Vickers Medium Mk. III

Last-modified: 2024-04-05 (金) 20:07:37

Tier 3 イギリス 中戦車 / 日本語表記: ヴィッカース中戦車 Mk.III / 略称: Medium III

MediumIIIHDside.jpg
↑ Vickers Medium A6E3 + QF 2-pdr Mk. IX
前時代的な形状が、防御力の低さをさらに酷い物にしてしまっている。

 

MediumIIIHD.jpg
初期状態(左)および最終状態(右)の比較。

HD化以前

VickersMkIII_01.jpg
VickersMkIII_03.jpg
VickersMedium.jpg

スペック(v1.10.0)

車体

耐久値475⇒500
車体装甲厚(mm)14/9/9
最高速度(前/後)(km/h)48/16
重量(初期/最終)(t)17.5/18.16
実用出力重量比(hp/t)12.11
本体価格(Cr)40,000
修理費(Cr)
超信地旋回不可
 

武装

名称発射速度(rpm)弾種平均貫通力(mm)平均攻撃力AP弾DPM精度(m)照準時間(s)弾速(m/s)総弾数弾薬費(Cr)重量(kg)俯仰角
OQF 3-pdr Gun Mk. II20
⇒22.22
AP
APCR
HE
43
72
23
50
50
65
1,000
⇒1,111
0.412.1
⇒1.7
574
718
574
2200
800
0
250-8°/+16°
QF 6-pdr 8 cwt Mk. I18.18
⇒20
AP
AP
HE
57
72
29
70
70
95
1,273
⇒1,400
0.442.1
⇒1.7
538
673
538
16035
1,200
22
450
QF 2-pdr Mk. IX28.57AP
APCR
HE
64
121
23
45
45
60
1,2860.361.7792
990
792
23025
1,200
15
130
 

砲塔

名称装甲厚(mm)旋回速度(°/s)視界範囲(m)重量(kg)
Vickers Medium A6E114/14/14403101,250
Vickers Medium A6E314/14/14403301,750
 

エンジン

名称馬力(hp)引火確率(%)重量(kg)
2x Armstrong Siddeley18020400
2x Rolls-Royce Phantom II22020680
 

履帯

名称積載量(t)旋回速度(°/s)重量(kg)
Vickers Medium A6E118304,000
Vickers Medium A6E319.5324,000
 

無線機

名称通信範囲(m)重量(kg)
WS No.1425040
WS No.1135040
WS No.937540
 

乗員

1Commander2Gunner3Driver4Radio Operator5Radio Operator6Loader
 

拡張パーツ

改良型換気装置Class3装填棒×砲垂直安定装置×改良型旋回機構×改良型照準器×追加グローサーClass3
改良型無線機×車長用視覚システム×改良型モジュール構造×改良型装甲材Class3内張り装甲×
 

隠蔽性

非発砲発砲時
静止時11.86%3.32%
移動時8.89%2.49%
 

開発ツリー

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OQF 3-pdr Gun Mk. II
(初期/3,100)
QF 6-pdr 8 cwt Mk. I
(1,200/25,000)
Vickers Medium A6E1
(初期/730)
Vickers Medium A6E3
(340/1,800)
QF 2-pdr Mk. IX
(300/6,000)
WS No. 14
(初期/180)
WS No. 11
(100/600)
WS No. 9
(610/3,600)
2x Armstrong Siddeley
(初期/4,550)
2x Rolls-Royce Phantom II
(850/10,000)
Vickers Medium A6E1
(初期/670)
Vickers Medium A6E3
(350/1,800)
 

車両に関する変更履歴

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v0.9.8HDモデル化
v1.9.0OQF 3-pdr Gun Mk. IIの総弾数を111発から220発に変更
QF 6-pdr 8 cwt Mk. Iの総弾数を80発から160発に変更
QF 2-pdr Mk. IXの総弾数を130発から230発に変更
修理費用を44%ダウン
収益性を14%ダウン
Vickers Medium A6E1砲塔時のHPを250から475に変更
Vickers Medium A6E3砲塔時のHPを280から500に変更
コレクション車輌に移行

解説

  • 火力
    俯角は-8°とまずまずな性能であり、地形を活かして被弾を避けていこう。
    • OQF 3-pdr Gun Mk. II
      Medium IIから引継ぐMedium Mk. IIIの史実砲。*1
      単発火力・貫通力・DPMいずれも低めであり、長所に乏しい。
    • QF 6-pdr 8 cwt Mk. I
      Medium IIから引継ぐ6ポンド砲。*2
      単発火力の高さ、及び改良砲塔にすることで照準時間が2ポンド砲と同じまでに早くなるのが魅力的。 
      Tier2からの引き継ぎだけに貫通力はやや不足しているが、Tier5にマッチングされなくなった現在では課金弾を多めに用いることで大抵の車両は相手することができる。2ポンド砲への繋ぎとしても最終砲とするのも悪くないだろう。
      しかし精度が悪いため、後述する紙装甲故の狙撃運用は弾が当たりにくく、単発を引き上げる分の犠牲は大きい。
    • QF 2-pdr Mk. IX
      改良砲塔専用の2ポンド砲。*3
      通常弾のAPは貫通力64mmとそれなりだが、課金弾のAPCRは貫通力121mmとかなり高く、精度・発射速度・照準時間も優秀。
      格上の重装甲車両も十分貫通可能だが、単発火力が低くなってしまうのでダメージを稼ぐには継続的に撃ち込む必要がある。
      装甲が頼れない本車では近距離戦(撃ち合い等)が苦手となってしまうが、良好な精度を活かした狙撃で一方的に攻撃できる状況が望ましいと言える。
       
