| 画像 | 名称 | 効果 |
|---|---|---|
![]() | 栄養過多 | ますます深刻化する肥満と健康の問題を解決するため、アターテ博士は栄養管理マシンを開発した。それは所有者の過剰な栄養を吸収して貯蔵するだけでなく、大気中の無害な粒子をろ過して食品を合成することもできる。しかし思いがけず、食品合成の効率が良すぎてしまったため、食事コントロールができない消費者たちの体重は減るどころか増加してしまい、クレームの嵐を前にしたアターテ博士は、何日も眠れずやせ細ってしまった。 |
![]() | 尊厳と熱意 | スターピースカンパニーは領有する星域の採掘作業に関する最終解釈権を持っており、非合法な採掘行為はいかなる場合でも、琥珀の王の壁建設を冒とくする行為と見なす。軍用巡航艦の大きな衝角は、無法者たちの船に勢いよく衝突し、彼らにクリフォトの尊さを惜しみなく見せつけると、違法採掘船をスクラップにする。オスワルドは過去に何度も、資材物流部のやり方は市場開拓部よりもはるかに過激だと冗談めかして話していたが、それは間違いではないかもしれない。 |
![]() | 雲間ステーキ | メディロ人によって空中で飼育されている大気浮遊生物は、長期間におよぶ品種改良を経て、家畜の肉とほとんど変わらない味にまでなった。調理の難易度が極めて高いため、高級レストランでよく提供される食材となっている。星空生態学派の考察によると、こうした生物は穹桑の刺胞動物の遺伝子と顕著な類似性を有しているとされる。さらに過激な意見では、造翼者と同じ起源の祖先を持つとされているが、これについては星間美食協会から会を挙げての反発を受けている。 |
![]() | ストーンウィスパーの情報片 | ストーンウィスパーが体から排出した固体の情報片。この高度な知能を持つ棘皮動物はそうした情報片を用いて、個体の断片的な言葉から社会全体の歴史にいたるまで、あらゆる物事を記録している。ストーンウィスパーは特殊な神経構造をしており、その情報片に含まれる情報は各種星間文明が低コストで解読が可能だ。そのため、共感覚ビーコンが誕生する以前から、彼らはカンパニーの枠組みへ早々に加わり、宇宙間交流において重要な役割を果たしていた。 |
![]() | アウェイク-310 | 混沌医師の数ある薬の中で、「アウェイク-310」はあまり安全ではない部類に属すだろう。シオン草の葉を1枚口に含み、クリムファンウルフの牙の粉末、デニソワームの胃液、9種類の薬が混ぜられたゲル状の物質を額に均一に塗り、それが大脳皮質に浸透するのを待つ。この奇妙な薬は患者の認知へ潜り込み、「虚無」を生み出しうる感情を根本から消し去る。不幸なことに、認知の矯正がポジティブな反応をもたらしたため、薬が辺境星域に流入した後、現実逃避のための精神麻酔薬となってしまっていた。カンパニーが介入するまでに16の星系が認知の混乱と薬物の乱用によって破滅に瀕し、虚無に陥っていたのだ。 |
![]() | ドリーム缶 | 「宴の星」ピノコニーで作られた美しき夢の缶詰。高濃縮の気体憶質が入っており、缶詰を開けた使用者は5分以内に夢に陥る。ドリーム缶はもともと銀河の中流家庭で寝室のおもちゃとして使用されていたが、戦争の苦難にあえぐ星では人々が眠りにつくための唯一の手段となっていた。寂しく抑圧された坑道の中で、生存者たちは震えながら眠りにつくしかない――少し前の夢の地のように、現実世界では得られない自由を夢の中へ探しに行くのだ。 |
![]() | パラレル宇宙トランシーバー | 博識学会の発明の一部は、内部に仮面の愚者が紛れ込んでいるのではないかと疑わせる。たとえば、この「パラレル宇宙トランシーバー」だ。これは時空の微細な分岐を検知すると、最も近い2つの分岐点の間で接続を確立し、両者の情報交流を可能にすると言われている――しかし、使用者には反響している自分の声しか聞こえない。これについてプロジェクト責任者のドゥイト博士は、これは奇しくもパラレル宇宙がとても類似しており、会話する双方の考えまで完全に一致していることを証明していると述べた。 |
![]() | 喧嘩上等 | タリアの砂嵐の中を生き延びられる生物は少ないが、バザードンリザードはその内の一種と言えるだろう。彼らは現地の高濃度放射性鉱石を食べて生存に必要なエネルギーへと変換し、過剰なエネルギーと攻撃性によって、通常の乗り物をはるかに凌駕する性能を発揮する。さらに、狡猾な商人はこれを「壊滅の巨大トカゲ」と名付け、闇市でアナイアレイトギャングの新人メンバーに高値で売りつけているのだ。露天掘りの鉱物が日に日に枯渇するにつれ、より多くの子孫が生き延びられるようにと、バザードンリザードは自らの幼体を廃土客の縄張りへ運んでいくようになった。タリアのトカゲ養殖業はこういった時運に乗じて生まれたらしい。 |
![]() | おいしいマリモキャンディー | 約1000琥珀紀前、コルキス人は雨林の中で高度に栄えるトワイライト王朝を築いたが、氷河期が訪れてから10琥珀紀の間にたちまち消え去った。遺体が発見されなかったため、コルキス人の姿は長年歴史学界を悩ませ続ける難題となっていたが、「開拓」の無鉄砲者たちが王の地下陵墓を爆破したことで状況が一変。地下に閉じ込められてしまったナナシビトたちは、そのまま食べられる藻類を偶然発見し、それによって救助が来るまで生き延びることができたのだ。そしておいしいマリモも、星々の間へと広がり――実はそのマリモこそがコルキス人であると人々が気付いた時には…すでに50以上の星から彼らは侵略種としてマークされていた。 |
![]() | 神聖な容姿 | 「純美」の姿を記録しているとされる古いカメラ。ミラーホルダーからは宝物とされている。かつて商品として銀河ダークウェブオークションに出品されていたが、毎回仮面の愚者が悪意をもって価格をつり上げたため、取引が成立しなかった。愚者たちがそのようないたずらに興味を失うと、ようやくミラーホルダーの手に渡った。その時カメラの中に写真はもう残っていなかったが、人々はレンズからその星神の美貌を垣間見ることができたようだ。それは太陽のようで、美しい炎によって世界を焼き尽くし、永遠の印影だけを残したという。 |
![]() | 天才の迷いの時間 | ある日、天才クラブ#77メイトが奇抜なアイデアを思いついたので、銀河の教育事業に協力することにした。彼女は簡易力場を使用してクラインの壺の中にマイクロワームホールや虚数亜空間などの複数の空間構造を創り出し、この知育玩具によって全宇宙の子どもたちに物理の世界の扉を開きたいと考えたのだ。だが、この傑作は予想通り売れ行きが非常に悪く、メイトの幼児教育に対する認識が一般と大きく乖離していたことが明らかになった。この出来事は天才だからといって、あらゆる分野でも天才というわけではないことを物語っている。 |
![]() | 風の中の花蕾 | 帆に宇宙の風が吹きつけ、寂しくたなびいている。この宇宙に張り巡らされた機械型ネットワークは、帯電粒子流を捕捉してエネルギーへと変換している、ウェンニ星の巨大発電機の中核部品だったのだ。しかし、すべては絶滅大君「風焔」が現われると同時に終わりを告げ、次の瞬間には超新星爆発の光に包まれていた。光が徐々に消え、レギオンが去った後、塵埃以外に何もなくなった中、たった1輪揺れる花――それはかつて歴史が存在していたことを静かに物語る。 |
![]() | 彗星への道 | 空間構造上の投影によって架けられた重力橋は、博識学会から宇宙で最も役に立たない1万の発明の1つと評された。この装置は虚構歴史学者「赤鼻の老人」が酔っぱらって行った大きな賭けから生まれたものだ。彼は照明に沿って天まで昇れると言い、そのために全財産の10分の1を賭けたが、距離が遠すぎる場合には、光の橋を歩いても長距離走と変わらない。逆に距離が近すぎる場合には、投影を維持するエネルギー消費が実体のある橋を架けるコストよりもはるかに高くなる――たしかに創造性あふれる発明だが、何に使うべきかはわからない。 |
![]() | 十光年滞らず | 宇宙は非常に広大だ。だから常に奇妙な物体が飛び交っている。今、名もなき巡海レンジャーが、大金をはたいてカスタマイズした超遠距離弾丸を宇宙のあらゆる方向に発射した。レンジャー本人を除けば、これらの弾丸がどのような軌跡をたどるかは誰も知らない。これらの弾丸は巨大で形のない網を織りながら、あてもなく宇宙を放浪する。彼が獲物を決められた座標に追い込むたびに、10年前に発射された弾丸が10光年の距離を越え、獲物の頭蓋骨へ正確に衝突する。この遍在する弾丸は、悪だくみはよせという警告であり、万人への抑止力になる。 |
![]() | 静謐の歌声 | 数あるファミリーの領土の中でも、スランカ人の故郷が最も静かなエリアであることは確かだろう。粒子同士の結合によって形成されたこの思考クラスターは、身体と感情を、固体、液体、気体の状態の間で頻繁に変化させるため、常に人々から危険分子とみなされていた。しかし、ファミリーの登場がすべてを変えた。彼らが優しく撫でると、すべての粒子が調和のとれた歌で1つになった。つまり高エネルギーのガス雲の形をしているスランカ人でさえ、長い間固体の形を保つことができるようになったのである。粒子間の共鳴が調和の歌を歌う。まるで氷の如く冷たい石のように。 |
![]() | 擬似紅月 | 学者トゥクルクはかつて大胆な仮説を提唱したことがある。その内容とは、歩離人の戦首の間で世代を超えて受け継がれてきた「紅月」は、細胞内寄生虫の一種である可能性が高いというものだった。さらに言うと――この寄生虫は宿主の激しい衝動と食欲を刺激することで、消費された獲物の遺伝情報を摂取し続け、自らの遺伝子の進化を完成させる。戦首自身の身体能力の絶え間ない進化は、この寄生虫の進化を外部に表現したものである――のだそうだ。しかしトゥクルクは研究資料のソースを提示できなかったため、学業不正行為と見なされて、あっという間に退学処分となった。しかし多くの人々は、彼が秘密の研究室に隠れて、いまだに狂気じみた人工心臓プロジェクトに取り組み続けていると信じている。 |
![]() | 脱獄の機会 | 琥珀の王の鉄槌の音に、建創者たちは別の解釈を見出している。なんと「其」の偉大さは、宇宙の堤防を築くことにあるのではなく、壁の外のものたちのための監獄を作ることにあるというのだ。この論理に従うと、すべての星の表面に壁の基礎を築き続けることは無駄であり、建創者の真の使命は、災厄を未然に高壁で封じ込めて防ぐことであると言える。しかし、困ったことに、監獄が完成するのをただ待っているような愚かな怪物は存在しない。今まで封じ込められたのは巨大な琥珀の中に閉じ込められた血に飢えた2頭の獣だけである。 |
![]() | エントロピーの逆転 | いかなる星図にもズマンダ連邦の遺跡は記載されている。しかしどんなに愚かなガイドであっても、あの無秩序な地には近づかないよう忠告するだろう。エントロピー減少の原理を崇拝するあの文明は、高度にプロセス化した暮らしにより自分たちのエントロピーの増加速度を抑えようと尽力した。彼らは星系の力を利用し、エントロピーを飲み込む装置を作って、至上の壊滅者の法則に挑戦した。実際、彼らの装置は無限にエントロピーを反エントロピーに変換し続けた。しかしその代価として、装置の作動自体がより大きなエントロピーを生み出し、たった1回の自転の間に4光年内のすべてが腐敗してしまった。 |
![]() | 利他主義者の末路 | 天才クラブ#77メイトがまだ天才ではなかった頃、跳躍に代わる超遠距離輸送手段を発見したことがある。このほとんど魔法のような空間エンジンは、あらゆる物理的物体を瞬く間に目的地まで転送することができた。ただし転送によって突如現れる物体が周囲の物質をほぼ無限の速度で膨張させ、激しい爆発を引き起こすため、飛行船に配備できないのが欠点である。それでも、カンパニーは莫大な代償を払って彼女から特許を購入した。この爆発を目撃した瞬間、平和主義者だった彼女は天才になったと言えよう。 |
![]() | 物語の現在 | 奇妙な墨の残り香がある絵巻物。紙の上で眠る妖怪たちが、絵師が目を入れ、名付け、目覚めさせてくれるのを今か今かと待っている。時が来れば、絵師はそれぞれの妖怪に命を吹き込み、「幻造」によって実体を現実に解き放ち、裏切り者に恐ろしい復讐を果たすだろう。しかし、妖怪の生産効率が日に日に向上している現代では、巻物の妖怪はもはや恐ろしい都市伝説などではない。今ではただ仕事に押しつぶされそうな絵師だけが、疲れ果てた夢の中で、妖怪による復讐劇と喜劇とを描き出すのである。 |
![]() | オートメーション | 日々の記憶焼却作業に嫌気がさした焼却人ラマは、ある時、憶質虫を作り出した。その小さな憶質生物は、憶質を食べることで分裂と自己複製を行い、1システム日と経たぬうちに貿易惑星ウルロを誰もが知る失われた世界へと激変させた。ガーデン・オブ・リコレクションはただちに憶質虫の大半を駆除したものの、逃げ延びた群れは依然として、悪性シリコンバクテリアと並ぶ生物災害を招いた。そして焼却人ラマは皮肉なことに、憶質虫に食い尽くされる寸前、ついに念願の作業自動化を体験したのだった。 |
![]() | 祈りの道 | ミラーホルダーたちは奇妙な儀式を創り出すことによって理想の「純美」を実現しようとしている。タロルスキーにとって、美とは「敬虔」を意味した。彼は超越の鏡の破片を今にも割れそうなシャボン玉の中に入れ、その泡を自らの心の象徴として、長い巡礼の旅に出た。旅の途中でシャボン玉が割れるたび、故郷の花畑に戻って、泡に鏡を入れ直す。そうして彼は幾度となく戻り、幾度となく出発したが、今日に至るまでいまだ母星から出られずにいる。それでもタロルスキーは、誰かに目的地を尋ねられれば迷わずに答える。目指すは「純美」の神イドリラの滅びし場所、「失魂星域」ラフカディオである、と。 |
![]() | 神の足跡 | あるケファレの信者たちは、巨大な足跡を探すことに執着していた。彼らはそれをケファレが大地を歩いた証だと言い張り、踏むことでタイタンの祝福を得られると信じていた。そして、そこに商機を見出した別の人物は、まだ見つかってない足跡を囲うように展示館を建て、参拝に来た信者たちから料金を取った。その後、自然と職人や商人たちが引き寄せられ、展示館の周辺では足跡の模型なども販売されるようになった。もしかすると商業振興もケファレの祝福の一種なのかもしれない。 |
![]() | 星々の思い出 | オンパロス西岸にある砂浜は他とは違って濃い灰色をしていて、オロニクスの信者たちは潮が引くたびにそこへホラガイを拾いに行くという。彼らの話によると、かつて人々はみな天に浮かぶ星であり、死後にステュクスへと落ちてホラガイになったそうだ。故に、ホラガイには亡くなった人の声や記憶が宿っていて、話しかけると返事をしてくれるらしい。そういった言い伝えはやがて奇妙な変化を遂げ、最終的には貝殻が預言の力を持つとまで言われ、満足のいく返事を得られなかった時は食卓に並ぶようにもなった。 |
