- 会話1
- ナレーション「雅緋。現代の世において、闇の企業や悪徳政治家から密命を受けて動く『悪忍』を養成するための機関、秘立蛇女子学園でリーダーを務めている忍学生。ある日謎の少女より『次元の歪みから発生する聖霊石の原石を回収する』という忍務を請け負い、日本各地に発生した次元の歪みへの探索に向かう。」
- 雅緋「この『次元の歪み』が開いた空から流れてくる空気・・・嫌な雰囲気だ。何か良からぬことが起きる前触れか・・・?まぁいい、まずは忍務を果たそう。」
- 会話2
- 雅緋は次元の歪みを偵察していた。
- 雅緋「クライアントからの情報によると、次元の歪みから漂流して流れ出るのが『聖霊石の原石』と言っていたが・・・見当たらぬな。既に誰かに回収されたか・・・?」
- その時、雅緋の前に何者かが降り立った。
- このは「神依さまー!このははやりましたぞー!ぴかぴかできらきらの石・・・聖霊石の原石とやらを見つけましたでするー!・・・・・・わふっ?」
- 雅緋「・・・カムイ?誰かと私のことを間違えているのか?・・・だが、これは好都合。鴨が葱を背負ってきたな。どこの忍かは知らんが、その聖霊石・・・私が有難くいただこう!」
- 会話3
- このは「くぅぅ~っ、神依さまを騙る不届き者に敗れ、さらに聖霊石の原石を奪われるなど・・・このは最大の不覚でする・・・!」
- 雅緋「フン、そっちが勝手に間違えただけだろう?自業自得だ。だが、神依という女・・・そんなに私に似ているのか?・・・これは使えるかもしれんな。」
- 会話4
- 秘立蛇女子学園の諜報により朱鷺宮神依の情報を得た雅緋は、彼女に変装し、聖霊石の情報を収集しようと企む。
- 雅緋「この神依という女、日本聖霊庁という機関の要職に就く人物のようだな。この立場を利用してやるか・・・」
- 冴姫「あの・・・朱鷺宮先輩。」
- 雅緋「(・・・こいつの学友か。)どうした?何か用か?」
- 冴姫「先輩が持っているその石・・・聖霊石ですよね。それを譲ってもらえませんか?・・・お願いします!!」
- 雅緋「悪いが、これは渡すことはできん。・・・何故お前たちがこの石を欲しがるのか・・・理由を聞かせてもらおう!」
- 冴姫「・・・!?この人、朱鷺宮先輩じゃない・・・!」
- 会話5
- 雅緋「聖霊石を集めると何でも願いが叶う?・・・眉唾物だな。だがそれが真実であろうと無かろうと私には関係無い。私は忍務を遂行するだけだ。」
- 冴姫「・・・くっ、私はこんな所で躓けない。何としても聖霊石を集めないといけないのに・・・!」
- 雅緋「ならばもっと力をつけろ。弱者が叶えられる夢など、この世界には無い。・・・非情だが、それが現実だ。」
- 会話6
- 舞織「見つけましたよ。千年守様に成り済まし、聖女を襲っているというのは、貴女ですね?」
- 雅緋「日本聖霊庁の手の者か。あっさりと見抜かれるようでは、もはやこの変装も意味は無いな・・・」
- 舞織「我ら春日一門の役目は公務であり、私情を挟むことは赦されません。しかし、大切な友達を・・・冴姫さんを傷付けられたこと、堪え切れるほど私は大人になりきれません。・・・貴女を祓います。私の心の邪気と共に。」
- 雅緋「笑止。邪気は己の心で飼い慣らし、憤怒の刃と化し仇敵を穿つもの。その手本を見せてやる。」
- 会話7
- 舞織「この禍々しき黒炎・・・私たちの退魔法術では凌ぎきれません・・・!」
- 雅緋「当たり前だ。この私の憎悪の炎・・・貴様たち如きに受け止めきれるものか。」
- 舞織「私たちを退けたとしても、貴女にもう逃げ場はありません。その聖霊石を放棄しない限り、貴方は狙われ続けるでしょう。」
- 雅緋「ならばその者たちに伝えておけ。私の邪魔をするなら、命を捨てる覚悟をしてから挑んで来い・・・とな。」
