文豪ストレイドッグスコラボ

【イベントストーリー】

• 1通目：エウリュディケ荘園
  中島敦：うーん……。
  中島敦：うぅーーーん……。
  中島敦：うぅぅぅーーーーーん……。
  太宰治：ううーー……！五月蠅いなぁ。
  太宰治：敦くん、先刻から何をそんなに唸っているんだい？眠れないじゃあないか。
  中島敦：太宰さん……大きな事件でみんな出払っているからってサボらないでくださいよ。
  太宰治：昨日は月が綺麗だったから、其れを眺めていたら朝になっていたのだよ。
  中島敦：夜まで起きていたらきっと今夜はよく眠れますよ
  中島敦：それよりも太宰さん、この新聞のエウリュディケ荘園の記事……気になることがあって。
  太宰治：エウリュディケ荘園？
  江戸川乱歩：エウリュディケ荘園はかつて豊富な報酬を餌に"狂宴ゲーム"を行っていた場所だよ。
  江戸川乱歩：噂を聞いたくらいだから、僕も詳しくは知らないけどね。
  中島敦："狂宴ゲーム"という言葉だけ聞くと乱歩さんが興味ありそうですけど、詳しくは調べなかったんですか？
  江戸川乱歩：狂宴ゲームはもう幕を閉じているって聞いたから。
  江戸川乱歩：エウリュディケ荘園も最後のゲームと共に眠りについたって話だし。
  太宰治："狂宴ゲーム"が幕を閉じてしまった原因かぁ……。
  太宰治：敦くん、記事に何か書いてあるかい？
  中島敦：最後のゲームで記憶を失った小説家オルフェウスが見つかったから……でしょうか。
  中島敦：他の人たちは行方不明のままなんですよね。
  中島敦：記事によると、オルフェウスは火災現場で発見されたそうです。
  江戸川乱歩：其れで敦、気になることってなぁに？
  中島敦：あ、はい……。此処です。招待されたのは"特殊能力を持つ者たち"という一文……。
  中島敦：特殊能力って……僕たちの異能力のような力のことでしょうか。
  江戸川乱歩：さぁて、如何だろう。
  太宰治：うーん、何の因果か実は今朝、ちょうどエウリュディケ荘園に関する依頼が来ていたんだよねぇ。
  中島敦：ええ！？早く言ってくださいよ太宰さん！
  
  親愛なる武装探偵社の諸君。
  諸君らは昼と夜の間を渡る、隠れた実力者による薄暮の武装集団であると聞き及ぶ。
  そんな君たちに、エウリュディケ荘園に関係する3人の"特殊能力を持つ者たち"について調査を頼みたい。
  荘園のことはすでに耳にしたことがあるだろう？
  荘園には彼らに関する豊富な記録がある。
  君たち"異能力者"には興味深い資料ではないだろうか。
  調査が必要な"特殊能力を持つ者たち"の名前は明日から数日に分けて手紙で送る。
  諸君らの健闘を願っているよ。
  ーー***
  
  中島敦："特殊能力を持つ者たち"に関しては調査をしておいた方がいい気がしますね。
  江戸川乱歩：調査ぁ？そんなの名探偵の仕事じゃないよ。
  太宰治：其れには同意ですが……生憎、今は私たち三人しか居ないんですよねぇ。
  江戸川乱歩：やだやだ！めんどくさい！
  太宰治：そうだ。みんながいない間にこの依頼を解決したら、社長が褒めてくれるかもしれませんよ？
  江戸川乱歩：……………。
  江戸川乱歩：仕方ないなぁ～そんなに云うならやってあげなくもないけど！
  太宰治：やれやれ、乱歩さんがやる気になってくれたなら、私だけ何もしない訳にはいかないか……。
  太宰治：敦くん、報告書はお願いね。
  中島敦：太宰さんも手伝ってくださいよ……。