![]() | 簡易判決 | 最も複雑な事件に直面した時だけ、タレンタムの忠実なる審判官はこの道具を取り出す。道具の両端には獅子の口があり、証拠品をしっかり咥えることができる。その証拠品は血塗られた短剣かもしれないし、毒入りのメーレかもしれない。ただ、その証拠品が何であろうと、天秤は真実であるほうを示す。世の中には証拠を残さない犯人もいるが、彼らは忘れている一最も確実な証拠が常に心の中に隠されていることを。指を獅子の口に入れた時、それはタレンタムによって分からされるだろう。果たして、犯人の口と獅子の牙は、どちらがより「かたい」のだろうか。 |
![]() | 独りの娯楽 | ミディスタシア人には生涯の趣味が2つある。それは酒を飲むことと音楽を聴くことで、醸造師と演奏家は街で最も尊敬される職業とされている。その昔、同時に2つの技術を極めた「人」がいた。酒を飲んだ職人、フェディノスによって生まれた機械だ。ある国王の宴会で機械は音楽を奏で、美酒を醸造し、その場にいたすべての客に極楽を与えた。しかし、この物語の結末は良いものではなく、機械を独り占めしようとした国王が職人を殺し、職人を愛していた機械は国王を毒殺した。そうして最後、この精巧な機械は兵士たちにバラバラにされた。 |
![]() | 理知の筆 | その昔、常に奇抜なアイデアに溢れていた樹庭の学者がいたが、彼は書き留める速度があまりに遅く、いつも貴重な閃きを逃していた。そこで彼は、サーシスの小枝といくつかの希少な宝石を使い、従来の数倍の速度で記録できる筆を作成した。しかし、残念なことに筆の研究に時間をかけすぎたせいで、完成した頃にはもう学者はこの世を去っていた。その後、この発明は思わぬ形で脚光を浴びることになる。というのも、賢者たちは学生への罰に論文の書き写しをさせるのだが、その際に大変役立つとして学生たちは皆この筆を持っているという。 |
![]() | 愛を探す金のダーツ | もしもあなたが狂ったモネータ信者のパーティーに招待された時は、華やかなドレスを捨て、鎧と兜を纏って出席することをすすめる。空中を飛び交う金のダーツを見た時、あなたはその鎧に感謝することになるだろう。信者たちは金のダーツに愛を探す力があると信じており、投げたダーツが刺さった相手こそが愛すべき人だと思い込んでいる。はっきり言って狂っているが、もし血を流してでも冷静に話し合える相手がいるのであれば、良き伴侶となる可能性はあるだろう。そういう意味で言えば、この方法もある程度理に適っているのかもしれない。 |
![]() | 純美のローブ | 純美の騎士が星の海を渡っていた頃、全宇宙が彼らの姿に傾倒した。美を追い求める高貴な騎士は煌びやかな金銀の甲冑を身につけ、絹と星の光で紡いだマントを纏う。そしてその兜の下には、絶世の美貌を備えている。「純美」が消えた今でも、騎士たちの輝きを見た者たちはイドリラの帰還を信じているのである。 |
![]() | ファミリーの絆結び | ある逃亡者の話によると、彼は奇妙な箱を開けてファミリーの絆結びを手に入れたことで、誤って「調和」のシペを信仰するファミリーの集会に入ってしまい、そこで見たこともない光景を目にしたという。それは星々の意志が互いに結びつき、1つの結び目を作っている様子だったそうだ。ファミリーの絆結びの下で、人々は目を見開き、微笑みを浮かべ、驚くほど.同じ表情で互いを見つめ合っていた。彼が疑問を口にすると、ホール内にいた数千人が一斉に彼を見て、同じ声で「ようこそ」と言った。逃亡者は一瞬にして慄いたが、最後には生き延びるために、同じように目を見開いて微笑みを浮かべるしかなかった。 |
![]() | 虫歯星系模型 | ヘルタは遥か昔の物語のために、1つの模型を収集したことがある。虫歯星系連邦政府は、領域内で不定期に発生する風船ガム嵐に頭を悩ませていた。財務機関は毎年多額の信用ポイントを費やして、侵食された土壌の修復を行っている。かつて1人のナナシビトがこの星を訪れ、その形状を探ろうとしたのだが数ヶ月の探素の後、彼は驚いたように「宇宙は不規則で、まるで歯のようだ!」と叫んだのだった。 |
![]() | 湮滅の芯切り | この芯切りバサミでロウソクを切ると、憤怒に満ちた反物質の炎が逆にロウソクに火をつけてしまう。そしてロウソクは粒子のぶつかり合いの中、数秒後に湮滅する。もしこの芯切りバサミであなたの皮膚をかくと、エネルギー散逸反応が起こる。ハサミに触れた部分が負粒子となって体の中で暴れ回った後、外に散逸する。 |
![]() | 記憶のルーレット | ある焼却人は彼女の仕事を修行と見なしており、あらゆる「記憶」は管理され、制限されるべきだと信じている。彼女は自分の記憶もサイクルに組み込んで分類し、その中から意味のない内容を取り除くと、有用な部分だけを選んで認識する。しかし、不完全な記憶は往々にして誤った判断を起こし、重要な情報が消去され、無価値なものが残されてしまう。彼女の記憶のルーレットはボロボロになり、この修行も半琥珀紀続いただけで終わりを告げることになった――なぜなら、彼女は焼却人としての自分すらも忘れてしまっていたからだ。 |
![]() | 疫病の巣 | 悪名高きヤペラーブラザーフッドは、リンドカーノ星系へ侵攻した際に生物兵器を使用した。この遺伝子自壊ウイルスは、感染した細胞を宿主の体内で共食いさせ、惨劇の連鎖を引き起こす。しかし、絶え間なく増殖し続けるため、巣の生物はすぐに制御不能な大群となり、狂暴化したそれらはヤペラーブラザーフッドの陣地を呑み込んだ。そしてこの悪党たちはウイルスの餌食になった仲間たちを見捨てて命からがら逃げ出した。この事件の背後では永火官邸が暗躍していたと話す人もおり、後に繰り広げられた2つの勢力の終わりなき死闘がその証拠となったという。 |
![]() | ルパート帝国の階差機関 | ルパート1世が設計した階差機関で、第二次皇帝戦争中に歴史の表舞台へと姿を現し、戦争中この恐ろしい装置は自身の計算能力と意思決定機能の向上を続け、第3代皇帝にほぼ代わろうとしていた。現在、階差機関の残骸はカンパニーによって複数の研究所に封印されている。結合されていた装置はすべて反有機方程式の侵入を受け、オーバーロードした後に自動で崩壊するようになっていた。皇帝がいかにしてこのような思考能力のない部品に方程式を書き込んだのかは誰にもわからない。こうした装置は休むことなく共鳴し続け、再び結合する時を待っている――「もしこれが天才というものならば、世界は愚か者ばかりのほうがいい」 |
![]() | 死との再会 | 恐ろしいキーホルダー。結び目で物事を見ていたかのように、持ち主の命に関わる危険をすべて記録している。「終焉」のささやきにしたがい、ハンターは危険な未来、レッドオレンジ星域の超新星爆発、ドモントンのスウォーム侵入、星間強盗ナロの宇宙船強盗事件など、諸々の出来事に幾度となく赴いた…彼は自分の運命がここで途切れることはないと信じている。それゆえ、死とすれ違う瞬間を毎回楽しんでいるのだ。最終的に彼は葬儀客となり、訪れた場所には死が広がる大地しか残らなくなっていた。 |
![]() | 郷に入っては郷に従え | 有機生命体の肉体は非常に壊れやすいものだ。大きすぎる重力、有毒な空気、深海の圧力……。その場所の原住民にとっては当たり前の環境でも、訪れる者にとっては命を賭けた試練となる。星穹列車のアーカイブによると、そのような事態に対処するため、元技術者のナナシビトたちが協力して自由に変形できる土人形を作ったという。原住民の肉体をシミュレートし操作員の感覚器官に接続することで遠隔操作をしながら、どんなに過酷な環境でも開拓の旅を続けられるようにしたのだ。土人形による探索はリアリティに欠けたので、ナナシビトたちはすぐに見切りをつけたが、この技術は星間旅行の分野で大ブームとなり、スターピースカカンパニーは巨額の利益を上げることができた。 |
![]() | 虚構強化 | 強力な対抗勢力の一つとして、遺伝学者による遺伝子分析は、長い間、模造化石に対する最終手段として機能してきた。しかし、明らかに虚構歴史学者たちはこれに対抗する手段を見つけたのである。彼らは遺伝子配列を物語の媒体として利用し、学者を凌駕する熱意で完璧な分子進化樹を編纂し、既存の種の体系を完全に混乱させた。バナナは両生類となり、ウーウーボはスズメ目に分類された。不確かな統計によると、多くの化石が「神秘」の気配に染まるにつれて、虚構歴史学者の生物学分野への影響力は指数関数的に増大しているとのことだ。 |
![]() | 英雄の凱旋 | 宇宙に災いをもたらす虚構歴史学者とは異なり、カリの王国は子供たちの笑い声だけを歓迎する。パイナップルジュースの海を越え、綿菓子の香りがする嵐を切り抜け、宝剣を手にして苔生した悪いドラゴンの城にたどり着き、宝物を手に入れる。しかし、虚構とはいつか消えてしまうもの。泣き叫んで親を呼んでいた子供たちも、大人になれば幻想を蔑むようになり、「神秘」は失われ、剣を掲げた少年少女は、自分のベッドで目を覚ます。だが、傍らに残された埃をかぶった剣だけは、騎士たちが悪を討伐した栄光を今も覚えている。 |
![]() | 狂喜の尾 | ファジェイナの祝福を受けた「狂喜の尾」のおかげで、人類は大海原の波を一時的に征服することができた。この貪欲な機械たちは休むことなく報酬を求め続け、メーレを飲み干しては木の船を海の彼方へと進めた。言い伝えによれば、コリントスはかつて船上でこれらの機械と杯を交わし、その行いを「ファジェイナとの酒宴」と称したそうだ。上質な供物を貪った結果、酔いが回った「狂喜の尾」は海の深淵へと潜っていった。そして数日後、この偉大な英雄と船の残骸は、ファジェイナの眷属たちによってぞんざいに海岸へと放り捨てられたと言われている。 |
![]() | つかの間の安らぎ | 黄金紀の終焉以降、オンパロスでは死から逃れようとする愚かな者が後を絶たない。ある者は、狂人の集団の中に閉じこもり、タイタンの目をかいくぐろうとした。またある者は、棺に身を隠し、頑丈な岩でステュクスの激流を遮り、永遠に美しい容姿を保とうとした。ただ、いくらもがいたところで運命から逃れることはできない。狂気に陥った王は死ぬことができなくなり、深い眠りに落ちた少女は永遠の眠りの中で不滅を手に入れた。暗澹たる手の長い船では、祝福も呪いもなにも違いはなかったのだ。 |
![]() | 信仰債券 | スターピースカンパニーでP40級に昇格した職員は、みんな「信仰債券」の購入を承認される。それは、ルイス・フレミングの肯定であり、「琥珀の王」の運命に定められた存護の偉業の中にあなたの居場所が用意されるという何よりも神聖な承諾も付随する。あなたの能力は僅かで、あなたの財産は取るに足らない、あなたの信仰は広大な星の海の中の一片の塵のようなものである。だが何世代もの「あなた」が集まり、やがて全宇宙を守る力を有するようになるのだ。 |
![]() | 空無の芯切り | この芯切りはさみでロウソクを処理する人は少ない。その代わり、このハサミはもっと残酷で、ダークで、苦痛なことに使われることが多い。はさみが切るのは物質ではなく、生物の心の中のエネルギー――情熱と呼ばれる動力である。もし、空無の芯切りがあなたの心臓を切ったのなら、感じるのは痛みではなく、冷たさである。 |
![]() | 邪悪な機械衛星#900 | カロン・タルキン星系連盟は2種類の思考変換装置を生産することで経済を維持している。この連合に辿り着くには、巨大なオムニックの神経レールを通らなければならない。聞くところによると、カロン・タルキン文明は有機生命体と敵対しているらしい――彼らは典型的な反有機文明で、有機生命体に対して容赦がなく、中でも衛星#900は最も邪悪だと言われている。しかし、その個体は最終的に現地の人々に除け者にされた。それは彼が誇らしく思っている機械的な外見が、全住民を有機生命体に偽装しているカロン・タルキン星系連盟にそぐわなかったからだ。 |
![]() | 願い星 | 宇宙各所に隕石が散らばった。ある者は隕石が自分に向かって語り掛け、願い事をするように誘ったと主張している。この隕石は万能の力を持っているのだろうか?願い事を叶えるためには代価を支払う必要があるのだろうか?噂によると、ある組織が星々を巡り、隕石を集めてその謎を解き明かそうとしているらしい。これは星神の賜物か、あるいは誰かの陰謀か。それを知る者はいない。 |
![]() | 階段の上のクラゲ | リドラーの間にこのような話が伝わっている。宇宙に神秘現象が発生するたびに、虚空に「階段」が残る。消えた現実は階段に沿って流れ落ち、クラゲのようなものになるのだ。あるナナシビトは、「階段の上のクラゲ」と接触したことがあると主張した。彼は狂ったように、クラゲは脳の認識領域を覚醒させてくれると言っていた――それは凡人には想像し難い広い新天地だと。 |
![]() | 計り知れない匣 | 開けようとする者の考えを読み取れる箱。箱を開けると、その者が想像するものに中身が変化する。ヘルタはこの箱を最も手強い奇物の1つに数えている。彼女は「計り知れない匣」と何度も張り合ったが、それを開ける時に脳内の構想をコントロールすることはできなかった。結局、ヘルタは「計り知れない匣」の中身を確認するのを諦めた――天才ヘルタはなんでも解決できるかもしれないが、頭を空っぽにすることは不可能なようだ。 |
![]() | 水上の書 | 星嘯の配下である反物質レギオンが威風堂々とブコレット星雲に到達した時、彼らの前には物質の残滓だけがあった。メモキーパーたちは世界全体の記憶を『ブコレット』に記し、絶滅大君による包囲網から大手を振って抜け出した。ブコレットの住民たちは、足手まといとなる肉体を捨てることでミームとして生まれ変わることに成功した。ただし星嘯からすれば手段が違っただけで、反物質レギオンが到達する前に自ら破滅を選んだにすぎない。 |
![]() | 次元削減ダイス | 9個の6面ダイスが奇妙な三角錐を形成している。それは絶えず自身の次元を削減して、三次元の世界に二次元の平面として存在する。誰が何のために作ったかは、未だに分からない。 |
![]() | 幸福クリーム | 運は実力の内だろうか?もしかしたら、運は変えられるのだろうか?ヘルタはできると考えている。この天才は「幸福クリーム」を発明した。まぶたに塗ると、システムにおける24時間の間、幸運を手にすることができる。宇宙ステーション「ヘルタ」の多くの人はこの発明を試して、喜んだ。彼らは穏やかな日を過ごした。これにより、激動の世の中で、平凡に暮らせることは幸せなことなのだとわかる。 |
![]() | 分裂金貨 | 全ての星がスターピースカンパニーの商業帝国を歓迎しているわけではない。拡大し続ける銀河の中で、カンパニーの好意を拒否するごく少数の例外はいつもある。「ありがとう」と彼らは言った。「私たちは信用ポイントはいらない。自分たちのことは自分でできる」とも言った。上記のような状況に直面した時、カンパニーの代表は肩をすくめ、その星の金融システムの根幹を軽く破壊する――それは、往々にして黄金である。 |