- 会話8
- 雅緋は神依と出会う。神依は聖霊石を持っていた。
- 神依「ようやく出会えたな。忍と聞いていたが、この私の姿に化けるとは・・・悪趣味な輩め。」
- 雅緋「偶然風貌や声が似ていたのを利用したまでのことだ。それ以上の意味は無い。」
- 神依「貴様にとっては意味の無いことだとしても、貴様がこのはや春日一門の者たちを傷付けたこと・・・その愚挙、赦すまじ。貴様は私の逆鱗に触れたと知れ。」
- 雅緋「良い殺気だ。それでこそ私が戦う価値があるというものだ。さぁ・・・全力でかかって来い!」
- 神依「最早、語るに及ばず。そこに直れ!」
- 会話9
- 神依「・・・力及ばず、か。無念・・・・・・!」
- 雅緋「・・・・・・フン。とどめは刺さん。その命の代わりに、お前の持つ聖霊石で手打ちにしてやる。」
- 神依「待て!貴様に聖霊石を集めるように依頼したのは、おそらくドレクスラー機関の手の者だ!奴らはその聖霊石で何をしようとしているのか、解っているのか!?」
- 雅緋「そんなものに興味は無い。依頼主から与えられた忍務を果たす・・・それが悪忍の誇りというものだ。さて、連絡を受けた場所に向かうか・・・」
- 会話10
- 雅緋は依頼主の予てからの連絡を受け、種子島に来た。
- 雅緋「居るのだろう?勿体ぶらずに出てきたらどうだ!」
- その時、3つの聖霊石を持った少女が現れた。
- シャルラッハロート「そんな大声出さなくても聞こえるわよ。聖霊石は持ってきた?」
- 雅緋「あぁ、ここにある。・・・・・・ッ!?」
- 雅緋が聖霊石を取り出した瞬間、シャルラッハロートの袖から鎖が伸び、それを雅緋が剣で弾いた。
- 雅緋「・・・何のつもりだ?」
- シャルラッハロート「あ~あ、残念。おとなしく貫かれてたら面倒事に巻き込まれずに済んだのに・・・ドレクスラー機関はこの島に隠蔽した破壊兵器、神霊兵器の起動エネルギーを私に集めさせていた。‥‥‥日本を沈没させるためにね」
- 雅緋「ドレクスラー機関・・・それがお前の雇い主か・・・!」
- シャルラッハロート「私が持ってる聖霊石の原石は3個、貴女は2個、合わせて5個もあれば神霊兵器の起動エネルギーは足りる。」
- 雅緋「お前から請け負った忍務は取り消させてもらう。だが、私を利用しようとしたツケを払ってもらうぞ・・・!」
- シャルラッハロート「‥‥‥私はきっと、機関に操られている。理由なんかない。ただ聖霊石の原石を集めてくることだけを考えていた。けど、それでいいじゃない。それで。ソフィーが私を追いかけてきてくれれば。ソフィーが私を止めてくれれば。それなのにソフィーは来ない!ソフィーじゃない!貴女、何なの!?死にたいの!?殺されたいの!?」
- シャルラッハロートは雅緋に問いかけた。
- シャルラッハロート「ソフィーがいない世界なんて滅んじゃえ。滅んで壊れてみんな死んじゃえ。それって最高!あははははははははは!」
- 雅緋「ほざけ。貴様ごときに世界の破壊などさせるか。私は悪忍として、悪が必要とされるこの世界を守る!」
- 会話11
- シャルラッハロートは雅緋に敗れた。
- 雅緋「愚か者め。狂気に呑まれるだけでは、真の力は引き出せん。さて、神霊兵器とやらをどこに隠している?」
- シャルラッハロート「ドレクスラー機関が某大戦から数十年かけて復活させ、完成された神霊兵器‥‥‥もう止められないんじゃないのかなぁ?」
- 聖霊石の原石は全て何処かに飛んで行く。
- 雅緋「待て、逃がすか!・・・・・・何という速度だ・・・止められん・・・!」
- シャルラッハロート「死んじゃえ死んじゃえ。みんな死んじゃえ。死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね私も死んじゃえ‥‥‥あはははははははは!!」