• 2通目：画家
  中島敦：太宰さん、エウリュディケ荘園で見つけた資料を纏めるの、手伝ってくださいよぉ。
  太宰治：私、荘園で歩き回って疲れているし今日はもう指一本動かしたくないのだけれど。
  中島敦：其処にある資料を読み上げるだけでいいので！お願いします！
  太宰治：やれやれ……偶には後輩の手助けをするとするか。
  太宰治：今日手紙で送られてきたのは……"画家"だね。
  太宰治：ワルデン家の1人息子で、芸術に対して非常に高い才能を持っているが、傲慢さが伺える。
  太宰治：彼の絵は人の魂を魅了し、他人の行動に影響を与える作用があると言われている。
  中島敦：他人の行動に影響を与える……と。
  太宰治：却説、私の仕事はこれで仕舞いかな。それじゃあ後は宜しく敦くん！
  中島敦：あ、一寸太宰さん！？……もう居ない。まったくもう。

• 3通目
  太宰治：雨だねぇ。
  江戸川乱歩：雨だな。
  中島敦：雨……ですね？
  太宰治：雨が降ると足元が滑って危ないし。
  江戸川乱歩：服も濡れるし、靴も汚れる。
  中島敦：……お二人とも、今日は調査に行きたくないんですね？
  江戸川乱歩：ぴんぽーん。
  太宰治：正解！敦くんは物分かりがよくて助かるよ。
  中島敦：うーん……。それじゃあ今日は、溜まっている他の仕事をやってしまいましょうか。
  太宰治：あ！あんなところで傘を忘れたお嬢さんが雨に濡れている！
  太宰治：仕事をしたいのはやまやまだけど、このままにしてはおけない！
  太宰治：それじゃあ敦くん、私は行ってくるよ！これも人助け、致し方ないね！
  江戸川乱歩：面白そうな事件、ある？それならやってあげてもいいよ。
  中島敦：はぁ……はやくみんな戻ってこないかなぁ……。

• 4通目：「囚人」
  江戸川乱歩：太宰。おい太宰。
  太宰治：はぁい、なんですか乱歩さん。
  江戸川乱歩：なんですか？じゃないよ。"囚人"についての報告書。
  太宰治：あー……そうですよねぇ。誰かがやらなきゃ駄目ですよねぇ。
  江戸川乱歩：そうなんだよねぇ。けどさぁ……。
  太宰治：私たち、荘園に行って調査をしただけでも褒めてほしいくらいですよねぇ。
  江戸川乱歩：僕もう疲れた！無理！
  太宰治：こういう時は……敦くーん！あーつーしーくーん！
  中島敦：……うう……ずっと気配を消していたのに……。
  中島敦：わかりましたよ！やればいいんでしょ！やれば！

• 5通目：傭兵
  太宰治：さぁ敦くん、報告書を纏めてしまおう、今直ぐ、可及的速やかに。
  中島敦：え！？太宰さんからそんなことを云うなんて……
  だ、大丈夫ですか？何か変なもの食べました……？駄目ですよ、その辺に生えてる茸とか食べちゃ。
  太宰治：私の事なんだと思っているの？食べないよそんなもの。なぁに遠慮することはない。二人でやった方が速いだろう？
  太宰治：別に、敦くんにばかり報告書を纏めさせていたのが露見して次やったら減給だと云われたとかそういう訳ではないからね。
  中島敦：……云われたんだ。
  太宰治：探偵社にいないからって油断したよ。昨日電話でこってり絞られてしまった……却説、今日のご指名は誰だい？
  中島敦："傭兵"です。その名の通り、東インド会社に勤めていた傭兵だったようです。
  鉄の肘あてを使って走る速度を上げることができるみたいですね。
  太宰治：ふぅん……敦くんも半獣化したら走るのが速くなるし、似たようなものかな？
  中島敦：速くはなりますけど……ううーん……似てるかなぁ。

