BVR戦闘の基本

Last-modified: 2024-10-16 (水) 22:42:32

BVR戦闘とは何か?

BVR(英:Beyond-Visual-Range)戦闘、視程外戦闘とは、30km以上の射程を持つミサイルによって行われる戦闘。具体的な定義は難しいが、本ゲームではAIM-7 SparrowやR-27ERシリーズなどで行われる戦闘といっても過言ではないだろう。具体的に言うと、レーダーで敵を捕捉→ミサイル発射→撃墜という流れである。
SARHミサイルは長射程な反面、誘導中はロックオンしっぱなしにしなければならない。つまりこれは相手のRWRが反応するし、柔軟な機動を制限する。
ARHミサイルは撃ちっぱなし方式であるのが特徴だが、中間誘導をピットブル距離(=ミサイル本体内のレーダーが稼働し始める距離)まで行わないと命中率が低い。

なお近距離、有視界で行う戦闘はWVRである。

RBの高高度BVRは楽しいよ。結構毎回11000くらいまで上がってスパローをぶっ放してる。何も考えずに低空を直進してくる敵なら40kmでもあたる。同じく高度上げてる敵いたら真剣勝負。ちゃんとCrank/Notch/PumpとMARを間違えなければ敵のミサイルは回避できるし高高度の敵いなくなったら低空の敵にダイブする感じで9L打てば大体当たる。 -- [322] 2023-12-10 (日) 03:59:00 New!*1

歴史

格納

古くは2020/9月のゲームバージョン1.101レイニングファイア(Raining Fire)にて、先に実装されていたF-4ファントムシリーズに追加されたAIM-7シリーズやMiG-21に追加されたR-3R。ここからこのゲームのBVRの歴史は始まった。当初はF-4C Phantom IIが装備しているAIM-7D Sparrowのような低性能のものしかなかったが、時が進むにつれAIM-54 PhoenixやR-27ER1などほぼ現役のミサイルに近いものが登場するようになった。
そして2024/6月、ついにAIM-120やR-77、AAM-4など、各国で今でも使われているARHミサイルが実装されたことにより、それまでF-14の独擅場だったARHミサイルを各国のトップランク機が使用できるようになった。

史実的に言うと、初めてのBVRミサイルと呼ぶべきものはAIM-7AスパローIと呼ばれるビームランディング方式のロケット。1950年代に開発されたミサイルで、誘導方式から来る命中率の悪さが特徴的だった。

基本編

BVR戦闘が可能な機体

当然だが、レーダーを装備した機体が対象となる。零式艦上戦闘機やP-51などのレシプロ戦闘機はもちろん、F-84などではそもそもこの戦闘をこなせるような機体ではない。
次に、長射程ミサイルを装備していることが第二の条件。ここでいう長射程とは、10kmを超えるような距離であっても誘導/撃墜を見込めるミサイルのことであり、例えばAIM-7 Sparrowや、R-27である。実装されている国によっては長射程で超高速度のものも存在する。
なお無誘導ロケットを用いたものは存在しない
上記のことを踏まえると、第3世代以降の戦闘機であることが条件となる。

第3世代戦闘機とは?

主に1960年代に登場した超音速ジェット戦闘機の事をいう。*2
例えば、F-4やMiG-21、ミラージュF1などがこれにあたる。
これらに共通するのは全て高出力エンジンで超音速を優に突破できる事であり、またレーダーも搭載している。

ミサイルの選定と発射距離

この項目では、主に使用するミサイルの選び方と発射距離について解説する。

BVR戦闘に使用できるミサイルの基礎知識

基本的に使用できるミサイルはSARH(セミアクティブレーダーホーミング、AIM-7 SparrowやR-24、R-27など)ARH(アクティブレーダーホーミング、AIM-54 PhoenixやAIM-120など)のどちらかとなる。IRH(赤外線誘導)は短射程でレーダーを使った誘導ができず、撃てるが当たらないためである。AIM-9サイドワインダーやR-60がこれに当たる。
なおSARHの中には、レーダーでのロックオンが外れてしまっても慣性誘導により飛翔できるものがあり、ロックオンが回復すると再度誘導を開始できるものもある。ただすべてがすべてそうかといえばそうではなく、たいていの場合ロックオンが外れるとミサイルは自爆する。

  • SARH
    AIM-7、R-3R、R-24R、R-27R、Skyflashなど。
    ロックオンを維持する必要がある反面、フレアやチャフに欺瞞されにくい。
  • ARH
    AIM-54、AIM-120、R-77、MICA-EMなど
    一度発射するとDL+IOGで飛翔し、ある程度の距離になると内蔵レーダーに切り替わる。撃ちっぱなし方式が何よりのメリットではあるが、大型のものは加速に難がある、中間誘導をしないと命中率が低い弱点がある。

ミサイルの選定

基本的に射程の長いミサイルから発射することになる。こうすることで、近距離戦になるリスクを排除することができるほか、機体重量(ミサイルの重量)が軽くなるため、燃費や機動性がよくなるためである。
F-14Bを例にする。

名称射程最高速度最大旋回G誘導方式
AIM-54A/C150kmM4.317GIOG/DL/ARH
AIM-7M50kmM4.025GSARH

この場合、まずはAIM-54A/Cを最初に射撃することが望ましい。というのも、ミサイルの特性上、AIM-7Mの約2倍の直径があり、大量の燃料を搭載しているためか500kg近い重量になってしまっているためである。仮に6本搭載しているとすると、約3tもの大重量を積載していることになり、上昇力や最高速度、加速に大きく影響するためである。

  • 複数種類ミサイルがあったらどうする?
    もし改造の項目の中に、2種類のSARHミサイルがあったとする。どちらを使うべきか迷った場合、基本的には開発ミサイルの方を使うのが無難。
    例えば、AIM-7EとAIM-7Fがあった場合、後者のほうが射程や速度、ブースターの燃焼時間など、大概の項目で優れている場合が多い。

発射距離

次に、発射距離である。上記の2種類のミサイルは、両方とも50km以上の長射程である。だがこれはカタログ上のスペックであることに留意したい。
最大速度がM4.0と表記があっても、最高の状態でなければ発揮できない。
高度15,000m、マッハ1.8で射撃できればこの射程、この速度になるが、残念ながらゲームの中ではそのような状況になることはないと断言してもよい。よって、時と場合に応じて射程は常に変動する
基本的に向い合せ(=ヘッドオン)であれば特別なミサイル*3でない限り20km以下、追いかける(=テイルオン)状況であれば5-10km*4がベスト。

誘導ラグとは?

