フィルムファイル(END後)
※青字→エピローグA、赤字→エピローグB
No.1 オーガスト
- 人物ファイル
【氏名】オーガスト
【身分】怪奇現象研究部の部員
【好きなもの】カメラ、読書
【嫌いなもの】注目を集めること、面倒事
【状態】熟睡/「オーガスト」生存
【情報】
この辺りにまつわる奇妙な噂を入手した怪奇現象研究部は、
オーガスト含む数名の部員で探索へやってきた。
- 探索秘録
【山奥を彷徨う】
山の霧がどんどん濃くなってきて、前にある道すらよく見えない。
僕はいつの間にか、怪奇現象研究部のみんなとはぐれてしまったようだ。
【霧の中の奇人】
霧の中で不思議な男性と出会い、古風な灯を手渡された。
僕は導かれるがままに霧の流れる方に進んでいった。
【輪廻の地】
白澤に保護してもらえたが、彼女の家の周辺は何かの力に影響されているようで、
彼女の許可がなければ、ここから出ることはできない。
【写真世界】
元気な子どもがカメラに映ったが、
つまり、カメラにはあの世のものが写るという都市伝説は本当だったってこと?
【木匙が結ぶ縁】
虎模様の頭巾を被った子は「勺童」と名乗った。
食事用の匙を探しているらしい。
そういえば、妖を助ければ力を貸してくれたり願いを叶えたりしてくれると本で読んだことがある。
もしかしたら勺童も……
【水中の脱出】
訳が分からないまま勺童に川に突き落とされ。
溺れかけたところで「鶴翁」と名乗る人に救われた。
しかし、そのせいで遅くなってしまい、白澤の「明かりが消える前に帰宅する」という規則を破ってしまったのだ。
明日追い出されなければいいんだけど……もう散々だよ。
とりあえず戻って休もう。
【まるで夢心地】
夢遊病なんてないはずなのに、なぜ昨晩この部屋で目覚め、しかも鏡にあった赤い布を取ったんだ?
まるで誰かが僕に無理やり鏡を見せたような。
まぁいいや、どうせもう起きてしまったことだし、白澤の怒りが治まってから会いに行こう。
【怪力乱神】
一気に妖に関係する情報を大量にゲットしてしまったーー
鏡の中に住み、鏡に映った姿のフリをして標的を真似し、取って代わろうとする鏡鬼。
常に他人から欲される不思議な力を持った『白澤巻』……
もしこれが夢なら、めちゃくちゃだし長すぎるよ……
でも白澤は僕に協力を頼んだ。
今後気付いたことや陰陽司公に関係する物や情報があれば、全部教えてほしいそうだ。
難しいことではないし、まだ白澤を信じるかどうか考える段階ではない今、僕に選択肢はない。
【それぞれの言い分】
長生から告げられた真相と白澤が言っていたことは正反対だった。
だが二人が対立しているのなら、相手を否定するのが普通だろう。
でも長生は白澤を怨んでいるのに対し、白澤から長生への敵意は感じられない。
長生が白澤ですら追い出せない特別な存在なのか、それとも白澤が彼を利用して誰かをおびき出そうとしているのか。
そうでもなければ危険因子をわざわざそばに置いておく必要はないはずだ。
【博山の香炉】
白澤の予想通り、長生は僕に香炉を持ち出すよう頼んできた。
室内は妖が踏み入ることができない空間。
きっとこれが、白澤が彼らをここに封じ込めている方法なのだろう。
でも驚きなのは、今の悪党ってみんなこんなに甘いの?
白澤がわざと見てみぬ振りをしない限り、簡単に部屋の物を持ち出せるわけないじゃないか?
長生は悪い人とは思えないくらい素直だよ。
【夢遊の真相】
眠る前にまたあの鈴の音を聞いた。
というか、「夜半に香を焚かず」だったっけ。
鏡が置いてあった部屋には香が焚いてあったから、「夢遊」中も目覚めなかったのだろうか?
もっと早く気付くべきだった。
これまで出会った人の中で鈴を持っていたのは、陰陽司公だけなんだから。
【霧を破る方法】
燭と名乗った女性は色々話してくれたけど、まとめると彼女は灯明で、灯明は霧から山の外までの道を照らしてくれるものらしい。
しかし、灯を持つ者は彼女に選ばれた人でなければならず、出られるのはひとりだけ。
もし燭の言う通りなら、長生の目的は明らかだ。
【見分け付かず】
もし僕が彼で彼が僕なら、どっちが生き残ろうと関係ないじゃないか。
この資料も、映像も、もう役に立たないさ。
【僕の名前】
オーガスト・フィード・メビス、僕の名前だ。
怪奇現象研究部部長は僕だったんだ。
森の奥深く、腐った土の下にいるのが僕の部員。
人探しに描かれていたのは僕、鏡鬼だ。
ポケットの中の食料は……アハハハハ!
