ヴォランド

Last-modified: 2016-12-19 (月) 15:36:54

ヴォランド

「特殊の秋」という触れ込みで、ジェッドR4の実装、クレーニヒR4の強化と同時期に実装されたキャラクター。正義を志す御曹司。
「正義」と言うと熱血な王道主人公を想起させるが、ヴォランドの戦法は相手をじわじわと消耗させ、行動を制限していくという王道とはかけ離れたものである。

 

特殊の秋と言うだけあって、ヴォランドは全てのスキルに特殊カードを必要とする。しかもその中には、特殊を一度に9必要とするスキルまである。全てのスキルをひっくるめても類を見ない要求量である。
スキルの発動以外に効果を持たない特殊カードにそれほど依存しているだけあって、その効果は非常に強力である。固定ダメージを中心に相手を少しずつ追い詰めていき、手詰まりに追い込むのがヴォランドの基本戦法であり、全てのスキルが全距離に対応し、HP回復をも備えていることでズバ抜けた安定感を誇るハイコストキャラである。スキルに2度に分けて3ヶ所の弱体化修正を受け、それでもなお現役という元バランスブレイカーでもある。
強力なキャラだが、単純に攻撃力の高いキャラなどと違って即効性のある強さではなく、立ち回りは堅実さを要求される。特に、ターンの終わりに手札に温存するカードについてはよく考えて選択する必要がある。相手キャラの性能や場の状況を考慮して行動を変える中~上級者向けのキャラである。

 

余談だが、ヴォランドの立ち絵及びカットインでは後ろに人型のものが浮いていて、ヴォランドと連動して行動をしている。どう見てもスタンドである。ちなみにちゃんと名前が付いており、ヴォランドの意思に従って動くようである。ますますスタンドである。スキルに「ザ・○○○」という名称がついているのも、どこぞの時を止めるスタンドを彷彿とさせる

 

ザ・ギャザラー

MOV/全/特3↑
対戦相手のHPを1吸収,自身がこのフェイズで使用した全てのカードを回収する

  • 移動時に、HPを1吸収しつつ使ったカードを全て回収するスキル。元手こそ要るが、発動すればカード消費はゼロで、HPに2の差を付けるおまけが付いてくる。利点だらけのとんでもないスキルである。
  • ヴォランドはこのスキルを常に発動することが基本になる。特殊カードを1枚温存するなどして、必ず発動できるようにしよう。
  • 後述するザ・ドリームの効果の関係上、ヴォランドは基本的に先攻が有利なキャラである。このスキルの効果では提出した移動カードも返ってくるため、銃/移動や盾/移動のカードを惜しみなく使い、高数値の移動カードをとっておくこともできるので、移動力補正が無くともイニシアチブを非常に取りやすい。
    • また、移動のブラフも手札を消費しないため好きなようにできる。
  • 固定ダメージを中心に戦うキャラとしてのヴォランドにも利点がある。ヴォランドのスキルにおける固定ダメージは、量を相手が任意で調整できるものなので、やや決め手に欠ける(といっても十分過ぎるくらいにはあるが)。もたもたするとHPを回復され、せっかく追い詰めた甲斐が無くなるということになってしまいそうだが、ザ・ギャザラーはその事態を防いでくれる。毎ターン実質ノーコストでHPを1奪うこのスキルがあれば、相手が移動時に回復して態勢を立て直すことを妨害し、有利な状況を維持することができるのだ。
  • また小さめの固定ダメージ中心で戦う性質上、ヴォランドは長期戦を要求されるキャラなのだが、通常のHP回復を合わせると毎ターンHPを2回復できるため、耐久、ダメージを受けた際の立て直しにも役に立つ。
  • 移動時に手札を奪う・破壊するといった効果のスキルに対しては、カードを全て出しながらザ・ギャザラーを発動し、手札を一時的に空にすることで回避することができる。ただこの時は手札の内容が相手に見えてしまうので、そのターンに出来る行動がバレてしまうことには注意。
  • キャラを交代してヴォランドが場を離れてもカードはちゃんと返ってくるので、移動カードを手札に温存しながらイニシアチブを取りつつ交代という動きもできる。
  • HP吸収効果で相手を倒したとしてもカードはちゃんと返ってくる。至れり尽くせりである。
  • ただし、チャンスカードや聖水などの、出した瞬間に消費されるタイプのイベントカードは返ってこないので要注意。
  • これだけのメリットが揃っていながらデメリットがほとんど無しという優秀なスキルなので、条件を満たせず発動出来ないのはあまりにも勿体無い。多少手札の回転が悪くなろうとも、手札に十分な特殊カードをとっておくようにしよう。
  • R2では条件が緩和され、より安定して発動できるようになった。
     

