シナリオ/Chapter06

アイリート･･彼女はナシプ族のリーダーである。
彼女に導かれたナシプ族の一団はこの毒された森林に定住した。
うわさ通りではなかったのか、森のナシプ達は何事もなく生活できた。
しかし人間達がついに目をつけてナシプ達を拉致し出した。
そして失われた要塞同様操り人形に仕立て上げる・・。
次々と仲間が敵となっていく・・。
彼らの生き残るための拠り所が破壊されるのはもう時間の問題であった・・・。

ナシプ族の村に着く直前寄生虫に攻撃されてしまったイリシア。
彼女たちを救った長アイリートから彼女の運命を聞いた遠征隊。
何もしなければ3日ほどで意思を奪われる、という…。

治療法がないか尋ねる一行に、アイリートは沼にある研究所に手がかりがあると教える。

研究施設にたどり着いた遠征隊一行は廃墟と化した施設から一人の男が出てくるのを発見する。
その人間が治癒法を知っているのではないかとみた遠征隊は接触を試みるが
男はうつろな様子で呼びかけにも応えない…。
男もまた、寄生虫によって操られていたのだ。一行により寄生虫は倒され、男は昏倒する。

ナシプ族の村で介抱を受けた男は回復し、彼を仇と憎むナシプ人達の中、アイリートによる聴取が行われる。
男はブリンデルと名乗った。彼は王国から派遣されてきた錬金術師で森の調査を任務としていたという。
調査の最中、他の生物を操る性質を持つ微生物を発見。これを対モンスター兵器として応用する為研究していた。
しかし彼らの計画には重大な見落としがあった。自らもまた、寄生虫の精神操作の対象となり得る可能性を
見落としていたのだ。
寄生虫は脱走、反乱し、施設は壊滅。ブリンデルは辛くも生き延びたが実験体に操られてしまったのだ。

話を聞いた一行はイリシアの治療について尋ねる。状況を聞き取ったブリンデルは洗脳されるまで
36時間ほどだろうと答える。そして治療薬は研究施設に残っているはずだ、とも語った。

ここまで話した後、彼は解放される･･･。

取り調べが終わり、ブリンデルと共に研究所に向かうことになる遠征隊。
そこにキノネット達が姿を見せ、ブリンデルの監視のため同行したいと強く要請する。

遠征隊とアイリードの許可が下り、一緒に向かうことになった。

崩壊した研究所跡地にたどり着き、ブリンデルが薬品を回収しに行く。
クロモドは疑問視していた。敵がいないからだ。
彼が瓶を片手に研究所から出た途端襲撃される。

一行によって寄生虫は撃退される。しかし、死んだと思われた寄生虫が突如動き出し、
ブリンデルを奇襲する。とっさに彼を庇ったキノネットが負傷してしまう。
ブリンデルはキノネットの行動に強く感謝した。彼が研究所から持ち出せた薬はたったの一瓶。
今の奇襲で損なわれていれば、イリシアを救う手立てもまた失われていたからだ。

村に戻り、クラレットから負傷について問われ、ブリンデルを庇った事を話すキノネット。
それを聞いたクラレットは、「親の仇のはずの人間を庇うなんて信じられない」と言いながら駈け出して行く。

ブリンデルがキノネット護衛の下、寄生虫らによって破壊された沼地の拡大を防ぐための機械を一つ、また一つと修復していった。
これによって寄生虫が活動できる範囲を狭めていく計画だ。

ブリンデルらは野営地の周囲の機械をすべて破壊し、寄生虫が寄り付かなくした。
そのことをアイリートに報告する彼ら。
しかし尚も人間を信じられないクラレット。彼女は一人姿を消す。
慌てて追いかけるキノネット。彼と彼女との間に亀裂が広がりつつあった。
説得しようとするも何の成果もなく終わり、森に消えるクラレット。
その様子を見ていたブリンデルは追いかけたらどうだと言い、それに同意した彼は彼女を連れ戻すために森に消える。