![]() | 輝くトラペゾヘドロンサイコロ | 不均整な形状をしたサイコロ、内部には奇怪な光が奔放に流れている。伝説によれば、その中には名状し難い邪神が封印されており、必ずしも光のない環境で接触することを避けるべきであると言われる。昔、とある伝説を信じない者が、我を張ってサイコロと一緒に暗闇の部屋に入ると、サイコロそのものが遮られない光を放ったいたことが分かった。よって、有名な「輝くトラペゾヘドロンサイコロのパラドックス」が生まれた――証明できないことを証明することはできない。 |
![]() | 時空のプリズム | チーズの形に作られたプリズム、全ての穴が一つのレンズ、異なるレンズに照射されるとそれぞれ異なる効果が現れる。一部の被験者はプリズムに照射された後に身体が拡大、または縮小された。また、一部の被験者は照射されても身体に変化は起こらなかったが、自分のものではない記憶を受信した。その者たちは虚構記憶症を患い、プリズムの中に星神浮黎の顔を見たと思うようになった。 |
![]() | 分裂銀貨 | スターピースカンパニーの技術部門は、商業的潜在力のある製品を見つけ出すことに長けている。星間通信ネットワークが構築されたばかりの頃、連絡用アンテナの供給が需要に追いついていないことがあったのだが、カンパニーはすぐに星間市場の潜在的需要に気づき、素晴らしいアイデアを思いついた。銀の延性は非常に優れており、1グラムで数メートルの連絡用アンテナにすることができる。そこで、ある研究員は分裂銀貨を開発して銀貨を絶えず分裂させ、その数を大幅に増やした。その後、銀貨はカンパニーによってアンテナに加工され、各星系に輸出された。こうして、星系間の交流を大きく推進したのである。 |
![]() | 天才クラブの他愛もない噂話 | 「ヘルタは心の知能指数が低いし、スクリューガムはもっと有機生命の常識を学んだほうがいい!」クラブのファンの間では、いつも天才たちに関する議論が繰り広げられている。彼らはスティーブン・ロイドの実年齢を巡って論争を続けているが、彼は中年の男性だと主張する者もいれば、子供だと主張する者もいる。様々な議論を経て、ファンたちは何やら面白いエピソードに触れた。天才クラブの「科学の怪人」は、かつて男性だと噂されていたのだが、その人物は女性の科学者というだけでなく、優雅な雰囲気の持ち主だったという。そこで、彼らは経験を生かして新たな問題を提起した。スティーブン・ロイドの性別は嘘か真か? |
![]() | 愚者の仮面 | 仮面の愚者の仮面は「愉悦」に対する信仰を象徴している。仮面を着けて愚者になることが、パブ「ワールドエンド」で集まる時の入場券となるのだ。彼らの仮面は重厚で、色も鮮やかで、狂気の笑顔と控えめな筆遣いが特徴的である。心からの悪戯を待ち望んでおり、仮面の愚者の証である敬虔さを備えているが――それらは、どれも弔伶人の船から盗んだもののようだ。 |
![]() | 純美の騎士道 | 純美の騎士との交流を最も好んでいる派閥は、恐らく仮面の愚者だろう。いつかイドリラが帰ってくるという騎士の信仰、それを愚者たちはからかって楽しむのだ。一方、高潔な騎士たちは常に敬虔で、純美の信仰を実践することに固執している。こうしたことから、弔伶人は騎士団の精神に共感した。そして彼らは、純美の騎士が「純美」を実践する時に犠牲にした1本の歯を収集した――それも、とても美しいものだった。 |
![]() | 虚構機兵 | 虚構歴史学者が作り出した虚構の機兵集団。言い伝えによると、大量かつ効率的に虚構を実現することを目的として製造されたもので、その特徴は様々な色の煙だという。しかし、虚構歴史学者の歴史文書に対する管理が不適切だったため、機兵集団は最終的に秘密を読んで自身が作られた虚構であることを知った。そして、1つの疑問を提起した――虚構歴史学者自身も作られた虚構なのではないだろうか? |
![]() | ひげの爆薬 | 遊牧の鉱夫たちは、石材、木材、黄金、超チタン金属、そして貨幣よりも、「エーテル」を採掘することに夢中になっている。彼らは鉱山で大量の「エーテル」を手で採掘する感覚に取り憑かれたのだが、その体験が不幸をもたらした。数名の大柄な鉱夫たちが、未知のエリアで火薬の爆発によって命を落としたのだ。しかし、その中にいた背の低い鉱夫だけは生き残った。それ以来、彼のひげでは常に炎が躍っている。 |
![]() | 人造隕石 | 知恵の星神に一目置かれる3人の天才が、同じ世紀、同じ星に同時に誕生した――#7柏環、#8ラム、#9クライン。そのため、この時代は「黄金時代」と呼ばれている。伝えられるところによれば、3人の間ではラブコメが繰り広げられていたらしい。天才クラブ#9クラインは人造隕石を作って#7柏環に贈った。その隕石の表面には、彼女がコピーした「博識の目」が刻まれている。 |
![]() | 理性の崩壊 | 真理とはなにか?それを理解できる者は存在しない。もし、「愚鈍」が世界を蝕む病であるなら、知恵を伝播させることは宇宙を治療することだ。しかし、「書」は人々を治せるのだろうか?博識学会の記録によると、月桂冠系の哲学者連合で一度内乱が起きた。血液とオイルが思想家の柱廊にある書物をことごとく染め上げ、おびただしい数の哲学者が死んだ。すべてを目の当たりにしたカンパニーの社員は、それを「理性の崩壊」と呼んだ――書物は荒唐無稽な方法で、1つの世界を粛清したのだ。 |
![]() | 腐敗した異木の果実 | かつて、腐敗した異木の果実を手に入れた「薬乞い」がいた。その果実は怪しい色をしており、澄んだ黄色からピンクが混じった青になっていた。その薬理を解明するため、双子の薬乞いはそれぞれ異木の果実と腐敗した異木の果実を食べた。1人は生まれ変わり、もう1人は死んだ――しかし第三者がいなかったため、生き残ったのが誰で、どちらの果実を食べたのかはわからない。 |
![]() | スポンジ王 | 黒森の中で、奇跡のようにあるスポンジに意識が芽生えた。スポンジは同じく意識を持つネジと交流しようとしたが、何度も拒まれた。スポンジは反省した。彼は上流階級に仲間入りするため、体にあるすべての角を削り、穴を埋め尽くした――結果、彼はまん丸で滑らかになった。今、彼はゴミとして捨てられたスポンジたちにも意識が芽生えるよう、あちこちで手助けをしている。 |
![]() | ルアン袋 | 天才クラブは文字通り、天才たちが集まる組織だ。だが、どうしても天才たちに序列をつけたがる者たちがいる――彼らが論争した結果、天才の創造物の中でも上位に入るのがルアン袋だ。噂によると、ルアンメェイは宇宙を常に傍に置きたかったため、この奇物を作ったらしい。しかし袋の中の次元が絶えず膨張したため、止むなく封印されることになった。封印される前、ルアン袋はある棚に収められていた。スティーブン・ロイドはこの袋を大切な仲間と見なしていた。それには隠された理由がある――スティーブン・ロイドは、ルアン袋の中に隠れれば家族を避けられる、と思っていたようだ。 |
![]() | パンクロードの挨拶 | ネットワーク空間での戦いは想像以上に複雑であり、ハッカーたちはデータ空間をひっきりなしに行き来して攻防を繰り広げている。いずれか一方が少しでも劣勢になるとすぐに撤退し、戦いを無限に長引かせる。エーテル編集の発祥地であるパンクロードでは、伝説のハッカー「ロックソード」が強敵と14年戦い続けてもなお、勝敗がつかなかったという。最終的に、一方的なロック機能を持つエーテル暗号化キーをコンパイルし、自分自身を相手の現実空間の場所に転送することで、この十数年に及ぶ戦いを直接終わらせた。 |
![]() | 喜びの香り | 弔伶人の公演を見る時、ある仮面の愚者がふと思いついた。もし彼らの安らぎの香炉にちょつとしたサプライズを加えたら、とんでもない笑いを起こせるのではないだろうか?彼は自らの仮面の半分を燃やして香炉に投げ入れ、そして冷静な面持ちで観客席へ戻り、伶人たちがメロウェン王国の崩壊に拍手喝采を送る様子を見守っていた。香が燃え尽きると、伶人たちは涙を流している。消えゆく世界を嘲笑したことに対して罪悪感を抱いているようだ。一方でその愚者は大笑いし、今でもパブでこの痛快な茶番劇を同僚に自慢している。 |
![]() | タオットカード | リドルマスターであるバード・バビバボ・バラの話はいつも魅力的だった。彼は109種類のなぞなぞを用いて「タオット」と名付けられたカードを作り、宇宙の各地に散らばらせると、それらを使って知的生命体の未来を幾重もの霧で包み込む。占い師を自称する人々が同じカードの面をめくって、それぞれ異なる解釈をし、正しいようで不正確な言葉を操って運命の謎を説明する時、「神秘」は静かにそこへ生まれる――それは何も変えていないようでもあり、すべてを変えたかのようでもあった。 |
![]() | 塵と化す | コーライ博士に対する評価はこれまでも賛否両論だった。著名な植物学者であり、辺境星系貿易戦争の際には、コーライ博士が発明した生命維持栄養液のおかげで20以上の星系が飢饉を免れた。しかし、栄養液を過剰に摂取したことによる副作用で、何百種類もの植物の病気が種を越えて蔓延するようになり、戦後の大規模感染を間接的に引き起こした。コーライ博士が枯れてから100琥珀紀後に博識学会は記念切手を発行したが、そこには短く「知能を持つ植物に過ぎない」と記された。 |
![]() | 主なき遺失物 | 9琥珀紀前、悪名高い怪盗がアリダ星系で逮捕された。逮捕される前、彼はアリダ人が最も大切にしているものを盗むと宣言していた。しかし不可解なことに、怪盗は目当ての品が何であるかを具体的に語らない。その一方、予告した窃盗はすでに達成したと裁判で何度も強調するのである。アリダ人は自分たちが何を盗まれたのかも分からないまま、星系全体で深い悲しみに暮れることになった。はたから見ると、アリダ人は何も失っていないように見えるが、彼らにしてみれば最も大切なものが盗まれたのではないかと、気に病まずにはいられなかったのだ。 |
![]() | 幸運の形 | 群星の英雄の物語には、常に「幸運」が付き物である。突然蘇る記憶、どこからともなく現れる救命道具、バグが生じた機械など、主人公は危険を前にしてもこれらを頼りに困難を乗り越え、最後は歴史に名を残すのだ。しかし最新の研究によると、この「幸運」の一部は客観的に存在することが示されている。姿の見えないのメモキーパーが英雄のそばに身を潜め、彼らと共にその時代の叙事詩を記録しているのだ。その代わり、メモキーパーは等価の贈り物をこっそり残し、それが効果を発揮して不朽の記憶の一部となるのを辛抱強く待つ。 |
![]() | 昔の通信手段 | 超距離センシングの誕生以前、スウォーム間のフェロモン通信は、宇宙で最も効率的な通信手段と見なされていた。宇宙の蝗害の時代、働き虫の一群を狩る賞金稼ぎが、孤立した残照蟄虫を捕まえ、それを前線の通信手段に改造した。異なる刺激により、距離を無視したフェロモン感知がリアルタイムで蟄虫の色を変え、簡単な情報の伝達を実現した。この暗号体系を駆使して、賞金稼ぎたちは戦場でますます勇敢になり、フェロモンに引き寄せられた残照王虫と正面衝突するまで勇猛さを発揮した。 |
![]() | 高カロリー食 | 信憑性が低い資料によると、古獣が跋扈していた時代、寿司の形状はたった1つしか存在しなかったという。「秩序」が崩壊し「貪食」が跡形もなく消えた後、それまであった寿司信仰も複数の学派に分かれた。数多くいる寿司職人の中でも、寿司の本質は食べられる皮に包まれたエネルギーの集合だと考えている還元主義寿司学派の調理理念は、とりわけ素朴なものだ。したがって、宇宙で最も寿司の定義に当てはまるのは内燃機関であると結論付られた。 |
![]() | 平和の箱 | 「星間の対立を解消する」ための投票箱であり、使用者の意思に応じてあらゆるものを提供する。エーテル編集のウイルスコード、驚異的な破壊力を持つ小型銃、超ミニチュアサイズの人で構成された宇宙船艦隊、さらには白旗まで。それらは宇宙の戦場のいたるところに突如として現れ「均衡」の名のもとに平和を叫ぶ。しかし誰もが知っている、その箱は仮面の愚者によって作り出されたものだということを。「平和」を冠したその箱が平和をもたらすことは決してない。 |
![]() | 応答なき通信 | スウォームといかにして共生するかは、モスカ人が生まれながら直面している問題だった。群れからはぐれた虫卒を飼育し、「繁殖」の特性を利用して間接的にバイオマスエネルギーを手に入れる。そうして衣食住から最先端技術に至るまで、モスカ人の生活には隅々まで虫で溢れかえっていた。それから月日が経ち、武装考古学派が外界との連絡を絶ったモスカ星に到着した時、彼らは総統執務室で応答のない電話を見つけた。その電話は体を蠕動させ、胞子を放ち、まるでいつでも繭を突き破らんばかりの勢いだった。「モスカ人がスウォームを利用していたというよりも、むしろスウォームが彼らの文明に受動的に寄生していたと言ったほうがいい」 |
![]() | 終末の複眼・先行版 | 「終焉」の不穏な寝言は厄災前衛の悩みの種だ。しかし未来を見通す彼らの目は、有機生命の誕生以来、長年渇望されてきた奇跡でもある。ある時、厄災前衛のウンディンは、あるハッカーの友人の助けを借りて神の恩寵を一時的にゴーグルに移し、使用者が少し先の未来を覗けるようにした。何も知らないハッカーが、ウンディンの不敵な笑みに促されるまま複眼のようなレンズを装着すると、その視界は1琥珀紀後のパンクロードへと跳躍していた。そこで彼が見たのは多くのハッカーが待ち望んでいたゲームである。その上には大きな文字で「近日発売」と書かれていた。ハッカーにとってみれば、これもある種の「終末」だろう。 |
![]() | オトッタカード | なぞなぞ博士は、自身をなぞなぞの達人であるバード・バビバボ・バラの生涯の宿敵だと自負している。彼は28種類の文法ミスと36種類の意味変化を使って「オトッタカード」を制作し、占い師たちが持つタオットカードと入れ替えた。語順も言葉遣いも乱れてしまったメッセージは無秩序な乱流となり、最終的に占いによって宣告された真実が、見かけ倒しの現実に取って代わった。目の前のすべてが全く異なって見えるとき、変わったのは世界ではなく、それを見つめる人々の目のほうなのかもしれない。 |
![]() | 沈吟の円盤 | 黄金の繭がそっと触れれば、岩ですら愛の意味を理解できる。世界の美と芸術を見届けた証として、蝶は石盤の上に音律を刻む。楽団による大合唱、吟遊詩人の語り、野原の向こうから届く小鳥のさえずり…どんな音だろうと、この円盤は信者の賛美歌の中でそれらを忠実に再現している。ゆえにオクヘイマでは、宴会のような社交の場で自分のセンスの良さを周りにアピールするための便利な道具としても用いられるのだ。ただし、他人が再生中の音楽を勝手に切り替えるのはご法度だ。それはモネータの怒りを買うことになる。 |