ザ・ジャッジ

DEF/全/防2↑特2↑
DEF+3,対戦相手の攻撃力の1割分、対戦相手にダメージ

  • 防御しながら、相手の攻撃力の十の位と同じだけのダメージを相手に与えるスキルである。
  • 本来守るだけの防御フェイズに相手にダメージを与えることができるスキルであり、その量も少なくはあるが安定している。
  • それだけ見ても便利だが、このスキルの真価は相手に高数値の攻撃を躊躇させられるというところにある。
    • 余分にダメージを受けたくない相手は、予め攻撃力を効率の良い値に抑えることが多い。具体的には、19や29などの、同じダメージを受ける内で最も高い数値、または有効なスキルを発動できる最低限の数値である。
      そのように調整をした時、相手は全力ではなくやや抑制した攻撃力で攻撃を行うことになる。そこで生まれる差がこのスキルの実質的な防御力として機能するのである。
    • また、相手のHPがザ・ジャッジのダメージで死亡し得る段階に入ると、その威力は決定的になる。ザ・ジャッジではダイスロールより先にダメージが入り、そのダメージで死亡した場合ダイスロールが行われずに交代することになるため、相手は固定ダメージでHPが0になるような攻撃力を出すことができない。ヴォランドがダイスによって致命的なダメージを受けることを防ぎつつ、窮地に陥った相手に対してはそもそもの反撃のチャンスを奪ってしまうことができる。
  • 攻撃側が先に提出するというシステムの関係上、ヴォランドの手札が2枚ありさえすれば、相手からすると「ザ・ジャッジを発動できる可能性がある」ということで、これらの抑制効果が発揮される。手札が足りないために実際には発動できないとしてもそれは変わらない。「スキルの存在そのものに意味がある」ということである。
    • とはいえ、ヴォランドは長期戦に持ち込んで相手を消耗させる戦いをするキャラなので、身を守るための防御スキルであるザ・ジャッジはできるだけ実際にも発動するべきである。ハッタリを続けていると看破されて痛手を被ることになる。
    • ザ・ギャザラーで回収したカードと攻撃に使ったカードから、相手が残っている手札をある程度推測できることにも要注意。ザ・ジャッジを活かすならザ・ギャザラーでカードを不用意に出しすぎない方が良い。
  • なお、防御力の補正そのものは高くない。潤沢なHPを持ち、高い攻撃力を叩き出せるキャラクターに攻められると、少しのダメージを対価にあっさり倒されてしまうので注意が必要である。ワンチャンスでやられないよう相手のデッキ構成を見極め、そういったキャラの得意距離から逃げるなどの対策を講じよう。
  • R3では防御力補正が上昇し、純粋な耐久力が強化された。その代わり条件は少し重くなっている。
     