あの論文は偽物だ。
フィードは僕の部長で、みんなまだ霧の中に閉じ込められている。
早く見付けないと!フィード、メビス、どこにいるの!?
- アイテム記録
勺童が山で拾った古びたコイン。
洗い落とせない汚れでいっぱいだ。
神獣が刻まれているようだが、なんだか禍々しい気配を放っている。
勺童の匙。
最初は砕けて4つの欠片になっていた。
今は組み合わせて帯で固定していある。
長生の本体。
博山炉が白澤によって室内に封じられていたため、長生は離れられなかったようだ。
No.2 白澤
- 人物ファイル
【氏名】白澤
【身分】巻物を受け継いだ白家の令嬢
【印象】高貴な服を着た少女
【関係】山と妖の監視人、陰陽司公と深い関りがあるらしい
【状態】生存
【情報】
彼女の家の周囲は霧の影響を受けない。
室内には本物か偽物かよく分からない骨董品が大量に置いてある。
常に透き通った玉簫を携えており、簫の表面には見たことのない神獣が彫られている。
少女の所作は山中に似つかわしくないほど優雅だが、他所からの来客をあまり歓迎していないようだ。
- 探索秘録
【三つの規則】
余所者は己の本名を口にしてはならない。
朝霧に向かわず、夜に帰らん。
ひとりで影を合わせず、夜半に香を焚かず。
【簫の中の筠心】
筠心はいつも私の体を心配してくれるけれど、長川で一番深手を負ったのは彼よ。
私はただこの霊山の山脈に力を吸われ、外傷を少し負っただけ。
でも筠心は体も魂も打ち砕かれ、この簫の中で静養するしかなくなった。
【やむを得ない選択】
この彼が生きることを望んでいるのなら、見殺しにはできない。
一部だけ真相を教えれば、結末は違ってくるのかしら?
- アイテム記録
この呪符の制作方法は白家に伝わる秘宝のひとつだ。
白澤と白家の力の強い年配者数名しか作ることができない。
桔梗は白澤の母親が生前最も愛した花だった。
そして長川は彼女が以前住んでいた場所でもあり、白澤がたった一人遠く離れた長川を訪れた時は、
母の生前の望み通りに、その骨灰を長川に撒くことを何よりも優先した。
そして次に白澤は山を浄化し、母がかつて暮らしていたこの山を桔梗の花で埋め尽くすと決めた。
紙の残骸に書かれている内容には、もっと深い意味が込められているようだが、
それは白澤と陰陽司公しか知らない。
燭も何か思い当たることはあるが、彼女は消滅以外のことに興味がないようだ。
陰陽司公の家は白家本家の異姓の遠縁で、白澤の母とも血縁関係があるようだ。
白澤が陰陽司公に対して徹底的に追い詰めるのではなく多少手加減をするのは、そのためなのだろう。
No.3 陰陽司公
- 人物ファイル
【氏名】陰陽司公
【身分】かつて山で暮らしていた一族の唯一の末裔
【印象】危険で怪しい現地人
【関係】長生を利用、白澤と敵対、オーガストを操り、鏡鬼の協力者
【状態】生存
【情報】
突然現れたと思いきやすぐにいなくなってしまった謎の人物。
片手で奇妙な形をした鈴を揺らしながら、もう片手に灯を持っている。
- 探索秘録
【人探し】
誰かを探しているようだが、紙に描かれた画はぼやけていてはっきり見えない。
しかしそのシルエットに見覚えがある。
【進むべき方角】
朝霧を求め彷徨い、夜露と共に還る。
- アイテム記録
陰陽司公はこのような呪符を作ることができる。
陰陽司公が亡き先祖から受け継いだ蓮の花の鏡。
邪気を払えるのだと言う。
長川での戦いの最中、陰陽司公の出現によって記憶の奥底にある恐怖を呼び起こした勺童は、
考えるより先に身体が動き、陰陽司公の命令に従って長生と白澤の白澤図の残骸を盗み出す。
しかし、それが陰陽司公の手に渡る前に、勺童は白澤を災いから庇い、記憶を失ってしまう。
森の大きな木には、よくこのような輪になっている布が結ばれている。
今はボロボロではあるが、この布は非常に頑丈な作りのため、
状態が良ければ大人ひとりの体重を支えるには十分だろう。
No.4 勺童
- 人物ファイル
【氏名】勺童
【身分】紅木の匙
【印象】頭巾を被った少し不気味な男の子
【関係】オーガストの守護者
【状態】生存/消滅
【情報】
写真を撮った後に現れた子供。
人間かどうかは分からないが、古くてボロボロな紅木の匙をとても大切にしている。
- 探索秘録
【恩は必ず返す】
水に映っちゃだめ……
波立っている水面でもだめだよ……
【こっそり追跡】
山の外から来た奴は毎晩、目を閉じたまま行ったり来たりしてる。
自分とかくれんぼでもしてるのか?
今晩はどこに行くんだろう?
