人名・地名に頻出する接辞の一覧。
- 人名
- 接尾辞
- ~anus, ~ana(羅), ~an(英)ほか
- ~chen(独)
- ~ella, ~ello(伊), ~elle(仏)
- ~enus(羅), ~en, ~enne(仏)
- ~etta, ~etto(伊), ~ette(仏)
- ~ianus(羅), ~ian, ~ienne(英)
- ~ie, ~y(英)
- ~inus, ~ina(羅), ~ine(英・仏)ほか
- ~inha, ~inho(葡)
- ~ita, ~ito(西)
- ~lein(独)
- ~let(英)
- ~ken(蘭), ~kin(英)
- ~ke(蘭), ~kki(芬)
- ~otta, ~otto(伊), ~ot, ~otte(仏)
- ~uccia, uccio(伊)
- 接尾辞
- 人名(姓)
- 地名
人名
接尾辞
~anus, ~ana(羅), ~an(英)ほか
原義はラテン語由来の接尾辞(属格?)。
→~anus, ~ana
~chen(独)
原義はドイツ語の縮小辞。
→~chen
~ella, ~ello(伊), ~elle(仏)
原義は~ella, ~elloはイタリア語、~elleはフランス語の縮小辞。
→~ella, ~ello, ~elle
~enus(羅), ~en, ~enne(仏)
原義はラテン語由来の接尾辞。
→~en, ~enne
~etta, ~etto(伊), ~ette(仏)
原義は~etta, ~ettoはイタリア語、~etteはフランス語の縮小辞。そのまま英語へ輸入されたものも多い。
→~etta, ~ette
~ianus(羅), ~ian, ~ienne(英)
原義はラテン語由来の接尾辞。
→~ian, ~ian, ~ienne
~ie, ~y(英)
~inus, ~ina(羅), ~ine(英・仏)ほか
原義はラテン語由来の縮小辞。
→~inus, ~ina
~inha, ~inho(葡)
原義はポルトガル語の縮小辞。
→~inha, ~inho
→~zinha, ~zinho
~ita, ~ito(西)
原義はスペイン語の縮小辞。
→~ita, ~ito
~lein(独)
原義はドイツ語の縮小辞。
→~lein
~let(英)
原義は英語の縮小辞。
→~let
~ken(蘭), ~kin(英)
原義は古英語またはオランダ語の縮小辞。
→~ken, ~kin
~ke(蘭), ~kki(芬)
原義はオランダ語またはフィンランド語の縮小辞。
→~ke, ~kki
~otta, ~otto(伊), ~ot, ~otte(仏)
原義は~otta, ~ottoはイタリア語、~ot, ~otteはフランス語の縮小辞。
→~otta, ~otto, ~ot, ~otte
~uccia, uccio(伊)
原義は~uccia, uccioはイタリア語の縮小辞。
→[[~uccia, uccio
~uccia, uccio(伊)
原義はイタリア語の縮小辞(小さな、少しと言う意味を付加)、愛称として用いられる
人名(姓)
前置詞
D'~, De~, Du~, Des~(仏)
原義はフランス語の前置詞。
→D'~, De~, Du~, Des~
L'~, Le~, La~(仏)
原義はフランス語の定冠詞。
→L'~, Le~, La~
van(蘭)
原義はオランダ語の前置詞。
→van
von(独)
原義はドイツ語の前置詞。
→von
接頭辞
Fitz~(英)
原義はノルマン語の接頭辞(父称)。そのまま英語へ輸入されたものも多い。
→Fitz~
M'~, Mac~, Mc~(英)
原義はゲール語の接頭辞(父称)。そのまま英語へ輸入されたものも多い。
→M'~, Mac~, Mc~
O'~(英)
原義はアイルランド語の接頭辞(父称)。そのまま英語へ輸入されたものも多い。
→O'~
接尾辞
~ez(西)
原義は西ゴート族の接尾辞(父称)。
ロドリゲス、ロドリーゲス (西Rodríguez, 葡Rodrigues)
ロドリーゴの息子はロドリゲス、ラミーロの息子はラミレス、フェルナンドの息子はフェルナンデスといった具合。ペレスはペドロの息子。
~ов/~ov, ~ова/~ova(露)
原義はロシア語の接尾辞(父称)。
→~ов, ~ова
~ой/~oy, ~ая(露)
原義はロシア語の接尾辞(父称)。
→~ой
→[[~ая
~ский/~ski, ~ская(露)
原義はロシア語の接尾辞(属格?)。
→~ский, ~ская
“~~エフ -ев”、“~~イン -ин”
稀に見られる“~~イー -ый”
、“~~エンコ -енко”というのはウクライナ系、“~~ヴィチ -вич”というのはベラルーシ系
~s, ~son(英), ~sen(北欧語), ~sohn(独)
原義は英語、北欧語、ドイツ語の接尾辞(父称)。
→~s, ~son, ~sen, ~sohn
地名
接頭辞
Borgo~(伊)
原義はイタリア語「町(borgo)」ドイツ語での 接尾辞Burgと同じ語源。
イタリック語派 | イタリア語 | Borgo~ | ボルゴ~ | |
例 | Borgosesia | ボルゴセージア |
Castel~(伊)
原義はイタリア語「城(castello)」
イタリック語派 | イタリア語 | Castel~ | カステル~ | |
例 | Castelvisconti | カステルヴィスコンティ |
Citta~(伊)
原義はイタリア語「町(città)」