ザ・ドリーム

ATK/全/剣2↑銃2↑特3↑
ATK+対戦相手の提出したカードの枚数×4,対戦相手の手札の数×1ダメージ

  • 相手の提出しているカードの数に応じた攻撃力と、相手の手札の数に応じた固定ダメージを同時に繰り出す攻撃スキル。
  • 相手がカードを提出しないと攻撃力が上がらず、相手が手札を持っていないと固定ダメージが発生しないが、この2つの効果が重なるとその威力は一気に跳ね上がる。相手は手札を出せば攻撃力が上がり、それを避けて手札を残せば固定ダメージを受けるというジレンマに陥ることになる。
  • それぞれの数値も決して低くなく、相手が盾3カードを提出しても期待されるダイスダメージは減らない。それ以下の数値のものになると、カードを出せば出すほど期待されるダメージがより大きく増加する
  • 固定ダメージの方は、次のフェイズで何かしらの行動をしようと相手がカードを1枚残すだけで1ダメージが入る。3種類のカードが必要なスキルを発動しようと考えれば最低でも3ダメージと、他のフェイズにもダメージを与えてくるヴォランドの相手にとっては苦しいダメージ量になる。
  • どちらを選んでもダメージを受けることになる以上、一見相手は対処しようが無いようにも見えるが、実際には対策が存在する。「移動フェイズや攻撃フェイズのうちにカードを消費しておき、ザ・ドリームを受ける防御フェイズの時点で手札を最低限の分しか持っていないようにする」という対策を講じればザ・ドリームによるダメージを抑えることができる。もし相手の手札が0枚であれば、ザ・ドリームは一切何の効果も持たないスキルになってしまう。そうでなくても、ザ・ドリームによる攻撃力を上回る防御力を得られるように手札を残していれば、相手にとって大した痛手ではなくなる。
  • このように、条件が重い割に対策されやすいスキルだが、その対策を踏まえた上でもこのスキルは更に強みを持つ。それは「ヴォランドがイニシアチブを取っている」状況においてである。
  • 相手側がイニシアチブを取っている時、相手は攻撃に全てのカードを費やせばザ・ドリームの効果を受けない。しかし、ヴォランド側がイニシアチブを取っている時、相手は攻撃に使うカードを残すと固定ダメージを受けてしまう。かといって防御用のカード以外を移動フェイズで捨ててしまえば、今度はヴォランドを攻撃できない。相手は固定ダメージを受けてでも攻撃をするか、攻撃を諦めてダメージを減らすかという新たなジレンマに陥るのである。ザ・ギャザラーの項で書いた「先攻が有利」とは、この理由によるものである。
  • また、こちらもザ・ジャッジと同様に、HPが残り少ない相手に対して発動すると強力である。相手はキャラが死亡しないように手札を捨てることを強制され、たとえ捨てたとしてもダイスダメージで倒されないという保証さえない。
  • 攻撃フェイズの仕様上、相手には防御カードを提出する前に発動の有無が分かるため、ザ・ジャッジと違って直接的なブラフはかからない。しかし代わりに、このスキルを対策する行動である「移動フェイズに低数値のカードを捨てる」という行為が結果的に相手の行動を制限することに繋がるため、こちらも「スキルの存在そのものに意味がある」と言える。
  • ただし、ただでさえ特殊を大量に使うヴォランドにとって、特殊3と他2枚以上を攻撃に使うのは荷が重い。強力なスキルではあるが、イニシアチブを取れた時のみ、特に相手の手札を減らしたいタイミングや、相手のHPが残り僅かな状況で使うようにするのが良いだろう。
  • R4のExでは、攻撃力補正が×5になった。実はこの効果、最初の下方修正以前の補正に戻っただけである。しかも条件の下方修正は戻っていないため、Exでありながら実装当初のLv5より弱いという奇妙な状態になっている。
    性能としては、防御力で対抗しようとする相手へのプレッシャーが強まった形になる。強化としては控えめ。
     