SARHには誘導ラグが存在する。これは発射してから誘導を開始するまでのタイムラグで、ものによっては2秒以上のものもある。よって、誘導を開始されるまでの秒数を逆算した上で発射しよう。マッハ/着弾秒数表を参考にすると良い。
誘導ラグが短いものであれば近距離でも撃墜を見込めるが、長いものでは誘導開始されるまでの間にすれ違ってしまったりするので、注意しよう。

速度や距離、高度関連

物理法則的*5に、低高度、低速度でミサイルを発射するよりも、高高度、高速度で発射した方がより遠くの敵へより速く、早く飛翔してゆく。よって、BVR戦闘をするのであれば、速度高度を最大限確保した上で撃ちおろすように発射すると良い。そうすることで高い速度で飛翔するため(=射程が伸びる)、回避が難しくなる。

レーダーとその使い方

レーダーの基本知識

レーダーには主に2種類ある。
1、通常のレーダー。チャフやグラウンドクラッターに影響されるモード。
2、パルスドップラーレーダー。チャフやグラウンドクラッターに高い耐性を持つ反面、速度フィルターの関係上、地面と同速度だとレーダースコープから消失する。

また、レーダーには得意な分野、苦手な分野が存在する。

通常のレーダーPDレーダー
(パルスドップラー)
得意分野自機に対し90°の方向に移動する目標でも捕捉できる地面に近くとも捕捉できる。またチャフにも強い。
苦手分野地面に近いとレーダーのノイズが激しくなる。*6
チャフに弱い。
速度フィルターの都合上、相対的な速度が地表速度に近くなると標的がフィルターにかき消される。さらにこの状態でチャフを撒かれるとチャフにロックが移る。

例えば、地面に近い領域ではPD、高空では通常のレーダーとPDを切り替えたりすることで、ロックオンを維持できる。

ただし、第三世代機ではPDモードを装備していない機体も多い。

レーダーの選定

レーダーは基本的にPDモードが良い。これは後述するノッチングをされない限りはロックオンを維持できるし、グラウンドクラッターも出現しないためである。
もしPDモードがない場合、通常のレーダーで索敵捕捉するしかないが、それでも十分可能である。
例えば、中空以上の敵に絞って索敵する場合、PDよりも通常のレーダーのほうが使い勝手が良い。

レーダーの種類と特徴

さて、ここまで読み進めてきた諸兄らには、レーダーにはいくつか種類があることがご理解いただけただろう。
この項目では、各種レーダーと簡単な特徴をまとめたいと思う。

格納
  • SRC
    最も基礎的なレーダー。チャフやグラウンドクラッターに強く影響される。
  • SRC PD
    オールアスペクト*7PDレーダー。いわゆるルックダウン機能、しかも全方位可能な高性能レーダー。
  • SRC PD HDN
    ヘッドオン特化PDレーダー。ヘッドオン時に限りルックダウン機能を持つ。特殊な状況を除き、基本的にテールオンでの捕捉は不可能。
  • SRC PDV HDN
    ヘッドオン特化PDレーダー。上記PD HDNとの違いは、速度を監視するのに特化していることである。
  • MTI
    通常のレーダー。しかし、低空(しかも地面や海面と近い場合)でのみオールアスペクトPDと同じ挙動をする。*8
  • TWS
    捜索中追尾モード。オールアスペクトPD。
  • TWS HDN
    上記と同じく、捜索中追尾モード。ただしこれもヘッドオン特化である。

BVR戦闘の基本的な立ち回り (実戦編)

さて、上記にもあるように高度や速度、距離など、完璧な状態であれば大変脅威となるミサイルを使って戦闘をする都合上、立ち回り上注意したい点があるので、解説したい。

各種設定、キーバインド

上昇し、レーダーでロックオン、ミサイルを発射。誘導完了後は速やかに味方と合流するのが基本的な流れ。
まずここで注意点がある。コントロール→武装から、レーダーモードの切り替えなどにキーバインドさせておかなければならないのだ。
必要なのは以下の種類。

  • レーダー/赤外線捜索追尾システムの偵察をオン/オフ
    これはレーダーやIRSTのオンオフをするためのキー設定。
  • レーダーと赤外線捜索追尾システムの切り替え
    レーダーとIRSTを切り替えるためのキー設定。
  • レーダー/赤外線捜索追尾システムモードの変更
    レーダーモード、IRSTのモードを切り替えるためのキー設定。通常のレーダーからPDモードなどに切り替えるのもこのキー。
  • レーダー/赤外線捜索追尾システムにおける視認範囲内/外の戦闘
    ACMモードに切り替えるときに使用。俗にいうボアサイトロックモード。
  • レーダー/赤外線捜索追尾システムの偵察モードの変更
    レーダーの範囲(水平/垂直方向)を変更するときに使用。例えば広範囲を走査するモード、ごく一部を走査するモードがあるので、時と場合によって切り替えたいときに使う。
  • レーダー/赤外線捜索追尾システムのスコープスケールの変更
    これは垂直方向(レーダースコープに表示する最大距離)を変更するときに使用。
  • レーダー/赤外線捜索追尾システムを選択して目標をロックオン
    TWSモードなどで目標をロックオンするときに使用。
  • レーダー/赤外線捜索追尾システムの目標をロックオン
    ACQモードでロックオンするときに使用。*9

離陸時にレーダーの設定をしておくことで、戦闘に入る前に準備が完了できる。これでレーダーの設定は以上だ。
コントロール2.33_1.jpg
次にミサイルの設定。コントロール→武装から設定しよう。BVR戦闘で必要なのは以下の種類。

  • 副兵装切り替え
    これは複数のミサイルを搭載しているときに絶対に必要。撃ちたいミサイルを選択するときに使う。
  • 選択した武器モードを終了する
    上記の撃ちたいミサイルモードを強制的にリセット。
  • ミサイルの安全装置
    所謂シーカーをオープンすること。
  • 空対空ミサイル発射
    シーカーが目標を捉えたら発射するために必要。

コントロール2.33.jpg

射撃の手順

射撃、戦闘の手順(ミサイルページより引用)

まずは敵機をレーダーで捕捉しよう。IFFがあれば敵や味方の識別ができるが、ない機体ではそうもいかない。誤ロックオンには気を付けたい。また、当然ではあるが山や谷地の陰、構造物の陰にあるものはレーダーには映らない。
shot 2023.10.22 14.28.13.jpg
上記画像を見てほしい。敵機をレーダーで捕捉できているのがお分かりいただけるだろうか?*10

この場合は距離を分かりやすく表示するBスコープモードで、伏せ図*11で見ている。緑の四角のレーダースコープの上部であれば距離があり、下部に近づくほど敵機が近いことを表している。

