クロヴィス

Last-modified: 2016-09-26 (月) 22:25:42

クロヴィス

逮捕という概念を失った暗黒刑事。ダークサイドに堕ちたコロンボ。捜査対象は射殺or拉致されると思われる。
何を隠そう大善世界を目指す超人組織の一員である。ユーリカ同様綺麗な表の顔とド汚い裏の顔を持つ。

 

高い攻撃能力と防御能力、そして特殊な状態異常を使う。
普通に殴り合う分には初心者でも扱いやすいが、「正鵠」を正しく運用するとなると上級者向け。特性を理解し、いつ出すかを考え、移動フェイズのセオリーを知り、誰を狙って誰を狙わないのかを覚える必要がある。
基本的には中遠距離が得意距離。ただ防御するだけなら近距離でも戦えるし、「正鵠」を活用するならあえて自分から近付いていく場面もあるだろう。
独特な距離感を有するので慣れるまでは時間がかかるが、一度はまってしまえば味の出る面白いキャラクターである。これを機会に興味を持っていただけると幸いだ。

 

異名の「Commissioner」とは日本語にすると「長官」とか「弁務官」という意味になる。……明らかに「刑事」の異名ではない。
そもそも「刑事」とは大雑把にいうと「管理職でない私服の警察官」のことを指す。しかしクロヴィスは「長官」のような制服を着ており、そして異名の意味するところも「長官」である。
果たして彼は一線に立つ刑事なのか、警察を率いる長官なのか。真相はよくわからない。
が、切り口を変えて「弁務官」として捉えると違った意味が見えてくる。
「弁務官」とは「上の立場の国から派遣された、現地人を指導する官吏」のことである。これを超人組織の一員であることを踏まえてみると、「今の世界を大善世界の価値観のもと、指導する管理者」という解釈が可能になる。

 

追跡する夜鷹

MOV/近・中/特1↑移1↑
移動力+1
対戦相手を「正鵠」状態にする
イニシアチブ取得時、相手が既に「正鵠」状態ならば未標的のキャラクターに交代させる

  • ギュスターヴ同様三つも効果のある我がままな技。クロヴィス独自の特徴を活かしたいならこれが起点となる。ただし発動できるなら発動すればいい、というわけではない。
  • 「正鵠」はとても扱いの難しい状態異常である。それ単体では何のメリットもなく、クロヴィスがスキルを使うことでのみ効果を発揮する。特に大切なのが「誰に付与し、誰に付与しないのか」。少々長くなってしまうが解説したい。
  • まず「追跡する夜鷹」と「正鵠」について。これは第一~三すべての効果に関連する。まず「正鵠」の付いてない相手には「正鵠」が付与されるのみ。既に「正鵠」状態の相手には、イニシアチブ取得時のみ強制チェンジが発動する。移動力が増加されることもあり第三効果を狙うことは難しくない。相手のキャラクターをすべて見ることも可能である。ただし、「正鵠」状態のキャラクターが量産されることは忘れてはいけない。
  • 次に付与するべき相手、そしてタイミングについて。クロヴィスは初手から出しても戦っていけるキャラクターである。が、「正鵠」を最大限に利用するなら最適なタイミングが来るまで表に出してはいけない。何故なら「正鵠」は狙った相手を確実に落とすための状態異常。では、その狙うべき相手が誰なのか。それは相手のデッキを一通り見なければ判断できないはずだからだ。クロヴィスの存在がばれて、相手の守りたいキャラクターを隠されては「正鵠」の特長を活かしきれない。第三効果でひたすら漁っていく手もないではないが、それだけ長時間出ずっぱりでは「正鵠」を付けるだけ付けて結局何もしないままクロヴィスが落ちる、という本末転倒な事態も予想されてしまう。しかも目論見が成功したところで、「正鵠」付与者の量産は『標的を狙い撃ち』という長所がなくなることを意味する。「終局の烈弾」を発動できるなら結果オーライかもしれないが、そこまでの労力とリスクが大きすぎて現実的ではない。
  • 最後に移動フェイズの行動について。つまり前進・後退・ステイ・チェンジについて。まず第三効果が発動しない=「正鵠」のない相手に発動した場合。これはその相手が狙いたいキャラクターなのか、発動距離が近距離・中距離どちらなのかで変わってくる。
    • 狙いたいキャラクターであった場合は後退でいい。なぜなら相手が何をしようが、「正鵠」が付いた段階でそのキャラクターが標的になったからだ。聖水があったとしても、移動フェイズに付いた「正鵠」を解除するにはそのまま表に出続けている必要がある。なので相手が移動に勝って近距離に行かない限りクロヴィスの高火力にさらされることに変わりない。
    • 次に狙う必要のないキャラクターだった場合。これはそもそも「追跡する夜鷹」を発動しない方がいい、というのが実際のところになる。だが第三効果を狙い二ターンかけてでも表に出したいキャラクターがいるなら実行することもあるだろう。そういう時はステイ・チェンジ、あるいは相手が近距離特化型にチェンジしないことを読めたなら前進するのがいい。
    • 発動距離が近距離のとき。相手控えに不明な枠があるなら、推理と運が必要になる。たとえば遠距離型二人を既に見ているなら、最後の一人は近距離特化の可能性が高い。その場合はそもそも「追跡する夜鷹」を発動すべきでない。近距離に留まっても、遠距離に逃げても、どちらにせよ対応したキャラクターが出てくるだけだ。ここでのベターな行動は「追跡する夜鷹」のフェイントをかけ、移動1で中距離にすることである。
 