• 6通目
  中島敦：報告書を送るのに郵便局まで付き合ってもらってしまってすみません。
  江戸川乱歩：ちょうど甘味でも食べに出ようかなと思っていたしね。
  中島敦：有難うございます。
  江戸川乱歩：はい！お餅をあげる。
  中島敦：えーと、あの……如何して善哉の餅だけ僕にくれるんですか？
  江戸川乱歩：お餅は甘くないんだもの。残すと社長に怒られるし。だからあげる。
  中島敦：成程……？それじゃあ、いただきます。
  江戸川乱歩：お腹がいっぱいになったら眠くなってきちゃった。
  江戸川乱歩：善哉を食べたら僕を負ぶって帰ってよね。
  中島敦：それは構いませんけど……。
  江戸川乱歩：それにしてもこの一週間はすごく浸かれた。
  江戸川乱歩：僕をこんなに扱き使うなんて、此処の代金を経費にしてやろうかな。
  中島敦：出払っていた皆ももうすぐ帰ってくると連絡がありましたし、また探偵社が騒がしくなりますね。
  中島敦：早くみんなに会いたいです。
  江戸川乱歩：ふふふ。ちゃんと留守番もしたし、依頼もこなしたんだから、社長にはたくさん褒めてもらわないとね！

• 7通目：オルフェウス
  中島敦：太宰さん、送り主が書いていない手紙が届いています。
  太宰治：恥ずかしがり屋の美女が私への恋文を送ってくれたかもしれないね。どれ、貸してみ給え。
  中島敦：あ、何が入っているかわからないのに危ないですよ！
  太宰治：敦くんは心配性だなぁ……ん？紙切れが一枚……。
  中島敦：オルフェウス、とだけ書いてありますね。
  太宰治：荘園で見つかった記憶を失った小説家の名だね。
  太宰治：敦くんの読んでいた新聞にも書いてあった。
  中島敦：何故こんなものが……？
  中島敦：依頼は昨日報告書を提出して終了しているはずです。
  太宰治：ふぅむ、是は……依頼人を指しているのかもしれないし、全ての出来事、そして今後起こりうる出来事を指しているのかもしれないね。
  中島敦：……つまり？
  太宰治：つまり、凡ゆる可能性があるってことさ。

【イベントストーリー】

• 1通目：エウリュディケ荘園
  ――コンコン
  
  中原中也：入れ。
  芥川龍之介：僕(やつがれ)をお呼びと伺い参上いたしました。中也さん。
  樋口一葉：同じく樋口、入ります。
  中原中也：おう、呼び立てて悪かったな。
  中原中也：首領から急ぎの仕事だ、お前たちを首領の代理で使わせてもらうことになった。
  芥川龍之介：首領からの……かしこまりました。
  中原中也：早速だが芥川、エウリュディケ荘園という名前、聞いたことがあるか？
  芥川龍之介：……否、聞き覚えはありません。
  中原中也：報酬を餌に"狂宴ゲーム"を行っていた場所だ。
  芥川龍之介："狂宴ゲーム"ですか？
  中原中也：全く良い趣味してやがるぜ……
  とは云え、最近はぱったりと噂を聞かなくなっていたんだが……先日、久々に名前を聞いてな。
  樋口一葉：其れは"狂宴ゲーム"が再び始まったから、ですか？
  中原中也：否、探偵社の連中が荘園を嗅ぎ回っていたらしい。
  芥川龍之介：探偵社……人虎が……？
  中原中也：首領が黒蜥蜴を使って調べたところ、彼奴ら、随分と面白い事をやってやがったようだぜ。
  広津柳浪：詳細は私から……どうやら探偵社は"特殊能力を持つ者たち"について調べていたようです。
  芥川龍之介："特殊能力を持つ者たち"？
  中原中也：気になるよなぁ？其処で首領からの仕事だ。此奴を見てみろ。
  
  
  諸君：
  近日、武装探偵社がエウリュディケ荘園で異能力に酷似している「特殊能力」について調査したそうだが、その詳細は不明だったようだ。
  その存在的な脅威は計り知れない。
  本来であれば私の指揮のもと調査を行いたいところなのだけれど、如何しても背広組のご機嫌を取らなければならなくなってしまってね。
  中也くんの云うことをよく聞いて、エウリュディケ荘園の"特殊能力を持つ者たち"の調査をしてきてもらえないかな。
  期限は私が戻るまで。
  其れでは、佳い報告を期待しているよ。
  鴎外
  
