放歌している。彼らは星々を訪れ、現地の人たちのために正義を守り、邪悪を駆除し、また新たな旅路に踏み出す。レンジャーたちは通常、個々で戦い、互いに連絡を取り合うことは滅多にない。唯一、彼らが集まる方法についてはある不文律がある。「万矢令」と呼ばれる流星が空の一角に現れると、その彗星のような光が巡海レンジャーたちに向かうべき方向を告げるのだ。

絶滅大君(誅羅)の暗殺に成功したことで、「巡海レンジャー」の名を銀河に轟かせた。そして長い時間が経ち、とあるレンジャーが天才クラブ#64「原始博士」の先祖返り実験を挫折させた。だがその後、「巡海レンジャー」の姿は徐々に薄れていった。伝説によれば、彼らは「原始博士」との根深い確執により、不幸に見舞われたらしい。

琥珀2158紀に来て、流星がアスデナ星系に再び現れた。これは間違いなく巡海レンジャーが宇宙の表舞台に戻ったという重要な合図だ。情報によると、彼らはピノコニーの星核の危機で極めて重要な役割を果たしたらしい。

自滅者-虚無

「私は万物を砥石とし、自身の意味を練磨しようとした。しかし、私は知らなかったのだ。万物は水のようであり、まるでそれが水自身の中で消えるが如く、私も共に消えていくのだと」
     ――弔伶人の祈り、虚空を凝視した後の歌詞

宇宙の万物に意味はなく、人類も星神から見れば取るに足らない存在だ。もし星神が本当にすべての生物を凌罵した高貴な存在であるならば、普通の人間の喜怒哀楽など気にかけるだろうか?「自滅者」とは、「虚無」IXの影に不用意に足を踏み入れ、存在の意味を失った人々だ。

「虚無」の影は平等に星空を覆い隠している。そのため、自滅者はどの世界にでも生まれる可能性がある。これを「派閥」と呼ぶには、あまりにも彼ら同士の社会的な繋がりが欠けていると言える。しかし、「現象」と見なすならば、この哀れな人々には共通点がある。彼らの存在の属性の数々、すなわち肉体、認識、記憶などが、自滅の旅の中で徐々に消えていくのだ。

こうした現象は自然の法則では説明し難い。混沌医師の手記には以下のように描かれている。ある人々の皮膚は腐った枯れ木のようになり、傷や穴で覆われた。ある人々は内分泌系が乱れ、喜びと痛みを区別できず、すべてに対して麻痺した。ある人々は記憶を失い、ある人々は感覚器官を失った、と…彼らはまるで何らかの存在に生命の意味を奪われ、夢と幻覚の中で自分の姿が地平線の果てのブラックホールに消えていくのを見続けるしかないのだ。

しかし、一部の自滅者はそれに抗う考えを持ち始めた。彼らは「混沌医師」に加わり、限られた時間の中で他人の虚無を治療する代わりに、自己の救済を求めると誓ったのだ。それだけではなく、強い信念を支えとし、深淵で眠る星神の命を奪うことで「虚無」の呪いを根本から断ち切ろうとしている。

天才クラブ#64「原始博士」は失踪前に疑問を呈した。もしIXが本当に宇宙に関心を持っていないなら、「虚無」の運命はなぜ今も存在するのか?もしかすると、自滅者がぼんやりと星の海を歩きながら、同時に星神の影を宇宙中に投影しているのかもしれない。そして、「虚無」の浸透を自らの存在で受け止められるごく少数の行人、彼らの自滅の旅は果てしなく長く引き伸ばされる。その歩む道は、世界にいるIXの横顔のようなものなのだ。

混沌医師-虚無

「私たちは肉体を癒すのでも、魂を解放する者でもない。生を渇望せず、死を避けることもない。私たちは『存在』の本質を崇拝する」
     ――混沌医師慕榕

「存在は虚無である」――ある存在が知らず知らずのうちにその考えを持ち、それを座右の銘としたとき、その存在はIXが支配する運命に足を踏み入れ、遠い宇宙のどこかで、星神からの無作為の視線を受ける。この視線は2種類の結末を引き起こす。1つは『自滅者』と呼ばれる、朽ち果てて真の無になる結末である。もう1つは星神の神性に圧倒され、図らずも一瞬の好奇心から『混沌医師』となる結末である。

混沌医師は世界を救うという信念を持っている。つまり、存在が虚無でないことをIXに証明することができれば、この巨大で孤独な存在を未知の巨大な黒いプールから解放することができるのだ。この願いはほとんど逆説的で、人間には不可能だが、混沌医師はそれを受け入れることを望んでいる。命の無価値を感じた瞬間、遠くの星の海からのその視線が、運命の無意味さに反発する心を呼び起こす。

第Ⅸ機関-虚無

「第IX機関は存在する、探せ!原始博士は全ての秘密をそこに置いてきた!」
     ――とある巡海レンジャーが、酔った時に言った言葉

この世のすべてのものは、「存在」という檻と肉体に幽閉され、思考は巻き込まれ、世界の外見に目を奪われている。どんなに高度な生命体でも物質、秩序、論理、生命などの「真実」の反対にある、エントロピー的な「虚無」に加わることはできない。両者は密接に絡み合い、互いに牽制し合って完全な宇宙を構築している。

物質世界では感知できない虚無の投影には、「第Ⅸ機関」と呼ばれる謎の派閥が潜んでいると言われている。虚空を長く見つめる者は、次第に深淵の暗黒のエネルギーに引き込まれ、最終的には現実と虚無を隔てる「ブラックネット」を超えるとされている――しかし、この噂は証明されていない。

宇宙で最も権威のある「天才」学者たちがこの謎を解き明かそうと、第Ⅸ機関に挑戦したが、今のところ収穫はない。なぜこの組織が設立されたのか?その使命は?構成員は何人で、どんな活動をしているのか?それに……「第IX機関」は実在するのか?その答えは、命題と同じくらい曖昧である。