霊幻の剛弾

ATK/中・遠/銃4↑
ATK+8,攻撃成功時に「正鵠」状態の相手全員にダメージを等分して与える(切り上げ)

  • 「正鵠」の数により火力、控えへの狙撃、敵複数への全体攻撃と姿を変える技。
  • 相対している相手キャラクターを吟味する必要がある。例えば防御力の高い控えキャラクターに「正鵠」があり、防御力の低いキャラクターが相対しているならこの技の価値は計り知れないものになる。逆に「正鵠」の付いた打たれ弱いキャラクターを守りの固いキャラクターがかばうような形になると大して意味のない技になる。
  • 複数攻撃は相手のパーティー全員が守りに難のある構成だったとき、非常に優秀な攻撃になる。ただし一人でも守りに長けた者がいると、苦労してダメージを通しても小さな成果になってしまいやすい。
  • つまり理想は「固い相手に正鵠を付け、やわらかい相手に霊幻の剛弾を放つ」ということになる。
 

惑わしの一幕

DEF/全/盾4↑無1↑
DEF+4
相手のドロップカードの中から、自身が指定したカードタイプを1枚まで無効化する

  • 相手の提出したカードの内、こちらが指定したカードタイプ(剣、銃、特殊、移動のどれか一つ)の中から一枚を無効化する(提出しなかった事にする)。提出カードに干渉するタイプの中でも最高峰の性能を誇る。
    • ただし、盾を無効化する事は出来ない。なので例えばレタが「ローエングリンの扉」を盾のみで発動した場合は防げない。極端な例だが念のため。
  • 盾4以上と盾以外のカードタイプ1種類で発動する。ただし盾以外のカードタイプを2種類以上出すと発動しない。
  • 複雑な条件、必要枚数の多いスキルに対し絶大な妨害効果を見せる。一方で単純な条件のスキルを防ぎきるのは難しい。
    • 例えばルディアの「ヴィルベルリッテル」(銃4↑、剣1↑、特1↑)などはよほどのことがないと発動できなくなる。だが「フォイルニスゼーレ」(剣3↑)は数値3以上の剣が二枚提出されていれば必ず発動する。
  • 副産物として相手に必要以上のカードを提出させる心理的効果がある。攻撃スキルの発動条件となるカードを守るため、あるいはどのカードを無効化されても確実にスキルを使うため、本当なら手札に抱えておきたかったであろうカードや上下逆に出したかったであろうカードを望まぬ形で提出させるのだ。正に『惑わし』の一幕である。
    • 別の表現をするなら『最低条件でのスキル発動を許さない』と言い換えられる。
 