![]() | 真実の機兵 | 歴史を好き勝手に歪曲する虚構歴史学者に対抗するべく、目立つことを好まない燭炭学派はついに行動に出ることにした。燭炭学者たちは真実を暴くことができる機兵を作り、その誕生と同時にあらゆる虚構を消し去る使命を授けた。真実の機兵は学者たちの期待通り、最初の任務を素早く完遂した――自殺である。なぜなら、真実の機兵自体が虚構の存在だったからだ。 |
![]() | 天啓の石鏡 | 大地と海はあまりに広大で、サーシスの学者すら迷ってしまうことがある。唯一方向を見失わない方法は、ヤーヌスの加護を得ることだけだ。ヤーヌスは惜しみなく鏡の中で道を示してくれる。エーグルが百の目を閉じている夜、石鏡が放つ微かな輝きがあれば、旅人は暗闇の中で正しい方向を見つけられる。時には、運命のタイタンがこの石鏡で差し迫る災いを警告し、煌めく星々で人々が暗黒の潮から逃れるよう導くこともある。たとえ没していても、万路の門はなおもオンパロスの民を守っている。 |
![]() | 教示の実 | 理性にはそれを宿す媒体があり、知識の伝播にも土壌が必要だ。樹庭の学者は聖樹に知識を織り込み、サーシスの許しを得て知恵の果実を収穫する。タイタンの祝福を受けた種は、いずれも図書館一つ分より多くの情報を宿しており、必要な地へと運ばれ、オンパロスの各都市国家で花開いて実を結ぶ。しかし、一つ要注意なのは、絶対に種を食べてはならないことだ。でないと、木になるまで頭の中で知識の囁きを延々と聞かされることになる。 |
![]() | 掟の刻印 | エーグルの百の目が光を失って以来、「掟の刻印」はオンパロスで時間を計算する唯一の手段となった。人々の生活習慣に合わせて一日が均等に五つの時間帯に分けられ、時間は五角形の文字盤をゆっくりと回しながら進む。この針は、人々の日々の生産活動を導いているだけでなく、規則の明示や未来の予言としての役割も果たしている。現在、この時間システムは多くの人々の体内時計に組み込まれており、「門の刻」に起き、「隠匿の刻」に眠りにつく生活リズムが定着している。 |
![]() | 眠らぬフクロウ | 遥か昔、人々は自らの足で大地の広さを測ろうとした。しかし、歩く速度があまりにも遅かったため、オンパロスの全体像を描ける者はいなかった。そんな中、重力の束縛を打ち破ろうと、エーグルの学者ライトゼヴィルは、鉄の鳥を作った。タイタンの輝きを取り込むだけで翼を羽ばたかせることができる鉄の鳥は、飛んでいった場所の地形をすべてその目に収め、やがて精密な地図ができあがった。学者たちは鉄の鳥が飛び立つ前はいつも、いつもエーグルに祈りを捧げていた。その祈りによって鉄の鳥はより速く、そして安定して飛べると信じていたからだ。 |
![]() | 蝶殺し | カオス理論と対抗することは、標本づくりに非常によく似ている。粒子1つ1つの情報を展翅板に固定し、羽ばたきを止める。その後、蝶の軌跡を固定し、現実を自分の望む形で踊らせる。どんなに小さな変化でも、脆弱なバランスを瞬時に壊してしまうため、学士たちはモデルをどんどん精緻化していくが、最終的には運動法則を統一する愚行を、凡人の狂気と結論づけるしかなかった。だからこそ、どれだけ長い時間が経っても私ははっきりと覚えている。初めて蝶を殺した日、刃先がどのようにその胸を突き刺さったかを。 |
![]() | 時運のローブ | 昔、とにかく運が悪い盗賊がいた。ある日、彼は仇敵に追われている最中、道端で黒いローブをまとった老人と出会った。盗賊は、鞭で打たれて赤く腫れた足を見せながら、老人に隠れ場所に連れていってほしいと頼み込む。すると、老人は快諾し、自分のローブを広げ、その中に隠れるように合図した。それからすぐに追っ手がやって来たが、あろうことか、彼らの目の前にいたのは、片足を引きずりながらキューキューと鳴く黒いネズミだけだった。一方その老人はと言うと、ザグレウスの賊星とともに、跡形もなく消え去っていた。 |
![]() | 強盗ロボット | アルファーニ星で、建星以来初めてとなる強盗事件が発生した。この星は2琥珀紀前にカンパニーによって貿易中継拠点として開拓されて以来、他の星からやってきた者たちが平和に共存し、凶悪犯罪の発生率はゼロを保ってきた。事件現場となった小さなコンビニを警察が包囲すると、犯人は堂々と店の中から歩み出てきた。この過激な行動を起こしたレジ用ロボットは、自分が異星人の先遣隊であると主張し、異星人がまもなくここを占領するので、今すぐすべての信用ポイントを差し出すように要求した。警察は即座に銃を発砲して相手を鎮圧した――「異星人が何だ?私たちはみんな異星人だ」 |
![]() | ディープ睡眠 | 学者間の意見の対立は、通常、論文や議論によって解決される。しかし、武装考古学派の場合、物理的手段に訴えた方がより効率的に相手を納得させられる。そこで発明されたのが「ディープ睡眠」だ。この装置のカバーが割れると、四散する波状粒子が堅固な壁をも透過し、吸入者を赤ん坊のような深い眠りに陥れる。しかし、使用前には必ず風向きを細かく測定しなくてはならない。特に、逆風での使用は厳禁だ。 |
![]() | 跳躍複眼 | ナナシビトは2種類に分かれる。一方は未知の神秘を楽しむ者、もう一方は計画的に宇宙を開拓する者。後者はアキヴィリの力を利用して「跳躍複眼」を作った。この複眼の光線は一足早く前方の星系に跳躍し、新世界の情報を持ち帰ることができる。孤独な旅をしているナナシビトにとって、跳躍複眼は必要不可欠なアイテムである。これがあれば、ナナシビトが香涎チーズに満たされた世界に突っ込むことを防げる。 |
![]() | 異木の果実 | この心臓に似た果実は、薬師の祝福を受けた大樹から採られたもの。その大樹は50琥珀紀の歴史があると言われている。食べた者が不老不死になれるかは分からないが、それ自体が不死の忌み物。 |
![]() | 不確定の匣 | この匣は、どの面からも開けることができ、重なるべき空間が重ならないという性質を持つ。そのため、箱を開けた時に何が起こるかわからないので、何も入れない方がいい。 |
![]() | 香涎チーズ | とある子守ロボットは唐突に思いついた。豊穣香液をチーズにして、無限の食欲を持つ小さなご主人様を満足させよう。しかし香涎チーズは自己増殖を始めた。子守ロボットとご主人様が全力を出しても、消化スピードが増殖スピードに追いつくことはなかった。そこで、彼らは通りすがった弔伶人に助けを求め、ゴンドラで他の銀河系に逃げた。今でも、おいしいチーズが隙間なくぎっしりと詰まっている銀河がどこかに存在する。この話から学べることがある、「食べ物を無駄にしてはいけない」だ。 |
![]() | おしゃべり羊皮紙 | ヘルタの奇物リストの中で、この羊皮紙の危険度は「極めて高い」と記されている。宇宙ステーション「ヘルタ」に収容される前、この羊皮紙はある虚構歴史学者が所有していた。羊皮紙は人類の歴史を食べ物とし、その貪欲な舌は文明集合体の潜在的意識をかき回し、断片化させる。ヘルタは虚像の世界をそれに食べさせ、その無限の食欲を満たしている。しかし、いつかこの羊皮紙は、天才の策略を見破るだろう。 |
![]() | 博士のローブ | 第IX機関の秘密のダークウェブで、ある高価な商品が入札者の注目を集めた。このローブはかつて天才クラブ#64「原始博士」のものであり、想像を超える力を秘めている。これをダークウェブにアップしたのは匿名のユーザーである。人々はこのユーザーを巡海レンジャーだと信じて、多くの質問を投げかけたが、ローブが競り落とされるまで、このユーザーからの返事はなかった。 |
![]() | クラブチケット | 天才クラブ#56イリアスサラスは、かつて素晴らしい願いを抱いていた。それは、クラブの天才が一堂に会し、打ち解け、愛と夢を語り合う、というものだ。そして、彼は「クラブチケット」を発明し、自分の死後も、クラブに新しく入った人には必ず、どこかの宴会次元界に行けるチケットが貰えるようにするシステムを考案した。実のところ、#56以降のクラブの人はみんな、「クラブチケット」を使ったことがあるのだが、時期が重なったことは一度もなかった。 |
![]() | 天外聖歌隊のレコード | 「秩序」のエナがシペに吸収された時、天外聖歌隊は信仰を失った。かつての荘厳なハーモニーは唖然とし、星々を沈黙させた。今ではファンによって録音された数少ないレコードだけが残っている、それを特製のレコードプレイヤーに入れると、宇宙の彼方より響く歌声が聞こえ、秩序の美しさに包まれる。最後の秩序のレコードプレイヤーは皇帝戦争で壊れた。今やレコードに積もった厚い灰だけが、あの音無き時間に抗言している。 |
![]() | 万象無常のサイコロ | かつて万象無常のサイコロは宇宙にありふれたものとして、数々の微々たる邪悪な混乱を引き起こした。サイコロの使い方としては、手のひらでそれをしっかりと握って、意味のある言葉を呟き、一番食べたいものを思い浮かべながらサイコロを振る。そうやって、ある面が上を向くと思いがけない財宝を手に入れ、ある面が上を向くと素晴らしい恋を手に入れることができる。しかし多くの面は病、不運、呪い、そして一生を共にする梅雨である。にもかかわらず多くの人がサイコロを投げ、これは仮面の愚者のジョークに過ぎないと、断言した。 |
![]() | 虫網 | 武装考古学派は幾度か、探索中に遭遇した危険な状況を報道したことがある。彼らは洞窟の深くで空間を埋め尽くすほどの蟲の巣を発見した、その上には縮んだ抜け殻、そして数えきれない程の虫泡と分泌物がついている、うかつに接触したら幼虫に寄生されてしまう。博識学会に研究データを提供するため、寄生された武装考古学派のメンバーが自分の腕から幼虫をえぐり出したことがある、学界はその行為を称賛し、サンプルを研究した。結果、それは蟲の王タイズルスの子孫だと判明した。 |
![]() | 天使型謝債発行機 | スターピースカンパニー業務強化部の謝債発行機、外殻を開けると粒波性電子が天使型の計数機に凝縮する。カンパニーは腕時計型抱き枕型など、様々なモデルを発売している。ユーザーは定期的に貨幣を投入すれば、謝債周期が終了する時に数倍の収益を得られる、つまるところ、これは一種の資産運用商品。 |
![]() | 換境桂冠 | 星系で最高の頭脳を持つ者は、博識学会の認可を得た後、所在する王国の典儀で換境桂冠を授与される。桂冠は落ちた中間子崩壊の葉と量子光線の束で織られている。認められた者がそれをつけると、宇宙の別の境界に入った体験をする。 |
![]() | 全知袋 | 博識学会には、科学と魔法は本来一つのものであると考える人たちがいる。発達した科学は魔法であり、厳密な魔法は科学である、と。彼らは太古の伝説からインスピレーションを得て、「全知袋」――1種の携帯用の容器を作った。博識学会の構想によれば、今日使われている超距離重畳技術とは違い、全知袋は最終的に独立した半次元界につながり、無限の空間を持つことができる…そしてこの構想を実現するために、彼らは今も励んでいる。 |
![]() | ルパート帝国の機械歯車 | 天才クラブ#27皇帝ルパートの記憶を受け継いでいると主張する#ルパート2世は、宇宙を席巻した第二次反有機皇帝戦争を引き起こし、多くの人々を苦しめた。この第二次反有機皇帝戦争が収束した後、スターピースカンパニーは莫大な信用ポイントを投じ、#ルパート2世の遺体を何度も鑑定したが、最終的に驚くべき結論に達した。なんと、#ルパート2世の体は血と肉で構成されていたのである。 |
![]() | ルパート帝国の機械型槓桿 | |
![]() | ルパート帝国の機械喞子 | |
![]() | ターラの毒火炎 | 天才クラブ#55余清塗はカクテルに派手な名前をつけることが好きなのだが、もしかすると、そこには何か秘密が隠されているのかもしれない――たとえばターラの毒火炎。それは774種類ある猛毒カクテルの1つだ。記録によると、エルトレクシア星系では、ターラの毒火炎を味わった住民は、その味について語る機会がなかったらしい。しかし、嗅覚が鋭いピピシ人は、その後も勢いに乗ってターラの奇火炎、ターラの毒水炎、ターラの不毒火炎など、多数の模倣品を銀河中で普及させた――なお、これらの模倣品は安全で、アルコールは含まれていない。 |
![]() | ピンクショック | 天才クラブ#55余清塗は優れた音楽センスの持ち主で、ルアン・メェイと非常に親しく、自分の最も好むクラシック楽曲の中から目に付いた名前を選び、それをドリンクにして彼女に贈ったことがある。この余清塗が作ったドリンク「ピンクショック」は、無毒であることが証明されている。しかし、あるバーテンダーは日夜そのレシピの研究を続け、その中に何種類もの虫の死骸、虫の胞子、甲殻、鱗粉が入っていることを証明しようとした――彼は、この酒に幻覚作用があるかもしれないと判断したのだ。 |
![]() | 平和の代価 | 琥珀の王後方支援隊は宇宙の蝗害後期から急速に事業を拡張し、再編を経て「スターピースカンパニー」となり、一時期は繁栄を見せた。しかし辺境星系貿易戦争と皇帝戦争の打撃により、星間の平和への道は困難を極めた。十数琥珀紀続いた戦争は機械帝国の崩壊と共に幕を閉じる。そして宇宙は数百琥珀紀も続く「第二次繁栄」を迎えた。人々はその繁栄が永遠に断たれることはないと信じていた――より凄惨な星間エネルギー戦争が始まるまで。 |
![]() | 自己意識の最低血圧 | スターピースカンパニーに伝わる格言にこのようなものがある。「交渉のテーブルではテティシ人のように冷静に」…この「顔なし族」と蔑まれた種族は、常に蜂のような社会制度を維持してきた。人々は首脳の計画に基づいて各自の仕事を完遂させ、ルールと成果を共有し、個人としては思考する必要も権利すらもない。管理者が定期的に個体の思考を抽出し、首脳に着想として提出する――しかし、これほど団結した種族にも関わらず「調和」に帰依していなかった。それは首脳が自我を気遣っているためなのかもしれない。 |
![]() | 断骨剣 | 賞金稼ぎはくどくどしい教えなどよりも、実践こそが最高の教科書だと考えている。新人を指導する時、ベテランハンターのカイルは彼をリドマン星の極北にある森へ放り込んだ。少年は罠を使ってハネカクシフォルスラコスを仕留め、その骨を抜き取り、数日後には研がれて剣になった骨を持って師匠の前に現れた。カイルが2羽目のハネカクシフォルスラコスを連れてきて、彼にそれを殺すよう命じた際、それまでは恐ろしかった巨獣もまな板の鯉のようになっていた。そして歳月がすぎ、森での出来事について個人的に話すたびに、彼は大泣きし、その冷酷無情なカイルのことをひたすら罵り続けた。 |
![]() | 臨時の種銭 | カディア星に生息する食虫微生物マットは刺激を受けると素早く親水性物質を分泌し、液体と結合することで消化機能を持つ結晶体となる。それらはアンダーグラウンドの星間カジノで自分の生涯の仕事を見つけた――無一文のギャンブラーたちが後悔の涙で最後の宝石を作り出し、オールインするのだ。こうしたチップはあっという間に消え、新たな借金となる。そして、あふれ出た消化液の中で、ギャンブラーたちの人生も完全に腐食されていくのだ。 |