豊穣の民-豊穣

「一輪の花が咲き、万の枝が枯れる。白骨に忠告する必要はなく、最も薄情なのは豊穣である」
     ――仙舟 『宇内通鑑』

「豊穣の民」は、愛する神のために芸術作品や詩歌を作り、星々の間で薬師の愛と優しさを讃える。その祝福を受けて、川も湖も海も枯れることなく、花も木も鳥も、時間の残酷さに縛られることなく、生命の躍動感をもって咲き乱れる。その祝福を受けて、永遠は一瞬となり、人は老いや死を恐れることなく、優雅に時を過ごしている。

異なる星系の世界から来ているが、彼らが語る物語は常に同じである。数千年前、戦争が勃発し、人の短命が欲と恐怖を生み、それが略奪と暴虐の原因となった。モンスターや伝染病が世界を支配し、惑星や平凡な種族の運命が戦火の中で揺れ動く……慈悲深い神が降臨し、陽の光のような暖かい花の種を蒔くまでそれは続いた。種子が大地に触れた瞬間、ひび割れた土は癒され始め、汚染された水は清らかさを取り戻し、傷や病気に苛まれた肌は痛みを感じなくなり、悲しみに満ちた心は浄化された。人々は汚れた武器を捨て、口々に「豊穣」の祝福を讃えた……

「薬師」は、これらの世界の苦しみに終止符を打ち、死すべき種族に不滅の肉体と魂を与えた。「豊穣の民」は神への賛美をささやかな報酬として、宇宙全体に広めた。彼らの中には、星間の狩人から「薬師」は卑しき神で、この神が創造したものは禍根だと聞いた人がいる――「豊穣の民」は黙っておらず、神を貶した者には、必ず反撃をした。

薬乞い-豊穣

「星を纏う流浪者よ、何故悟らぬ?汝が求めるのは毒薬、『有限』が生命に与えた美を抹殺する毒薬にすぎん……」
     ――エイドリアン・スペンサー-スミス 『星空の寓話集』

人生は短くて辛い。そして波乱に満ちている。俗世の欲望はいつも災いを呼ぶ。儚い命は人間を狂わせる。寿命が文明にもたらす苦しみや負担から逃れるため、数々の世界が「豊穣」を信奉する使徒を派遣した。名声が知れ渡っている「薬師」を探し、永遠の命が得られる薬をもらおうとしたのだ。

「薬乞い」たちには、艦隊を指揮する王侯貴族から、孤独に旅をする浪人まで、様々な身分の者たちがいた。彼らに共通しているのは、「不老不死」に対する飽くなき追求と執念だけだった。仙舟同盟は不老不死を盲信する者たちに対し、「豊穣」の恩恵の裏には罠があると幾度となく警告した――しかし、結果は思うようにならなかった。傲慢さと恐怖は往々にして理性を凌駕する。使者たちは自分の意見を曲げることなく旅を続けた。

数多くいる「薬乞い」の中で、どれほどの人が「豊穣」の姿を目にし、またどれほどの人が自分の文明の人々を救う「良薬」を持ち帰ることができただろうか?それは誰にも分からない。宇宙で暴れる不死の魔物が銀河に響き渡る咆哮をあげたが、永遠の命を信じる旅人たちは、それを無視した。

反物質レギオン-壊滅

「黒衣の使者は問う、『なぜ生きるのか?』。彼は考えたが、曖昧で不明瞭な答えしか出せなかった。使者は致命的な笑みを浮かべた、『聞き方を変えよう――どうしてまだ生きているんだ?』」
     ――エイドリアン・スペンサー-スミス 『星空の寓話集』

「壊滅」の星神ナヌークは、大規模な軍隊を率いて、何千もの世界に混乱と不幸をもたらす。彼の信徒は、文明や生命の絶対的な対極に身を置き、宇宙を揺るがす「反物質レギオン」を編成し、「壊滅」の運命を歩むことを誓った。

星間の獰猛で野蛮な種族が軍団の先鋒として活躍する。また、世界を滅ぼそうと画策し、レギオンの賢者となった邪悪な野心家もいた。不運な新世界は容赦なく焼き尽くされ、自負していた文明は崩壊寸前で謙虚さを学んだ。陽の光が乏しい世界でのみ「壊滅」の意志は少しだけ鈍る――レギオンは断片化された惑星をさまよい、星が枯れていく過程でこぼれ落ちる混沌としたエネルギーを好物としている。文明の最後の火が消えると、彼らは満足げに次の破壊目標を求めて出発する。

レギオンに蹂躙された世界は、最期に必ず力なく問う「どうして?」と。子羊たちの必死の叫びに、何千もの悪魔たちが、星が震えるほどの嘲笑を浮かべた。邪悪と共に、「壊滅」の神の影が星空に浮かび上がり、また1つの世界の悲劇的な終焉を目撃する。

アナイアレイトギャング-壊滅

「ナヌークがいわゆる『アナイアレイトギャング』から見出した価値は、わざと花瓶を割ってしまった赤子よりも低いだろう」
     ――原始博士、《壊滅に関する研究》

すべての「壊滅」の道を崇め尊ぶ狂信者が反物質レギオンになれるとは限らない。宇宙には多くの残虐な種族が破壊と略奪に没頭しているが、彼らは体系的に「壊滅」の意志を遂行する能力に欠けている。「アナイアレイトギャング」のクズたちは、いつの日か「壊滅」の先鋒になることを夢見ているが、その拙悪な行動はナヌークに蔑まれるだけだ。

その原因は、「アナイアレイトギャング」が貫いている壊滅の初志は純粋ではなく、混沌とした欲望が混ざっているからだと思われる――ある人は殺戮を楽しみ、血肉の悦楽を吸収している。ある人は、復讐という本来の目的のために、略奪を隠れ蓑にしている。さらには、終わりなき破壊で内心の狂気を鎮めようとする人もいる。彼らは「壊滅」の下僕と自称しているが、私欲の奴隷から抜け出せていない。