さて、この状態にまで来たらACQモードで敵をレーダーでロックオンしよう*12ACQモードにはIFFの概念はなく、付近に味方機がいたり、敵機との間にいたりするとそちらをロックオンしてしまうこともある。時と場合によってはACMモードで対応したり、いったんロックオンを解除したりして、味方機にロックオンが吸われないように対応しよう。

shot 2023.10.22 14.28.24.jpg
無事ロックオンできたことだろう。
ロックオンすると自動的にTRKモードに移行する。この状態になると、敵機にRWRがある場合、ロックオンされたことを示すブザーやアラームが鳴り響いている。自機のレーダーも自動的に敵を追尾しており、機体にもよるがその間は捜索はおろか他の機体のロックオンはできない。*13

また、SARHの特性上、命中するまでこの状態を維持せねばならない。
例えば敵機が遮蔽物の陰に隠れたり、非パルスドップラーレーダー(以下非PD)の機体であればグラウンドクラッターでかき消されたりするとロックオンが外れてしまう。
しかし、マップによっては非常にフラットな造形の時がある。その時であれば50km先の目標を補足することもできる。

ロックオン後は、ミサイルの安全装置の解除をして発射することになるのだが、相対速度や高度によってはミサイルのシーカーがロックオンできていないこともある。
下記画像を見てほしい。F-4EJ改、7Eスパローの場合。下記画像右側のように、になっていれば、シーカーが目標を補足し、距離的にも速度的にも命中を見込める状態。逆に、右側のようなの場合、シーカーが目標を捉えられていないか、距離や速度的に命中を期待できない状態。この状態で撃ってもミサイルは自爆するか途中で失速する。その場合はあきらめて別のターゲットを探すか、速度や距離を稼いで発射しよう。
shot 2023(2).jpg
以上が詳細な手順となる。

初手は高度を取るべきだ。*14慣れていないうちは飛行機雲の出ない高度をマッハ1.0程度で飛行するように心がけよう。

全体マップを開けば飛行場の場所はわかるものの、敵の位置や配置、飛行高度などは全く分からない。大きいマップになるとお互い70km以上も離れていることも。なので、レーダーを用いて大体の動向を観察しておこう。
注意したいのだが、捜索レーダー、追尾レーダーを照射しっぱなしにしない事だ。相手のRWR*15に反応があれば位置がもろバレしてしまうので、必要ない場合はオフで味方に追従するのもよい。

さて、順調に飛行すると敵と交戦距離に入るだろう。ここで役立つのが上記のレーダー/赤外線捜索追尾システムの偵察モードの変更キーと、レーダー/赤外線捜索追尾システムのスコープスケールの変更キーだ。
遠距離の索敵では広い走査幅で索敵漏れを防止し、おおよその位置が把握出来たら走査幅を狭めて更新頻度を上げる事で反応が消えてしまうのを防ごう。探知距離はミサイルの最大射程の半分以上の距離にセットすれば自分がおおよそ攻撃し得るも目標をカバー出来る。

しかし、最大射程以上の表示にする必要はない。なぜならば、最大射程で撃ったミサイルはまず命中しない上に、レーダー性能の限界から、大半の機体は自分のミサイルの最大射程では戦闘機のような小型目標は探知出来ないためだ。敵機との距離が縮まれば、その都度捜索距離を短くする事で「レーダー画面上半分には何も映っていない」というような無駄を排除する事が出来る。

レーダーに反応があればロックオンしよう。あとはミサイルの安全装置キーでシーカーをオープン、発射するまでが一連の流れ。当然ながら、発射したあとは着弾するまでレーダー範囲内に捉え続けなければならない。途中でロックオンを切ると、誘導は中止されてしまうので、要注意。

また、発射の際は、ロックオンして少し発射を待ち、回避行動の兆候があるかを確認する事で無駄弾を防ぐというテクニックもある。

この時、ロックする距離や発射する距離の参考になるのが後述されるDLZ*16である。前編で述べた通りミサイルの射程は自他の速度、高度によって大きく変化する。

悪条件では3㎞まで近づかないと当たらないミサイルが、良条件では25㎞で命中するという事もある。しかしこれを限られた時間の中で、全て自身で計算する事は不可能に近い。

そこでDLZを確認する事で、自分が今選択しているミサイルで、今ロックオンしている敵機に対してどのくらいの命中期待値が持てるかを自動で計算してくれるので、これを確認する事で自身の持つミサイルの種別にすら依らず、有効射程内か否かを判断する事が出来る。

但し、極初期の機体*17にはDLZは実装されておらず、大半の機体でも最大射程と最小射程のみの表示であり、有効射程まで表示してくれるのはF-15やMiG-29などの4世代戦闘機のみとなっている。また有効射程内であっても自機の機首が敵針路に対して角度がついている場合*18や、有効射程ギリギリの発射では敵の回避機動で回避される事もあり得るため、過信は禁物である。*19

結局レーダーモードってどれを使えばいいの?

機種によってはPD/PDV/PDHDNと難解なモードが多いが基本的にPD SRCもしくはPD HDNを使用するのが良い。これはパルスドップラー/パルスドップラーヘッドオンの略で、チャフやグラウンドクラッターを低減したモード。詳しい解説はレーダーのページにあるが、索敵はこれらで十分可能だ。

また、ゲームの性質上、走査角を狭くしておくと余計な目標をロックオンしなくても済むので、範囲の狭いモードを使うのが良い。

なお初期(第三世代戦闘機の初期生産型)の機体にはグラウンドクラッターに影響されやすい通常のレーダーモードしかない。時と場合によっては敵機を捕捉できないので注意。

いずれにせよ、PDレーダーで索敵が得意なのはHDNモードと覚えておこう。これはPDの特性から来るもので、離れる敵よりも接近する敵機のほうが探知しやすいためである。

なお、数的不利な状態では複数機体から狙われる可能性が高い。いくら強力なミサイルがあっても、数的不利な状況では身を引こう。
低空にいる味方と合流したり、いったん引き下がったり、様々な方法が考えられる。決して数的不利な状況では勝負に出ないこと。なお、もし数的有利な状況であれば、圧倒的にこちら側が優勢になる。

