アラドストーリー

Last-modified: 2011-06-09 (木) 20:22:12

アラド=人生
この式の通り日常を惰性で過ごしてもなにもおもしろくありません。アラドもまた然り。惰性で狩りや金稼ぎしてもそのうち作業感に蝕まれ死んでしまいます。
アラドはストーリー構成がしっかりしており、Lvごとに入場するDにもバックストーリーや行く意味がちゃんとあります。
下記にLv1~Lv70までのストーリーと今後実装される3次異界のストーリーも入れるのでこれを読んでよりアラドライフを楽しめよ。っていうか読め。


バックストーリー:冒険者登場前
 

その昔、アラドと別の次元にテラという惑星がありました
超高度の文明を持っていた彼らは、次第に利己的になり、事態は悪化し
結局は惑星が破壊される事態になってしまいます

 

しかしヒルダーの力でテラの都市(現在の魔界)は破壊されず、異空間をさまようことになります

 

気の遠くなるような年月を経て、魔界にはいろいろな強力な生命体が住み着くようになります
魔界はあちこちの次元に結着し、その都度新しい「強力な生命体」が魔界に降り立ちました
ヒルダーは自分を含めるその生命体を使途と呼び、使途は魔界では
恐れと尊敬の対象になりました。

 

魔界がアラド大陸に結着したとき、そうでなくても混乱状態だった魔界は
その頂点に達します
今より1000年前、第九使途バカルは魔界で生命樹を得るため戦争を始めました。
この戦争でヒルダーは他の使途と力を合わせ、バカルを撃退します(龍の戦争)
この戦争に敗れたバカルはルークの作った塔で天界に逃げ延びます。

 

バカルは自身の強力な力と光の軍勢で天界を占領し、魔法禁止令を宣布します。
これにより天界では機械文明が発達することになりました。
アラド大陸との唯一の通路である天城にはジグハルトを配置し、その交流を断ちました
このアラド大陸と天界が分離されたのがアラド歴元年です。
一方魔界ではバカルを使途から除名し、ルークが第九使途となりました。

 

一方、アラド大陸では戦乱の渦がうごめいていました。
今より800年前、アラドにはペルロス帝国がありました(今のデロス帝国)
ペルロスには「カザン」と「オズマ」という猛将がいました。
彼らは実に大したもので、その二人でアラド大陸を統一できるとも言われていました。
バカルがアラド大陸支配のため送った「狂龍ヒスマ」をその二人が難なく倒したほどの実力です。
しかしペルロス帝国は彼らに恐れを抱きました。
彼らが反乱を起こしたらどうなる。われわれに防げるのか。
結局、帝国はその二人を暗殺するという最悪の選択をすることになります。

 

カザンが反乱を起こしたという知らせを聞いて到着したオズマは、いきなり帝国軍に囲まれ
処刑場で処刑されることになりました。
自分の権力を恐れた帝国により自分の家族、恋人までも無残に殺されたオズマは
強力な怒りに包まれ、己に近づいた死神の取引を承諾します。
自分の霊魂を売り渡し、世界を滅亡する力を持つ「混沌の神」オズマが誕生したのです。

 

彼は血の呪い(人間を偽装者に変える呪い)をかけ、人間と戦争を始めます。
オズマは、自分と同じく人間に謀れ、両手の腱を切られ追放されたカザンに向かい
彼の命を召し取り彼を「消滅の神」にします

 -お前は消滅の神になれ。俺は混沌の神となる -
オズマが、カザンへ

 

オズマは自分の親友であり、消滅の神であるカザンに「世界を滅亡させる」ことを提案します。
しかしカザンはその申し出を断り、鬼となって大陸をさまよい始めます。
この頃から「カザン症候群」という謎の病がアラド大陸に現れました。

 

オズマの起こした血の呪いは、人間をお互い不仲にさせ、不信にさせました。
このとき、先天的に偽装者を見分けることが出来るプリーストの始祖と言える者共が現れ
偽装者を倒します。
このプリーストを束ねた人物が最初の啓示を受けた聖者、聖眼のミカエラだったのです。
プリースト達は組織的にオズマに立ち向かい、オズマに対抗して黒い大地で戦います
そして数々の犠牲を払い、オズマを次元の隙間に封印することに成功します
後の黒い聖戦と呼ばれた戦闘です。

 

オズマを次元の隙間に封印したミカエラは、ベルマイアに大聖堂を建て
残った血の呪いに対抗するため武器を使った戦闘法と自分が考案した神撃拳をプリーストに伝授します。
長い時間がたっても少年の姿だとされたミカエラは、ある日忽然と姿を消します
オズマにより取り返すの付かないダメージを受けたペルロス帝国は滅亡へと向かい
数百年後、デロス帝国が建国されます。

 