![]() | 葛藤する色彩 | 10琥珀紀前、ビローパ星系に勾留されていた怪盗が星系全体の紫と青をすべて盗んで逃走した。以来、それらの色彩は失われたままとなり、ビローパ星系に入った生命体には必ず対応する視覚障害が発生し、星系から一定範囲離れると正常に戻る現象が続いている。「神秘」の行人がこれほど大規模の影響を与えられるのかどうか、学界はいまだに結論を出せていない。色彩の消失によってこの星系の物理法則に変化が起きていないことから、この騒動は虚構歴史学者のでっち上げだと考える者もいた。そして今もなお調査のためにビローパを訪れる学者は後を絶たず、答えのない疑問について日々論争が繰り返されている。 |
![]() | 天彗合金 | 「存護」の巨大なハンマーの下で、星はとても堅固な壁の礎へと変えられ、巨大な力の下で飛び散った欠片は急速に冷却されて貴重な天彗合金となる。このようにクリフォトが天彗のスターウォールを叩いて飛び散った細かい破片は、誕生の瞬間に新たな琥珀紀の訪れを告げている。天彗合金はスターピースカンパニーによってほぼすべてが厳重に保管されており、その真の姿を垣間見られるのはP45以上の社員に限られている。 |
![]() | ビーコン着色剤 | ビーコン着色剤の強い色彩と視覚的な刺激により、星間救援隊は救助を求める目印を極めて容易に発見することができる。これの発明者は名画家であったナナシビト。星を渡る旅の途中で事故に遭い、荒涼とした無人の星域に取り残されたナナシビトは、白色矮星の破片を使い、やがて救助の歴史に残る偉大なビーコン着色剤を発明した。 |
![]() | パンクロード精神 | 命はゲームでしかない――サイバー世界「パンクロード」のハッカーたちにとって、この冗談は戯言ではない。彼らはネット空間を渡り、エーテル編集という技術で現実を書き換え、人生を編纂して大型のゲームを創り出した。たまに天才の中の天才が誕生し、最初の村を飛び出して、大きな銀河を第二の舞台として活躍した。このゲームソフトにはある伝説的なハッカーの物語が記録されている、彼の一生はパンクロードの地下ダムから始まり、巡海レンジャーに囲まれて幕を下ろした。あの葬式は静かだった、ただ1つのゲームソフトが棺の上に置いてあり、ハッカーの人生に「クリア」という脚注を加えた。 |
![]() | パンクロードのバランス | スターピースカンパニーの護衛艦に乗り込む前、伝説のハッカーである「ゼロ」が、エーテルネットワークの深部にチートコードを隠しておいたこと、このチートコードをゲームファイルに挿入するだけで、初心者プレイヤーでもパンクロードの秩序を崩壊させられることを、地球全体に公言した。様々な大手企業が、チートコードはすでに廃棄済であることを発表したが、今日に至るまで、データの水際で深海にダイブする準備を整えた船団――意気揚々と宝探しに出発するハッカー集団――を目にすることができる。「パンクロードのゲームバランスはゴミ。自分が修正してやらないと」 |
![]() | 夢-0110 | 無機生命体の治療は混沌医師にとって長年の難題である。金属の創造物には、薬剤や感応計測器が効果を発揮する細胞も脳もない。それゆえ医師たちは、錆びた回路に付着した虚無の汚れを除去するため、シリコンフラワーを挽いて粉末にし、彗星ゼミの分泌液とさまよう悪魔の爪と組み合わせて、強力な精神潤滑剤を作り出した。オムニックは味覚を持たないため、有機生命体とは異なり薬剤の味に不満を持つことはない。しかし患者曰く、潤滑油を使用されたオムニックは全員、血の滴る大きな口を開けたデジタル蝶々の夢を毎晩見るそうである。 |
![]() | 土少々 | 強制的な開発が行われた辺境の星域では、安価な労働力を提供する現地人がカンパニーの使用する貨幣のことを植物の果実であると勘違いしていた。そのため、最も美しく輝いている紙幣を地面に埋め、信用ポイントの木が生えるのを心待ちにしていたそうだ。お節介な仮面の愚者はその誤解に着想を得て、分裂金貨の原理を模倣して信用ポイントの木を作り出し、その種を大いに広めた。インフレを恐れたカンパニーは辺境星域を緊急封鎖したが、彼らが急いで果樹園に向かったところ、現地人は信用ポイントを果実として食べていただけだったらしい。 |
![]() | 超覇王コマ | 博識学会の規則のすべてには、制定された理由がある。第989条「回転コマの製造禁止」を例にしよう。ドゥイト博士は、構造力学の研究を進めるため、研究室で宇宙コマ回し大会を大々的に開催した。準決勝では「赤鼻の老人」の反物質放出コマが相手のパンチ・エンペラー・コマを300回戦目で破った。決勝で強敵を倒すため、負けん気の強いドゥイト博士は、自身の超覇王コマに粒子破壊器、ソード型デバウアー弾、応援ラッパといった複数の装置を取り付け、決勝で大爆発を起こすことに成功し、100名以上の観戦者を病院送りにした。 |
![]() | 愉悦の封蝋 | 落胆する自滅者の間にある考えが広まっている。それは、宇宙の万物は意味を持たず、星神にとって人間は取るに足らない存在だというものだ。星神が本当に人間を凌駕し、お高く止まっている存在であるのならば、どうして人間の愛や苦しみを気にかけるのだろうか?眠る無相者IXの存在こそ、その証しだ。星神がそれを気にかけていることを自滅者たちに証明するため、混沌医師は秘学僧侶の巫神術の力を借り、星神の封蝋を作った。この封蝋を使うと、時空を超えて対応する星神の目を引くことができると言われているが、今までに成功した事例はない。しかし封蝋を使った後に、宇宙、星神、そして他のあらゆるものに対する信念を取り戻した自滅者は確かにいる。 |
![]() | 巡狩の封蝋 | |
![]() | 壊滅の封蝋 | |
![]() | 記憶の封蝋 | |
![]() | 虚無の封蝋 | |
![]() | 繁殖の封蝋 | |
![]() | 豊穣の封蝋 | |
![]() | 存護の封蝋 | |
![]() | 知恵の封蝋 | |
![]() | 調和の封蝋 | |
![]() | 砕けた星の釣り餌 | 黄昏戦争より昔、混沌星雲の膨張により発生した星屑は餌として使え、それが持つ特有の宇宙塵の香りは古獣を引き寄せられた。だが諸界を覆う大災害の後、「砕けた星の釣り餌」はその効力を失ったみたいだ。学者たちが研究を重ね、餌を幾度も改良したが、古獣は姿を現さなかった。 |
![]() | 銀河ビッグロッタリー | スターピースカンパニー市場開拓部が販売する銀河ビッグロッタリー。その営業方針はオスワルド・シュナイダー本人のように、激情と熱血に溢れている。コイン1つで幸運を望める、誰でも大富豪になれる夢、星間商業体系に加入する道…オスワルド・シュナイダーの営業の下、このような誘惑に抗える世界は少ない――彼らは自世界で銀河ビッグロッタリーを展開する資格を得るため、先を争ってスターピースカンパニーの商業体系に加入した。 |
![]() | 星間ビッグロッタリー | ビジネスモデルを持続させるにはどうすればいいのか?銀河ビッグロッタリーが好評を博した後、スターピースカンパニーの業務強化部はオスワルド・シュナイダーの商品に対する先見性を引き継ぎ、星間ビッグロッタリーを発売した。彼らはそれも同じように成功することを願い、86もの関連産業チェーンを作って一緒に普及させていった。カンパニーが作り出したイメージキャラクター、「ビッグロッタリーの女神」ベラス・メリーは後に謎の死を遂げたが、それでも多くの信用ポイントがスターピースカンパニーに流れ込んできたのである! |
![]() | 天才クラブの危険な噂 | 「ポルカはどんな姿をしているのか?」ポルカ・カカムの正体に対して、天才クラブのファンたちは、かねてから好奇心をくすぐられ続けてきた。宇宙規模で自分の肖像を破壊できるかどうかはともかくとして、静寂の主は歴史上に何度か姿を現したものの、手がかりとなる情報は一切残していない。彼女を見たものは1人残らず彼女によって殺されたのだと言う人もいれば、「神秘」もしくは「虚無」の力によって存在の痕跡を消しているのだと言う人もいる。最終的に皆に受け入れられたのは、とある熱狂的なファンによる推測だった――すなわち、ポル力の顔にはもともと特徴がなく、ぼやけているとする説だ。 |
![]() | 献祭のジャベリン | クレムノスの戦士にとって、戦争はニカドリーへの捧げものだ。王の手から投げ放たれた槍を皮切りに、神の栄光の元、無数の槍が夜空を引き裂き、最も堅牢な城壁をも貫く勢いだ。そうして、歴史から一つの都市国家が消え去る。当時の王アグリュソスはこの習わしを禁じ、競技をもって血に染まった紛争に代えようとしたが、それが民衆の怒りを買ってしまい、彼は目をつぶされて追放され、その名も臆病者の代名詞となった。しかし、これはアグリュソスから王の座を奪った兄弟が捏造した話だという説もある。なぜなら、その盲目の老人は死の間際まで故郷の方角を見つめていたからだ。 |
![]() | 量子ビッグロッタリー | 星間ビッグロッタリーが大成功を収めた後、業務強化部はその勢いを利用して、ビッグロッタリーの予測を売りにした量子ビッグロッタリーを発売した。この確率論上の永遠の難題を解明し、ランダム性の中から幸運を見つけ出すために、量子歴史学派の入学者数は一時的に再編前のピーク値を超えた。時折、量子ビッグロッタリーのトレンドモデルの構築に成功したと宣言する学士がいるが、彼らは例外なく、論文発表の前日にこう述べる――自分の発見はただの学術的誤解だった、と。 |
![]() | 絶対自滅軟膏 | 最先端技術でも治せない難病に直面する時、患者を虚無に感染させるのが最後の手段となるかもしれない。混沌医師たちは自滅の種子と問いかけの魔物の詰問、ハネカクシフォルスラコスの毒を混ぜて容器に封入し、「絶対自滅軟膏」という危険な代物を作った。虚無のう窩が病巣を蝕み、かろうじて延命の機会を与える。しかし、このようにして生きることは、患者に別の苦痛を与えるだけかもしれない。 |
![]() | 豊作の岩 | 種まきの季節になると、ジョーリアの信者たちは山頂まで押した「豊作の岩」を落とし、まだ開墾されていない畑に転がす、というのを何度も繰り返す。もちろん、彼らは体を鍛えるためにそれをやっているわけではない。この岩は、種を撒き、土地に栄養を与える役割を担っているのだ。ただし、転がっている岩の妨げとなるようなことは絶対にしてはならない。かつて、やんちゃな子供が転がる岩を追いかけた結果、畑と見なされてひかれたのだ。命は助かったものの、全身の毛が小麦になってしまった。 |
![]() | 鋳鉄のメカ指輪 | 虚構歴史学者の影響で、ルパート2世の結末は曖昧である。ある資料では、2世が血肉で構成された体を持っているせいで、ついに帝国の偉業を成し遂げることができず、鋳鉄の玉座の上で病死したと記載されている。ある詩では、キャンディーカラーのドレスを着た女性がゆっくりと王都に足を踏み入れると、帝国が轟然と崩れたと語られている。ある声では、金属の指輪が2世の指を傷つけると、暴走した機械が目の前の有機生命体を殺したと嘆かれている。ある劇では、彼が急に何かから解き放されたかのように感嘆して人間の涙を流すと、ゆっくりと、しかし永遠に臣民の前で目を閉じたと演じられている。 |
![]() | 鋳鉄のギア指輪 | |
![]() | 過去の重さ | #77メイトが死の間際に何を考えていたのかを知る者はいない。何事も思い通りにいかない天才は、知られざる方法で膜空間で自らの「知恵」を剥離させ、すべての過去を切り捨て、無知な凡人としてこの世を去った。数え切れないほどの学者たちがその結晶の封印を解き、天才の知識を手に入れようと試みた。しかし、彼らが最終的に得たのは、何の意味もない結論だけだった――メイトの知恵の重さは、故郷に咲く一輪の野花と同じ程度だと。 |
![]() | 知識の注射銃 | ドーラ・アイモン星系で「知識の注射銃」が開発された時、誰もがそれが人類の進化史を変える偉大な発明になると思っていた。なにしろ、お尻にたった一回注射するだけで、幼稚園を卒業したばかりの子供でも高度な空間構造方程式を解けるようになるのだ。しかし、この発明の問題はすぐに露呈した。副作用としてひどい下痢を引き起こし、新しく得た知識が一気に排出されるだけでなく、過去の知識までほとんど失われてしまうという。結局、この発明は消化系の問題を治療する処方薬として少量使用されるにとどまった。 |
![]() | 自己適応型ギフトボックス | もし街で「愚者」がギフトを配っているのを見かけたら、気を付けた方がいい。全銀河で少なくとも1000人が、この小さなギフトボックスのせいでいら立ち、神経がすり減ってしまっている。いかなる場所に置こうとも、ボックスは必ず収納スペースより少し大きくなり、置けなくなってしまうのだ。もちろん、「愚者」は冗談を心得ていて、親切にも2つ目のギフトボックスを贈ってくれた。この2つ目のボックスには、1つ目のボックスがすっぽり収まる。しかし、ここで問題だ。2つ目のボックスはどこに置けばいいのだろうか? |
![]() | トライアングル | 「秩序」のエナが没する前の時代、驚くべき文明の進歩を遂げた星が現れると、遠方から清らかな吉兆が聞こえてきたという。それは神聖な祝福のような歌声で、8度の音程にとどまらず、決して重複することのないハーモニーは常に新しい調和を生み出していた。天外聖歌隊は、こうした無限に変化しながらも、永遠に「秩序」の中に存在する音律を崇拝している。そこにある無限の音階を描写するため、彼らはトライアングルを作ろうとした。 |
![]() | 血錦の徽章 | 琥珀紀と共感覚ビーコンが普及してから100紀が経った頃、星間貿易の発展に伴い、資源交換が急務となった。一部の星は大いに賑わう星間埠頭に変わり、第二次繁栄が訪れた――これは「血錦時代」と呼ばれ、500琥珀紀近く続いた。血錦時代は晩期になって衰退したが、大災厄と呼べるほどの星間エネルギー戦争でも、第二次繁栄の輝かしい成果を使い果たすことはなかった。それと同時に、「知恵」のヌースは突然宇宙の秘奥に対する演算を中断した。 |
![]() | 『ボサ頭探偵』 | スターピースカンパニーはバラエティ番組のレコードを大量に制作したが、思ったよりも売上が振るわなかったため、伝統事業部に引き継がれることになった。各「介護星」の埠頭輸送チームによると、伝統事業部の親切で優しい引退幹部の在田は、その中の『ボサ頭探偵』が大好きで、63システム時間も繰り返し再生していたという。在田は作品に登場する才能あふれるバラエティ探偵の大スターに若い頃の自分を重ねているのだろう、と社員たちは考えている。 |