レーダーやミサイルが扱えない

  • ミサイルを発射できない
    まずはレーダーやミサイルのキー設定が必要。上記に必ず設定しなければならない項目がまとめてあるので、目を通してほしい。
  • ミサイルが届かない
    そもそもミサイルが届いていない場合は、相手に着弾するころにはミサイルのエネルギーが完全に不足している状況が大半。つまり、自機の速度が遅かった(発射時の速度が遅かった)か、距離があったか、超低空で見上げるように発射してしまったかのいずれか。
    また、ミサイルのページでも説明されているが、そもそもスペックシートの飛翔距離と実戦での「命中が十分期待できる距離」は一致しない(後者が圧倒的に短くなる)ことにも注意してほしい。wikiユーザーの意見では比較的射程の長いAIM-7Fでも40~35km先の敵機に安定して命中させるのは実戦では難しい*20というものが大半であるようだ。
  • ミサイルが明後日の方向に飛んで行く
    これはチャフやグラウンドクラッターなどの要因により、シーカーが正しく目標を検知できていない場合にこのようなことが起こる。PDに切り替えるか、少し時間を置くことで解消される。もしPDレーダーを装備していない場合、高空でやり合うか、下から見上げるようにミサイルを撃ってみよう。
  • 回避される
    上記同様、エネルギーが不足していたか、相手がこちらのミサイルの機動力をそぐような機動をしていた。上記同様ミサイルのエネルギーが不足気味(完全に不足している場合は相手に届かない。よってエネルギーはあるが不足している)で、ミサイル本来の能力を発揮しきれていなかったことが考えられる。
  • 発射して数秒後には自爆する
    これはミサイルが目標をシーカーで捕捉できていない状態で発射した、もしくはシーカーがの状態で射撃したときに発生する。シーカーがになるまで我慢してから射撃すると良い。これはミサイルが撃墜を見込める範囲になると自動でになる。
    ざっくり言うとミサイル側がしっかり目標を発見しており・命中を見込めそうな範囲に捉えていると表示になるし、出来ていないなら本体側のレーダーでは発見できていてもならないということである。面倒ならになったら発射準備ok、なっていないなら準備できていない」とすればいいだろう。

    「お前、住所ココソコの金太郎をヤってこいや「金太郎…?よくわかりませんけどその住所に行ってヤってきます!」」のと「キミ、住所ドコソコの桃太郎を消してきなさい「ドコソコの桃太郎、確認しました消してきます」」というの違い -- [35623] 2023-12-17 (日) 12:42:29

    ついでに、PDはビーム機動で無効化できるけどソレ以外でも機体速度差が大きい程に探知しやすいからPDは敵機後方からよりヘッドオンのが探知しやすい(特化したのがPDヘッドオンモード)更にミサイル側が未来予測的に命中が見込めない時(現在敵機が高度1000メートルでも敵機は降下中なので命中予測点が地下500でアカンですわ等)と判断した時もにはならない、敵機は地面に刺さる前に機体を引き起こすだろうという推測をミサイルはしない -- [35629] 2023-12-17 (日) 13:07:10*21

  • 9kmよりも遠い距離だとロックオンできない
    おそらくACMモードでロックオンしている。一部を除き、ACMモードでは一定の距離よりも遠い敵はロックオンできない。まずはレーダーに敵影を捉えて、ACQモード(レーダー/赤外線捜索追尾システムの目標をロックオン)でロックオンしてみよう。9km以上の長距離でもロックオンできるはずだ。
  • ロックオンしても数秒後には点滅して外れる
    レーダーが目標を見失っている。またレーダーには得意とする状態(ヘッドオン、サイドオン、テールオン)が存在する。それ以外の場所ではロックオンはおろか敵影が映らない事もある。正しい状態でロックオンしよう。
  • レーダースコープに緑色のもやがかかってロックオンできない
    これはグラウンドクラッターといい、自機のレーダーが大地に反射した際に、様々な方向に、強弱さまざまに乱反射したレーダー波を拾ってしまったことで起こる現象。MTIモードかPDモードに切り替えることで解消されるが、そもそもモード自体が存在しない航空機もある。その時は見上げるように(レーダー波が大地に当たらないよう)にすると解消される。
    shot 2024.01.11 18.16.58.jpg

総括

覚えてほしいのは2つ。まずはエネルギーをたっぷりとこれでもかと蓄える事。次にミサイルの誘導をあきらめて素直に回避行動に移行する勇気(ミサイル一本を捨て去る勇気)を大切にすること。
初めてBVR戦闘をするときはレーダーやミサイルの設定、キーコンフィグなど知っちゃかめっちゃかで訳が分からなくなると思う。基本的に一連の流れをイメージし、ルーティーン化することにより快感と愉快適悦に浸ることができる。健闘を祈る。

マッハ/着弾秒数表

簡単ではあるが、大体の目安となる着弾時間が下表*22である。飛行条件や発射時の速度などに影響はされるが、大体の目安として覚えておくとよいだろう。

2km5km10km15km20km30km50km100km
M0.5
170m/s
11295888117176294588
M0.8
272m/s
7.318365573110183367
M1.0
340m/s
5.814.729445888147294
M2.0
680m/s
2.97.3514.722294473147
M3.0
1020m/s
1.94.9101520294998
M4.0
1360m/s
1.473.671115223673
M5.0
1700m/s
1.172.96912182959
M6.0
2040m/s
0.982.45710152549

ただしこれは静止目標に対する表であることに留意が必要。仮に、こちらのミサイルがマッハ4、相手がマッハ1で接近してきている場合、速度の合成により実質的な速度はマッハ5となる。なので10km地点で発射すると約6秒後に着弾する計算となる。逆に言えばこちらに撃たれたミサイルも速度の合成により大体の目安として計算できる。

※実戦におけるRule of Thumb(ROT)としては、「撃った距離の約半分の距離で命中」を参考にするとよい。

発展編/テクニック編

以下はある程度BVR戦闘に慣れてきて、余裕ができた人向けのコンテンツ。これらを覚えておくことでもっと楽しむことができるであろう。

回避行動の章

ビーム/クランク/ドラッグ機動

上記にもあるように、基本的に高速度、高高度で射撃されたミサイルは回避が大変難しい。が、それは直進していた場合の話。しっかりと回避行動をとること(ブレイクする)で、簡単に回避できることもある(できないこともある)。これらは基本であるので、覚えておくこと。逆にこれらをされた場合、自分のミサイルの命中は見込めなくなってゆく。

  • ビーム機動
    ミサイルが自機に対し90°(自機の真横)に来るように飛行すること。少なくともマッハ1以上で飛行するのが望ましい。自機に着弾するためには大きな旋回を必要とするので、最大旋回G以上の負荷により回避する方法。また副次的な効果として、レーダーのロックオンを外せる利点もある。ただし、相手がそのまま追撃してきた場合完全に後ろを取られかねないので注意。
    Untitled design(1).jpg
    上記画像は位置関係を簡単に表したもの。
    大きい赤▲は敵小さい赤▲は敵ミサイル青▲は自機を表す。
    この場合、ミサイルに対して90°で飛行しているのがお判りいただけるだろう。これがビーム機動である。
    レーダー源に対し90°で飛行するテクニックは後述するノッチングである。混同しないように注意しよう。
    あくまでビーム機動は自分に向かってくるミサイルに対して有効だ。
  • クランク機動
    ミサイルに対し、水平方向に大きくSを描くように飛行すること。こうすると相手のミサイルは未来位置に進もうとするが、ブースター燃焼後*23の限られたエネルギーで行わなければならず、動けば動くほど飛距離や速度は落ちてゆく。よって最終的にはヘロヘロ状態になるため、回避が簡単になる。ただしこれは自分も相手もミサイルを誘導中に使うテクニック。こちらがまだ発射できていない場合は素直に反転し後述するドラッグ機動をしたほうが回避の可能性は高まる。また、自身も急カーブの連続で大きく速度を落としてしまったり、切り返し前に相手のミサイルが届いてしまうなんて事例もある。
    良いクランク機動と悪いクランク機動