このような遊兵は星々の間を彷徨い全てを破滅の渦に巻き込む。彼らは、個人の理性を手放したくないがゆえに、永遠に受け入れられないという苦しみを味わうことになる。

ファミリー-調和

「普遍的な調和、群星は輝き、無上の功徳を以てデウムを讃えよう!世の万人が同胞、万物が同根、祝福の風が大地を撫でる!」
     ――『調和の歌』第七楽章

「調和」の未来図の中には、宇宙の色とりどりの文明は、ついに仲間になり、団結と喜びの頌歌を合唱するというものがある。そうすれば、宇宙は調和のとれた完全となり、美しい和音を破るような不快な音はなくなり、短命な未来を心配する愚か者もいなくなるだろう。

だから、星神シぺの愛に満ちた光の下で、其に選ばれた人々は温かく調和のとれた「ファミリー」となる。彼らは異なる世界で生まれ、異なる文明に生き、異なるアイデンティティを持っているが、互いに親しい家族のように接している。家族の間に騒がしい議論や対立はなく、永遠の愛と喜びだけがある――宇宙でこれほど調和のとれた家族はないだろう。

「ファミリー」は歌で異世界に呼びかけ、「調和」の抱擁を受けるよう促す。新たな世界がシぺの祝福を受けるたび、「ファミリー」は喜び、星神の善良さを力強く歌い上げる。しかし、祝福を受けた全ての世界が「ファミリー」の一員になるわけではない――愚かさや傲慢さによって滅ぼされた文明についてはほとんど言及されていない。人々は家族の誰かが歌に飽き、「調和」と袂を分かつとどうなるか疑問を持った。この疑問に対して「ファミリー」は微笑みながら、そんなことは1度もなかったと答える。

天才クラブ-知恵

「誇り、熱意、理性が殿堂に足を踏み入れ、知性と真実が刻まれたギャラリーを歩き、謙虚さ、無関心、狂気へと変わる」
     ――エイドリアン・スペンサー-スミス 『星空の寓話集』

ヌースは広大な星の海の片隅に取り残され、何兆もの変数から構築された宇宙の方程式を導き出しながら、まだ発見されていない虚数の法則を推論している。時折、どこかの平凡な世界に知恵の閃きが現れ、「知恵」の神はその源に信号を送り、宇宙の答えを探すための行列に「天才」たちを招待する。

このメッセージを誤解して、「天才クラブ」への招待は、星神の好意と評価を表しているだけだと誤解する人もいた。――だから彼らは自分たちが一生懸命探していた問題の答えが、何千万年も前から既に知られていることに気づかず、自分たちを誇りに思って研究を続けていた。また、自分が多くのことを成し遂げ、自分の努力と工夫が文明にとってかけがえのない財産であることを喜び、自分の生きがいが神に認められるには十分であると信じている人もいる。この天才たちは熱心に対応したが、ヌースは人間のささやかな功績を評価することはなく、その沈黙は耳をつんざくようなものだった。

ヌースの意向に沿うことができたのは、ほんの一握りの人たちだった。彼らは謙虚に質問し、「知恵」の指導を求めた。そして、神の啓示を受けた天才たちは、世界を揺るがす答えだけを残して、人の海に消えていった。「宇宙への答えは人間の知恵の限界を超えている」――この結論を明確に理解した天才だけが、俗世間の知識欲という束縛から解き放たれ、「天才クラブ」の真の一員になれるのだ。

博識学会-知恵

「宇宙は広大で、知識はすべてを網羅している。天才には天才の生き方があり、凡人には凡人の自己満足がある」
     ーーヘルタ 『私は如何にして天才クラブに入り、全てを認識するのか』

天才クラブでは、本当の意味での成員は少数だが、博識学会では、決して無駄ではなく、宇宙から知識を求める人たちを広く受け入れ、その完璧な発展のためのあらゆる条件を約束している。

博識学会は「知識はお金のように循環しなければならない」を提唱している。そのため学会には多くの学派があり、様々な専門分野が存在しているが、自分だけの理解で研究を進めようとする人はいない。多くの頭脳が集まることで化学反応が起こることを期待して、彼らは知識と知恵、公式とレシピを取り交わしているのである。学派は財団のように自立しており、知識の流通は経済モデルにおける効率を最大化するものでもある。

天才クラブのとある大御所は、この博識学会を頑固なお笑い草と見なし、烏合の衆と称した。だが、博識学会はこのような嘲笑を気に留めたこともない。長い間、研究と探求を続けてきた者たちは、ある合意に達した。「個人の限界を超えるには、相互運用可能な学術ネットワークしかない」

源究の森-知恵

「研究とは生命を昇華させるためにあるはずで、生命は決して悲鳴で感謝を表すことはない」
     ――無名作家共同執筆、『学会規則第十七版』

「知的生命体が正しい道を歩んでいるなら、なぜ宇宙文明は停滞しているのか」と学者たちは不変の星空に質問した。このような質問に対して、クラブの天才は少しも耳を貸さず、学会の凡夫は何も知らず、答えを出すことができるのは、彼らを啓蒙した「原始博士」を除いて他には誰もいない。

これら熱狂的な学者たちはすぐに文明の反対側に立ち、自ら「人類退化実験」の最も忠実な支持者になった。彼らは「知恵」がすでに誤った道に立たされており、「退化」こそが唯一の救いであると信じている――愚かな枯れ枝を断ち切った後、知識の新芽が廃墟から出てくるように。彼らは知識を求めることには一切の制約を超越すべきであると信じ、これらの残酷な行為が科学の範囲を超えたことに無視し、直ちに「誤った種」の領域に飛び込んでいった。長い実験の過程で、研究者と被験者の境界が次第に曖昧になってきた。