ジ・ワン・アボヴ・オール

MOV/全/特9↑
対戦相手の手札を全て奪う,自身に最大HPの半分ダメージ

  • 相手の手札を全て奪い、デメリットとして最大HPの半分だけダメージを受けるスキル。
  • 特殊を最も大量に必要とするスキルであり、Unlightにおける最強のスキルの一角である。
  • カードを全て奪うと、相手はそのターン中には一切行動することができない。攻撃も防御もできないため、ヴォランド側はやりたい放題である。
  • 特殊は9必要だが、ザ・ギャザラーで全て返ってくるため連発は容易である。
  • 自身へのダメージは最大HPの切り捨て半分であり、ザ・ギャザラーの回復より後なので、実は最大HPが9のL5ではHP3の状態からステイしつつ発動すれば生き残ることができる。
  • また、通常はHPが減ると相手に倒されやすくなるが、相手が手札を奪われて行動できないので、1ターンは確定で生き延びることができる。
    • これらの理由で、最大HPが9なら満タンから3連発も簡単にできる。
  • ただしヴォランド自身の攻撃ステータスは高くないので、手札を奪っても出来ることが少ない。
    • 相手の手札が0枚なのでザ・ジャッジやザ・ドリームの効果が無意味なことにも注意。
    • また、ヴォランドとの戦いにおいてはザ・ドリーム対策のために不要な手札を移動フェイズの内にできるだけ捨てることが多く、そうなるとジ・ワン・アボヴ・オールによって奪える手札が少なくなることもあって、他のスキルとはあまり噛み合っていない。
  • 最も効果的なのは、相手が強力な手札を揃えて全力を出そうとするターンを潰す緊急回避としての使い方か、控えと交代して奪った手札を活用する支援としての使い方だろう。特に後者では、火力の高いキャラを使えば相手を1人安全に倒してしまうこともできる。
  • 最強のスキルと書いたが、実戦ではその条件のためにそもそも発動が困難である上に、発動すると自分のHPを多く削ってしまうので、無理に発動を狙って得をするようなスキルではない。相手が行動を起こすタイミングを見極める必要があることもあって、的確に使いこなすのが大変な上級者向けのスキルである。
  • なお、スキル名は最初が「ジ」となっているが、"the one above all"を英語で発音すると最初は通常「ザ」である("one"の綴りは母音で始まるが、発音は/wʌn/と母音始まりでないため)。
     

イベントカード

最も多く消費する特殊が最適だが、移動を入れるのも良い。最適なのは特殊1/移動1だろう。コストが上がっても良いならば、紫枠を持つキャラと組んで高数値の移動イベントカードを入れ、戦闘中にそれを温存し続けるのも手である。

 

ヴォランドと他キャラクターの相性

ヴォランドは基本的に1人で完結した戦法をとっているので、組み合わせの選択肢は広い。全距離で動けるので、どの距離を担当させることもできる。ザ・ギャザラーで移動フェイズに消費したカードが返ってくる上に、キャラチェンジからヴォランドを出すと相手は対策が間に合わないので、キャラチェンジ中心の動きも容易にこなせる。
特殊を多く使う以上、手札が多く欲しい3人目向きの性能ではあるので、組ませる相手は1~2人目の状態で戦えるキャラが良いだろう。
HPが減った相手に対して有利なので、ブロウニングルートポレットなどの相手デッキ全体にダメージを及ぼせるキャラは相性が良い。特にポレットが付与できる「断絶」との相性は抜群である。
また、手札に特殊が足りない時に、代わりにダメージを受ける要員としてレオンアインを入れておくと動きやすい。
移動カードを手札に温存したままイニシアチブを取れるので、先攻向きで移動カードを使うスプラートなども使えるかもしれない。
ジ・ワン・アボヴ・オールを考慮するなら、シェリロッソビアギッテなどのハイリスクハイリターンの高火力キャラを用意すると一層チャンスが増える。
ただしコストが高いため、使うとなるとヴォランド自身のレベルより格上の相手と戦うことになりやすい。ハイレベルな戦いを覚悟して、相応のデッキメンバーを揃えておこう。

 

加筆修正等あればご自由に。