    ミサイルの内部回路には、微分、積分を計算する回路が組み込まれている。これで相手の未来位置へ進もうとするのだが、これを逆手に取ったのがクランク機動。
    よって、自分の速度が速ければ速いほど未来位置が大きくずれるため、基本的に低速度よりも高速度で行うと良い。
    また、クランク中はレーダーの端ギリギリに敵を捉えておくことがキモで、そうすると大きな旋回を必要とするミサイルは余計にエネルギーを捨てるのだ。
    1、少なくともマッハ1は超えよ。
    2、レーダースコープの端に敵を捕らえ続けるべし。
    3、旋回時も最低マッハ1は確保せよ。

    クランク機動1.png
  • ドラッグ機動
    ミサイルに背を向け全力で飛行すること。相手との距離があった場合には有効で、追いかけるミサイルはさらなる距離を飛行せねばならない。よって自機に追いつくころには旋回もままならないことが多い。

ドラッグ機動.jpg
もし仮にヘッドオン状態で相手のほうが早くミサイルをし発射した場合、おそらくはこちらよりも早く着弾する(撃墜される)可能性が高い。特に高速度ミサイルの場合、12-15km離れた地点からでも10秒程度*24で着弾する。よってこの限られた時間の間にクランク機動やビーム機動を駆使しなけらばならない。

ノッチ・ポンプ

BRが高くなれば高くなるほどミサイルの性能は進化し、単純なフレアやチャフでは回避できない場面も多い。またBVR戦闘の性質上、レーダーでロックオンされたことやレーダーの方向を示すことができるRWR(レーダー警報装置)を有効活用したい。

  • ノッチング(Notch、ノッチとも)
    これはPDレーダーが自機と同速度(地表など)の反応を打ち消すフィルターを採用している事を利用した戦法。
    レーダー照射方向に対して90°(自機の真右か真左)を向けることにより、敵から見て自機が地面と同速度で移動するようにするため、レーダーのフィルターに反応そのものを消させるテクニック。
    ただし、そのまま移動すると敵から背後を取られるのは間違いないので、回避後は何かしらのアクションが必要。HMDがある機種であれば逆にロックオンし返してSARHを投げつけてやるなどの工夫をしよう。
    Untitled design(2).jpg
    上記画像をご覧になってほしい。
    大きい赤▲は敵小さい赤▲は敵ARHミサイル青▲は自機を表す。
    これはよくビーム機動と混同されがちだが、ノッチングはPDレーダーの弱点を突く都合上、レーダー照射源に対して行う必要がある。これはSARHだろうがARHであろうが同じである。
  • ポンプ(Pump)
    ミサイルを撃ったはいいもののこちらの方が不利な場合、いったんアウト(戦場から離れる)し、後続の味方に任せる機動。
    相手は複数の機体と勝負せねばならず、もし仮に自分にレーダーを照射していた場合はこちらの動向や機体数を捜索できなくなるため、相手が圧倒的に不利になることもある。
ノッチングした後はどうする?

さて、ノッチングした後は確実に相手から追いかけられるシチュエーションとなる。

また、IRCCM付きのAIM-9MやR-73などはサイドアスペクトを最も得意としており、そのまま接近されると射程内に入り、こちらが一発も撃たぬまま撃墜・・・なんてこともある。距離があればそのままヘッドオンに移行することもできるが、10km程度ではそうもいかない場面が多い。よって、ここでいくつか方法を紹介したい。

  • 1、そのまま逃げる!逃げるが勝ち!
    そもそも相手と戦わずに逃げる方法。ポンプに近い。高空にいた場合はすぐに降下し、地表近くや中空にいる味方と合流する。
  • 2、ACM、VSLモードで旋回中にロックオンしてやり返す!
    VSLモードやHMSモードで、相手に向かって旋回しているときにロックオンし、やり返す方法。相手が弾切れの時にはこれが有効。

間違いないのは1の方法だろうか。ただし速度に気を付けないと地面とキッスする羽目になってしまう。また、エンジンの排熱方向が相手の方を向くため、IRHミサイルを警戒しなくてはならなくなる。
特にポンプは味方の数が少なかったり頼れないような状況だと逃げるだけになってしまう。
ノッチやポンプしなければ相打ちは取れたが、ノッチやポンプしたため自分だけ撃墜される。なんてことも珍しくないのでどうするかは素早く判断しよう(そして判断が間違っててもめげない事)。

上記以外の回避行動

基本的に撃たせない撃つ前に墜とすことを意識した立ち回りが必要だが、ランダムバトルではそうもいかない場面も多い。

  • 超低空を這う
    レーダーの特性上、超低空を這っていると発見しにくくなるほか、発見されてもマルチパス現象*25によりゴーストが出現、シーカーが機体を捉えにくくなる。
    ただし、真上からロックオンされた場合はゴーストは出現しないし、PDレーダーだった場合はグラウンドクラッターで自機の存在をかき消すこともできない。
  • ロケットフレア
    機体重量が重くなる関係上、あまりお勧めできない、大量のロケットによりシーカーやレーダーの電波を撹乱、誤認させる。初期のレーダーには有効だが、PDにはあまり効果は薄いようだ。
  • 相手を撃墜する
    当たり前だが、敵からレーダーで捕捉されなければミサイルは飛んでこない。よって、レーダー照射を受けている相手を撃墜するのも一つの手。ただし、東側諸国のR-27ERR-27ER1など、超高速度のミサイルを撃たれていれば意味がない。逃げよう。
  • ミサイルを撃墜する
    ARH飛び交う最高ランク帯では、レーダーに敵の発射したミサイルが写ることも珍しくない。またこちらのレーダーもARHも問題なくその敵のミサイルを補足できるので、その気になればこちらのARHで敵のミサイルを撃墜することもできる。通常は他の方法で回避するのが最も良いが、万が一回避が間に合わない距離で目の前から撃たれた際は試してみるのもいい。
  • NOE(Nap Of the Earth)
    地球と衝突させる事。例えば、谷地や山などの地形に隠れて、シーカーやレーダーを誤魔化す事。
番外編:回避の考え方