  芥川龍之介：エウリュディケ荘園の調査。
  中原中也：そうだ、面子は此処に居る芥川、樋口、広津……
  梶井基次郎：うははははははは！そして！！僕！！！
  中原中也：梶井だ。
  梶井基次郎：敬愛すべき宇宙大元帥がお困りと聞いたからには仕方がない！
  梶井基次郎：僕も調査に同行しようじゃあないか！僕の！崇高な！研究を一度止めて！！
  中原中也：……そう云う事だ。
  中原中也：時間ができたら俺も調査に出るが、基本的に現場は芥川、手前に任せる。
  芥川龍之介：……御意。

• 2通目：空軍
  芥川龍之介：ゲホ……ゲホ！
  樋口一葉：芥川先輩、大丈夫ですか？荘園の中は埃が舞っていて空気が悪かったですからね……。
  芥川龍之介：余計な事に気を回すな。其れよりも先刻見つけたものを見せてみろ。
  樋口一葉：はい、此方です。
  芥川龍之介：……「空軍」に関する資料か。
  樋口一葉：彼女はマーサという名前で、幼いころから騎馬や射撃を得意としていた為、空軍に入ったのですが……軍では地上の信号受信引導作業を担当していたそうです。
  芥川龍之介：そのような情報に意味はない。
  芥川龍之介：僕(やつがれ)らの目的は特殊能力。其れは何だ。
  芥川龍之介：……"正確な射撃"？高い射撃能力を持つと云う事か？
  芥川龍之介：此れだけでは特殊能力とは断言できぬ。
  芥川龍之介：太宰さんや人虎は確かに此れを調べていたのか？
  芥川龍之介：特殊能力とは一体なんだ、重要な何かを見落としている……？
  芥川龍之介：ゲホ、ゲホ！
  樋口一葉：……風が冷たくなってきました。今日はもう戻りましょう、芥川先輩。

• 3通目：マジシャン
  樋口一葉：ほぁ～……。
  広津柳浪：こほん。
  樋口一葉：ほわわ～～……。
  広津柳浪：……ごほん！
  樋口一葉：……は！
  樋口一葉：わ、私、昨日芥川先輩と二人で荘園調査に来た事なんて、思い出していません！！
  広津柳浪：そうか。
  樋口一葉：帰り際の芥川先輩が特殊能力について思い悩んでいるのを見て、もっと有益な情報を集めないと……と決心した事を、反芻なんかしていません！！
  広津柳浪：そうか、其れであれば先程見つけた資料をわかりやすく纏めねばならないな。
  樋口一葉：……今日の資料は「マジシャン」ね。人となりに関しては……先輩は興味がなさそうだったから、特殊能力……特殊能力は……
  樋口一葉：「手品で身代わりを置き、一時的に本体を隠す」……
  樋口一葉：うん、此れを急いで報告書に纏めないと！
  樋口一葉：私、先に戻ります！
  広津柳浪：やれやれ。
  やる気があるのは結構だが、特殊能力はその人間の内面にこそ手掛かりが隠されているやもしれぬ、という可能性に気が付かないとは、若さ故か。
  広津柳浪：……セルヴェ・ル・ロイ。
  彼は人体消失マジックを好んでいたが、仕掛けや舞台照明による錯覚は容易く見破られてしまうため、より狂気的かつ永久的な手品を求めていた……ふむ。
  それが、彼が危険を冒して荘園へ向かった理由かもしれんな。