クロモドは調査のため遠征隊の面々にそれを告げて森に消える。森に足を踏み入れるが、妙な感覚を覚えていた。どこかで歩いたことのある風景、空気だったのだ。

やがて彼の視線の先にグリンデル村にも居たタガログ族が姿を見せ、村の方角へ立ち去る。
村が危ない。防御陣を敷くために村に急行するクロモド。

そしてタガログ族の大群が野営地を襲撃しナシプ族を多数拉致した。
遠征隊は必死に防ぐが阻止には至らなかった。

拉致されたナシプの中にはクラレットも含まれていた・・・。

救出のため、遠征隊から3人の有志が立ち上がる。彼らは相談し、タガログが雲樹の森に消えた事を知る。
そして追撃に入った。

森の道中にてブリンデルがいた。彼も追撃していたようだが雲樹の根の入り口付近で侵入をあきらめていた。雲樹の樹はタガログの巣になり果てていたのだ。拉致されたナシプ達がどこに行ったかは見当が付いているので村で話し合うと言ってブリンデルは村に帰っていく。

その情報を元に突入するか否かで相談するが、結局突入することになる。
樹の中は凄まじい状況になっていた。至る所に巣が張られている。

樹の中でタガログ族と対峙し倒すことに成功するも、奥から次々と群れが現れる。
救出作戦を断念し已む無く撤退することになる。

撤退を開始した遠征隊の救出部隊が村に戻る前に第2の悲劇が襲いかかる。
再度タガログ軍が襲撃してきたのである。これ以上の被害を防ぐために防衛任務に再度就く遠征隊残余。
そこにクロモドが戻り、防御陣を全て張り終わったことを告げる。村にはこれ以上侵入できないと言っていた。

敵をすべて撃滅するまでは戦いが終わることがなかった･･･。

敵が全滅した時、救出部隊が村に戻って来た。
そしてクロモドら守備隊に報告する。時を同じくしてブリンデルも合流する。
彼はクロモドにのみ気付いたことを報告する。
それを聞いてクロモドは一人アルポンスを率いて森に消える・・。

雲樹の森から帰還したクロモドから危険的な状況にあると告げられた。
なんと雲樹の森にカダログのクイーンが居り、繁殖期にあるというのだ。
繁殖期のクイーンは猛烈な食欲を誇り、ナシプ族らはその餌になるというのだ。

絶句した遠征隊各員は直ちに出撃準備に入る。
そんな時キノネットも参加を申し出るが負傷を理由にブリンデルに断られる。
「自分が行く。」キノネットに庇われた恩に報いる為、ブリンデルが救出に同行する。

タガログの巣を制圧した遠征隊は、とらわれていたナシプ族、そしてクラレットを救出した。
それでも尚、人間を信じられないクラレット。
「なら、キノネットに頼まれたからとでも思えばいいさ。」
ブリンデルはそう告げる。
姉の無事を喜ぶキノネット。クラレットの人間嫌いは変わらなかったが、
「彼には感謝している」と語る。まだ時間はかかりそうだが、和解の芽は生まれたようだ。

そして後日、エグリートの葬儀が行われた。
死を実感する遠征隊各員。しかしクロモドが「我々の役目は終わった、さっさと立ち去ろう」と言い放つ。
ＫＹだ、と憤慨するピンコをシュバルマンが制止する。
遠征隊はランドスを追撃しなくてはならない。ここで時間を費やす訳には行かないのだ。

葬儀の終わった村。ブリンデルは、ナシプ族の希望、と呼ばれたエグリートの話を聞き、
「では、彼を失ったナシプ族は希望を失ってしまったのか」とアイリートに問う。
「希望は彼らが引き継いでくれる」と笑顔を見せるアイリート。
その目の先には、遠征隊、ナギ、その首に光る、エグリートのペンダントがあった。

デリオ領主城まであと少し。デリオ城下町に続く道を急ぐ一行。しかしひたすら続く森。
デリオ城が見える気配がない。
疲弊した一行の前に突然、人語を喋る妙にふてぶてしいトラ猫が現れる。
妖怪だと思ったシュバルマンは剣を向けるが、
猫曰く、この森に入ったら出られない。ついてこようと思うならついてこいと言い残して走り去る。
如何わしいとは思ったが、他に道のとりようもなく、猫の後を追う一行。
追いかけた先にあったのはカバーシャード。
デリオ直属の護衛武士の住処で、外部とは閉ざされており、博識のアエルロトすら所在を全く知りえなかったほど。
しかしそのカバーシャードはサロマン族が襲撃に来ている最中であった。