一方、バカルの支配下に置かれていた天界は科学文明が発達し、
それにつれ「反バカル勢力」が芽生えてきます。
そのうちのひとつが、7人のマイスターによるコードネームゲイボルグプロジェクトです。
7人の天才メカニックがバカルに対抗するため秘密兵器を開発しましたが、
最後になってリーダーであるマイスターテネブの裏切りにより計画はバカルに露呈します。
自分に抵抗するものは皆殺しにするバカルによりマイスター全員が死亡、または失踪しましたが
クリオはかろうじて生き残り、次元移動装置に自身の研究成果を託します。
この研究成果を利用して、一部ではありますが「ゲイボルグ」を使える存在となったのが
現アラド大陸のマイスターです。
ゲイボルグプロジェクトは失敗におわりましたが、この事件は人々に大きな反響を起こし
結局バカルは天界人の機械革命の際、死亡します。

 

バカルが死んだ際、その魔力は暴走し、天界はイートン、ノースピース、無法地帯に分かれることになります
バカルの城は天界から離れ、浮遊することになりますが、これが浮遊城です。

 

数百年後、天界人は天界人同士で争うことになり、これによりたまにではありますが
天界人がミドルオーシャンに落ち、そのうちの一部は生き残りアラド大陸で生活することになりました
彼らは自身を「ガンナー」と称しました。

 

アラド大陸は砂漠化が進んでおり、これをみかねた賢者マイアーは
砂漠の地の上に魔方陣を敷き、その上に都市を建設します。そしてその名を
「ヘンドンマイアー」と称します。 白色が大好きだったマイアーは都市を白で彩りました。
この都市を中心としてベルマイアーという国家が設立します。これが500年前の話

 

時は流れアラド暦977年
第五使途「シロコ」が悲鳴洞窟に転移します。
悲鳴洞窟に元々すんでいた古代の蟲であったヌゴルはシロコの魔力で破裂し、抹殺されましたが
黒妖精はこれをヌゴルの暴走と勘違いし、調査団を派遣しベルマイアー公国にも助けを要請します
これにより一組の剣士(有名な4人のウェポンマスターとバーサーカーのロキシー)が悲鳴洞窟へ向かいます
悲鳴洞窟での熾烈な戦いの末、シロコは倒されますが
その後もアラド大陸は原因不明の使途転移現象に悩まされ、世界は混沌へと進んでいくのです

 

ここまでが冒険者が登場する前の話

メインストーリー:ロイエン~天城
 

アラド暦985年
転移により妖精達の住処であったグランプロリスの動植物がどんどん凶暴になっていきました
そんな中、グランプロリスでは大きな山火事がおき、この事件以来妖精は見かけることが出来ず
凶暴な動植物や転移による異生命体による死の森に変わっていきます

 

人々はこれら動植物や異生命体をモンスターと呼び、恐れおののきました。
このときよりこのモンスターと対峙するため自身を鍛錬する「冒険者」が
歴史に多数登場することになります。
一方、魔界では「ケイト」というサモナーがヒルダーにアラド大陸は豊かな場所であることを伝え聞きます。
ケイトは魔界もそのような豊かな場所にしたいと考え、数十年の歳月をかけ
魔界のごく一部ではありますが、豊かな場所を創造します。これをセントラルパークと呼びます。
ケイトは魔界全体を豊かにしたいと思い、それにはアラド大陸の人間の手助けが必要だと
考えた結果、魔界のメイジをアラド大陸に「逆召還」しました。

 

一方、グランプロリスの大火災により、魔方陣は消滅し天城が見えるようになりました
1000年前、アラドと天界をつないでいた天城の存在に冒険者達は興味をそそられ
天城を通じて天界へ上るためウェストコーストに集います。

 

アラド暦986年
デロス帝国の皇帝ヘルムの乱心により、ベルマイアー公国はデロス帝国に占領されます
このとき公国は冒険者達の力を借りるため、秘密伝令であるバケンを派遣し
密使でるダンジンを送り込みます。

 

一方、黒い大地に封印されていたオズマはまた血の呪いを人間にかけ始めました。
転移によりできた隙間を活用し、「悪魔」と呼ばれる存在、コスモフィンドを
アラド大陸に送り込みます。これらはヘルモンスターと呼ばれ、冒険者の行く手をさえぎるそうになりました

 

オズマの再活動を受け、プリースト集団も動き始めます
アラド暦993年のことです。

 

アラド暦994年、天城最上フロアにて天城を守護していたジグハルトが冒険者達の手によって倒されます
が、バカルの強力な魔法結界により天界へ進むことは出来ませんでした。

メインストーリー:ベヒーモス~悲鳴の洞窟
 

黒妖精の飛行艇に乗りベヒーモスへ向かう冒険者達
ベヒーモスの背中には数々の古代遺跡があり、この遺跡を探索するため
レスリーベイグランスという学者がここに調査に向かい、そして居住することで
ベヒーモスの存在はアラド大陸に明らかになりました。その後、結構な数の人間が
ベヒーモスに移住し、学問探求の要素の強い宗教団体であるGBL教団が設立されました。
問題はこのベヒーモスに第八使途、ロータスが転移してからです
魔界海洋の支配者だったロータスは海の上で冬眠中だったベヒーモスの背中に転移され
その直後ベヒーモスが冬眠から目覚め、空に飛んでいったためその場所から離れることができませんでした。
ロータスはベヒーモスの信徒を精神支配し、その体に卵を植えつけました。
オフィーリア(レスリーベイグランスの子孫)は、かろうじてその生き地獄から脱出し
冒険者にロータスの撃退を依頼、アラド暦995年にはロータスは冒険者に撃退されその命を落とします。

