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Last-modified: 2010-02-13 (土) 21:03:50

人名・地名に頻出する接辞の一覧。

人名

接尾辞

~anus, ~ana(羅), ~an(英)ほか

原義はラテン語由来の接尾辞(属格?)。
~anus, ~ana

~chen(独)

原義はドイツ語の縮小辞。
~chen

~ella, ~ello(伊), ~elle(仏)

原義は~ella, ~elloはイタリア語、~elleはフランス語の縮小辞。
~ella, ~ello, ~elle

~enus(羅), ~en, ~enne(仏)

原義はラテン語由来の接尾辞。
~en, ~enne

~etta, ~etto(伊), ~ette(仏)

原義は~etta, ~ettoはイタリア語、~etteはフランス語の縮小辞。そのまま英語へ輸入されたものも多い。
~etta, ~ette

~ianus(羅), ~ian, ~ienne(英)

原義はラテン語由来の接尾辞。
~ian, ~ian, ~ienne

~ie, ~y(英)

~ie, ~y

~inus, ~ina(羅), ~ine(英・仏)ほか

原義はラテン語由来の縮小辞。
~inus, ~ina

~inha, ~inho(葡)

原義はポルトガル語の縮小辞。
~inha, ~inho
~zinha, ~zinho

~ita, ~ito(西)

原義はスペイン語の縮小辞。
~ita, ~ito

~lein(独)

原義はドイツ語の縮小辞。
~lein

~let(英)

原義は英語の縮小辞。
~let

~ken(蘭), ~kin(英)

原義は古英語またはオランダ語の縮小辞。
~ken, ~kin

~ke(蘭), ~kki(芬)

原義はオランダ語またはフィンランド語の縮小辞。
~ke, ~kki

~otta, ~otto(伊), ~ot, ~otte(仏)

原義は~otta, ~ottoはイタリア語、~ot, ~otteはフランス語の縮小辞。
~otta, ~otto, ~ot, ~otte

~uccia, uccio(伊)

原義は~uccia, uccioはイタリア語の縮小辞。
→[[~uccia, uccio
~uccia, uccio(伊)
原義はイタリア語の縮小辞(小さな、少しと言う意味を付加)、愛称として用いられる

人名(姓)

前置詞

D'~, De~, Du~, Des~(仏)

原義はフランス語の前置詞。
D'~, De~, Du~, Des~

L'~, Le~, La~(仏)

原義はフランス語の定冠詞。
L'~, Le~, La~

van(蘭)

原義はオランダ語の前置詞。
van

von(独)

原義はドイツ語の前置詞。
von

接頭辞

Fitz~(英)

原義はノルマン語の接頭辞(父称)。そのまま英語へ輸入されたものも多い。
Fitz~

M'~, Mac~, Mc~(英)

原義はゲール語の接頭辞(父称)。そのまま英語へ輸入されたものも多い。
M'~, Mac~, Mc~

O'~(英)

原義はアイルランド語の接頭辞(父称)。そのまま英語へ輸入されたものも多い。
O'~

接尾辞

~ez(西)

原義は西ゴート族の接尾辞(父称)。

ロドリゲス、ロドリーゲス (西Rodríguez, 葡Rodrigues)
ロドリーゴの息子はロドリゲス、ラミーロの息子はラミレス、フェルナンドの息子はフェルナンデスといった具合。ペレスはペドロの息子。

~ов/~ov, ~ова/~ova(露)

原義はロシア語の接尾辞(父称)。
~ов, ~ова

~ой/~oy, ~ая(露)

原義はロシア語の接尾辞(父称)。
~ой
→[[~ая

~ский/~ski, ~ская(露)

原義はロシア語の接尾辞(属格?)。
~ский, ~ская

“~~エフ -ев”、“~~イン -ин”
稀に見られる“~~イー -ый”
、“~~エンコ -енко”というのはウクライナ系、“~~ヴィチ -вич”というのはベラルーシ系

~s, ~son(英), ~sen(北欧語), ~sohn(独)

原義は英語、北欧語、ドイツ語の接尾辞(父称)。
~s, ~son, ~sen, ~sohn

地名

接頭辞

Borgo~(伊)

原義はイタリア語「町(borgo)」ドイツ語での 接尾辞Burgと同じ語源。

イタリック語派イタリア語Borgo~ボルゴ~
Borgosesiaボルゴセージア

Castel~(伊)

原義はイタリア語「城(castello)」

イタリック語派イタリア語Castel~カステル~
Castelviscontiカステルヴィスコンティ

Citta~(伊)