このページを読んでくれた諸氏なら分かっているかと思うが、基本的にBVRはエネルギーの小競り合いである。

簡単な考えでいくと、ミサイルのエネルギーの総量が、自機よりも下回った場合、回避は100%成功する。
逆に被弾してしまった場合、相手のミサイルのエネルギーが大きく、自身がエネルギー不足だったとも言える。

回避行動を取る際は、相手のエネルギーをいかに削るか考えながら飛行してみよう。

ARHの効果的な回避方法

さて、上記の回避方法をしてもよけることができない場合が多いARH。複合させることはもちろんだが、上空にいた場合、降下して全速力でドラッグ機動をする方法もある。

「え!?降下したら、相手のミサイルも重力とかで加速するからよけるのが難しいんじゃ・・・!」と思う諸氏もいる事だろう。

簡単に解説したい。

そもそも、AIM-120Aやスパローなどのミサイルは、形状的に空気抵抗の薄い高空であれば、高速度長射程であるが、空気の密度が大きい低空では、射程や速度も落ち込む。

逆に言えば、低空であれば速度も乗りにくいのである。これは、空気の密度が大きいため、マッハを超えていても空気を切り裂く能力にはおのずと限界が訪れるためである。

撃ちおろしが優れていると思われがちだが、水平射のほうが射程が長いのである。確かに撃ちおろしたほうが速度が乗りやすそうではあるが、それ以前に空気抵抗が大きくなるため、重力による加速ができないというわけだ。

ARHの効果的な回避方法(公式編)

また、上記の方法のほかにも、90-100°ノッチという方法もある。

これは、下記公式動画でも紹介されているように、ノッチングするよりも効果的に回避を可能にする。

方角が苦手な方は、時計の文字盤を参考にしよう。進行方向が12時とした場合、3:00-3:30、もしくは8:30-9:00にミサイルを入れるように飛行し、チャフを撒こう。

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レーダー関連の章

レーダーシンボルから情報を読み取る

さて、レーダーでロックオンをした後、ミサイルを発射しようとするときに、命中の目安となる情報を表す記号が存在する。それがこれだ。
shot 2023.12.11 21.02.44-2.jpg*26
串団子のような記号がレーダースコープ上に映っているのがお判りいただけただろうか?
shot 2023.12.11 21.03.52-2.jpg*27
通称「オタマジャクシ」とも呼ばれているこの記号は、レーダーでロックオンした相手と自分との相対速度、方角を表している。しっぽの方向が相手の進んでいる方角、しっぽの大きさが相対速度である。
レーダーでロックオンしたのはいいもののAI機なのか肉入りなのかわからないときは、このような情報をもとに判断するのもよい。大抵の場合AI機は一方向にしか飛ばない。またミサイルの場合しっぽが異様に大きく伸びるので、これも判断可能。
なお現実世界のオタマジャクシとは違い、しっぽの方向が進行方向であることに注意。上記されているが、念のため。

TWSモードを使った簡易的な索敵方法

TWSモード限定の方法だが、レーダー/赤外線捜索追尾システムを選択して目標をロックオンで設定したキーでソフトロックすることで、敵の高度や配置を何となく把握することができる。
この場合、通常のレーダーやPDレーダーではロックオンしないとわからなかった高度や位置、方角などの情報を瞬時に、なおかつ正確に把握することができる。TWSモードが搭載されている機体は少ないが、序盤の索敵やPD SRCで索敵時の高度や配置が不明な場合これを使用すると良いかもしれない。
また、一部レーダーでは長距離ミサイルの反応を検知する時がある。AIM-54 Phoenixなど、相対速度が1000m/sを越える時はミサイルと思って回避行動を取ろう。

レーダーを用いた射程距離の確認(Dynamic Lunch Zone)

レーダーを装備している機体には、標準でとある機能が備わっているものがある。
それは現在選択されているミサイル(SARH,IRH問わず)の射程距離をレーダースコープ上で視覚的に確認できる機能。下の画像を見てほしい。
①が現在の最大射程と最短射程
②がレーダーでロックオンした敵機の場所
③がNEZ(Not Escape Zone、理論上反転されても撃墜できる距離)*28
shot 2023.12.16 10.44.48.jpg
となっており、これは自機の速度や距離、高度で連続的に変動する。上下の短線(①番の最大射程と最短射程)の中間付近に来たらSARHミサイルを発射するなど、自分でルールを決めておくとより活躍できる・・・かもしれない。
ちなみに①と③の間にわずかな隙間がある。これはミサイルの加速が足りずに撃墜しにくい場所を示している。仮に相手がここにいた場合は回避される可能性がある。

PD(パルスドップラーレーダー)に対するチャフの効果の有無

通常の場合、PDに対してチャフはあまりにも無力・・・だが、Ver2.33 エアスペリオリティー(Air Superiority)後のパッチにて、PDレーダーの特性によりノッチされている際に射出されたチャフをロックオンするようになった*29。こうなると正しい目標にミサイルが命中するのは難しいだろう。再ロックオンしよう。
またこの現象は、逆に言えば普通に飛んだら回避できない状況で放たれたSARH/ARHミサイルでもこれを利用すれば回避できるということでもある。特にひっきりなしにARHが飛んでくる最高ランク帯では必須ともいえる技術だろう。

RWRとレーダーバンド

さて、第三世代戦闘機ともなると高性能なレーダーはもちろん、ロックオンされたりレーダーの照射を受けたりすると反応するRWRが一部機体を除き標準で装備されている。
RWRに反応があったらすぐに回避行動を・・・とりたいところだが、一部RWRにはレーダー自体が受信できず、反応しないものもある
例えばF-5CのRWRの受信可能なバンドは、EGIとなっており、MiG-23MLのレーダーのJバンドは受信できないので、レーダーの照射を受けても無反応である。
逆にF-15JC-Jバンドの広い範囲で受信できるので、MiG-23MLのような機体がロックオンするとけたたましくロックオン警報が鳴り響く。
基本的にレーダーに捕捉されないように動くのが鉄則だが、RWRに反応がないからと言って油断しているとあっという間にSARHミサイルの餌食になることもある。

格納庫にてX線モードでパイロットにマウスカーソルを合わせるとRWRで受信可能なバンドがわかるので、参考にしてほしい。
shot 2024.01.14 13.56.56.jpg*30
航空機レーダーのページには、RWRの機種やレーダーバンドが詳しく書いてある。参考になるかもしれない。

誘導の切り替え

発射されたミサイルは、自らのレーダーで目標を捉えるまでは発射した母機からの誘導に基づいて飛行する。*31前者を「自己誘導」後者を「中間誘導」と呼ぶのだが、これまでは「どこから自分で飛んでって行ってくれるのか、どこまで誘導してやればいいのか」が表示されずもっぱらプレイヤーの経験と感に頼るしかなかった。
ところがVer. 2.37 "Seek & Destroy"にて、レーダー画面にて中間誘導と自己誘導の切り替わりが表示されるようになった。