 

天界では他の使途、アントンが転移の犠牲となりました
(普通、使途はその意思とは無関係に転移され、使途が人々に及ぼす悪影響は
使途が生き延びるためのことで、悪意をもってやったわけではないので使途も犠牲者といえるでしょう)
アントンは天界の発電施設であるパワーステーションに転移されます。
アントンとしては魔界の発電施設も天界の発電施設も変わらないモノだったので
すぐさまそこに住み着きエネルギーを吸収し生きています
アントン本人はアラドでの生活の基盤を確保できたわけですが、天界では電力不足により
すべての防御施設が無効化され、結果的にカルテルの侵略を許してしまう契機となってしまいます。

 

一方、ヘンドンマイアの錬金術師ギルド長であるロトンは、グランプロリスを調査中
闇のサンダーランドのゾンビは過去に失踪した妖精であることを突き止めます。
(しかし、これはその後この事実をもみ消そうとする帝国の手先によりすべての資料が抹消される)
同時に、転移の影響でバントゥの地にいる冷龍スカサが予定より早く目覚めてしまい
バントゥ族はスカサから逃げるため、帝国に侵攻することになります
これに対して帝国は冒険者を派遣し、一定の土地をバントゥ族に与えることで
不可侵条約を結びます

 

また、転移現象により古代ビルマルクで眠っていた人工物が暴走し、
黒妖精を長年苦しめて、封印されていた死龍スピラッチが復活
またシロコにやられ絶滅されていたとされる悲鳴洞窟のヌゴルも復活し暴走することになります

 

この頃からアイリスがアラド世界でいろいろなことを行いますが
いつ、どこから現れたかは定かではありません。ただ、本人の口からは
「数百年間人間を見守ってきた」と言っています。

メインストーリー:ノイアフェラ~スカサの巣
 

同じ年、黒妖精の村のノイアフェラに伝染病がはやりました。
占い師であり、黒妖精との仲もよかったアイリスはこの伝染病は人間の仕業だと
言い、憤怒した黒妖精の元老は人間と戦争を行おうとします。

 

しかし黒妖精の女王のメイアは正しい事実関係を把握するため、クロンターを伝令に出し
またベルマイアー女王は戦争の気運を察知してこれを防ぐためバケンをアルフライラに派遣し
そこに駐屯地を作り冒険者を招集します。
このような努力にもかかわらず、過激な黒妖精の元老により996年、黒妖精と人間の戦争が勃発します。

 

997年、ベルマイアーの小都市ノースマイアでも伝染病が流行し、村が全滅する事件が起こりました。
調査のため都市を偵察したところ、死体もなにもなく、そこに残っていた
狂う寸前の盗賊団、そして都市の深部の証拠よりこれはディレジエの仕業ではないかと思うようになります

 

ディレジエの手がかりを探し出した冒険者はクライムバッファロー盗賊団によって
悲鳴洞窟がふたたび掘り起こされたことを知り、悲鳴洞窟を調査した結果
非常に凶暴に変化した古代蟲のヌゴルを発見します。
その異常にライナスは手を打つ必要性を感じ、アガンゾを呼ぶことを提案します。
しかしアガンゾは冒険者を無視し、自分と同行したくば腕を証明してみせろといいます
過去にロキシーを守れなかった罪悪感からでしょうか
シロコの残留思念、彼女の怨恨とスカルケインを倒し、アガンゾに認められた冒険者は
ヌゴルを倒し、脅威を排除しますが仕事が終わったアガンゾは
再びシュシアの酒場にもどり、ゆっくりと杯を傾けるのでした。

 

一方、戦争を止めにアルフライラに召集された冒険者はアンダーフット入り口にて
守備兵ヘッドレスナイトの静止を受けますが、シャランの手助けで倒しても倒しても
復活するヘッドレスナイトの封印に成功します。
アンダーフットに向かう道を作った冒険者はすべてをクロンターにまかせ、
戦争の原因であるノイアフェラに向かいます。

 

黒妖精の村ではグリムシーカーという謎の団体が使途を光臨させようと儀式を行い、
その過程で次元の亀裂が偶然ノイアフェラに現れ、ディレジエの力がノイアフェラに
一部流出し、その力はディレジエの幻影として実体化され、伝染病を振り撒いていたのです。

 

最近、デロス帝国とペルロス帝国はこういったグリムシーカーの陰謀を食い止める訓練を行うため
「勢力戦」と呼ばれる200年前の戦争を再現するお祭りを開催したと聞きます。

 

ノイアフェラでの激闘の後、冒険者達はバントゥと対立している冷龍スカサを討伐するため
シャルニク山へ向かいます。バカルの分身であり、バカルの3大龍であるスカサは
バントゥと冒険者に討伐され再び永い眠りにつくのでした。

 

このとき、冒険者はスカサがバカルの分身であることを利用し
「スカサの角をもっていればバカルとして認識され、天界にいけるのではないか?」と
思うようになります。その試みは成功し、とうとう天界へ進んだのです。

