良問21-30

Last-modified: 2024-01-13 (土) 17:39:42

21.【問題】
僕には生まれたころからの幼馴染がいる。
僕は昨夜、彼女の頼みを恥ずかしさから断ってしまった。
今朝僕は起きて非常に後悔することになった。

状況を補完してください。

【解説】
ケンジと咲は生まれたころからの幼馴染であった。
家も隣どうしで、非常に仲が良かったのだが、そのことで子供のころから周囲にからかわれてきたため恋仲にまで発展することはなかった。
ケンジは山登りが趣味で、この日も咲と一緒にとある山に来ていた。
ところが登山中猛吹雪に見舞われ、二人は遭難する。
洞窟を発見して吹雪が止むのを待っているがなかなかやまない。
その晩咲が頬を赤らめ、ケンジに提案する。
「ね、ねえ。今晩一緒に寝ない?」
「!?」
ケンジは流石に戸惑う。
彼女のことは確かに好きではあったが、女性としての「好き」ではなく、またそういう目で見るのも彼女に失礼だとさえ思っていた。
「ちょwww馬鹿wwwおま、ええ!?
あ、あのな?こういう生命の危機に瀕してる時は子孫を残そうという本能が働いてウンタラカンタラ・・・。」
「ははww冗談だよwばーかw」
と咲は笑ってごまかす。

次の日、ケンジは起きると冷たくなった咲を発見する。
普段から山登りで鍛えていたケンジとは違い、咲の体力はもう限界に近づいていたのだ。
呼びかければ、今にも動き出しそうなのに、、、
ケンジは咲を背負って山を下りて行った・・・。


22.【問題】
ある日、私は有名な大病院に緊急搬送された。
さすがに医者の腕は一流で、無事に手術は終わったのだが
しばらく入院させられることになってしまった。

そこで、とりあえず私は無駄にでかい院内を散策することにした。
大きな音がする方に歩いていくと、大型TVが置いてあるコミュニティホールに出た。
そこでは、数人の患者達と看護士がたむろしてTVを眺めていた。

私も一緒になってTVを見ていると、一人の老人が話しかけてきた。
「おや、このAさんって、あんたにそっくりだねえ?」
「ええ、まあ、そうですね」
私は老人の問いに苦笑いで答えた。
やっぱり人違いだったようだ。
私は溜息をついた。

さてこれはどんな状況か?
補完してください。

【解答】
「だ、誰かいるんですか!?」
看護士の上擦った声がホールに響きわたった。
むろん返事はない。

深夜の二時半ともなれば、起きているのは夜勤の人間ぐらいのものだ。
照明が落とされたホールでは、TVの光がチカチカと反射していた。

「さっき消したはずなのに……」
看護士は、しばらく辺りの気配を伺っていたが、ニュースの音以外には何も聞こえてこない。
それは嫌なことにも、ちょうど先日、この病院で起こった殺人事件についてのニュースだった。

『……Aさんは入院したその日に、病室で寝ているところを撃たれたとのことです。
調べでは、この病室には、Aさんが入院する直前まで、暴力団関係者が使用していたという情報があり
ウミガメ署では、Aさんが人違いで射殺された可能性もあるとみて、捜査を進めているとのことです……』

ふいに看護士は、誰かが息を吐き出すような気配を背後に感じ
弾かれたようにコンセントを引っこ抜いて、駆け足で戻っていったのだった。


23.【問題】
荷物が軽すぎたせいで男は動けなかった
なぜだろう

【解説】
たわむれに 母を背負いて そのあまり 軽きに泣いて 三歩あゆまず
by石川啄木


24.【問題】
ある白人の夫婦が、モデルが黒人女性の写真集を購入した。
翌日その夫婦の夫が娘に殺された。
白人夫婦とモデルの女性の関係は?
なぜ夫は娘に殺された?

【解答】
白人の「娘」は卑猥な内容の写真集に出演する際に両親への発覚を防ぐ為に
全身に濃い色のファンデーションを塗り「黒人」を装った。
ある日、「白人夫婦」は「娘」によく似た「黒人」女性の写真集を発見する。
人種は違えど「娘」にあまりによく似ていた為、写真集を購入。
自宅に持ち帰り夫婦で写真集を見た所、「娘」と同じ場所、同じ柄のタトゥー
を発見。 「黒人」を装った「娘」であることが発覚。
敬虔なクリスチャンでもあった「白人夫婦」は「娘」に激しく問いつめる。
「娘」は口論の末、はずみで父親を突き飛ばしてしまう。
後頭部を強打した父親を死に至らしめてしまったのだ。