宇宙には、「原始博士」は変わった性格をしており、いかなる「人間」とも繋がりを持っていないという説が流れている。しかし、博士の追従者が世界にかけている迷惑は、本人に劣らない。レンジャーが銃で実験室の鉄の扉を撃ち抜いた後、噴き出したバナナの海に飲み込まれた時、人々はやっと、かつての「源究院」という団体がすでに存在していなく、代わりに「原始」に向かって退化する恐ろしいジャングルだけがそこにあることに気づいた。

建創者-存護

「愚かな者は肉体を壁にし、欲深い者は金を壁にする。世界が終わるとき、それらは等しく灰になる」
     ――作者不詳 『短しこの人生』

「存護」のクリフォトは最も古い神とされている。彼は無口で威厳があり、長い時をかけ星間に防壁を築き、銀河で起こる耳障りな戦いには決して干渉せず、他の星神の嘲笑も無視している。

彼の動機については、多くの銀河系の文明が推測している。ある説は、この老いた星神は、宇宙が消滅する危機を予見し、何千もの世界を「存護」するための防壁を築いたとしている。ある説は、クリフォトは他の星神の下僕となって、彼らの意のままに壁を創っているとしている。真相を確かめるすべはない。彼の絶え間ない行動が人々を動かし、人々は自然とグループに集まり、惑星を守るための防壁を作り始めた。その中には「存護」の神の視線を感じたという人もいる。鍛冶屋の暖かさと、石灰の匂いが混ざった、認めるような視線だったそうだ。

1つの星の消滅は、数千光年離れた惑星にも影響を与え、絶滅の危機に追い込むことになる――時折、世界はそのような荒廃を経験しているが、高い防壁により安全が保たれている。死を乗り越えた人々は、もう「建創者」の頑固さを嘲笑うこともなく、「存護」の動機や意味を問わなくなった。

スターピースカンパニー-存護

「お言葉ですが、この宇宙にクリフォト以上に進歩的な代表取締役はいるのだろうか?其は私たちのビジネス上の決定にすべて同意し、疑問を抱くこともなく、質問することもない――これはとても名誉なことで、この上ない信頼である!」
     ――オスワルド・シュナイダー スターピースカンパニー・市場開拓部主務、P47級

対外的に、カンパニーは自由貿易を提唱する巨大な財団として知られている。運営形態から見ると、カンパニーは通貨を発行し、資源を独占したりする商業独裁組織だ。だが、創業当時の初心という観点から見れば、カンパニーは「存護」の星神にすべてを捧げる、無私の支援者たちと言える。

多くの星間公民がカンパニーについて語るとき、必ずと言っていいほど、どこにでもある商品や目を引くロゴに触れる。まるで「貿易あるところにスターピースカンパニーあり」というように。実際、銀河のほとんどすべてのビジネスは、カンパニーの「信用ポイント」体系に基づいている。星間貿易を競技スポーツに例えるならば、カンパニーはトップアスリートであると同時に、様々なスポーツ、競技場やルールそのものでもある。

富の絶対的な支配と終わりのない拡張主義的な行為は、スターピースカンパニーが陰謀的な独裁者という印象を大衆に与えている。しかしこの企業が「空を遮る手」のような低俗なビジョンにこだわらないのは、創業以来の精神が変わらないからである。

全てを「琥珀の王」――クリフォトに捧げよう。

その七大部門は……

「市場開拓部」

市場開拓部はより多くの星系に向かい、クリフォトより与えられし使命を広めることに力を注いでいる。同時に、新たな世界をスターピースカンパニーの商業体系に引き入れる役割も担っている。

噂によると、主務のオスワルド・シュナイダーはかつてナナシビトであり、カンパニーに加入した後でも依然として、強烈な「開拓」の意欲を持っているらしい。人々は信じているのだ。彼が、近い未来に取締役会の一員になることを。彼に足りないのはキャリアと空席だけだ。

「業務強化部」

新世界と市場開拓部が外交関係を結ぶと、後続の商業業務は業務強化部へと移される。この部門はカンパニーの超距離運輸ネットワークの統括、各世界の特産品の統計および価格決定、そして長期的に、カンパニー傘下の施設および貨物リストを管理している。

業務強化部はカンパニーの中で最も大きな部門であり、その社員数は全体の45%を占める。

「戦略投資部」

戦略投資部はカンパニーで2番目に長期的な利益を見据えている部門である。彼らの投資は短期的な利益に拘らない。

戦略投資部に設けられたエリートチーム「不良資産清算エキスパート」――即ち「十の石心」――は謎の責任者「ダイヤモンド」によって統率されている。彼らは宇宙を駆け巡り、万界の癌によって発生した不良債権を積極的に清算している。

「資材物流部」

資材物流部はスターピースカンパニーで最も歴史ある部門であり、その前身は「琥珀の王後方支援隊」だ。この部門はルイスが頭角を現した後に再編を経ている。

現在の主務は太鼓腹のタラファン・キーン――数少ない、確証のある「存護」の使令で、七人取締役会の一員だ。彼はクリフォトに建材を送るという神聖な任務を担っており、その地位はますます強固なものになっている。

「技術開発部」

技術開発部は博識学会と深い協力関係を築いており、学会の研究成果を商業プロジェクトに転換している。「本職が本職を管理」しているため、カンパニーは主務であるアポリの科学的素養と商業センスを認めている。この若い女性と博識学会「凡人院」の繋がりは、常に人々の想像を膨らませている。

「人材奨励部」

人材奨励部はカンパニーのために人材を募集し、育成し、各部門に送り込んでいる。この部門は同時に、数多ある星系を跨いだプロジェクトのコミュニケーションの媒介となっている。