イタリック語派 | イタリア語 | Citta~ | チッタ~ | |
例 | Cittareale | チッタレアーレ |
Col~(伊)
原義はイタリア語「丘(colle)」
イタリック語派 | イタリア語 | |||
例 |
Mon~, Mont~(仏), Monte~(伊)
【フランス語】「山(mont)」
【イタリア語】「山(monte)」
→Mon~, Mont~, Monte~
New~(英)
原義は英語「新しい(new)」、
新大陸において、その地の開拓者の出身地の地名がつけられたり、ある都市に隣接して新しい都市が作られた場合(例:ニューデリー)などにつけられる。
ゲルマン語派 | 英語 | New~ | ニュー | |
例 |
San~, Santo~, Santa~, Sant~(伊)
原義はイタリア語「聖なる(santo)」、キリスト教の聖人から採った地名が多い
イタリック語派 | イタリア語 | |||
例 |
Val~(伊)
原義はイタリア語「谷(valle)」
イタリック語派 | イタリア語 | |||
例 |
接尾辞
~abad(ペルシア)
原義はペルシア語「~の街・場所」「~に満たされた」
ハイデラバード(Haidarabad、インド)、ジャララバード(Jalalabad、アフガニスタン)、イスラマバード(Islamabad、パキスタン)
~berg(独)
原義はドイツ語「山(berg)」
ハイデルベルク(Heidelberg、ドイツ)
~burgh(英), ~burg(独), ~bourg(仏)
原義はドイツ語「城砦」「避難所、保護者」
ゲルマン語派 | ドイツ語 | ~burg | ~ブルク ~ブルグ |
英語 | ~burgh | ~バーグ | |
ケルト語派 | スコットランド語 | ~burgh | ~バラ |
イタリック語派 | フランス語 | ~bourg | ~ブール |
- burg は、ドイツ語・オランダ語・アフリカーンス語で城主の管区を意味する接尾辞である。
英語の -burgh ・フランス語の -bourg も同様。
ヨハネスブルグ(Johanesburg、南アフリカ)、フライブルク(Freiburg、ドイツ)、ティルバーグ(Tilburg、オランダ)、ピッツバーグ(Pitsburgh、アメリカ合衆国ペンシルベニア州)、エディンバラ(Edinburgh、スコットランド)、サンクト・ペテルブルク(Sankt-Peterburg、ロシア)、ストラスブール(Strasbourg、フランス)
~град/~grad(露)
【スラヴ諸語】「都市(град/grad)」
→~град/~grad
~ia
~ia | ~イア | |||
例 | Transylvania | トランシルヴァニア | 横切る(trans)森(silva)+ ia | |
例 | Oceania | オセアニア | 大洋(ocean)+ ia=大洋州 |
~na
ウクライナ (Ukraina):ウクライナ語で「終わり、縁」を意味する krai に、地名接頭辞の u- と地名接尾辞の -na がついたもの。なお、krainaで「国」という意味。「縁」で囲われたもののこと。
~polis(英), ~poli(伊)
原義はギリシア語「都市(πολις/polis)」
ゲルマン語派 | 英語 | ~polis | ~ポリス | |
イタリック語派 | イタリア語 | ~poli | ~ポリ | |
例 | Minneapolis | ミネアポリス | mni(ダコタ語「水」)polis(ギリシア語「都市」) | |
例 | Napoli | ナポリ | 新しい(νεά/nea)都市(πολις/polis) |
インディアナポリス(Indianapolis、同インディアナ州)、アナポリス(Anapolis、同メリーランド州)
イタリア語では -poliとなり、ギリシャ植民都市であった()が有名。他には旧イタリア領のトリポリなど。
~ск/~sk
原義はスラヴ語で形容詞化する接尾辞らしい
スラヴ語派 | ~sk | ~スク ~ツク | ||
例 | Охо́тск/Okhotsk | オホーツク | 川(okata)→(okahota)+ sk | |
例 | Хабаровск/Khabarovsk | ハバロフスク | 姓ハバロフ()+ sk |
~stan
原義はペルシア語「~の土地」
アフガニスタン (Afghanistan)は、パシュトー語で「山の民」を意味する afghan に -stanがついたもの。
このほか、中央アジアの国の名に、キルギスタン (Kirgistan) ・パキスタン (Pakistan) ・ウズベキスタン (Uzbekistan) ・カザフスタン (Kazakhstan) ・トルクメニスタン (Turkmenistan) などの例がある。 スターン (地名)も参照のこと。
~ton(英)
- ton は英語で町(town)を意味する接尾辞としてしばしば用いられる。town と語源は同じ。
アーリントン(Arlington、アメリカ合衆国バージニア州)、リトルトン(Littleton、同メーン州など)
~ville(仏)
- ville はフランス語で都市の意味。英語の村(village)と語源を同じくする。英語・フランス語で都市を意味する接尾辞としてしばしば用いられる。
アルベールヴィル(Albertville、フランス)、マーティンズヴィル(Martinsville、アメリカ合衆国バージニア州)