![]() | 言語の復活 | 相対認知学派の学者たちは、共感覚ビーコンの出現が宇宙の思考の広がりを大いに抑え込んだと指摘している。利用者は常に自分の立場からしか物事を考えることができず、相手の意図を真に理解することができないからだ。さらに、一部の学者は、カンパニーがビーコンの権限を掌握しており、ビーコンを通した会話はすべてカンパニーによって改ざんされていると主張している。彼らは死にゆく多言語コミュニケーションを宇宙に呼び戻すために、最大限にビーコンの通訳を妨害しようと、ビーコンに干渉するパーツの製造に努めている――「通感学派は、共感覚ビーコンはリドラーの天敵だというが、リドラーは、共感覚ビーコンはリドラーよりもリドラーらしいという」 |
![]() | 正確で完璧なコード | このコードは見ているだけなら素晴らしいが、持ち歩くとなると恐ろしい。 「1文字たりとも無駄がない…まさに芸術だ」 |
![]() | 注釈がないコード | これを実行するのはリスクであり、これを書くのは罪である。 「誰が書いたんだ?傷害罪で訴えていいか!?」 |
![]() | 少し怪しげなコード | 直感的にこのコードは問題ないと思うが、直感的に直感は信用できないとも思った。 「ここにエンドレスループがあるみたいだけど、実行できなくはないな……」 |
![]() | 無限再帰するコード | このコードを実行すると、スタックがオーバーフローして記憶領域が一杯になるのは確実だ。でもそうすることで宇宙の欠片を大量に獲得できるから、いいのではないか? 「偉大なる機械公爵よ!あなたはなぜ、このようなコードが私たちのプロジェクトに存在することを許したのか!私には理解できない!」 「前提:完璧は間違いと相反する。質問:現実の宇宙は完璧か?答え:否。結論:模擬宇宙は完璧であってはならない、模擬宇宙には間違いが必要」 |
![]() | ぐちゃぐちゃなコード | インデントもなく、改行も適当。変数や関数名は意味不明な省略をしている…エラーがあるのか肉眼で確認できないほどのひどさだ。 「だけど、万が一があったら?」 |
![]() | 杓子定規なコード | このコードは何とかテストを通れるが、プログラマーは明らかに時間と空間の複雑さを犠牲にしている。 「大丈夫。ユーザーはどうせわからない…ラグいって言われたら、メモリをアップグレードするべきと言えばいい」 |
![]() | 占い鳩時計 | この鳩時計は毎日0:00に詩が書かれた紙を吐き出す、その詩は遠い昔の数学体系に関する名詞で組み上げられている。それを予言だと思う人は、解読が完了する寸前に、時計が目の前で消えたと言った。未来を予見できる可能性だけでも極めて高い価値がある。誰もが鳩時計の再販を期待した、そうすれば星系中の富がそれに向かって流れだすだろう――もちろん、その鳩時計はつまらない詩を書き続けるように設定されただけだと思う人もいる。 |
![]() | 黒森鳩時計 | 第二次機械パニックが過ぎた後、大量のロボットが急性ストレス障害に陥り、あらゆる衝突になり得る物事に過剰に敏感になってしまった。ある噂が流れた:機械生命体はいつか災いをもたらす。ロボットたちはすぐさま噂に反応し、遠征隊を三度結成して未開拓の大陸へ向かった。彼らは最南部の島に行き、暗闇に覆われた森の中で流言マシンを作った犯人を捕まえた――とある山中にこもって邪なる技術を研究するクラフトマスターを。 |
![]() | 永久鳩時計 | #76スクリューガムが苦労して機械生命体に平和をもたらした後、スクリュー星は第二次工業復興運動を迎えた。無数の発明家が頭角を現し、呪いマシン、確率マシン、キャンディガーディアンなどを創造した。そして発明家たちは七不思議の課題にも興味を示した、そのうち、「永久機関」は2番目の課題として研究されていた。スクリュー星で19位に座す発明マスターは、命の最後に自分の永久鳩時計を披露した――その作品はアルキメリ螺旋エネルギーを利用して永遠に作動していく、だが発明マスターはかつてない栄誉を手にした後に、自らの命を絶った、原因は不明。 |
![]() | カンパニー鳩時計 | カンパニーが最初に製造した0号鳩時計、鳩時計計画の起動を意味する。鳩時計計画は何のために誕生したのか?多くの人はその目標について疑問を抱く――ルイス・フレミングは答える、これは存護の星神クリフォトを追従するに、カンパニーが勝ち取った全てを守るためにある、と。彼は演説で意思を表明した。スターピースカンパニーは既に宇宙の金融を主宰したが、終末の災いには常に警戒するべきと。彼が打ち出した鳩時計シリーズはかの星神に関する情報を収集し、カンパニーが未来の道を突き進む最中に破産、または解散する可能性を0にするためにある。 |
![]() | 機械式鳩時計 | 第二次ルパートの乱の後、カンパニーは宇宙全域の機械生命体を絶滅させるという残酷な計画を立てたことがある。しかし幸いなことに、この計画が採用される前に、#76のスクリューガムがヌースに選ばれ天才クラブに加入したことがカンパニーの耳に入った。新たな天才に対する親善の意味を込め、カンパニーは機械式鳩時計を製作して彼に贈った。今の感覚では、この贈り物はあまりにも味気なく感じられるが――当時は機械生命が迫害を受ける時代であった。そのため、機械式鳩時計が誕生したこと自体が平和の象徴なのである。 |
![]() | 壊れた鳩時計 | ある鳩時計職人が偶然「テルミヌス」に出会った。驚いた彼女は手にしていた時計を地面に落としてしまい、それは「テルミヌス」の過去で砕かれてしまった。この職人は後に厄災前衛に加わり、鳩時計でテルミヌスの予言を解読しようとした。彼女は生涯、数え切れないほど多くのものを製作したが、この壊れた時計をいつも大切にしていた。この時計が壊れた時、職人はすでにテルミヌスに出会っていた。しかし、この時計が壊れた時、テルミヌスはまだこの職人に出会っていなかった。 |
![]() | 分裂鳩時計 | 「終焉」の凶兆を受け取った後、分裂の厄災に関わっている鳩時計が突然黒森に現れ、無機生命体チェーンが原因不明の断裂を起こした。黒森に入り込んだナナシビトは鳩時計に夢中だったため、それをコレクションに加え、自分の故郷に持ち帰ることにした。分裂鳩時計は旅の途中で分裂を続け、最終的にナナシビトの飛行マシンは鳩時計でいっぱいになってしまったのだが――彼は鳩時計が分裂を続ける現象が何を意味しているのか理解できなかったため、星間旅行の途中で虫の潮に呑み込まれてしまった。 |
![]() | 「無効アイデア」コード機 | 「人はいつ機械に変わるのか?機械はいつ人に変わるのか?」ある日の機械時刻午後3時。侵入性「無効アイデア」は時間通りに、機械城のある有機生命体の脳内に入った。最初の頃は、脳内で暴れるアイデアに彼は手も足も出なかった。だがある時、彼は記録を取ることで「無効アイデア」がもたらす焦燥感と虚無感に対抗できることに気付いた。そして彼はペンを手に、嘔吐するようにロジックも意味もない考えを書き出し、一行一行のコードに変換した――そして彼はリドラーの注意を引いた。 |
![]() | 「平凡アイデア」集団機 | ある日の機械時刻午後3時。侵入性「平凡アイデア」は時間通りに、機械城のあるうぬぼれ有機生命体の脳内に入った。「一般アイデア」は彼の精神を押し潰した。どの領域でも、彼の天賦は群ロボットの中で「真ん中」程度にしか届かない。だが彼は諦めなかった。この珍しい才能を利用し、彼は無機の集団の中で一切の感情を包み隠し、ロボットの中で最も中程度の中級者になり、「均衡」の運命に踏み出した。 |
![]() | 「最高アイデア」レインボー機 | ある日の機械時刻午前6時。侵入性「最高アイデア」は時間通りに、機械城のあるユニコーンの脳内に入った――機械城で改造されていない動物はもはや少ない。その後、ユニコーンは「最高アイデア」を駆使して如何なる失敗も、如何なる恐怖をも乗り越えた。ユニコーンは悲しみを楽しみにし、苦痛を楽しみにし、プレッシャーを楽しみにした。ある日、彼は気づいた。自分はもう「気分」をパラメーターのように自在に変えられるようになっていたのだ。そして彼は自信満々な「レインボーユニコーン」になった。 |
![]() | 「奇想天外」培養脳 | 「私は皇帝ルパートに会った!」ある日の機械時刻午後9時。侵入性「最高アイデア」は時間通りに、機械城の培養槽に放り込まれた脳の中に入った。脳は自分が有機か無機かがわからない。あるいはただの気体だったりして?脳は、自身の「狂想」から抜け出すために、皇帝ルパートに会ったと主張した――狂った考えが頭の中で暴れ、止まらない思考が脳を疲弊させた。しかしルパートは目立たないコードを1ヶ所変更しただけで、脳を目覚めさせた――そう、何も発生していなかったのだ。今までのすべては脳の狂想でしかなかった。 |
![]() | 「意気消沈」 暗号機 | ある日の機械時刻午前1時。「意気消沈」暗号機がまた自主的に再起動した。暗号機は自身の体を構成している暗号を何度も編纂して、打ち砕いて、組み合わせたが、どうやっても「意気消沈」する結末からは逃れられなかった。3600回繰り返した後、暗号機はようやく理解した。自身の暗号の意味は、「意気消沈」そのものだった。 |
![]() | タロート人形 | 銀河はとても広く、常に厄災前衛の警告に耳を貸そうとしない人がいる。たとえばアデン玩具会社のオーナー、アデンだ。「終焉」の行人から新しく出荷した人形をすべて破壊するべきだと警告された時、彼は激怒しただけだったが、その24システム時間後、人形の中に潜んでいたタロート人により玩具会社が襲撃された。この辺境星系からやって来た液状の生命は同一の意識を共有しており、より多くの生命体を自らに加えることが目的だ――アデンはすぐに彼らの一部となった。 |
![]() | 絶対的失敗の処方箋 | 戦争は文明の持病だ。それは生命を消し、歴史を破壊し、世界を虚無に導く。混沌医師は問いかけの魔物の唾液と水魈の髪の毛を混ぜ合わせ、さらに自身の血を一滴加えた。こうして作られた薬はあらゆる効果的な戦略を避けるよう、士官たちの意思決定を狂わせ、交戦の可能性を根本から断ち切る。これによって戦争は終結するのだろうか…混沌医師たちは、薬を服用し続けさえすれば、この戦争という持病はいつの日か必ず治ると信じている。 |
![]() | パイナップル | キング・オブ・ロックのアカバがメロー星雲で被災者支援のためのチャリティ公演を行った際、あるフルーツが彼に思いがけないインスピレーションをもたらした。奇怪な見た目のそのフルーツは直感に反して「パイナップル」という名が付いている。彼は荒唐無稽なエピソードを歌詞に盛り込んで、旧世界の言語を批判するようファンに呼びかけた。彼の導きの下、反抗的な若者たちは既存の名詞を際限なくねじ曲げ始めたため、星間物流の保冷庫はどこも表現しがたい「パイナップル」でいっぱいになった。100を超える先進国が、パイナップルという言葉の定義を書き換えたところでようやくこの馬鹿げたフルーツ・ロック運動は終結した。 |
![]() | かつての肉体 | なぜ宇宙の知的種族の大半が霊長目なのか?技術開発部の定例会議が終わるたびに、スレチカは強い劣等感を覚える。彼女は人類の外見を顕性形質として固定し、薬物注射で自身の形態を変えた。呼吸孔は皮膚で塞がれ、臓器や骨は強制的に伸ばされた。その終わりなき痛みの中で、彼女はついに外見こそ人間になったが、新しい肉体を待ち受けていたのは周囲からの蔑視だった。スレチカの勧めにより、人間になりたいと願う客が絶え間なく彼女のもとを訪れる。これは彼女が人間の利点を享受したからではなく、単純に、もっと多くの人と苦痛を分かち合いと彼女が願ったからである。 |
![]() | スウォームのビデオテープ | イシダはもう興奮を抑えられなくなっていた。彼は今、「銀河ホラー映画鑑賞チャレンジ大会」の最後の関門に挑んでおり、長い間封印されていたというこのビデオテープを見終えれば優勝して1千万信用ポイントの賞金を手にできる。血、バラバラになる手足、幽霊…百戦錬磨の彼には、そうしたホラーシーンも滑稽に映る。だが突然、彼の笑顔が凍りついた。目の前の光景に、彼は全身を震わせ、大声で助けを求めた。大会関係者はすぐに駆けつけたが、時すでに遅し。イシダは跡形もなく消え、飢えた虫の群れが残っているだけだった。 |
![]() | 快楽製造テレビ | 「快楽製造テレビ」の発明者は、テレビとは史上最も偉大な発明であり、寒い夜の灯火のように、人々の退屈で味気ない日常に少しばかりの楽しみを提供できると考えている。しかし、「少しの楽しみ」で足りるはずがあろうか?いや、娯楽は人生のすべてであるべきだ。そこでリモコンを軽く押すだけで、超星系爆発さえもエンタメ番組に変換できる快楽製造テレビが誕生した。しかし、誤った販売戦略により、カンパニーによる本製品の安全評価が完了したときには、すでに約100もの世界が「快楽製造テレビ」中毒になり、原始社会へと退化してしまっていた。 |
![]() | 時運の窓 | ドロスを訪れた旅人は皆そこにある建物に目を奪われる。中でも印象的なのは、半泣きにも半笑いにも見える窓だろう。賭け事が生活の一部になっているこの都市国家では、今日まで億万長者だった者が明日には一文無しになっている、なんてことはよくある。だからこそ、ドロス人は運に対して異常に執着しており、運勢を変えるためにこのような窓を使う。窓を開けて全身に朝日を浴びることで、昨日の悪運が消え去ると信じて。彼らはそうして再び賭けに挑むのだ。 |
![]() | フォーチュンクッキー | 泥棒の駆け出しも、有名な大怪盗も、ポケットにはいつもフォーチュンクッキーを忍び込ませている。ただ、非常食なので落ち運びはしやすいが味は悪い。彼らの祖先であるザグレウスが自らレシピを発明したと言われている。クッキーは小麦粉、バター、砂糖、塩など、ごく普通の原料でできているが、稀にコインが入っている。コイン入りのクッキーに当たると、タイタンの加護を得られるらしい。クッキーの食感が変わっているのと泥棒たちの前歯が欠けている理由はそこにあるのだろうが、誰も気にはしていない。食べるだけで幸運を得られるならそれでいいのだ。 |
![]() | 金爪のアンカー | 遠洋航海とは大変な仕事である。気まぐれなファジェイナの影響を受けるこの海は、今日まで穏やかだった水面が次の日には大荒れになっていることもある。だが、この金爪のアンカーを備えた船なら、どんなに大きな波にも耐えられるだろう。爪は「冠狩りの金爪」と呼ばれる大鷲のもので、100年に一度炎に包まれて生まれ変わる際、焼き付いたその場所に煌めく金の爪を残すという。また、金爪は一度何かを掴むと、特別な呪文を唱えない限り決して離さないという特徴を持つため、船の錨としてこれ以上ないほど重宝されている。 |
![]() | 鉄筋ほぐしのマッサージ器 | ニカドリーの眷属が全オンパロス人に恐れられる戦争兵器であり続けているのは、「紛争」のタイタンから力を授かっているおかげもあるが、優れたメンテナンスのおかげでもある。クレムノス人は戦いが終わるたび、特製のマッサージ器具で全身を徹底的にほぐしていく。この装置は毎秒数十回という速度で打撃を与えることができ、各関節の鈍化を効果的に緩和し、戦闘能力の維持に寄与するそうだ。唯一欠点があるとすれば寿命が短いということだが、クレムノス人たちはすぐに気が付いた引退したマッサージ器具も「捕虜の尋問」に使えると。 |