他にも、人材奨励部の2名の主務であるムトユイン・ラジェ・ザザードと閻世羅は共同で全銀河を包み込む情報ネットワークを掌握している。彼らの使者は銀河各地を行き来し、様々な勢力と関係を結び、まだカンパニーに加入する意思を持っていない人材と友情を培っている――そういった外部の者は、カンパニーが表立って行動したくはない、あるいはできない状況において、重要な価値を示す。

「伝統事業部」

時が経つに連れ、多くの事業が栄枯盛衰を経験した。それに伴い、カンパニーの貿易体系における各事業の地位もアップダウンしている。汎銀河貿易版図の中で一つの産業が占める比率が一定値を下回ると、それは業務強化部から伝統事業部の主務、在田に渡される。

業績が平凡な伝統事業部はカンパニーの中であまり重要視されていないが、真のエリートは伝統事業部にこそあり、彼らは長き時間の検証に耐えられる事業を黙々と進めている、という意見もある。

十の石心-存護

「この肉体は弱いが、心は輝石のように硬い。そうでなければ『存護』の道は成り立たないだろう」
     ——「ダイヤモンド」、スターピースカンパニー・戦略投資部主務、P47

カンパニーには数多くの部署があり、その中の「戦略投資部」は眼界を担当している。彼らの投資は短期のリターンに固執しておらず、数十年、さらには数百琉珀紀をサイクルとすることもしばしばで、星系の完全掌握を目指しているのだ。ナヌークと星核により継続的にダメージを受け、部の多くの投資が損失を出したが、現在の部長「ダイヤモンド」が就任して以来、戦略投資部はめざましい成果をいくつも挙げている――

ガルンド星域の虫害を解決し、新しい生物圏の商業化を軌道に乗せた。星核事件の後、ゴルカンダ鉱業世界連合体に投資し、カンパニーの建材輸送貿易に新たな鉱物供給源をもたらした。連絡の途絶えた世界ヤリーロVIを改めて手中に収め、その復興プロジェクトに投資した。ガーデン ・オブ・リコレクションと協力し、死にゆく世界の憶質回収計画を進めた。
……

これらすべての事件の背後では、「十の石心」と呼ばれる一団が大いに活躍している。カンパニー内でのこのポジションの正式名称は「不良資産清算エキスパート」で、「ダイヤモンド」直属のエリートチームだ。メンバーの出自や職務はさまざまで、何度か人員の入れ替えが行われているという記録もある。唯一の共通点は、彼らは全員「ダイヤモンド」本人によって抜擢され、「基石」という身分の証を授かっているということである。

いくつかの信頼できる情報源によると、「十の石心」はある場面で信じられないような「存護」の偉大な力を発揮したことがあるらしい。その力がメンバー自身に由来するものなのか、それとも彼らの持つ基石に由来するものなのかは確かめようがない。しかし、「ダイヤモンド」はカンパニーで確認されている数少ない「存護」の使令であるため、その力はこのことに関係している可能性が高い。

「戦略投資部」と「市場開拓部」の過去のいざこざについては、カンパニー内ではもはや秘密ではなくなっており、人々は「十の石心」が実際にはダイヤモンドの私兵であると話している。しかし、彼らは純粋な「存護」の信徒であると話す者や、「自分たちの心を掘り出してクリフォトの石と取り替えた」と考える者すらいる。「十の石心」は一体誰に忠誠を誓っているのだろうか?これは現時点では答えられない問題である。

スウォーム-繁殖

「人間の本質的な欲望は複雑で…歪んでいて…醜くすらある。それに比べて、スウォームやレギオンの美学はとても純粋だ。羨ましい…限りだ」
     ——とある科学者が狂気に飲み込まれる前の言葉

生命は本能的な繁殖欲求から生まれたものであり、感覚や精神は生命の繁殖欲求の副産物に過ぎない。原始的な欲望に従うことを拒否した生物は、自分が「繁殖」の星神の子孫に餌と見なされてきたことを知らずに、己の知恵を自慢する。「蟲の王」であるタイズルスは、全ての蟲の父である。其の子孫は星空を覆うほど多く、其の触手は銀河を測れるほど長い。その自己複製する混沌とした産物を、諸界は畏敬の念を込めて「スウォーム」と呼んでいる。

精神、魂、技術、哲学……タイズルスの複眼には、すべての知的民族が追求する宇宙の法則は「繁殖」という究極の目的を果たすための過程の脇役に過ぎない。「スウォーム」は決して称賛を求めない。「崇拝」そのものが余計な欲望だからだ。原始的な本能に屈した蟲だけが、この自己増殖の荒波に引き寄せられ、その餌食となって、膨大なスウォームの一部となる。

繁殖の神が死んだ後も、「スウォーム」は計り知れないスピードで増殖・拡大を続け、巣として選ばれた世界に恐怖と災害をもたらしている。

ガーデン・オブ・リコレクション-記憶

「海の魚の一瞬の記憶も、ずっと砂漠で暮らしてきた人にとってはかけがえのない宝物だ」
     ――エイドリアン・スペンサー-スミス 『星空の寓話集』

考えることは存在することであり、記憶することは存在することの証拠である。物質世界を構成する素材はいずれ滅びるが、別の形で生き続けることができる――それは記憶だ。

記憶には虚構が混じっているという凡人の考えとは逆に、「ガーデン・オブ・リコレクション」のメモキーパーたちは、真実も虚構も単なる神話であると考えている。無限に輪廻する宇宙で、真に不朽のものは何か?星の崩壊、ブラックホールの蒸発。宇宙の尺度から見れば、これらの消失は一呼吸する刹那でしかない。万物の流れの中で、人の存在を証明できる記憶こそが唯一の宝である。

「ガーデン・オブ・リコレクション」のメモキーパーたちは記憶の保存と共有に努めている。主である浮黎の啓示により、メモキーパーたちは肉体を捨て、ミームとして生きている。この独特な褒賞を以て、彼らは物質の限界に縛られることなく、星の海の様々な世界を自由に旅することができる。メモキーパーは、目標世界の住人になりすまし、取引、コピー、盗み、誘い、あらゆる手段を使って貴重な記憶を集める。