終局の烈弾

ATK/遠/銃5↑移1↑
「正鵠」状態の相手全員に3ダメージを与える
対戦パーティ全員が「正鵠」状態のとき、全員に1のダメージを追加

  • 「正鵠」前提の直接ダメージ技。「霊幻の剛弾」の問題点であった、相対者が防御自慢という状況をクリアできる。こちらはダメージが等分されないので「正鵠」状態の標的は多ければ多いほど良い。
  • 第二効果は非常に条件の厳しいロマンである。何故なら条件の「パーティ全員」には既に死亡しているキャラクターも含まれるためだ。三人全員に「正鵠」を与えてなおクロヴィスが生き残っている、という状況はそうそう狙えるものではない。
 

イベントカード

実に悩ましい。
銃3、移1、盾3(2?)、特1と、剣カード以外のどれもが候補に挙がる。
「追跡する夜鷹」と「終局の烈弾」を多用するタイプなら移がいいだろうか。それともとにかく長時間場に留まる必要があるため盾にすべきだろうか。
「惑わしの一幕」に期待するならもちろん盾だが、その効果で弾きたいものとして特1を入れて、ついでに「追跡する夜鷹」の安定発動を狙うのもいいはずだ。
いやしかし、そもそもアタッカーなのだから「霊幻の剛弾」のためにも銃3にすべきではないのか。
……と、どれが良いと断言することができない。
何度も戦うことで自分のスタイルに合ったものを選んでほしい。

 

組み合わせキャラクター

クロヴィスは相手の陣容を知ることが大事なのは既に述べた。それは彼自身がやるべきではないとも。
そこでおすすめしたいのはアスラ。あるいはビアギッテと全体攻撃を持つキャラ(コッブなど)の組み合わせ。もしくはイデリハのようにひたすら引っ掻き回せる者。
彼らが暴れ回ることで早々に相手デッキの構成を見抜くことが重要になる。

 

クロヴィスを全体攻撃要員にするなら、同じく『活かさず殺さず』の控え攻撃を得意とするキャラを集めると良い。
上手くすれば絶大な削り能力を見せてくれるアリアーヌ、傷付きながらダメージをばらまくフロレンス、着実にダメージを積み重ねていくブロウニング、ダイスダメージに対して滅法強いメリー

 

始めからクロヴィスを大将に据える場合は手札増強や麻痺を与えられる者との連携が強い。
ウォーケンネネムの最大手札+1は「惑わしの一幕」を著しく強化し、「終局の烈弾」の発動を易しくしてくれる。
レオンなら「影撃ち」を成功させつつ「反撃の狼煙」で倒れながらクロヴィスに場を譲ることで、その後の展開を有利にしてくれるだろう。

 

同じ超人組織のギュスターヴユーリカと組む場合は防御能力と役割分担に長けた構成になるだろう。
攻撃自慢には「詛呪」、防御自慢には「正鵠」と、それぞれ受け持つ相手を決められるといい。
またギュスターヴとユーリカの相性があまり良いと言えないが、ユーリカとクロヴィスの相性は結構良い。
不要な相手に付けてしまった「正鵠」をユーリカさんにせっせと解除してもらうことが可能だ。無論、外したくない「正鵠」持ちがユーリカの前に出てくることもあるだろうが、そういった手合いは容赦なく殴って、あわよくば攻防二倍で粉砕してもらおう。そもそもそれは倒したい相手だったのだから、殴るのにためらう理由などない。