メインストーリー:ゲント外郭~西部線奪還
 

ゲントでの熾烈な戦闘の末、冒険者はカルテルの魔手から皇都を守ることに成功し、
逆にカルテルに対して奇襲をしかけたり、補給路を断つなど攻勢に転じ
カルテルを撃退することに成功します。

 

そのころ、アルフライラでは異界の亀裂が発生します
驚いた帝国は調査団を派遣しますが、異界の亀裂は非常に安定していたので
入らなければ特に害はないと判断され、ドロシーだけを残し帝国は撤退します。
一部好奇心の強い冒険者は、この異界の隙間から「ゴブリン王国」「ランゼルスの犬」
そして500年前の「うごめく城」などをみつけ、帝国に報告します。

 

ノースマイアの盗賊団を追跡していたバケンは、ノースマイア近くの砂漠に盗賊団がいるとの
情報をうけ、冒険者に撃退を依頼します。そこで冒険者がみたものは
腐りかけながらうごめいている盗賊団の死体とものすごい大きさの昆虫でした。
この巨大な昆虫は人間を養分として繁殖していました。これを新しい危機と感じたバケンは
冒険者に撃退を依頼します。
そこの「植物」も変異しており、人間の夢を植物が吸収することに気づいた
ミネットとアイリスの手助けにより、昔の英雄である「シラン」の夢とともに
昆虫を撃退します。
ヘンドンマイアに戻ってきた冒険者はGSDと本物のシランに出会います。
シランはその昆虫たちに昔の悲鳴洞窟でのヌゴルと同じ気配を感じますが、
GSDは「もうわれわれの時代ではない」とシランを制止し、シランもすべてを冒険者に託し
再び旅へでます。

 

ノースマイアのある鉱山の村で奇妙な事件がおこります。
妖怪がでる。そして村の住人がどんどんいなくなる異常事態にバケンは再び
冒険者に調査を依頼します。
妖怪が出る噂は事実でした。妖怪が出るのではなく、住民全員が妖怪だったのですが。
妖怪になった村人はこういう噂を流し、やってきた人間を食っていたのです。

 

調査を進めていた冒険者は、敵の髪の毛を切り取っても髪の毛が生きている、という奇妙な事実に気づき
ロトンに調査を依頼します。この髪の毛からはこの世のものでない成分が検出されました
バケンはこの村はもう復興不可能と判断し、これ以上被害を増大させることはできないと
この鉱山を廃坑とすることにしました。

 

一方天界では復興作業の真っ最中でした。
カルテルの侵攻によるダメージを修復するため、ゼルディンは海上列車の奪還と
ルフトハーベンの復旧を要請します。
海上列車を奪還することでカルテルの物資をせきとめ、海賊を撃退する任務を託された
冒険者は鋼鉄の鱗海賊団を撃退し、船長であるムサンバニ、艦長であるボティチェリを倒します
アイリスは、ここが冒険者にとって大事な場所になるだろう、と予言します

メインストーリー:苦痛の街レッシュホーン~新異界へ
 

アラド大陸に戻った冒険者
そこでダンジンに大変なことが起きたと知らせを受けます
バケンを尋ねてみると、伝染病が最初に始まった村をつきとめたものの
調査のため送り出した騎士団だ誰も帰ってこないとのこと。
冒険者はその調査に乗り出そうとしますが、アイリスがそれを止めます
そこには使途ディレジエがいる。そのままでは瞬時に体が溶けてなくなってしまうだろうと警告され
ヒルダーの加護を渡されます
レシュポン入り口で溶けかけの騎士団や変異したモンスターを倒し、ディレジエの目の前まで
到着しますが、ここで公爵ユリスが行く手を遮ります。

 

「そうか… そうか…
あの女が言っていたのがお前だったのか…
はは… とうとう俺が死ねる日が来るのか… 死ぬ運命の日が来るのか…
簡単に倒されはしない…
この日が来ることを待っていた…
お前の相手をすることで、俺は巨大な歴史の隅にでも記されるのだから…
しかし… ディレジエ様をこれ以上お守りできぬのは悔しい…
あの女… お前もあの女の掌の上よ…」

 

ヒルダーはディレジエとユリスの危険性を察知し、「二人のなかで一人だけ、
勝利したものが使途になれる」とお互いを戦わせ、ユリスは敗北したのです
冒険者は使途と並ぶ実力を持つユリスを撃退します

 

「ディ… ディレジエ様ァ…」

 

転移の影響で弱体化したとはいえ第六使途のディレジエ
病で体が蝕まれ、血を吐きながらもなんとか勝利します
そしてそれと同時に開く次元の亀裂
驚いた冒険者は次元の亀裂を破壊しようとしますが、ディレジエがあっというまに吸い込まれてしまいます
そして、ディレジエは狂暴に笑いながら叫ぶのでした

 

「じ… 次元の亀裂だと?
ハハハハハ! さすがはヒルダーよ!
俺の死体をどう処理するかと思ったら、こんな手を打つとはな!
次元の亀裂に俺の死体を封印するのか。ハハハハハ!」

 