• 4通目：曲芸師
  梶井基次郎：うははははは！僕が何を見つけてきたと思う？「曲芸師」ーーマイク・モートンの資料だ！
  梶井基次郎：旅の曲芸団「ノイジー」で一番好かれている奴で、様々な火薬の調合が得意らしい。
  梶井基次郎：正に僕と同じ、爆発の天才だ！
  芥川龍之介：……爆弾の製造が特殊能力か。
  梶井基次郎：ふうむ。彼が作った個性豊かな爆薬は……粘土爆弾、冷却爆弾、燃焼爆弾の三種類。
  梶井基次郎：効果は粘土爆弾は移動速度を下げる。冷却爆弾はアクション速度を低下させる。燃焼爆弾は能力を封じる。
  梶井基次郎：成程、面白い。科学の交流はやはり火花を散らせるねぇ！
  梶井基次郎：其れでも僕が作るのは檸檬爆弾！
  梶井基次郎：何故ならその形状はガウス分布関数にも似た、宇宙の理を表す紡錘形だから！
  梶井基次郎：ちなみにこれは檸檬！
  梶井基次郎：檸檬にはL-アスコルビン酸、通称ビタミンCが含まれていて強い還元作用を持つため、
  体内のヒドロキシラジカルや過酸化水素等の活性酵素を還元消去できる！うはは！
  芥川龍之介：何故檸檬を持っている……やめろ、果汁を絞るな。
  梶井基次郎：蜜柑とかも嫌いではなぁい！うわはははは！
  芥川龍之介：……蜜柑は好かぬ。

• 5通目：探鉱者
  広津柳浪：幹部自ら現場にご足労いただくなど……申し訳ありません。
  この数日では思うような資料を入手できず。
  中原中也：否、そろそろ直接エウリュディケ荘園とやらを見ておかなきゃならねェと思ってたところだ。
  気にするな。
  中原中也：それに、偶には現場に出ないと身体が鈍っちまうからな。
  広津柳浪：ご配慮、痛み入ります。
  こちらが本日見つけた「探鉱者」ノートン・キャンベルに関する資料になります。
  中原中也：採掘事故から生き残り、その事故で隕石の磁石を手に入れた……特殊能力は……へぇ。
  広津柳浪：磁力を操る特殊能力を持つ者のようですね。
  中原中也：漸く特殊能力"らしい"資料が出てきたな。
  中原中也：戻ってゆっくり資料を読み込ませてもらうぜ。
  広津柳浪：私はもう少し有益な情報がないか調べてから戻ることにします。お戻りは一人で大丈夫ですかな？
  中原中也：おいおい、俺を誰だと思ってる？何が来ても重力で叩き潰すだけだ。

• 6通目：占い師
  樋口一葉：明日には首領が戻られるんですよね……今日で最後の荘園調査になりそうです。
  芥川龍之介：……。
  樋口一葉：先輩、何か見つかりましたか？
  芥川龍之介：「占い師」イライに関する資料がある。
  樋口一葉：ふむふむ……イライは鳥類を通して未来を予知することができていたそうです。
  特殊能力としては鳥類を利用してダメージを防ぐことができるみたいですね。
  樋口一葉：危険を察知した際の、使い鳥を使った未来予知……か。
  樋口一葉：芥川先輩？
  芥川龍之介：この特殊能力は調査する価値がありそうだ。
  中原中也：よう、如何だ、何か面白いもんは見つかったか？
  芥川龍之介：中也さん……興味深い特殊能力の資料を見つけました。
  中原中也：そりゃあいい。そいつを持って戻れ。
  芥川龍之介：……直ぐに！

• 7通目：エピローグ
  中原中也："特殊能力を持つ者たち"……その力は、正確な狙撃から俺の見つけた磁力を操る力、芥川が持ち帰った未来予知まで多種多様に及ぶ……か。
  中原中也：その点は、俺たちの異能力と似ている気もするが……特殊能力は何か、という根本的なところまではわからなかったな。
  芥川龍之介：エウリュディケ荘園はまだまだ調査する余地がありそうですね。
  中原中也：探偵社が調査して詳細が不明だったってことは、あの青錆野郎が特に成果を上げられなかった……ってことだろうな。
  中原中也：其れだけ荘園の謎が深いってことか……。
  芥川龍之介：中也さん、首領にはなんと？
  中原中也：底が見えない謎の入り口が見えた。
  中原中也：としか報告のしようがねェな。調査を続行するか如何かは首領が決めることだ。
  中原中也：却説、それじゃあ俺は首領の迎えに行ってくる。お前は何時もの仕事に戻れ。
  芥川龍之介：……"特殊能力を持つ者"……か。