3d144f0d11392.jpg

(画像元:2024/06/08 (土) 03:31:44の雑談板の書き込み)
具体的には上の画像の通り。破線部が表示されている間は母機による中間誘導もしくはミサイル自身の慣性誘導が必須であり、逆に実線部のみになると所謂「ピットブル」になる。ピットブル状態でミサイルのレーダーが目標を捉えた場合、発射後はミサイルが自分で目標を追い回すため母機はIRHのような打ちっ放しが可能となる。
実戦で実践する時は、実線以外の破線が見えている場合はTWSで常に捉え続け、回避機動に移る際にも出来るだけ破線部を無くしてから移行するといった事を心掛けると良い。

ミサイル関連の章

チープショット

チープショット、つまりは牽制弾である。
相手に「うわ!やべぇ!あいつ撃ってきやがった!」と牽制することにより、回避機動をさせて、相手のエネルギーを奪ったり、自身が有利なるようにする事もできる。チープショットでうまく掻き乱す事ができれば、回避行動が終わった後のヘロヘロ状態の敵に次弾を叩き込む事も出来る。

ただし当然ながら、こちらのミサイルを一本無駄にするので、よく考えて牽制しよう。

ミサイルを「ロフト」させる

さて、同じ機体、同じミサイル、同じ速度、同じ高度でも、ミサイルの射程を延長する方法がある。レーダーでロックオンした後、シーカーの範囲内に収まるように若干上向きにミサイルを撃つことだ。
これをロフトといい、ブースター推力を加速だけに使って猛烈な空気抵抗を正面から受けるのと、加速&高度変換にも使っておくのだと、後者のほうが推力合計は一緒でも遠くに飛ぶ。高度上昇による空気抵抗の低下により、射程が伸びるのだ。
これにより、より遠くへミサイルを運ぶことができる。あまりにも上を向きすぎていると高度を上昇させるのに余計なエネルギーが使われてしまうので注意。
距離があればあるほどこの軌道は有効で、到達距離が目に見えて変わる。
通常の状態。ほぼ水平に近い角度*32
若干上向きにしたとき。シーカーの範囲内なおかつエネルギーの損失を少なくするため、ターゲットの方向に機首を向けよう。*33

余談

古今東西の世界情勢から、ロフテッド軌道という言葉をニュースやSNSで耳にしたことがあるかもしれない。
これはロフト軌道よりももっと山なり、迫撃砲に近い弾道で打ち上げることにより、射程を犠牲に速度を得るミサイルの飛行軌道のこと。
宇宙空間を遊泳して自由落下してくるときはマッハ10とも20ともいわれており、通常のミサイルでは迎撃すら不可能なほど速い。

ただしゲーム内でこのような弾道になるように射撃すると射程はおろか速度も中途半端になるので注意したい。

R-27ERよりも早くミサイルを敵に届ける

誰か「27ERとAIM-7F/7Mを同時に撃ったとき、母機にどれだけの速度差や高度差があれば先にAIM-7着弾するか」を調べてくれないかな~俺ボッチだからこういう検証できないんだよな~(チラッチラッ) -- [42] 2023-12-12 (火) 18:05:38 New!

さて、アメリカ陣営機体でAIM-7FやMを使っているときに、強力なライバルとして立ちふさがるのがソ連陣営機の使うR-27ERだ。このミサイルは総加速量はAIM-7Fと同程度だが、倍近い速度で燃焼を終了させるため、その分加速も圧倒的に早い。しかも重いのでまっすぐ飛ぶ分には減速も少ない。同条件で撃ちあった場合、100%27ERが早く着弾する事になる。そこで有志が、スパローと27ERを比較、どのような条件であればスパローが有利か検証した。以下検証結果。

標的1000m、M1.0、相対30km、母機8000m、M1.8でスパロー有利
標的5000m、M1.0、相対45km、母機M1.4でも同上の結果。お互いのミサイルが吸い寄せ合う現象が多発。ただM1.4~1.6台で発射すると何故かERが目標を見失い、自機の真横をすれ違った後だいたい8秒後くらいにスパローが命中する。相対50kmだと射程外か早爆起こしてダメな模様。
お互いM1.0、自機1万/標的5000mで相対距離45kmでスパローの勝ち。遅れて数秒以内にERが着弾。9000/5000で1.9s差くらいでスパローが勝利。8000/5000でほとんどピッタリ相打ち!!

直線飛行ならスパロー先撃ちリード距離は15kmは余裕で必要そう、じゃないとERに塗り潰される。高度差はだいたい3000mが境っぽい、5000/2000の相対30km差と13000/10000の相対40km差でERに若干負けて2秒以内に着弾、6000/2000の相対35km差で1s以内差くらいでスパロー勝利、7000/2000の相対35km差で2~3s差くらいでスパローが先に命中って検証なオチがついてる。

検証兄貴が確認してくれた。いやはやお疲れさまでした。

【編集中】

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*34

HPRF/MPRF

HPRF、MPRFとは、それぞれ高パルス繰返し周波数、中パルス繰返し周波数のことである。

何がなんだかさっぱり分からないと思うが、簡単に言えば、PDレーダーでの捕捉のしやすさに影響する。

PDレーダーの都合上、ノッチングする敵の捕捉(=相対速度が地面と同速度に近い敵機)は苦手で、ゲーム内屈指の規格外高性能レーダーであるAN/AWG-9を用いたとしても、捕捉は容易ではない。

そこで登場するのはMPRF方式である。ゲーム内のオールアスペクトPDは基本的にこの方式といわれている。

この方式の特徴としては、遠ざかる敵機(相対速度がマイナスの敵機)の捕捉も可能としている点である。つまり、いったん捕捉さえしてしまえば接近しているのか離反しているのかを容易に捕捉できる。

HPRFはゲーム内におけるPD HDNなどのヘッドオンPDレーダーに採用されていて、離反する敵機の捕捉はできないものの、接近する敵機はMPRFを上回る精度、距離で捕捉できる。

A型フェニックスはHPRF、C型フェニックスはMPRFのはずだが、ゲーム内ではHPRFで統一されている。なぜ?