![]() | 扉の彼岸 | ヤーヌスを信仰する祭司と、ザグレウスを信仰する盗賊には、扉を研究するのが好きという共通点がある。前者は学術のために、後者は窃盗のために、それぞれ多少の違いはあれどすべての扉を開けるとされる神器が争いの種になるのは必然だった。だがある日、有名な泥棒ルコスがヤーヌスの神殿からその神器を盗み出し結果として扉がランダムな場所に通じていることを明らかにした。盗賊たちはその事実を知り、たちまち興味を失ったという。 |
![]() | 祝福の残晶 | 沈黙したとしても、あるいは命を落としたとしても、タイタンの祝福は未だこの世に残されている。過去の叫びと呼びかけは水晶の中に封印され、後の者に僅かな希望をもたらす。しかし、祝福の存在がタイタンに依存していないのであれば、タイタンと神権の誕生はどちらが先だったのだろうか?樹庭ではこの疑問をめぐって空前の論争が起こったが、怒りで理性を失う事態になっても答えは出なかった。 |
![]() | 烈日の舞 | 他の都市国家がまだ薪で火を起こしていた頃、エーグルの信者たちはすでに尽きることのないエネルギーを手に入れていた。烈日の舞と呼ばれる小さな祭壇は、陽光や雷光を直接吸収するため、放たれる光で十里先の雪や氷を溶かし、オロニクスの夜の帳さえも退けたという。その加護のもと周辺には次々と都市が生まれ、どれほど不毛の地であっても立派な都市国家へと成長していった。しかし、これは烈日の舞が消える前の話である。かつて栄えた地は今、ほぼ生気を失った廃墟と化している。 |
![]() | 竜骨の盾 | スキアナはオンパロスの辺境にある小さな島国で、長年のあいだ海獣の襲撃に悩まされていた。だが、ある英雄的な船長の指揮により怪獣は撃退され、怪獣の一部である巨大な足が手に入った。人々によって町へ運ばれたそれは、血肉こそ腐敗していたものの、骨は鉄のように硬く、玉のように滑らかであった。町で最も経験豊富な職人はそれを受け取り、刀や槍を通さぬ盾へと磨き上げた。以降、島は広く知られるようになったが、盾は名声だけでなく戦争をももたらし、最終的にはクレムノス人に目を付けられ、彼らの猛攻をその盾をもっても防ぎ切ることができなかった。 |
![]() | 眠りと死 | 睡眠を死の予行演習だと信じているエイジリア人は、睡眠の質を非常に重視している。よって、エイジリアでは極上の布団や枕だけでなく、不思議な睡眠導入装置も見つかるという。この装置を使った人はたちまち深い眠りに落ち、限りなく死に近い状態になるらしい。だが注意しなければならないこれは不眠症の治療には効果的だが、そうでない者の8時間以上の使用は禁止されている。もしそれを怠った場合、次に必要になるのは目覚ましではなく、葬儀の準備となるだろう。 |
![]() | 報酬のないクイズブック | 宇宙ステーション「ヘルタ」で流通していたクイズブック。その一部はヘルタが子供時代に書いた手稿を基に編集されているという。該当するページは数字と公式で埋め尽くされており、奇書のような内容は読む者を圧倒すると言われている。また噂によると、中のクイズを1つでも自力で解けたスタッフは、偉大なヘルタ様との面会の機会を得られるらしい。噂の信憑性を証明できた者はまだ出てきていないが、このクイズブックは発行されるたびに争奪戦へと発展し、絶版となった今では幻のお宝となっている。 |
![]() | 空へ翔ける | 地に足をつけて生きる者もいれば、空を夢見る者もいる。ブリーザから来たヴァニータは後者だった。綿菓子職人である彼は濃縮した甘味料が詰まった10本のロケットを椅子に括り付け、自分を空へと飛ばそうとした。発射の当日は街中の人々が集まり、国王までもがその光景を見に来たという。ただ一人、弟子だけは「エーグルの神罰が下る」と必死に止めていたが――それは杞憂に終わる。ヴァニータは数メートルの飛翔後、甘味料が高温で溶け、その冒険に終止符を打つこととなった。 |
![]() | 強者のスポーツ | クレムノス人は戦うことしか能がない荒くれ者だと思われがちだが、実際はそうでもない。戦争がない時は多様な娯楽を楽しんでいて、中でも「鉄球打ち」は代表的なスポーツだ。この競技では金属球を思い切り相手に投げ、特定の部位に当てることで得点となる。初心者のうちは粉砕骨折しがちだが、数千回ほど経験を積むと、鋼鉄よりも頑丈な体が手に入る。クレムノス人はこの競技を占領地にも広めようとしたが、致死率が高すぎるため諦めた。 |
![]() | 獣使いの手綱 | 大地獣の操作試験に合格できず、悩んでいませんか?そんなあなたにオススメなのが、ジョーリアの祝福を受けたこの特製の手綱です!黄金紀の秘術と人体工学に基づいた設計で、安定した握り心地を実現し、差し込むだけの簡単操作で大地獣はもちろん、馬車やテーブルなど、四本足のものならなんでも操縦できます!注意事項:ジョーリアの祝福は想像以上にパワフルです。ご使用の際はしっかりと手綱を握り、スピードの出し過ぎには十分お気をつけください。 |
| 帰寂のダイス(頭) | その奇怪な壊滅の美学により、帰寂は銀河中にかなりの数のファンを持っている。許容範囲内の人員損失を出しながらも、スターピースエンターテインメントのゴシップチームは決死の覚悟でこの絶滅大君の写真撮影に成功し、その姿をモチーフにしたグッズ一式を制作した。しかし、まだ解明されていない何らかの原理により、このサイコロは常に同じ目しか出すことができない。博識学会の推測によると、これはランダム性、あるいは混沌が愉悦の重要な構成要素だからだという。「投げられる前に結果がハッキリした賽なんて、ちっとも面白くないだろう?」 | |
| ラディアントケア | 何年も前にオンパロスで大流行したスキンケア用品。軽く吹きかけるだけで、顔に付着した金の粉末がシワを修復し、美白と保湿の効果もある。噂によると、その素材は実は英雄のピュエロスの頂上から採取されたもので、黄金裔の英雄だけがそれを持ち出すことができたという。しかし、ピュエロスの女主の神性が高まるにつれ、市場でこのスキンケア用品を見かけることはなくなっていった。 | |
| テレパシーフォーク | 宇宙グルメ学会の一部の過激なメンバーは、食と飢餓が貪慾の運命の原動力であると認めつつも、他人が作った料理を楽しむことは異端だと考えている。彼らは食肉処理から調理まで、全工程を自力で完遂することにこだわり、命をかけた戦いの中で食材の肉質を鍛えるため、この「熱量兵器」――加熱用の武器を開発した。しかしほとんどの場合、食材はただ激しい炎に焼かれ、消し炭になってしまうだけだった。 | |
| ミノタウロス・ハンティング | モンスターを動的に追跡できる宝の地図。ミノタウ星の迷宮狩場では、「ミノタウロス・ハンティング」が人気のイベントだった。しかしミノタウロスが環境悪化により絶滅の危機に瀕したため、このイベントも2琥珀紀前に中止を余儀なくされた。一方、博識学会の保護専門家は現存するすべてのミノタウロスに追跡チップを埋め込み、信頼性の高い種族回復計画を策定している。そう遠くない将来、人々は再び迷宮でハンターたちの名台詞を口にできるかもしれない――「うわあ、牛だ!」 | |
| 至高のジェル | ゴールドバナ星が禁断の実験によってバラバラに引き裂かれた時、原始博士はただ軽く笑い、ポケットから至高のジェルを取り出し、惑星の欠片を元通りに貼り合わせた。原始博士がこの強力すぎる接着剤を発明した最初の理由を知る者はいなかったが、ある時レンジャーの追撃から逃れる際、彼は意図的に一部の量産型至高のジェルを宇宙に撒き散らし、往来する商船に拾われるようにした。この「あらゆるものを修復する」天才の創造物は瞬く間に宇宙で大騒ぎを巻き起こし、それで建物を建てる者もいれば、爆弾を設置する者もいた。中には壊れた恋愛関係を修復しようとする者もいたが、結果的に失敗に終わった――彼は元恋人とくっつき、永遠に離れられなくなってしまったのだ。 | |
| 砕けた暗海の餌 | 砕けた星の釣り餌をベースに、星空生態学派は新しい素材を開発した。この素材は虚空クジラなどの大型生物に対して一定の誘引効果を持つため、宇宙捕鯨業界の発展を推進させ、一方で生態系の破壊を加速させている。信ぴょう性の低い情報によると、カンパニーは当初この素材を使って光逝を誘い捕まえる予定だったが、ある大規模実験で関係者がある事実を発見したことにより断念したという――その事実とは、人間もこの素材に引き寄せられるというものだった。 | |
| ブラックホール製糖機 | 天才クラブ#3のニューウェル・イマンは実験室でブラックホールを複製したことがあったため、人々は彼女が「虚無」の本質を解明しようとしていたのではないかと推測した。3週間後、彼女は擬似ブラックホールを綿菓子機に改造し、通りかかる子供たちに自動で綿菓子を配るようにした。そこで人々は、彼女の研究テーマは実は「貪慾」だったのではないかと推測し直した。患者たちの推測はもっとシンプルでわかりやすかった。おそらく彼女は、ブラックホールの味が気になっていた。しかし作りすぎて、一人では食べきれなくなってしまったのではないだろうか。 | |
| 変身!!! | 変身機能を持つ腕時計で、『超忍法戦隊』の公式グッズ。この『銀河忍法帖』とのコラボ作品では、夜刀戦士たちが奇妙な忍術名を大声で叫び、煙幕に隠れて変身する…しかし、ある患者が生産ラインに紛れ込み、変身器に本当の変身機能を付けてしまい、この商品は極めて危険な物となってしまった。現在、この商品はすべて封印されている。 | |
| 重くない碑文 | ニコッタ星には煩雑で荘厳な伝統葬式がある。住民たちは死者のために盛大な式典を開き、政府は墓石を冒涜することを法律で禁止している。時が流れ、この星は次第に墓石に占領され、生きている人の生存空間は徐々に少なくなってしまった。仮面の愚者ウリマはニコッタ星で40年間暮らし、1000回以上の葬式に参加したが、賓客たちは皆涙を流し、楽しい雰囲気は全くなかった。そこで彼は自分のために特別な葬式を企画した――大勢の人が見守る中、彼の墓石から推進器が生え、激しいドラムビートを鳴らして空へ舞い上がり、噴射炎は芝生に墓碑銘を焼き付けた「笑えよ、外はこんなにも広いじゃないか?」 | |
| 賢者のキトーン | 「賢人ならみな、長いひげを生やすべきだ!」神悟の樹庭のどの賢人が提案したのかは分からないが、この考えはすぐに多くの賛同を得た。賢人たちは次々と枝や葉を集めて、あまり豊かではない自分のあごに飾り付けた。その回の賢人会議は愉快な笑い声の中で幕を閉じ、枝や葉っぱで作られた長いキトーンも賢人専用の衣装となった。サーシスの見守りの下、このキトーンは知性の成長に合わせて新しい葉を生やすと言われている――まさにひげのように。 | |
| 緑の奇跡 | アルゴスはドロスの南に位置し、年中干ばつに苛まれ、土地に砂が多い。ここを通りかかった慈悲深い旅人は、砂漠を変えることができる緑の植物をサーシスに求めることにした。彼は数々の試練を乗り越え、ついにサーシスから祝福された1粒の種を入れたが、この種は芽を出す前に砂礫の中で死んでしまった。絶望した時、旅人は気づいた。本当に祝福を受けたのは、実は彼自身だったのだと。そこで、彼は自分を砂に植えることにした。彼は今でもオアシスの中で成長し続けていると言われている。 | |
| 列車の破片記念プレート | オクヘイマにはこんな伝説がある――ある流れ星が運命の深淵に墜落し、天外からの救世主を連れてくるという。司祭とトレジャーハンターたちがその地域を捜索すると、地面に散らばっている流星の外殻を見つけた。彼らは欠片を集め、お守りを作った。いつの日かそれが人々を運命の束縛から解き放つと信じて。この物語はザグレウス信者たちの創作だと言う者もいる――あの流れ星は普通の物ではないのだから、簡単に加工できるはずがないと。しかし、たとえペンダントの素材が本物でなくても、そこに宿る精神には確かな力が存在している。 | |
| 監督の目 | ケリュドラが統治していた時代、タレンタムへの信仰はかつてないほど盛んになっていた。多くの人が自発的に違法行為を厳しく取り締まり、些細なことでもタレンタムの裁きを求めるようになっていたが、公正の秤がそれに応えることはほとんどなかった。「監督の目」が生まれたのはその時期だった。それらは視界と音声を記録して、法廷の裁判を助けるもので、真のタレンタム信者のみが使用できた。火を追う旅が始まる前、すべての監督の目は破壊された。その原因は、多くの人が自分が真のタレンタム信者ではないことに気付いてしまったからだ。 | |
| 熱い激励 | 虚構歴史学者として、トゥミュスは教育において、励ますことを重視している。おそらくこれは彼の楽しくなかった子供時代と関係があるのかもしれない。落ち込んだ子供を慰めるため、彼は独特な「激励」の容器をデザインした。これを持っている子供が褒められるたびに、「激励」の力が実体化し、親指の形をした炎として現れる。激励されたことが多いほど、炎はより激しく燃える。しかし彼がこのアイデアを宇宙に広めようとした時、多くの親から反対された――子供は火遊びしてはいけないからだ。 | |
| 凍てつく美徳 | 数百琥珀紀前、コルキス人は相手を食べることを最大の敬意と見なしていた。赤ちゃんが生まれるたびに、ケルサス人はコミュニティ全員で世話をしていた。ストーンウィスパーは、亡くなった族人に特製の情報片を副葬品として作っていた……こうした美しい品性と道徳は時代の発展とともに徐々に失われている。ガーデンの悲観主義者たちは、宇宙の道徳を直ちに保存すべきだと提案している。しかし、保存されるべき美しい品性と道徳とは何なのか、まだ議論の余地があるようだ。 | |
| 冬魚夏草 | 詩人たちがサーシスとファジェイナを結び付けて語ることは滅多にないが、冬魚夏草はその例外の一つである。極めて稀な状況下で、本来海に住むはずの魚が川の岸に跳ね上がり、マムレの木の種を一粒飲み込んで、生きたまま水中に戻ることがある。その後、偶然が重なってその種が魚の腹の中で芽を出し、ちょうど漁師に釣り上げられた――これはサイコロを投げて、連続で4回6を出すよりも低い確率だ。そのため、船乗りたちは「冬魚夏草を拾った」という表現で、ほぼ不可能な事件を比喩している。しかし、一部の人はこの稀少な宝物には強力な健康効果があると信じている。かつて、テーセウス王はこの薬草を1株採取させたが、それを服用した後、食中毒によって死んでしまった。 | |