原義はイタリア語「町(città)」

イタリック語派イタリア語Citta~チッタ~
Cittarealeチッタレアーレ

Col~(伊)

原義はイタリア語「丘(colle)」

イタリック語派イタリア語

Mon~, Mont~(仏), Monte~(伊)

【フランス語】「山(mont)」
【イタリア語】「山(monte)」
Mon~, Mont~, Monte~

New~(英)

原義は英語「新しい(new)」、

新大陸において、その地の開拓者の出身地の地名がつけられたり、ある都市に隣接して新しい都市が作られた場合(例:ニューデリー)などにつけられる。

ゲルマン語派英語New~ニュー

San~, Santo~, Santa~, Sant~(伊)

原義はイタリア語「聖なる(santo)」、キリスト教の聖人から採った地名が多い

イタリック語派イタリア語

Val~(伊)

原義はイタリア語「谷(valle)」

イタリック語派イタリア語

接尾辞

~abad(ペルシア)

原義はペルシア語「~の街・場所」「~に満たされた」

ハイデラバード(Haidarabad、インド)、ジャララバード(Jalalabad、アフガニスタン)、イスラマバード(Islamabad、パキスタン)

~berg(独)

原義はドイツ語「山(berg)」

ハイデルベルク(Heidelberg、ドイツ)

~burgh(英), ~burg(独), ~bourg(仏)

原義はドイツ語「城砦」「避難所、保護者」

ゲルマン語派ドイツ語~burg~ブルク
~ブルグ
英語~burgh~バーグ
ケルト語派スコットランド語~burgh~バラ
イタリック語派フランス語~bourg~ブール
  • burg は、ドイツ語・オランダ語・アフリカーンス語で城主の管区を意味する接尾辞である。
    英語の -burgh ・フランス語の -bourg も同様。
    ヨハネスブルグ(Johanesburg、南アフリカ)、フライブルク(Freiburg、ドイツ)、ティルバーグ(Tilburg、オランダ)、ピッツバーグ(Pitsburgh、アメリカ合衆国ペンシルベニア州)、エディンバラ(Edinburgh、スコットランド)、サンクト・ペテルブルク(Sankt-Peterburg、ロシア)、ストラスブール(Strasbourg、フランス)

~град/~grad(露)

【スラヴ諸語】「都市(град/grad)」
~град/~grad

~ia

~ia~イア
Transylvaniaトランシルヴァニア横切る(trans)森(silva)+ ia
Oceaniaオセアニア大洋(ocean)+ ia=大洋州

~na

ウクライナ (Ukraina):ウクライナ語で「終わり、縁」を意味する krai に、地名接頭辞の u- と地名接尾辞の -na がついたもの。なお、krainaで「国」という意味。「縁」で囲われたもののこと。

~polis(英), ~poli(伊)

原義はギリシア語「都市(πολις/polis)」

ゲルマン語派英語~polis~ポリス
イタリック語派イタリア語~poli~ポリ
Minneapolisミネアポリスmni(ダコタ語「水」)polis(ギリシア語「都市」)
Napoliナポリ新しい(νεά/nea)都市(πολις/polis)

インディアナポリス(Indianapolis、同インディアナ州)、アナポリス(Anapolis、同メリーランド州)
イタリア語では -poliとなり、ギリシャ植民都市であった()が有名。他には旧イタリア領のトリポリなど。

~ск/~sk

原義はスラヴ語で形容詞化する接尾辞らしい

スラヴ語派~sk~スク
~ツク
Охо́тск/Okhotskオホーツク川(okata)→(okahota)+ sk
Хабаровск/Khabarovskハバロフスク姓ハバロフ()+ sk

~stan

原義はペルシア語「~の土地」

アフガニスタン (Afghanistan)は、パシュトー語で「山の民」を意味する afghan に -stanがついたもの。
このほか、中央アジアの国の名に、キルギスタン (Kirgistan) ・パキスタン (Pakistan) ・ウズベキスタン (Uzbekistan) ・カザフスタン (Kazakhstan) ・トルクメニスタン (Turkmenistan) などの例がある。 スターン (地名)も参照のこと。

~ton(英)

  • ton は英語で町(town)を意味する接尾辞としてしばしば用いられる。town と語源は同じ。
    アーリントン(Arlington、アメリカ合衆国バージニア州)、リトルトン(Littleton、同メーン州など)

~ville(仏)

  • ville はフランス語で都市の意味。英語の村(village)と語源を同じくする。英語・フランス語で都市を意味する接尾辞としてしばしば用いられる。
    アルベールヴィル(Albertville、フランス)、マーティンズヴィル(Martinsville、アメリカ合衆国バージニア州)