レシュポンでディレジエを倒したあと、アイリスに言われドロシーに向かった冒険者ですが
ドロシーは気を失い、そこにヒルダーの姿が重なります

「きてくださったのですね… 私はヒルダーと言います
魔界から転移された生命体により大きな混乱があることは承知しております
しかし貴方方のような人のおかげでおおきな災いは防げました…
使途が死ぬか封印されるたび、魔界にも命の息吹が生じているのです
絶望に満ちた世界に希望が芽生えてきているのです。本当に感謝しています
動植物が凶暴化し、鬼手のような現象が起き、次元の亀裂が生じたのはすべて使途の影響です
使途は悪ではないのです。悪ではないのですが…
しかし、彼らを撃退することで我々の犠牲が減らせるなら、彼らは十分「悪」ではないのですか
魔界…彼らによって踏みにじられた場所… 貴方なら自分の故郷を破壊したものを許せますか?
昔、魔界で狂暴な力を出したバカルを戒めるため、使途同士戦ったことがありました。
しかし、我々は我々同士殺しあうことは出来ませんでした。
そのことに気づいた一部使途は、さらに狂暴さを増して来ています
ただ貴方に会いたかった… 意図したものではないでしょうが、貴方の行動は
魔界にも希望を与えているのです。
いつかこの世の中の混乱を鎮めたとき、ぜひとも魔界にいらしてください。
そしてこの世に真の平和をもたらしてください。
貴方は必ずや魔界にくることになるでしょう…
「体を伸ばし、世界の端まで届くもの」を乗り越え、死する者の塔を上り
魔界にいらしてください… お待ちしています…」

メインストーリー:異界の狭間

次元の亀裂によって異界の悪魔が現実世界に現れたことにより
プリースト教団はこの悪魔のもつ気がオズマのものと似ていることを
究明した

 
 

異界の隙間が開いてしまった今、オズマが現世に現れることは
十分可能性があることなので、この悪魔どもを研究しオズマを探し出すことで
オズマを消し去ってしまおうというのがプリースト教団の計画である

 

教団は多くの犠牲の結果、これらの悪魔がコスモピンドという彼らの
本拠地に生息していることを知る
ここを調査し、オズマの場所を探るべく冒険者は立ち上がる

 

冒険者はアイリスに呼び出され、不思議な宝玉を受け取る。これから必要になるからとアイリスは言うが…

 

その頃、グランディスが冒険者を探していた。
オズマの気と似通った性質をもつ悪魔ども、その本拠地の調査をして欲しいと
冒険者に頼むグランディス。
無事異界の隙間の調査を完了し、宝玉に染み込まれた異界の気運を解析するアイリス
そしてオズマの場所が明らかになるのであった…

メインストーリー:黒い大地
 

黒い聖戦で敗れたオズマは、黒い大地という異界に封印され
自身の軍隊を育成していた
オズマの現世への復活を阻止すべく異界の黒い大地へ向かう冒険者達
しかし出会ったのは意外な人物であるミカエラ
プリーストの始祖とされる伝説の人物が、ここで冒険者の行く手を阻む理由は…?

 
 

オズマのいる黒い大地を向かう冒険者
しかし… アイリスは「オズマと似た気を持つ人物がもう一人いる」とつぶやくが…

 

黒い大地で冒険者はミカエラに出会う
「貴方達が…ここに来ないことを祈っていたのですが…
ここまで苦労して辿り着いたのはわかるのですが、オズマを倒してはならないのです
お願いですから、そのまま帰ってもらえませんか」

 

そして、ボス手前まで来ると
「これ以上は進んではいけません
私がここにいる限り、オズマは現世には現れません。お願いだから
お戻りいただけませんか…」

 

そしてこのことをグランディスに報告する冒険者
プリーストの創始者、インファイターのスキルの考案者とも言われる伝説のプリースト
しかしそのプリーストがなぜかオズマへの行く手を阻んでいるという事実に
グランディスは混乱する。
ミカエラはオズマを倒すため自分自身を犠牲にしてまで黒い大地に残ったはず…

 

プリースト教団との協議の末、プリースト教団は
そのミカエラが本物だとしても、すでにオズマの気にやられて堕落したと結論づけた
「どのような手段を使ってもオズマを倒すべし」
その「手段」にはもちろんミカエラを倒すことも含まれているのであった…

 

「あのときの冒険者ですね…
また来たということは、私の言葉は通じなかったのですね…
私は神に捨てられたのか…それともこれが神の御意思なのか…
最後に神に問おう。これは私への試練か、それとも彼らのための試練なのか…」

 

そしてミカエラは大天使を召還し、冒険者を必死で止めようとするが
冒険者の阻止に失敗する
「貴方達が正義だと思っていても、それが必ず正義である保証はないのです…
そのことにいつか気づくでしょう…」

 

「ふふ… とりあえずありがとうと礼を言っておこうか
俺がどうすることもできなかったミカエラを、まさか冒険者が倒してくれるとはな
そのことに感謝し、このまま立ち去れば命まではとらんよ
しかし… それ以上のことを望むなら、俺もそれ以上のものが欲しくなるのでね…フフフ…」

 

そして冒険者はオズマを倒すことに成功する

 