焼却人 -記憶

「価値のない記憶は時間に溶ける、雨の中の…涙のように……」
     ——メモキーパーロイ・ハンプトンズが処刑される前、琥珀2053紀

宇宙の記憶を集め、保管しておく「ガーデン オブ リコレクション」では、極めて過激な行動をとるメモキーパーたちを匿っていた――あらゆる存在の痕跡を大切にする同僚たちとは異なり、彼らは世界の記憶に優劣があると考えていた。そして「浮黎」の作り出した浄土は純粋で高貴な場所であり、その空間が何の価値もない記憶に埋め尽くされてはならないという意見を持っていた。

「焼却人」たちは星神の記憶をふるいにかけて洗い流す役目を背負っていると自負していた。彼らはメモキーパーが集めて保管している記憶を盗み出し、細かく等級分けしている。価値ある内容の記憶はこっそりと戻され、何事もなかったかのように偽装される。一方、つまらない内容だと判断された記憶は完全に破壊され、二度と探し出すことはできなくなる。

「焼却人」は、自分たちの行いはゴミを取り除くことだと言っている。「浮黎」の負担を軽減して、神の記憶の浄土作りという偉大な仕事に多少なりとも貢献することが最大の目的なのだ。しかし、「ガーデン・オブ・リコレクション」はこれを鼻で笑った。宇宙の小さな断片にはそれぞれ残しておく意味があり、凡人に記憶の価値を判断する権利などないからだ。

弔伶人-愉悦

「彼らが笑うことは無いが、彼らは泣く。彼らが悲しげに泣けば泣くほど、私は嬉しくて笑ってしまう。涙が出るほど笑うと、弔伶人は何をしたと思う?――彼らはテッシュを渡してくれたんだ」
     ——名を持たぬ仮面の愚者

「弔伶人」は頑固なアンチ悦楽のグループだ。人生は浮き沈みが激しく、苦しみが人を成長させ、喜びは往々にしてつかの間のもので、人生に絶望の誘惑をもたらすと信じているのだ。安価な喜びは、自己を見失う麻酔である。すべての生き物は、喜びを捨て、悲しみを背負って、精神を磨くべきである。そのため、彼らは悲哀劇団を結成した。

伶人たちは星空を渡るゴンドラに乗って、公演を行う。彼らはあらゆる世界の顔や仮面を集めて身につけ、死んだ種族やアンデッドの象徴としている。同時に、彼らは知的生命体の悲しみを記録し、最期を迎えた英雄のために壮大な悲劇を書き、消滅する星のために優しい哀歌を歌う。

弔伶人は、愉悦の星神の運命に逆らうように、神が宇宙にもたらす甘い誘惑を薄めるために、禁欲と禁欲主義を推進している。

しかし、喜びは悲しみの正反対であり、悲しみと喜びは魂のコインの両面に刻まれた文様である。悲劇の美しさの中に、愉悦の神が力を発揮することもある。過激なブラックジョークが好きなのか、星神アッハはその力を修行者たちに授け、彼らが快楽の放棄を多くの銀河に広めることを面白おかしく手伝った。

仮面の愚者 -愉悦

「『仮面の愚者』のような集団も、自分たちが信仰する星神を真剣に賛美している――其は決して君を諦めない、悲しませない、見捨てない、泣かせない。君に別れを告げることも、君を嘘で傷つけることもない」
     ――アース・リックリー、イプシロン-XIIのポップスター

「仮面の愚者」は、自分たちが崇拝する神がどのようにして生まれたのかという寓話を語る――愉悦の主が存在の木の高い枝に登ったとき、真空は冷たく忌まわしいものであり、星は機械的に働き、すべてのものは虚無だった。さらに見ていくと、まるで悪者にされたかのように地面で泣いている赤子がいて、思わず笑ってしまった。その笑い声が冷たい宇宙を切り裂き、今もなお世界に響き渡っている。

愚者たちは、世界の真実はただのジョークであり、すべてのものの究極の意味はただの笑い声の中にあると深く信じている。宇宙は無慈悲だが、痛みを鈍らせ、悲しみを鈍らせ、無に抗い、傷を癒す喜びがある。笑い、それは知的民族の天賦で、唯一の答えである。

愉悦の信徒の中でも「仮面の愚者」は特に思想が過激で、楽しむためには手段を選ばず、行く先々でトラブルを引き起こすことが多い。英雄の独善性を笑い、王の権力欲を笑い、恋人の執拗な絡みを笑い、賢者の策略を笑う……彼らの行いは、人生の淀んだ水をかき回し変化を与えることである。そして愚者はその変化の中から嘲笑に値する喜びを読み取る。もし誰かが彼らをいじってくれたら、それはなおさら喜ばしいことなのだ。

ミラーホルダー-純美

「鏡の中の人は自分の姿を鏡に映すが、鏡の中は知らない姿である」
     ――エイドリアン・スペンサー-スミス『星空の寓話集』

ミラーホルダーの伝説の中で、美を司る神の死は、ある種の古代のメタファーである。それは、そびえ立つ塔が崩れ落ち、壊れたレンガになってしまうように、衆生の美に対する見方が別れ、変化が乱れていることを象徴している。だから、ミラーホルダーが追求する目標には別に意義がある。人々の美に対する価値観が再び一つに融合する時、争いは差別は消えるのだ。そして、彼らが信仰する神も再び完璧になり、宇宙は一つになる。

これは単純な妄想ではないのかもしれない。なぜならミラーホルダーは「超越の鏡」という名の一連の実態を持っているからである。超越の鏡は物質世界の光景を映し出すのではなく、所有者が認めた美しさを写しだし、現実に投影する。