ということでした。ちなみにアメリカで実際にあった事件だそうです。


25.【問題】
老人は昔を思い出しながら港町を歩いていた。
そして、何の気なしに海辺の喫茶店に立ち寄った。

そこで二人は再会した。
先に向こうが気付いて、話しかけてきた。
二言三言、言葉を交わす。

「アキコ・・・お前がアキコだったのか・・・」
古傷で回らぬ舌。
搾り出すように呟いた彼の頬を涙が伝う。

あたりに漂うコンソメスープの香り。
この店一押しのスープだそうだ。
その、よく知る香りに気付くと、彼の涙は一層深いものになった。

「アキコ・・・海は怖いだろうに、どうしてこんな海辺に店を・・・」

「ここで店を出せば、いつかこういう日が来ると思ってた」

「アキコ・・・」

さて、どうして彼は涙を流している?

【解説】

彼は二人の孫と一緒に暮らしていた。
双子の女の子だ。
子供達の両親は、若くして事故で死んでしまい、彼が引き取ったのだ。

上の子がアキコ、下の子がサチコ。
だが、戦争の古傷で舌が回らない彼はどちらを呼ぶ時も「アキコ」になってしまう。
子供達はまだ小学生だが、姉のアキコには得意料理がある。
コンソメスープだ。
彼はそれをいつも、旨いウマイと嬉しそうに飲んだ。

事故は突然だった。
港を歩いていた三人を高波が一瞬でさらった。
彼はこの事故で視力を失い、二人の孫のうち一人が行方不明になった。

「私、またおじいちゃんのためにコンソメスープ作るね!」

奇跡的に助かり、やがて落ち着いた頃、そう言ったのは実は妹のサチコだった。
しかし、視力を失った彼には、声だけでその嘘を見抜けなかった。

サチコはどうして姉のフリをしたのか?

それは、彼が回らぬ舌で「アキコ」と姉の名前ばかり呼ぶので(実際はサチコと発音出来なかっただけだが)、サチコは彼に嫌われていると思い込み、事故後の彼を元気付ける為に、姉のアキコが生き残った様に演技をし続けたのだった。

コンスメスープの作り方は、いつも見ていて知っていた。
死んだ姉の為にも、一生演じ続けようと決意した。

それから10年。
姉は生きていた。
離れた海岸で発見され奇跡的に一命をとりとめ、遠くない港町で育てられていたのだった。
そして偶然の再開。

本物アキコは、彼との再会を信じて、トラウマのある海の近くにあえて店を出し、コンソメスープを毎日作っていたのだった。
目が見えなくなったとは言え、声で気付かなかった自分が悔しい。
サチコの演技に気付かなかった自分を、今は責める事しか出来ない。

「サチコ・・・」

問題文のラストの「アキコ」は「サチコ」と言っていたというオチです。
初めてのウミガメ、緊張しましたw


26.【問題】

ある大富豪が死にかけていた。
彼は臨終の床で、
「最高のそばを出した者に、
別枠で私の財産の一部を譲る」
と言い出す。
一族はそれぞれ手を尽くしたが、
彼が選んだのは、
ボロボロで長さも切り口もまちまちな、
犬の餌にすら見えるものだった。
物語を補完せよ。

質問:ボロボロの蕎麦はおいしかったですか?
回答:どうだろう、不味かったかも…でも、美味しかったと思うよ

質問:
回答:

【解説】
第二次世界大戦中、隊長だった大富豪は、残っていた一人の歩兵とジャングルの中を撤退していた。
もう弾も残っておらず、食料も底を付き、いつ死んでもおかしくない。
歩兵は元そば屋で、隊長が無類のそば好きな事を知っていた。
「隊長。実は自分はずっとそば粉を隠し持っておりました。今まで色々お世話になったお礼に、
どうか私が最後に打ったそばを食べて下さい」
二人はそのそばを食べた。
敵兵に見つかる訳にはいかないので湯も通せず、石の上で練って伸ばした為ぼろぼろで長さも
切り口もまちまちなそばを、飯盒の器で分けあい、泣きながら食べた。
二人は生き延び、終戦を迎えた。
隊長であった男は戦後の混乱の中を上手く立ち回り、大富豪になる。
歩兵は親のそば屋を受け継ぎ、ただひたすらそば作りに打ち込んだ。
大富豪になった男はそば屋のために、大手チェーンの展開、大型デパートへの出店、
一等地への移転、色々な話を持ちかける。
しかしそば屋はただ美味しいそばを出したいだけが願いであり、大富豪の
どの申し出にも首を縦に振らなかった。
とうとう二人は大げんかをし、決別した。
それ以降、大富豪がそばを口にする事はなくなり、いつしかそばが嫌いだ
と世間に思われていた。
大富豪は正妻の他に愛人がいた。
彼がくつろげるのはその女の側にいる時だけだった。
女は急逝し娘が残されたが、他の者には言わなかった大富豪のそば屋への悔恨を聞いていた女は、娘だけにその彼の思いを話していた。
臨終に近づいた大富豪は言った。
「そばが食べたい。一番最高なものを」
遺言を聞きつけ、血縁・遠縁の強欲な人間たちが行列を連ねる。
娘は時間ギリギリに、器を持ってきた。
持ってきた本人も知らなかった中身は、飯盒に入れられ、湯通しもせぬ、ボロボロで長さも切り口もまちまちなそば。
その場にいた者たちは「まるで犬の餌だ」と笑った。
しかし、飯盒を手にした大富豪からは熱い涙が滴り落ちた。
「……あの男が…これを打ってくれたか…」
大富豪は娘に、一族のいない小さな国の別荘と慎ましく暮らせる金を、遺産として譲った。