「やはり… あのミカエラのガキの言うことが正しかったのか…
お前の言うとおり…ここで俺が死ねば… この世界の滅亡は早まるというのか…?
答えろ… ミカエラ…
カザン… ああ… カザン… 俺は… 無念だ… お前なら…理解してくれるだろう
カザン… 俺を連れて行かないでくれ… カ…」

 

そしてオズマとミカエラを倒したことを、冒険者達はプリースト教団に報告するのであった

メインストーリー:バカルの城
 

500年間天界を暗黒時代に追い込んだ暴君バカル
天界人たちはバカルに対抗するため機械文明を発達させ
機械革命を起こしバカルを撃退したと伝えられている

 

ヒルダーはアイリスの口を借りて冒険者にバカルの居場所を暗示し
冒険者は古い歴史でのみ聞いたことのあるバカルの存在に興味を示す

 

バカルと対面した冒険者
しかしバカルは、冒険者達が来ると知った上で彼らに新しい事実を告げるのであった。

 
 

度々の異界での戦闘で勝利した冒険者
そこにアイリスが現れ、冒険者に渡した宝玉をそっと取り上げる
宝玉に異界の気が溜まってきたので、新しい存在に出会える可能性があるという話だ。
その「新しい存在」とは…?
500年前のバカル、歴史上もっとも凶暴であったとされる使途の存在
そしてアイリスは、興味があるなら自分がバカルの城への道を案内できるとし
冒険者はそれを快諾するのであった。

 

バカルの城へ侵入した冒険者
しかし、バカルの手下がすでに冒険者が来ることを知っていた
バカルは冒険者にどの時代から来たのか問う
500年の時を越えてきたと答える冒険者
機械革命でバカルを倒したと歴史にはあるが、その天界人の手を煩わせることもないと
意気込んでバカルに挑むが、バカルは意外な一言を言う

 

「この私が?こんなチャチな機械で倒される?
あいにくだがこんなオモチャでは私は倒せんよ
本当の事実とは… もし私がここで死ぬのなら、それは過去にも私がここで
お前たちに倒されたということ
私を倒したのは天界人なのではない。いつの時代も私はお前たちに倒されたのだ」

 

バカルを倒したことをアイリスに報告する冒険者
しかし、バカルの最後の一言が気にかかる
アイリスに問い詰めてみるが…

 

「バカルを倒したのですね。やはり貴方は強い…
しかし、なぜそんな目で私を見るのです?まさぁ暴龍王といわれたバカルの言葉を信じているのですか?
ひとつだけたしかなのは… あなたがバカルを倒したのはあなたの運命です
過去にバカルを倒したのも運命なのです。
しかし、私がそれをあらかじめ貴方に告げたとして、運命がかわったとでも?

 

このすべてはヒルダー様のお告げ
今バカルを倒さなければアラドはバカルによって支配されたかもしれないとのことでした
ヒルダー様はバカルに出会った冒険者が動揺するかもしれないとおっしゃってましたが…

 

誰を信じようと自由です
しかし、この世の中で混乱をもたらすのは使途、という事実はあまりに明白
貴方はここで戦いをやめるおつもりですか?
まだ世界に平和は訪れていないというのに」

サイドストーリー:暴龍王バカル
第一章:特別な龍

私は特別な存在だ。

 
 

偶然と偶然だけで成り立っているこのくそったれた宇宙が吐き出した汚い吐瀉(としゃ)物らの中で
使えそうなのは私しかいない。私は龍に生まれたし、天性の戦い屋であり、いくつかの才能を持っていた。
だが、その程度のことで私が特別だと話すのではない。

 

私は自身が特別でないと考えて生きていくこの世すべての存在らを軽べつする。
どんな塵のような小さい可能性であっても、ある生命が生まれることによって
この宇宙はまた別の宇宙に変貌するほどの機会を得ることになったのだ。 しかし彼が自身の宇宙を忘れれば、宇宙も彼を忘れる。そんな宇宙にはもうウジ虫の住める食物のカスすらない。
私はそのような宇宙にけりをつけてしまうのを楽しんだ。 できれば残忍で壮絶に。
それが宇宙が私に許された特権だったが、はじめて彼の宇宙が意味を持つ瞬間でもあった。

 

より強い者らが現れたが意味がなかった。 私は強かったから。
この宇宙のほとんどの生命体らが見るだけでも怯える龍族の中でも私は一番強かった。
事実私がそれを悟ったのは戦える相手が残っていなくて自然と龍達の王になった後だった。

 

暴龍王万歳。

 

私が自らを信じているだけに、はじめて彼らにも私が特別な意味を持つように見えたが、
滑稽なことにもう私がこれ以上自身に何の意味も付与できずにいるという点だった。
いくら皆があらゆる創意的な方法で私を賛美しても、もう私の人生に創意的な面というのはなかった。
私の宇宙は枯れていきつつあったのだ。

 

暴龍王万歳。

 

静かにしてくれ。

 

暴龍王万歳。

 

今日も数十の民を殺した。昨日より少し多く殺した。腹が立ったわけでもなく、
それが楽しみであったわけでもない。それでも確実に気分が悪かったというわけでもない。
あえて説明すると、それだけが私が生きていると感じさせてくれるからだということだろうか。

 

だが、今は完全に服従するふりをする彼らは私が年を取って衰弱する時だけを待つだろう。
時が来れば一致団結して駆け寄るだろう。
そして私の頭を体から汚らしく引き離してあちこちをずるずる引っ張っていって侮辱するのだ
何十年間も続くだろう。 とても美しい最後だ。
私がこの世に生まれた理由はせいぜいそれということなのか? 私の頭に唾を吐きたい奴らを満足させるために?