DL誘導の特性

さて、2.37で追加されたARH各種と、AIM-54Phoenixには、次のような特徴がある。

  • TWSでのソフトロックで発射できる*35
  • 慣性誘導により、発射母機とのデータリンクが切れても、直前のデータで未来位置へ飛行できる。
  • 発射母機のレーダーに映りさえしていれば、ミサイル本体とのデータのやり取りをして、高い命中率を得られる。

の3点である。

しかし、データリンク誘導も完璧ではない。一度レーダーから消失する*36とデータリンク機能も停止し、以降は慣性誘導のみで飛行する。

とりあえず検証手伝って頂けたのでご報告~っ!アムラ、ダーター、ミカはIOG状態からDL再接続による中間誘導再開ありませんでした!!手伝って頂けた優しさに感謝。レーダースクリーン上でミサイルが最初に指定された位置にかっ飛んでいくだけだったよ、アクティブになっても範囲が狭いのか追いかけて行かなかったね -- [538] 2024-06-21 (金) 00:46:58

目標A.B.Cの3機が同速度、同高度で飛行していたとする。
自機のレーダーには、3機の表示があり、それぞれにミサイルを発射。
TWSモードでソフトロックしているのはAだが、レーダースコープ上には3機表示があるならば、各ミサイルはそれぞれの目標へと誘導される。(データリンクで誘導できる。)
しかし、3機中2機(A.B)が回避行動に移り、レーダースコープ上から消失。レーダースコープ上にはCのみの表示になる。
このような状況になると、A.Bに向かっていたミサイルは慣性誘導に移行し、以後データリンクによる進路修正機能は動作しない。
ただし、Cにはデータリンクによる進路修正が行われる。

下記の動画は、DL誘導について有志が検証したもの、有意義なものなので、研究してみよう。検証乙。

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用語集

A-M
  • ACM
    所謂ボアサイトロックモード。一部機体にしか装備されていない。起動すると画面に破線の正方形や長方形の枠が出現する。これに機体を入れると自動でロックオンする。
  • AoA
    Angle Of Attack、主翼が気流を受ける角度のこと。角度が大きいと抗力も大きくなる。
  • ARH
    アクティブ・レーダー・ホーミングのこと。ミサイル自身が電波を目標に照射し、誘導するミサイルのこと。現在AIM-54しかない。BVR戦闘に使われるミサイルの誘導方式の一つ。
  • Cold
    敵機と自機が離れている状態。反対語はHot
  • DL誘導
    データリンク誘導。
  • Fox1.2.3
    ミサイル発射のフォネティックコード。そのまま「フォックス」と言う。1がSARH、2がIRH、3がARHミサイルを発射した事を表している。
  • Hot
    敵機と自機が向かい合い、接近している状態。反対語はcold。
  • IOG
    Inertial Observer Guidance, 慣性誘導。
N-Z
  • NEZ
    Not Escape Zone。この範囲内にいれば、理論上ミサイルから逃げ切ることは難しい範囲のこと。逆に言うと反転されても命中を見込める範囲。
  • Notch
    ノッチ。マイクラのあの人ではない。レーダー照射方向に対し、進行方向を正面(0°)としたときに、90°か270°(3時か9時、真横)を向ける機動のこと。レーダーのロックオン(特にパルスドップラーレーダー)のロックオンを外すことができる。
  • Pitbull
    ARHミサイルが自機のレーダーを起動し補足すること、もしくは距離。
  • PD STT
    Pulse Doppler Single Target Trackモードのこと。惑星では専らハードロックと呼ばれる。
  • SARH
    セミ・アクティブ・レーダー・ホーミングのこと。ミサイル自身ではなく母機からレーダーを照射して誘導する。BVR戦闘に使われるミサイルの誘導方式の一つ。

参考動画

表示負荷低減のため格納
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*37

 
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*1 F-16AJのコメントより抜粋
*2 Wikipedia
*3 AIM-54 Phoenixはブースターの燃焼時間が30秒と非常に長く、燃えきらなければ理想的な速度に達しない。
*4 追いかける関係上、相手がバレルロールするとミサイルが外れる可能性が高い。IRHと組み合わせよう。
*5 惑星物理も大体似ている
*6 グラウンドクラッター
*7 ヘッドオン、テールオン関係なし
*8 簡単に言えば、地面との反射波を利用して敵影を見分けているためである。つまり、高空ではこの機能は使用できない。
*9 通常であれば、レーダーでとらえた敵をロックオンするのはACQモード。このキー設定に振っておきつつ、レーダーで敵を補足し、このキーを押すと自動的にACQモードになる。その時に敵機がレーダーの捜索ビームと同じところにいればロックオンされる。
*10 |-|となっているのが優先的にロックオンする目標
*11 上から地面をうつ伏せで見たような図
*12 多機能メニューY-1-3。キーやマウスに割り振っておくと何かと便利。
*13 この状態がハードロック、PD STTモードである。
*14 いつぞやのアップデートにより、一定高度以上を飛行すると飛行機雲が表示されるようになった。これにより視認性が上がった反面、こちらの動きもばれてしまう。だからと言って低空をやんわりと飛行するとかえってミサイルの優位性が無くなってしまう。
*15 レーダー警報装置
*16 発展編‐レーダー関連の章‐3番目の項目
*17 筆者の確認した所ではF3Hのみ
*18 ミサイルが発射時に必要以上に旋回しなければならないためDLZの表示と比較して射程が落ちる
*19 もちろん相手が回避しなかったり、回避が遅れたりすれば有効射程外であっても命中する事になる
*20 上述のように、7Fそのものは50km飛翔するスペックはある。実際には接近してくる相手の場合で20~15kmくらいの敵機に発射するのを推奨する人が多い?
*21 以上2つ、雑談用掲示板より抜粋
*22 単位は秒
*23 大半のミサイルのブースター燃焼時間は10秒前後
*24 M4.0の場合
*25 Wikipedia
*26 TWS HDNモードでの表示。敵が動いている方向が一目でわかる。
*27 個別にロックオンしたときの表示。敵の進行方向や速度の大きさ(速さ)がわかる。
*28 これは一部のSARH/IRHミサイルでのみ表示される
*29 ノッチングされて目標を見失いかけてる時にチャフを撒かれるとレーダーが混乱してしまう
*30 E、G、Iバンドのみが受信可能なF-5C。これは地対空レーダーも同じで、受信可能バンド外だとロックオンされようが無反応。
*31 これは(ほぼ)ARHに限った話。最初から自分のセンサーで敵を追っかける短距離用のIRHや、最初から最後まで母機の誘導に基づいて飛び回る殆どのSARHにはあまり関係無い。
*32 通常の状態。ほぼ水平に近い角度
*33 若干上向きにしたとき。シーカーの範囲内なおかつエネルギーの損失を少なくするため、ターゲットの方向に機首を向けよう。
*34 検証してくれた兄貴に感謝!その時の動画である。長いのでスキップしながら視聴して研究しよう。
*35 SARHのようにSTTロックしなくても良いので隠匿性が高い
*36 例えばNOEされたり、ノッチングされたりする
*37 別ゲーではあるが、かなり細かいところまで解説がある。一度視聴すると良いかもしれない。