27.【問題】

白雪姫は王子の口づけで目を覚ますが、起き上がると突然黙り込み、泣き出してしまった。
王子も小人も心配そうにしているが、何もしようとはしない。
やがて白雪姫が何かを見つけると、彼女は泣き止み、笑顔で王子に愛の言葉を告げた。
何故、白雪姫は泣き出してしまったのか、何を見つけたのか、状況を補足してください。

【解答】
舞台は小学校での劇の発表会。
白雪姫役の女の子はラストシーンという大切な場面で台詞を忘れてしまう。
動揺して泣き出してしまうが、台詞が続かないので王子役も小人役も何も出来ない。
すると、裏方が機転を利かせて、忘れてしまった台詞を書いたカンペをカーテン裾から見せた。
やがて女の子はカンペを見つけて劇は無事ハッピーエンドをむかえることが出来ました。


28.【問題】

ある昼、多阿という男に刑事の家枝から依頼の電話が掛かってきた。
医者の井伊が、有名な泥棒、怪盗キッドに殺されたというのだ。
病院に着いた多阿は刑事から詳しい情報を聞いた。
第一発見者の看護婦が言うにはキッドから、盗みの予告状が届いていて
井伊は寝ずの番をしていたそうなのだ。
遺体の状況は刺殺、右手に石を持って死んでいた。
病院に勤めているの者しか知らないものが盗まれていることから、
容疑者は病院に勤めているものに絞られた。
一通り、犯行現場と遺体を調べた多阿は言った、
「この病院に庭師は居ますか?」
なぜ、多阿は庭師を疑ったのでしょう?

【解説】
職業の一文字目が苗字になる世界の物語
探偵は部屋を調べて腎臓結石のサンプルから石がなくなっているのを発見する
腎臓結石がダイイングメッセージ
キッドニーストーン
キッド、ニイ、ストー(ル)ン(盗まれた)
医者ならではのメッセジでした


29【問題】

ある町に男がやってきました。
「○○君という子を知っているかな?」
「あそこでバスケをしているよ」
「彼は上手いのかね?」
「うん、中一の時から5年間ずっとバスケ部のレギュラーだよ」
それを聞くと男は悲しさのあまり号泣してしまいました。
なぜでしょうか?

こんな感じかな?

【解説】(要約)
あるラジオ番組にて、少年はクラスの人気を得たいが為に自分は心臓病だと言う嘘をリクエストに書いて送ってしまう。しかし偶然にもそのラジオ番組のDJは心臓病を患っており、そのリクエストに励みを感じていた。
その後、DJの友人である男がDJが死んでしまった後にあのリクエストを送っていた少年を尋ねるも、心臓病の事が嘘だと知り、号泣する。

【解説】

少年のクラスではラジオの番組に投稿するのが流行っていました。
DJにハガキを読まれ、リクエスト曲を流してもらえればヒーロー扱いです。
少年はハガキを読まれたくてある嘘をつきました。
「自分は心臓病です、手術をする勇気をもらうために自分の好きな曲をかけてもらいたい」と。
彼にとってはほんのささやかな嘘のつもりでした。
その思惑通り、番組では彼のリクエスト曲が流れました。
もちろん次の日は彼はクラスでヒーローです。
次の週も彼のリクエスト曲は流れました。その次の週も、またその次の週も。
彼は最初こそうれしかったものの、段々と嘘をついてしまったことに対する罪の意識が大きくなっていました。