- アイテム記録
勺童が話した物語によると、蛍は山神の使いであり、女の子のために道を照らした。
この山はどこもかしこもこのような呪符だらけだ。
不吉な物を封じ込めるためらしい。
これと似た鏡を持っていた家は、昔勺童の一族を飼っていた。
三年前にこの山で起きた動乱は、余所者が博山炉を呼び覚ましたのがきっかけであった。
動乱を収めるために、白澤は長川にて長生らと交戦し、間一髪の所で勺童が白澤を矢から庇ってくれた。
No.5 長生
- 人物ファイル
【氏名】長生
【身分】博山炉
【印象】偉そうな少年
【関係】陰陽司公の協力者、白澤を嫌悪している
【状態】消失
【情報】
深夜に建物近くの森に現れ、鏡に話しかけていた。
鏡の向こうにいるのは陰陽司公のようだが、二人が何を企んでいるのかは分からない。
- 探索秘録
【目隠しの白霧】
この山は山神の怒りを受けている。
誰も呪いからは逃げられないのに、白澤が彼を殺すわけないだろう?
亡者は霧の中で生き返る。
霧の中では何も見えず、あちこち人だらけなのに気付けない。
【徒労に終わる】
白澤に関する話は全て陰陽司公の出まかせだったのか?
鏡鬼は本当にいたのか?
そうだ、たしか鶴翁にも言われたが、信じなかったんだ。
それもそうだ、裏切り者など信じるに値しない。
少なくとも陰陽司公は約束してくれたのだ。
白澤を消滅させ、山の封印を解けば、彼らを連れて私の願いを叶えてくれると。
私の力はもう残り僅か。
だが陰陽司公の話が本当ならば……奴を信じる以外、選択肢はない。
- アイテム記録
博山は、海上にある神の山である。
博山炉に香を灯せば、穴から漂う煙は博山炉に結界を成す。
遠くから眺めれば、それはまさに伝説の神の山だ。
濃霧漂う神の山に、神が在るならば、長生もまた夢ではないのだろう。
山の秘密を探ろうとする余所者が絶えず、山には連城に値する財宝が埋まっているという噂が常に流れている。
長川の戦いの時、燭は長生の大きな戦力だった。
その後、生き残った残党が白澤に手懐けられると、燭も長生のそばを離れた。
No.6 燭
- 人物ファイル
【氏名】燭
【身分】灯明
【印象】精神状態が心配になるくらい危うい女性、危険で偏屈
【関係】かつては長生の手下だったが、白澤に手懐けられた
【状態】生存
【情報】
深夜に黒猫を連れ木の上に現れた女。
長らくなにかの真相に苦しめられてきたせいで、精神面に問題が生じてしまったようだ。
- 探索秘録
【夢と現実】
ずっと同じ夢を見ている。
霧が出た日から、死ぬ時まで、霧の中の人がどんどん増えていき、巻物の力がどんどん弱まっていく夢。
- アイテム記録
余所者が白澤のかんざしを見付けた。
白澤は灯明を持って余所者を見送った時にかんざしを失くしたそうだが、大して重要なことでもないのかもしれない。
消えることはないと言い伝えられている灯明も、いずれは消えてしまう。
灯の先端には拭い取れない飛沫状の汚れが附着しており、
燭が言うには、恐らくこれが創造主が存在していた最後の証なのだろう。
No.7 鶴翁
- 人物ファイル
【氏名】鶴翁
【身分】銅鶴
【印象】細糸だけで釣りをしている変わり者
【関係】かつては長生の手下だったが、白澤に手懐けられた
【状態】生存
【情報】
川辺で釣りをしているのに、絶対に針を使わない変わり者。
魚のかごも当然空っぽだ。
しかし知識欲旺盛で、山の外のことをとても知りたがっている。
- 探索秘録
【山外からの来客】
長生は山に入った客人は複数いる言っていたが、白殿が招き入れたのはこいつだけだ。
残念なことに、無口でつまらん奴だから、面白い話は期待できそうにない。
- アイテム記録
白澤の従妹が白澤に会いに、この山を訪れたことがある。
彼女は一度話し出したら止まらない人間であったため、鶴翁と意気投合した。
鶴翁はその従妹が白澤のことを心から慕っていることに気付き、
彼女も将来は白澤のような一族の男から一目置かれる女性になってほしいと願った。
昨年、白澤の従妹は夢の中でこのような詩を残した。
人は人に非ず、像は像に非ず、霧に影は揺らぎ音は響く。
朝は聞かず、暮は問わず、孤独は影も香り無く。
客は客に非ず、郎は郎に非ず、如何にして陰陽を見抜く?
幾度狂い、幾度見失い、幾度我を忘れてもなお夢中。
何年も前のこと、とある地震が山に住んでいた一族を葬った。
しかし白殿の従妹が鶴翁に漏らした内容によれば、
その一族の多くは地震によって亡くなったのではなく、首を吊って自害したのだ。