 

彼女が現れたのはそれぐらいの頃だった。不思議にも私から感じられるオーラと似た感じを漂う彼女。
すぐ泣いてしまいそうな、しかし全ての物事を知っていそうな目つきをしている彼女。
彼女は何も言わなかったが、私は直ちに彼女について行かなければならないのが分かった。私は直感した。
彼女が行く所に私の未来があるということを。
私の特別な-いや特別であらねばならない運命がすぐにそこにあるということを。

 
 

[ヒルダー]、 彼女の名前だった。 惜しくも彼女は私の名前を知っていたようだ。正式に紹介したかったが…。[バカル]だと。

第二章:七つの色

魔界。本当に面白いところだった。

 
 

魔界には光が存在しなかった。当たり前のことだ。ただ異空間を漂うだけの小さな惑星の欠片だったから。
だが時々魔界に太陽が存在する惑星に結着する時があり、そのときに外の世界との空間が開かれ、
光が少しずつ魔界に屈折して流れてきた。屈折した光は七つの色に分かれ空を彩った。
この時だけは魔界が、この宇宙のどの惑星よりも恍惚の場所となった。闇だけが存在していたこの世界は、
時々ではあるがこのように補償を受けた。

 
 

光が魔界を映す時は私は魔界のあちこちをゆっくりと飛んで回った。
目に見えるものがあるからこそ楽しいものだから。

 
 

しかし美しい光が映ると現実が美しくなることはなかった。
あちこち醜く崩れていく建物の間に名前も分からない死体らが腐っていた。壁ごとに散らかされている血痕はその死体らが残した、例えばこの世最後の指紋のようなものだが。
彼らの期待とは異なり、どのようにして壮烈に血をふいて死んだかによって人生の価値を決められはしない。
残念なことは血の色は七つの色ではない。 ただ赤い色であるだけなのに。

 
 

あちこちから這い上がってきた生命体らが群れをなして楽しく戦っているのが見えた。
彼らはあのように生きるということが-いや死ぬことが-特別でないということがなぜ分からないのだろうか。 名前の分からない死体になるために命を粗末にするとは。

 
 

しかし、私は知っていた。あの者らの目的は明白だった。
彼らは自分が"使徒"であることを望んだ。全宇宙から魔界に集まった各々の生命体らがひれ伏す名前。
"使徒"。恐怖の象徴。称賛の対象となる。そしていつか人々が私を称して呼ぶ名前。 "使徒バカル"。

 
 

人々に捧げる私の色もまた七つの色ではなく、ただの赤い色だけだったのだ。

 
 

使徒と呼ばれる者は私以外に何人かいた。私は彼らの一つ一つを繊細に観察した。
彼らの実力はまだよくわからないが、驚くべきことに彼ら全員にはヒルダーから感じられたあのオーラ-私と同じオーラが感じられた。多分彼らも私からそれを感じただろう。

 
 

使徒だとしても彼らのほとんどはそれほどたいしたことはなかった。
だが、その中ただ一人無視できない人物がいた。
彼を思い出すたびに全身に軽視できない恐ろしい戦慄が走った。
彼が持っている強さの底を私自身の力では到底測ることができなかった。
生まれて初めて死が怖かった。 彼の名前は[カイン]といった。

 
 

これから使徒と呼ばれる者らと戦わなければならないのだろうか?

 
 

本当のところは“使徒と呼ばれる者ら”と称しながらも私の頭の中ではカインと自分が戦う場面だけを
繰り返し描いていた。その戦いはいつも彼の手によって私の体がずたずたに裂かれ、終わった。

 
 

魔界。ここには間違いなく何かある。ヒルダーが異空間のあちこちを歩き回って、
"使徒"らをこの魔界へ呼び集めている。彼らは皆私と同様の理由でここに乗ったのだろう。
運命の導き。きっとそうだ。それが一体何であるのか。ヒルダーは一体何をしようとしているのだろうか。

 
 

だが私は早急に動くことはしなかった。 私が運命を避けない以上、運命もまた私を避けないだろう。
今はただ待つ時であった。

 
 

魔界の七色の光が溢れる日は間違いなく新たな強者が外の世界から魔界に乗り込んだことを意味している。
今日乗ったのはもう一つの使徒だろうか。
それともまた路地裏で静かにくたばっていく名前も知らない青二才なのか。