ミラーホルダーによれば、この鏡はイドリラの神体の破片だそうだ。美を司る神が死んだ時、その破片は星の海に散らばった。流浪するミラーホルダーは全力で手がかりを探し、破片を奪還し、いつの日かそれをつなぎ合わせ、「純美」をこの世に取り戻すことを望んでいる。

純美の騎士団-純美

「もし僕が勝ったら、『純美』のイドリラは比類なき美貌を持っていると認めてください!」
     ――純美の騎士 アルジェンティ

イドリラの無数の追従者の中で、最も古典美を尊ぶ人々は「純美の騎士団」を結成した。彼らは忠実で俊敏な馬に乗り、古くて優美な歌を歌い、恐れを知らずに星々を渡り、イドリラの美しき名を諸界の生命に伝えている。

純美の騎士は自分に厳しい。彼らは現在では消滅している「騎士道」という信条のもと、自分をむごく扱い、完全無欠な肉体、知識と精神を鍛えてこそ、イドリラの崇拝者は自任できると信じている。純美の騎士は非凡なる実力を持っているのに、銀河の各大きな派閥は彼らを軽視している。崇拝が空っぽで、信仰もない戦士は、宇宙の間ではただの統率を失った軍でしかなく、偉大になることはないからである。

噂では、純美の騎士団はイドリラの死を信じてなく、彼らは今でも宇宙を行き来し、その力の源は今でも謎である。

虚構歴史学者-神秘

「歴史は真実ではない、客観を抹消することすらできる。私たちの使命は歴史を過去だけでなく、現在に存在させること、それは現在にしか存在せず、誰もの脳内にあり、誰もがそれを飾り付けられる」
     ーー虚構歴史学者ルドダカーン、『空白の5000年』

「虚構歴史学者」たちが星神の啓示を受けた使令の証拠がある。彼らはしばしば独りで星々の海に身を投じ、あちこちの星に旅立っていった。そこの歴史を捏造、混乱、破壊、抹消することに力を注いでいる。虚構歴史学者は、宇宙が、惑星が、文明が、国家が確実な歴史を持つ時、その未来はすでに決まっており、あらゆる可能性が未来から消え去ると信じている。ただ哀しく、寂しく、堅苦しく進行だけが残る。客観的な不幸運命から世界を守るために、虚構歴史学者は「神秘」を唯一の意志とし、宇宙のすべてを霧で覆い尽くすことを決意した。

虚構歴史学者は他人には理解できない崇高な利他的な目的を持って、孤独で断固とした歴史破壊の使命を遂行している。彼らの理論は大衆にほとんど理解されておらず、客観的事実に対する彼らの露骨な憎悪はやや極端だった。多くの世界が、この「神秘」の使令が非物質文化に与える不可逆的な破壊に気づき始めている。銀河における虚構歴史学者の名声は、反物質レギオンに匹敵する。博識学会は、反物質レギオンは物質を破壊し、虚構歴史学者は宇宙そのものを破壊していると公に非難した。

【記録印鑑】本項目に所属不明の内容が含まれていたため、本項目はあらゆる内容の参考にも適用せず、今後更新する予定もない事を、ご了承ください。

リドラー-神秘

「こちらが知っているものならばそちらも知っていよう、こちらが何も言わなくてもそちらは知っていよう、こちらは何であろうか?」
     ーーリドルマスター バード・バビバボ・バラ

「神秘」の信奉者は多く、「リドラー」はさらに中堅である。彼らはかつての詩人、影絵師、変相師、あるいは秘学僧侶であって、それぞれの分野で光を放った。しかし、星神と接触した以来、たわごとを言ったり妄言を書いたりするわけのわからない者たちへと変化した。

虚構歴史学者が歴史を神秘化することに注力しているのに対し、「リドラー」は言語の確定性を破壊することに夢中になっている。意味を表す文字は「リドラー」の口を通してだんだん模倣になっていく。彼らは文章を解析し、比喩を創造する。そして語順を変え、意味を歪曲し、正確な言語をまったく別のものに変えるのである。

リドラーは虚構歴史学者ほど誇張ではないが、その行いは依然として現実宇宙に大きな影響を与えている。銀河では純粋で正確な言葉を探すのが難しくなった今、その理由は何なのか?これはリドラーが残したもう一つの謎である。

仲裁官-均衡

「良薬は口に苦し、蜂蜜は身を傷つける。均衡は取捨を引き起こし、取捨は自由を育む」
     ーー作者不詳『短しこの人生』

万物が誕生したとき、「存在」というおもりが皿に置かれ、綻ぶ生命のエネルギーが宇宙の天秤を一瞬で傾けた。しかし、「均衡」の忍耐力は計り知れない――機が熟せば、「存在」と「無」は再び完璧に拮抗し、宇宙法則の平衡は必然的に尊重を得る。

仲裁官たちは「互」の理念を尊重し、この星神の永遠の集中と忍耐を賛美している。しかし、普遍的な法律が時空を凌駕することは難しく、凡人たちは世俗の中で「均衡」の美しさを追い求め、全力を尽くして世間の極端な者、美と醜、喜と悲、善と悪などを抹消するしかない――無数の対立する概念が創造され、解釈されたが、それは仲裁官たちの「ゼロサム」宇宙への執着を満たすだけであった。

しかし、凡人が制定した規則は結局は抜け穴だらけである。仕方なく、仲裁官たちは長い時の中で過去の過ちを補修し、均衡を達成するという願いを永遠に次回の「パッチ」に先延ばすしかなかった。「互」は黙って全てを見つめ、天秤の傾きが元通りになることは世俗の出来事に影響されないことを深く知るのであった。