ある男が少年の町にやってきました。
そして少年のことを聞くと号泣し、その後、彼を連れてある場所に行きました。
そこはラジオ局でした。
男に連れられ、少年が部屋の前までくると彼のリクエスト曲が流れていました。
ドアを開けると誰もいません、そこにはテープ以外動いているものはありませんでした。
男は少年に真相を語り始めました。
もう、この世にDJは居ないことを、「彼」と同じ心臓病を患っていたことを、
「彼」を励ますために病の体をおしてテープに自分の番組を吹き込み続けたことを、
「僕と僕の音楽で僕と同じような病気の人が、戦っている人が治るかもしれない」と言い続けていたことを。
男は、番組をその日限りで打ち切ることを告げ、少年はとてつもない後悔におそわれるのでした。

そして十数年後…
少年はラジオ局にいました。
彼の仕事はDJ、かつて「彼」を励ましてくれた人の遺志を継ぎ、
彼を必要としてくれるかもしれないかつての人と同じような病気の人、色々な境遇の人のほんの少しでも励ますことが出来たならと…

少年がリクエストされるためについた「自分は心臓病」と言う嘘は
彼と同じ心臓病のDJに少年を励ますため体を無理させてもテープに番組を録音し、
彼の死後も少年を励ますように彼の友人でもあり番組スタッフでもある男に託す。
DJが死に、少年はどうなっているか、手術は成功したのかそれとももう亡くなっているのか気になった男は少年を捜し当て、
彼がずっとバスケをやっている=心臓病ではなかったことを知り、号泣した。

元ネタはフジテレビの『大人は判ってくれない』第2話「Goodbye,DJ」より。
問題のために少し設定をいじってありますが、ほとんど内容としては同じです。
『大人は判ってくれない』はいい話だったんですけどね、不人気であっという間に打ち切り。
「世にも奇妙な物語」の第2シーズンと第3シーズンの間に作られた「世にも奇妙な物語」ではなかなか取り扱えないハートフル中心の30分もので、
DVDにもビデオ化にもされていない幻の作品でしょう。
ニコニコでも上がっていた時期はあったらしいのですが、残念ながら消されていました。
「ウミガメのスープ」の問題を作るに当たり、ふと思い出してみたので流用してみましたが、いかがだったでしょうか?

とりあえずお試し版と言う感じで色々な部分を感じ取ってもらえれば幸いです。
核心部分をいきなり言うわけにも行かず、曖昧な点があったのはご勘弁を。
最後のあたりで「有名人がその死を報道されないのはおかしい」とありましたが、
ラジオ番組と言ってもそれほど大きなものではなく、また、芸名で活動していたため死亡記事が出ても判らず、
さらに死んでから日が浅く家族親類知人が彼の遺言に従って隠していた、と言うことにしておいてください。

さて、私の出題はここまでです。
ここまでのおつきあい、ありがとうございました。


30.【問題】

春。
偏差値58ほどの進学校、ラテシン高校に晴れて
今年の春から行くことになったカメコ。
そんな彼女は初っ端から朝寝坊をして
クラスのHRにすら遅刻しそうになっていた。
「遅刻したらいけない!」
ラテシン高校は自宅から6km離れている。
着替えを終えたカメコは急いでチャリに跨ると、
そのまま高校とは全く真反対の方角へと向かっていった。
一体なぜ?キミ公共交通機関に乗っても
直チャリより倍時間かかるよ?

質問1:バスや電車などの公共交通機関に乗りますか?
回答1:いいえ

質問2:受験期を終えた後の話ですか?
回答2:はい、入学式を終えた後らへんです

質問3:カメコは最終的に学校に到着しますか?
回答3:はい

質問4:カメコはこの行動によって、直接自転車で真っ直ぐ向かうより早く学校に到着しますか?
回答4:はい

質問5:カメコはどこかを目指して反対側に進みますか?
回答5:はい カメコはそこに着くことで学校に素早く向かえます。

質問6:カメコが反対側に向かう先は駐車場ですか?
回答6:はい

質問7:カメコは車に乗りますか?
回答7:はい

質問8:カメコは両親に車に乗せてもらいますか?
回答8:いいえ、カメコは自分一人で車を運転します。

質問9:カメコは学生ですか?
回答9:いいえ














【解説】

カメコは新米教師だ。
春からラテシン高校に勤務する事になった彼女だが、初っ端から自身の担当するクラスのHRの時間にすら遅刻しそうになる。
彼女は普段なら歩きで済むはずの実家から少し離れた駐車場へチャリで向かい、チャリを乗り捨てると急げ急げと自家用車を発進させたのだった。