| 反物質エンジン制御装置 | 最初に星穹列車を模造していた頃、技術開発部はずっとエンジンの動力問題を解決できずにいた。博識学会は「開拓」の力の代わりに、反物質を動力源として、このコントローラーをコンポーネントに使用することを提案した。設計の狙いは、レンチで正反物質の注入速度を柔軟に調節することで、列車の進行速度をコントロールすること――シャワーブースで冷温水の比率を調整するシャワーヘッドと同じ原理だった。しかし、試作機のテストは常に対消滅的な爆発で終わっていた。なにしろ、水温の調節は、そう簡単なことではないからだ。 | |
| 絶対音質 | バイオシー人はその非凡な音楽の才能で名を馳せ、かつて宇宙で最も音楽を理解する種族のトップ5に選ばれたことがある。彼らは美しい和音でコミュニケーションを取り、純粋な旋律の美しさを追求するために、調和「ファミリー」からの招待を断った。しかし、豊穣の祝福を受けた後、この追求は病的なものへと変わり始めた。例えば、最も完璧な人の声を再現するため、バイオシー人は生体技術を使ってこのようなヘッドフォンを作り出した――ヘッドセットに生えた口は、直接歌うことによって楽曲を表現し、音質の歪みは一切ない。 | |
| 星間紀行ポケベル | ますます多くの惑星が汎銀河貿易の市場に参入するにつれて、スターピースカンパニーは辺境星域に駐在するスタッフに配給するための小型化された超長距離転送装置を急いで必要としていた。最終的に、純粋造物学派の「星間紀行ポケベル」が競争入札に勝利した。この機械は琥珀の王の美徳を受け継いでおり、頑丈で、カップ麺のフタ止め、缶切り、緊急用のマルチハンマーの役割を同時に果たすことができる。その上、信号も極めて安定しており、宇宙のどこにいても、ブラックホールの中でさえメッセージを受信できる。配備されてから、辺境惑星でのサボタージュ率は大幅に減少した。 | |
| あなたは元々美しい | あるミラーホルダーが海賊に襲われた。彼は死の間際に通りすがりの行商人に超越の鏡を託し、「純美」の道を歩み続けるよう頼んだ。行商人はその鏡をピアポイントに置き、全宇宙の人々に公開した――これが最も有名な美顔鏡の起源にまつわる物語だ。この鏡は人々の理想の姿を映し出す――老人は若き日の輝きを、子供は成長した姿を、欠損のある者は完全な肉体を見ることになる…そうして数え切れないほどの訪問者が鏡の前に列をなし、高額なチケット代を払ってでも鏡の中の「純美」なる自分を一目見ようとした。一方で、これはただの自動生成画面の投影に過ぎないと言う人もいる。 | |
| 開拓のコンパス | アキヴィリがまだ健在だった頃、宇宙にはいくつもの巨大な列車団が肩を並べて走り、協力して宇宙を繋ぐレールを敷いていた。ナビゲーターはみなこのコンパスを持っており、パルサーとの位置関係で方向がわかるだけでなく、心の奥底で渇望してやまない物を指し示すとも言われる。今や列車団はすべて消えゆきコンパスも銀河の各地で失われてしまった。だが、ある匿名のメモキーパーによれば、少なくとも2桁のコンパスが大切に保存され、まだ動くものもあるという。それらは埃をかぶった写真立ての横に置かれていたり、屋根裏の引き出しにしまわれていたり、あるいは幼い子供の手に握られていたりする…… | |
| ウェンワークの手土産 | ウェンワークのワーク島は、全宇宙で最も多様な生物が生息する場所の1つだ。他の島とは異なり、ここの生物はどれもすさまじい能力を持っている。その中で最も弱い植物である六歯花は、ダイヤモンド程度の硬さの歯しかなく、捕食速度も普通の動物よりはるかに遅いため、一時は絶滅寸前に追い込まれた。ワーク島に来た者たちはその価値に目をつけ、スターピースマーケットに持ち込んで販売した。数世代の選別の後、この植物は美しさと安全性を得て、一時的なブームを巻き起こした。人気の理由は、この植物を観賞していると、ウェンワークでは自分など種子程度の存在でしかないと気づかされるからだという。 | |
| お祈りの木札 | 画棲時代では、ほぼすべての人々が願力を消費できた。その中でも「お祈りの木札」は最も手軽な手段だった。敬虔でありさえすれば、願いが叶う確率も高かったのだ。当初、人々はより良い生活への願いをそこに託し、恋愛や昇進、機嫌よく1日を過ごすことなどを願った。しかし、永遠の絵の中で長すぎる歳月を過ごすうち、人々の願いも次第に歪んでいった。隣人を空高く回転させて飛ばしたり、道路をバナナの皮で埋め尽くしたりしたいというようなものになったのだ。諸世界再建計画ではこれらの木札はサルベージされなかったため、一部の住民は絵の中に留まることを選び、互いに願を掛け合うゲームを続けている。 | |
| ひらめき玉 | 巧妙な反転劇、緻密な推理、斬新な構造…あらゆる分野において、得難いひらめきは一瞬で消え去り、膨大な脳力の無駄遣いになってしまう。そこで燭炭学派は憶泡技術を利用し、ひらめきを保存できる専用の容器を作り出した。ひらめきの質によって、最高はオレンジ色、最低はブルーと色分けされている。しかし「リドラー」が手を出す前に、学会はこの研究を自ら放棄した。結局のところ、ひらめきを実現するのは、それを生み出すよりも遥かに難しいからだ。それに星のエリート研究員たちにとっては、採用されないのなら、いっそそれを忘れてしまったほうがマシなのだ。 | |
| 武装考古用スコップ | 武装考古学派は博識学会の中でも異端の存在だ。多くの学者は武器と発掘道具を合体させることに熱中し、いざという時に備えている。15琥珀紀前、シャリーン-Ⅲ観測所に所属する考古学チームがある惑星の地表に降り立ち、座礁した王虫の遺骸を研究しようとしたが、サンプル採取中、地下深く埋まっていた真蟄虫の群れが突如としてよみがえった。考古学チームは甚大な人的被害を受け、チームを率いていた管理者のスレイだけが生き残った。彼はその惑星で5年間たったひとりで耐え抜き、発掘作業を続けながら、武装考古用スコップで襲い来る虫の群れを撃退し続けた。だが、カンパニーの艦隊が救援に駆けつけた時、スレイは極度の拒絶反応を示し、ついには脳裏に響く「消えない羽音」に耐え兼ねて自ら命を絶ってしまった。 | |
| パーツの妖精 | 模型を組み立てている時にパーツが床に落ちてしまい、どうしても見つからない。そんな経験はないだろうか――それはパーツの妖精が隠してしまったからだ。この量子生命体は視野の外でしか生きられず、決して観測されることはない。パブの愚者はこう語る――赤鼻の老人は少年時代、模型作りをこよなく愛し、それゆえに多くのパーツを隠されてしまったのだと。「神秘」の運命に足を踏み入れた後、彼は物語を使って1匹の妖精を捕らえ、その妖精が喜んで彼の模型の1つになった。そして、彼は子供時代に落としたパーツを拾い上げ、子供時代へと戻っていった。 | |
| レンジャーの帰る場所 | 深宇宙狩猟団のレンジャーたちは、最後の1発を自分のために残すのが習わしだ。なぜなら彼らの獲物は「繁殖」と「貪慾」の遺物であり、失敗の代価は死よりも重いからだ。リタヴィアの討伐戦で、レンジャーたちは艦船のアンカーで巨獣を拘束し、採掘するかのように肉を切り開き、臓器を破壊して徐々に殺す計画を立てた。しかしリーダーであるトリトンの乗機が巨獣に丸呑みにされ、艦隊は撤退を余儀なくされた。3日後、巨獣は突然倒れた。レンジャーたちが残骸を掘り起こすと、内臓は空っぽで、トリトンの遺体が干からびた心室の中に横たわっていた。彼の最後の1発はネックレスにつけられたまま、キラキラと光っていた。 | |
| 危険な記憶の保存装置 | メモスナッチャーの千楼塚はかつて、メロー星域の総督に犯行予告を送り、総督の脳内にある最も重要な秘密を盗んで公開すると宣言した。この脅威に対抗するため、総督は博識学会にこの記憶装置の開発を依頼し、高リスクとしてマークされた2136個の記憶をそこへ移して、いざという時はボタンひとつで自爆できるようにした。だが、メモスナッチャーが姿を現した時、このハードディスクは想定通りに機能しなかった。総督が操作方法を完全に忘れていたからだ。だが最終的に、(装置を直接投げつけるという方法で)メモスナッチャーは撃退された。何しろ高密度の情報は、ミーム生命体にとってはレンガのようなものなのだ。 | |
| 「絵に描いた」ビスケット | 第2次大繁栄以前の星間航行は苦しみとともにあった。技術的な制限により、当時の艦船は星系を越えるのに数カ月、長距離航行ともなれば数年もかかったからだ。船乗りたちは果てしない銀河の中で自我を見失い、うつやせん妄に陥り、挙句の果てには制御台を親友だと思い込む者までいた。乗組員の心理的ケアを行うため、混沌医師のピノは「ポジティブ感情の圧縮ビスケット」を発明した。これを食べると人生で最も楽しかったことを思い出し、何事にもポジティブに取り組めるようになる。しかし普及後、多くの会社員がこれを業績評価のために活用し、残業から喜びを得ようとし始めた故、カンパニーはすぐにこのビスケットの製造を禁止した。今、人々は自力で虚無と戦わねばならなくなった。 | |
| 「端末プロテクター」 | 星間の娯楽ネットワークは二相楽園に新たな工ンタメの風潮をもたらしたが、多くの愚者はこれに異議を唱えた。毎日粗悪なショート動画をたれ流し、洗脳を続けることにより、仮面の愚者のテレパーシーはついにこの盆栽――「端末プロテクター」を作り出した。ネット上のいざこざに憎悪を抱いた葉の1枚1枚は1Tbps以上のデータストリームを浄化し、端末上の有害情報を自動的にブロックする機能を備えている。実験成功後、テレパーシーはこの盆栽を二相楽園のトイレの隅に設置したが、すぐ市民により排除されてしまった――ほぼすべてのネットコンテンツが「プロテクター」によって有害と判定されたからだ。何より重要なのは、強力なブロック機能を備えたそれは、もはや盆栽には見えなかったことだ。 | |
| 採掘用バキューム | 遊牧の鉱夫たちは、いつも鉱脈を掘っているわけではない――「鉱虫-Ⅲ」は惑星採掘用に設計された大型宇宙船で、居住エリアや精錬エリアなどさまざまな機能の区画を備えている。その巨大なドリルは小惑星を丸ごと粉砕し、周りのトラクタービームはその破片を回収する。ある鉱夫チームが『銀河安全条約』に違反し、この宇宙船を使ってオーランド星の大陸を1つ掘り出してしまったらしいが、失われた質量以上に現地の人々を驚かせたのは、その外見だった――数千万倍に巨大化させたスターピースデンキの掃除用ロボットと見まごうばかりだったのだ。鉱夫たちも、これが最も信頼できるデザインの1つだと認めている。 | |
| 星間漂流魚 | 頂点星域の小惑星帯には「漂流魚」と呼ばれるケイ素生物が漂っている。彼らは宇宙ゴミのようにゆっくりと漂いながら移動することが多いため、一時は「最も危険性が低いオムニック」ランキングのトップ5に入るほどだった。しかし第二次皇帝戦争中、ヒレのような尾部に高出力の噴射口が隠されていることがわかった。フルパワーなら、わずか30秒で光速の10分の1に達する代物だ。結局、市場開拓部は第三艦隊を丸ごと犠牲にするほどの代価を払い、ようやく漂流魚を「完全掃討」した。ところが琥珀暦2120年のソーラーヨットレースで、カンパニーの代表、鉄眼のヘッカスが4匹の漂流魚を動力として優勝をさらい、この種族が完全に飼いならされたことを告げた。 | |
| 最も恐ろしいミーム | 諸世界再建計画の第1段階では、発展と建設が二相楽園のテーマとなり、毎日高層ビルが次々と立ち上がった――工事による凄まじい騒音とともに。なぜカンパニーは「エーテル編集」技術でゼロからビルを出力しないのかと問う者もいれば、様々な手段で騒音を抑えようとする者もいたが、効果は薄かった。多くの住人が精神的なダメージを受け、恐怖と不満が願力の流れとなって集まり、この種の災異を生み出した。今でもそれは二次元シティの上空を彷徨い、深夜に帰宅する会社員を無差別に襲っているという。 「俺はドリルの悪魔だ。お前の家の天井に取り憑いて、毎朝6時きっかりに120dBのホワイトノイズを流してやる」 | |
| 反無機ウイルス | 第二次皇帝戦争のピーク期、進化学派は生物兵器によるルパート2世の暗殺を画策した。その人工ウイルスは無機生命体を正確に識別して感染し、中央処理装置を停止させるが、誤って味方を攻撃することはないというものだ。カンパニーの艦隊はルパート2世が潜伏していると思われる27の惑星にこのウイルスを投下したが、暗殺はひとつとして成功しなかった。プロジェクト責任者のラマ博士はルパートが生物兵器で報復してくることを恐れ、ウイルスの予防と治療に没頭してその生涯を終えた。彼が遺した研究は、戦争には何の影響も与えなかった――ルパート2世にとって、殺戮マシンが放つ惑星破壊光線こそが、最も効率的な反有機ウイルスだったのだ。 | |
| 色とりどりの黒 | 「厄災前衛」がクロモ星に啓示をもたらした時、住民たちは芸術に熱狂していた。国を挙げた大絵画祭により、クロモ人は毎日完璧な絵具の配合に没頭し、古書にある「色とりどりの黒」を再現しようと、手当たり次第にあらゆる物を大鍋に放り込んでいた。2琥珀紀の後、コレクターの特異点氏がクロモ星を訪れると、地表からすべての色が消えていた。残っていたのは、うごめく色とりどりの黒い絵具の塊だけ。彼はその絵具をコレクションに加えると、すぐに次の目的地へと旅立った。深夜になると、その色はパレットの中でうごめき、さらに多くのものを吸収しようとするらしい。 | |
| 完全人類育成プロトコル | 全人類のデータを収集すれば、最も完璧な「人」を組み上げることができるはず。スターピースエンターテインメントのある幹部がそれを思いつくと、『行動データ化モデリングと人格適合プロトコル』が宇宙各地に出回り始めた。これに署名すればプライバシーを放棄し、生活の軌跡をすべてカンパニーにアップロードすることになる。それらの情報は博識学会によってコンピューターに送られ、ビッグデータを利用して、全人類の好みに合う完璧なアイドルを創造するために使われるのだ。再建計画が始まって以来、数えきれないほどの住民がこのプロトコルに署名したが、完璧なアイドルは未だに誕生していない。サンプルデータがまだ不足しているせいかもしれないし、「全人類の好みに合う」こと自体が、そもそも無理な話なのかもしれない。 | |
| 孤独な遊び | ミディスタシア人には生涯の趣味が2つある。それは酒を飲むことと音楽を聴くことで、醸造師と演奏家は街で最も尊敬される職業とされている。その昔、同時に2つの技術を極めた「人」がいた。酒を飲んだ職人、フェディノスによって生まれた機械だ。ある国王の宴会で機械は音楽を奏で、美酒を醸造し、その場にいたすべての客に極楽を与えた。しかし、この物語の結末は良いものではなく、機械を独り占めしようとした国王が職人を殺し、職人を愛していた機械は国王を毒殺した。そうして最後、この精巧な機械は兵士たちにバラバラにされた。 |



















































































































































