第三章:預言者

その日もいつもと特別変わったことはなかった。 私はただ暇そうに魔界の空を飛んでいた。
暗い中でも新しくできた建物がかすかに見えた。 これは全てその建築家の創作した作品だった。
[ルーク]といったのか。 話をすることができない老人であった。狂ったように建物だけ作る動きが、
ぼければ生命体がどうなるかを一生懸命見せていた。
ルークは建物を作り出すこと以外にも、時々だが魔界に電力が入ってくるようにした。
本当に魔界に火が入ってくるとは。 もちろんそれには容易ではない条件がついていたが。
“メトロセンターに住む[アントン]が寝ついた時。”
“その時にルークが電力を生かしておく余力があったら。”

 

高度を上げて街を見下ろしていたあの時も、偶然に電力が来た時だった。

 

<まばらに入ってくるあかりで都市をより一層歪んだように見せてあげるよ。>

 

火はちょっと入ってきたがすぐに消えた。 もう帰ろうと背を向ける瞬間、何か発見した。
いや、何か発見したようだった。

 

<火が入ってきた時、あの建物・・ 明らかに普通のとは違ったように見えたが…偶然なのか。>

 

先ほど火が入って来たのだから、メトロセンターに行けばルークを見つけることができるだろう。
私は全速力で飛んだ。

 

「おい、だんまり創作家。 電力をまた入ってくるようにできるか。」

 

ルークを発見するやいなや地上に降り立ちながら叫んだ。''
だが、ルークは何も返事をせずにしていることを続けていた。

 

「私が何かを見たんだがね。 もう一度確認してみたいんだ。」

 

ルークは振り返ることもしなかった。 私の話が聞こえていないようだった。
私は自分の巨大な胴体をふわりと飛ばしてずしんとする騒々しい声をあげるとともに
ルークのすぐ前を防いで立った。
ずしんとする声は巨大な壁と鉄の塊にあちこち跳ねながら絶えず響きわたっていた。
メトロセンター全体が揺れた。私は発電機を示して言った。

 

「あの、邪魔して申し訳ないが、電気をちょっと・・ また入ってくるようにできないか?」

 

創作家が聞くことができたか否かは関係なかった。
私は言葉より圧倒感と丁寧さが伝えられるかどうかを望んだ。

 

ルークは初めてしていたことを止めて、静かに私を見上げた。実際に“見た”というのは推測であるが。
中が覗き見れないメガネのために彼の目がどこを向いているのか分からなかった。
ただ私の方に顔を向けて立っていたというのが正確な表現だった。
彼はしばらく私を眺めるばかりだったが、やがてひげづらで覆われた口がもごもごと動いた。

 

「創作家は、私に言いたいことがあるのか。そういえば、その建物は全てあなたが作ったものだな。」

 

ルークは私の方に向いていた顔を再び自分のところに持ってきてしばらく考えていると、
そのままこつこつ歩いていっていくつかのスイッチを触った。すると大きなモーターが回る音がし始めた。

 

モーターが回ることを確認した私は土地を蹴飛ばして、さっきの形状が見えた所に行った。
そこから周辺の空をぐるぐる回りながら、再び電気が入ってくるのを待った。
やがて遠くからジジジ、バンとけたたましい音が連続的に聞こえて
メトロセンター周辺から順番に電気が入ってきた。

 

やっと確認することができた。さっきは鮮明に見られなかったどんな光景かを。

 

目の前で龍一匹がごうごう燃え上がっている火の中で首を長く伸ばし泣き叫んでいた。
建物の形と入ってくるあかりを利用して粗悪に仕上げた象徴的なイメージだったが、
この絵を描いた者の意図は明らかだった。

 

“バカル、よく見ておけ。 これが君の死の姿だ。”

 

急に背筋が寒くなった気がした。ただこれが私を描いたという証拠はなかった。
ただ一匹の龍であるだけだから。しかし魔界で龍族は私以外はおらず、
私の知る限り私以外にルークが知っているドラゴンはこの宇宙に存在しなかった。
私がすぐに龍らの王になったではないか。

 

ところがそれだけではなかった。 龍が燃えて死ぬその絵の周辺には三種類の形があったが、
それぞれに各々の生命体の死が描かれていた。

 
 

一つは形状が曖昧な何者かが洞窟の中で体が散らばって消えていた。
もう一つは脚が複数あるが、崩れる石の山に敷かれて死んでいた。
最後の一つは四つ足で歩く、
口がにょきっと飛び出ている者がどこか別の空間に吸い込まれていって肉体がばらばらに裂かれていた。

 

私は彼らが誰なのかを知っていた。

 

<使徒らの死だと...あの創作家が預言者とでもいうのか?違う。単に狂っているだけだろう。>

 

しかし狂っているのは私であるように見えた。巨大になった何百個ものルークの顔が空を覆うと同時に、
私に話をしているから。

 

「そうだ、君がそのように見たいというから見せてあげたが…。果たして君に耐えられることができようか…?」

 

もしかしたらこれは予言ではなく警告であるという気がした。
ヒルダーが使徒を魔界に集めている理由が正にこれだと..

 

ルークに帰って確かめてみようと思ったがやめた。 "だんまり"という行為は、
あのダメな創作家としてはどんな尋問にも言い逃れるには最適の方法であると考えられたからだ。
実際そのように見れば、彼が実は物を言えないふりをしている可能性もあるだろう。

 

結局、自分で全ての事を調べなければいけない。