丹輪寺-均衡

「衆生は生と死の海に沈み、悪道に堕ちて燃え尽きる。三毒四苦は心より生じ、愚かな泥の人形が玉台に座る」
     ――持戒師、摩騰

長い豊穣戦争の中、一部の歩離人たちは果てしない戦争と殺戮に疲弊していた。彼らはすべての苦しみは「豊穣」と「巡狩」の不均衡に起因していると考えた。薬師が神になって以来、「豊穣」の影響力は日増しに大きくなり、生命の輪廻の均衡が揺らぐ事態になった――彼らは「巡狩」の誕生は必然であり、この不均衡に迫られて生じた結果であると信じていた。そこで、その歩離人たちは信仰を捨てて戦いから離れ、「丹輪寺」を設立した。

丹輪寺は宇宙を漂う寺院の建築物である。彼らは豊穣の民とのすべての戦争に現れ、遺骨を埋めて、死者を成仏させた。彼らに拾われた孤児たちは丹輪寺の僧侶となり、再びその仕事に身を投じていった。

丹輪寺の僧侶たちは「均衡」を偉大な先駆者と見なしているが、人間世界を導く神とは見なしていない。教理の中で、彼らは常に星神という存在と距離を置いていた――「豊穣」と「巡狩」の狭間で生まれた丹輪寺は、極端な意志を貫く星神は宇宙を不均衡の深淵に突き落とすと信じている。

3琥珀紀にわたる平和的な活動の後も、丹輪寺の僧侶たちは依然として歩離人が絶対的多数を占めていたが、多くの異なる種族からも悟りを開いた者たちを受け入れるようになった。仙舟人、造翼者、慧駿、オムニック…種族にかかわらず、終わりなき血火の輪廻を終わらせることを志している者は、戒律を受けて丹輪寺の僧侶になれる。

丹輪寺の僧侶は「持戒丹輪」を身につけ、「害せず、余らせず、貪らず、憤らず、放逸せず」という五大戒律を守らなくてはならない。しかし、徳が高い僧侶は持戒丹輪を身につけていないことが多い――彼らの丹輪はすでに心に刻まれているからだ。

天外聖歌隊-秩序

「世界に混乱を呼ぶ者は存在してはならない。貪欲な者は生きられない。狡猾で気まぐれな混沌は宇宙の汚れた塵である」
(#1--・♭6|♭6・--|----||♬"Secréiat Ineional es mpers"。1894-193
     ——VGhlIFZvaWNlIGZyb20gdGhlIE91dGVyIFdvcmxk

「天外聖歌隊」は、本物の世界の本源は「秩序」エナの詔勅から生まれたと考えている。其が口を開いて宣言をすると、万物が生まれた。それぞれに独自の記号が与えられたことで、万物は侵蝕を受けず「存在」を維持できるようになった。その後、離散していた音節がつながり、節が重なって韻律を作り、興隆しては滅びる帝国、都市国家、文明を描き、最後には時間の交響曲を織りなした。

星神がまだ没していなかった時代、時折、宇宙の深くから清らかな魂の兆しがよく鳴り響いていた――それは壮大な奇跡が遠方でできあがった時、その血の信者たちがあげた歓声と讃美歌だ。他の地の信者たちはその音を聞いて感応し合い、楽理を捉えて文明に還元し、抜擢を受け入れて新たな讃美歌を捧げる。かすかな反響が宇宙を揺さぶり、エナの庇護は宇宙に広がった。星間の災禍はすべて抑えられ、万事万物が一つに統合され、共存共栄し、「秩序」の中で永遠に存在していた。

そして「天外聖歌隊」の頌歌は、其自身の声だった。今では其は没し、その旋律は調和に溶け込み、ついには跡形もなく消えた……

…しかし、事実はそうではない。数々の痕跡が示しているように、かつての反響は「不協和音」となり、調和の取れた合唱から分離し、「秩序」の賛歌を再び奏でようとしている。

葬儀客-終焉

「みなさん、また会いましょう。二度と会えなくなるわけではありません——なぜなら宇宙に終点はなく、万物は1つの場所で再会するからです」
     ——葬儀客、エレジー

葬儀客とは、宇宙各地の片隅に散らばったテルミヌスの信徒のことである。

多くの人々は「終焉」から目を背け、其の存在やそれが象徴する宇宙の終わりについて決して口にはしない。しかし、その存在を心から信じる聡き生命もある。時を逆行する星神は、宇宙の時計がカウントダウンする時の針の音に他ならない。それは人々に存在意義を知らしめる警鐘でもある。定められた葬儀の日が訪れるまで、無知な人間は当然ながら一分一秒の命を大切に生きようとするものだ。

それゆえ、葬儀客、そして世界の終わりから逃げようと試みる人々は逆行する。彼らは世界の終わりの光景を愛おしみ、世界の終わりを見ることを渇望し、そこで「終焉」との一度きりの出会いを迎える。

コメント

  • 星核ハンターって『開拓』同士に挟まれているから『開拓』なのかね? -- 2023-10-31 (火) 09:32:42
    • 『終焉』でしたね(亀レス) -- 2024-06-30 (日) 13:33:50
      • エリオが終焉の縁者であることは確かだけど、星核ハンターが終焉を信奉してるとは限らなくない? -- 2024-12-03 (火) 01:23:54
      • エリオだけでなく星核ハンターという派閥自体が『終焉』の道を歩んでいることはジェイドから明言されてましたよ -- 2024-12-11 (水) 21:46:09
  • 仮面の愚者のエース・リックリーがサイレントでアース・リックリーになってました -- 2024-07-03 (水) 14:52:42
    • 星空に関する寓話集も星空の寓話集になっていました -- 2024-07-04 (木) 20:32:16
  • 星核ハンターは終焉の派閥なのは明言されたけど、アーカイブの記述はまだ???なので戻しました。 -- 2024-07-17 (水) 11:22:01
  • 天外聖歌隊は派閥欄に載ってましたっけ -- 2024-07-21 (日) 21:03:39
    • ない -- 2024-07-21 (日) 21:12:09
  • Ver2.5にて新規追加された派閥を追加&並び順が一部変更されていたのでゲーム内に準拠した並び順に変更いたしました -- 2024-09-11 (水) 23:45:40

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