- 会話12
- シャルラッハロートによって起動した神霊兵器が雅緋の目の前に見えていた。
- 雅緋「これは・・・巨大傀儡!?いや、それ以上か・・・忍以外の者に、こんなモノを作る技術があったとはな・・・!」
- 「聖霊エネルギー供給源、聖霊核接続。1番、2番、3番、4番、5番、接続完了。聖霊エネルギー補給開始」
- 神霊兵器の各部が機動し始める。
- 「特殊聖霊貫通弾「グングニル」起動。推進用聖霊エネルギー充慎開始。弾頭聖霊コーディング起動。8連聖霊クラスターロケット「スレイプニル」起動。推進用聖霊エネルギー充慎開始」
- 神霊兵器は富士山火山の方角を見る。
- 「日本列島沈没作戦攻撃座標指定、FJ35-2139YM138-4339、富士山火口設定完了」
- 神霊兵器は起動する。
- 「神霊兵器「ラグナロク」設定完了。グングニル充慎完了までカウント30。スレイプニル充慎完了までカウント60。ラグナロク射出までカウント70。‥‥‥69‥‥‥68‥‥‥67‥‥‥66‥‥‥65‥‥‥64‥‥‥63‥‥‥62‥‥‥61‥‥‥」
- 雅緋「良いだろう。巨大傀儡相手なら、この私の力を全力で奮っても支障は無い。・・・雅緋、悪の誇りを舞い掲げよう!」
- 会話13
- 「聖霊エネルギー補給源、喪失。聖霊エネルギー補給不能。防衛システム沈黙。」
- 雅緋に聖霊石の原石を破壊された神霊兵器は崩れ始める。
- 「オーディン、スレイプニル、グングニル、聖霊エネルギー充填シークエンス停止。神霊兵器「ラグナロク」射出シークエンス、実行不能、緊急停止」
- 雅緋「忍務は失敗だが、これで個人的なケジメはつけさせてもらった。・・・む、あいつは・・・・・・!」
- クリア後
- 数日後
- 雅緋は秘立蛇女子学園のアジトに戻っていた。
- 忌夢「お帰り、雅緋!・・・・・・誰、その子・・・」
- 紫「・・・・・・・・・知らない人、怖い・・・・・・・・・」
- 雅緋はシャルラッハロートをアジトに連れてきていた。
- 雅緋「こいつが今回の忍務の依頼主だったんだ。もっとも彼女自身もドレクスラー機関という組織に洗脳で操られていたのだがな。そのドレクスラー機関も既に壊滅していることが分かった。つまり今回の忍務は最初から依頼主が存在しなかった忍務ということになる。」
- 両備「結局、無駄足だったってワケね。で?何故その子を連れて来たの?忍務失敗の憂さ晴らしに折檻でもする気?」
- 両奈「あぁ~ん、両備ちゃん!折檻するなら両奈ちゃんをイジめて~!!」
- 両備「話の腰を折るなこのバカ犬!」
- 雅緋「・・・今の彼女は記憶を失っている。まるで、昔の私のようだった。・・・それで見過ごせなかったんだろうな。・・・だから、傷が癒え、記憶が戻るまでの間だけでも、蛇女で面倒を見てやろうと思ってな。」
- 忌夢「雅緋がそう言うなら、ボクに異存は無いよ。もし強い奴なら、そのまま悪忍になってもらったら蛇女の戦力補強になるしね。」
- 両奈「うふふ~この新しい娘もSっ気が強そう~♪両備ちゃんと一緒に両奈ちゃんをイジめてくれると嬉しいなぁ~!」
- 両備「はぁ!?アンタの手綱を握れるのはこの両備以外にいないでしょ?犬がご主人様以外の褒美を欲しがるなんて贅沢なのよ!この欲張りなメス豚!」
- 両奈「きゃい~ん!!」
- 紫「・・・・・・何だか騒がしくなりそう・・・静かに引きこもりたいのに・・・・・・」
- こうして、次元の歪みと神霊兵器の事変は現代に生きるひとりの『悪忍』の活躍により図らずも解決された。この後、シャルラッハロートを奪還せんと秘立蛇女子学園に乗り込む聖女たちと、秘立蛇女子学園の選抜メンバーが激突することになるのだが、それはまた別の話である。
- ⇒激突!聖女同盟軍VS蛇女選抜メンバーに続く。