シリに関する宿屋の主の話

Last-modified: 2011-08-20 (土) 15:18:32

宿屋の主:
ゴホン…昔々、遙か遠くの谷に一人の少女が住んでいた。
彼女は本物の王女で、女魔術師であり、女ウィッチャーでもあった。

 

ゲラルト:
3つもあるのか?ちょっと多すぎるんじゃないか?

 

宿屋の主:
邪魔しないでくれよ。聞きたくないのか?

 

ゲラルト:
もう邪魔しないよ。

 

宿屋の主:
運命に関する話は、きっと役に立つぜ。ウィッチャー。
彼女は恵まれた王女として生まれた。
愛情のある両親、偉大な女王である祖母に囲まれて。
彼女は、数百の騎士によって守られる城に住んでいた。
誰もが、彼女は素晴らしい女王になるだろうと考えていた。
だが、運命はそれを許さなかった。
彼女の両親は死んだ。
敵軍が、彼女の祖母を虐殺し、城を奪った。
しかし、彼女は生き延びた。
彼女の運命は、ある1人のウィッチャーと結びついていた。
ウィッチャー達の隠れ家であったケィア・モルヘンで、彼女は新しい家族を得た。
彼女は戦い方を学んだ。
しかし、運命が再び音を立てた。

 

少女には魔法の才能があったのだ。
彼女は<源流>だった。
ウィッチャー達は、制御不能な<源流>の力を恐れた。
そして、女魔術師に助けを求めた。
彼女は魔法を学んだ。
女魔術師はウィッチャーを愛しており、2人は、彼女を養子にした。
彼女は本当に幸せだった。
彼女はそのまま強力な女魔術師になるはずだった…

 

しかし、戦争が起こり、運命が家族を引き裂いた。
少女は嘆き悲しみ、魔法を捨てた。
そして、女ハンターになり、殺しを愛することを学んだ。
彼女の周りには死神がつきまとうようになった。
彼女が愛した者は、みんな死んだ。
ウィッチャーと女魔術師だけが、死神の呼び声を拒絶できた。
運命が、彼女を外国に追いやったが、彼女は戻ってきた。
最悪の暗殺者が彼女を追ったが、彼女は勝利した。
あらゆる国のスパイが彼女を追いかけたが、捕まえることはできなかった。

 

敵を全て殺し、世界に平和が訪れたとき、彼女はウィッチャーと女魔術師と再び一緒になった。
しかし、運命はまたも彼女を嘲笑った。

 

ゲラルト:
何が起こったんだ?

 

宿屋の主:
農民がウィッチャーを殺したんだ。
女魔術師は、彼を生き返らせようとして死んだ。
少女には何も出来なかった。魔法を捨ててしまっていたから。
だから彼女は--統治すべき国のない王女、人間と戦う女ウィッチャー、呪文の使えない女魔術師--は、
彼女の力を、この世界を離れるための手段として使うことにしたんだ。

 

ゲラルト:
まだ続きがあるんじゃないのか。

 

宿屋の主:
これで全部だよ、そうだ、あと1つだけ、彼女の名前はシリラといった。どうかしたか?
(注:「シリラ」は正式な名前で、「シリ」は愛称)