  • 装甲
    防御面は殆ど強化されておらず、むしろ機銃塔などが追加された事で被弾面積が拡大してしまった。
    HEが余裕で貫通するレベルの紙装甲であり、まわりの火力強化に伴って危険度が増している。
    耐久値も増加したとは言え、一度見つかると一瞬で撃破されてしまうことも少なくないだろう。
     
  • 機動性
    エンジン出力の増加によって多少は改善されたが、まだまだ中戦車としては鈍足である。
    車体・砲塔共に旋回速度が向上し、これまでの車両と比較すると多少ではあるが扱いやすくなっている。
     
  • その他
    視認範囲は330mとTier相応。
    隠蔽性能はMedium Mk. IIから改善されたが、中戦車としてはやや悪い部類になっている。
     
    搭乗員の構成が6人乗りの無線手2人になる為、新規採用か他の車両から再訓練する必要がある。
     
  • 総論
    Vickers Medium Mk. IIを順当に強化した手数型の中戦車である。
    2ポンド砲を載せる場合は単発火力自体はかなり低めだが、貫通力・精度・照準時間などの取り回し面を中心に向上している。
    一方で大柄な紙装甲は明確な欠点であり、周囲の火力が強化されている事も相俟って、被弾には一層気を付ける必要がある。
    前身同様に最前線を張れる戦車ではない為、一歩引いた位置~遠距離にて支援射撃を中心に戦おう。
    堅実に戦い、じわじわと敵を削って勝利を掴み取る車両である。
     
    分からない単語があれば用語・略語
     

史実

詳細

GB-A6E1.jpg

ヴィッカーズ・アームストロング社はイギリス陸軍の要請に基づき、1925年末に世界初の多砲塔戦車であるA1E1インディペンデント重戦車を実用化したが、続いてイギリス陸軍は1926年9月に当時配備されていたMk.IおよびMk.II中戦車の後継として、インディペンデント重戦車をベースに改良を加えた16t級の多砲塔中戦車を開発するようヴィッカーズ社に要求した。

この新型多砲塔中戦車にはA6の参謀本部制式番号が与えられ、「A6中戦車」または「ヴィッカーズ16t戦車」と呼ばれた。
ヴィッカーズ社は1927年3月にA6中戦車の木製モックアップを提示し、これを審査したイギリス陸軍はA6E1、A6E2の2両の試作車の製作を同社に発注した。
さらに1928年には、3両目の試作車A6E3が追加発注された。

A6E1は乗員7名、全長6.55m、全幅2.67m、最大装甲厚14mmで車体中央部に2名用の主砲塔を搭載し、その前方に2基の副砲塔を操縦室を挟んで左右並列に搭載していた。
主砲塔の上面には2基のキューポラが左右並列に設けられ、砲塔前面には40口径3ポンド(47mm)戦車砲と7.7mmヴィッカーズ液冷重機関銃が同軸に装備されていた。
また2基の副砲塔にはそれぞれ、7.7mmヴィッカーズ液冷重機関銃が連装で装備されていた。

エンジンはアームストロング・シドレイ社製のV型8気筒空冷ガソリン・エンジン(出力180hp)を搭載し、戦闘重量17.5tの車体を路上最大速度30マイル(48.28km)/hで走行させることができた。
設計的には車体前部を操縦室、車体中央部を戦闘室、車体後部を機関室とする今日の戦車と同じレイアウトが採用され、戦闘室と機関室が装甲隔壁で分離されるようになったため乗員がエンジンの熱や騒音から解放され、生残性も向上した。

A6E2は基本的にはA6E1と同じであったが、A6E1がアームストロング・シドレイ社製変速・操向機を装備していたのに対し、A6E2ではスイスのヴィンターシュー社製変速・操向機に変更されていた。
また後にエンジンも、リカード社製のCIディーゼル・エンジン(出力180hp)に換装された。
1928年7月にA6E1とE2の射撃試験が行われたが、この試験において副砲塔に連装で装備された7.7mmヴィッカーズ液冷重機関銃の不具合が指摘され、当時製作中であったA6E3では同機関銃を単装で装備することになった。

1928年後期に完成したA6E3はウィルソン・クロスシャフト変速・操向機を装備し、副砲塔の7.7mmヴィッカーズ液冷重機関銃は単装に変更され、主砲塔上面のキューポラも左側の車長用のもののみとされた。
また1937年には、ソーニクロフト社製のRY12ガソリン・エンジン(出力500hp)への換装試験が実施された。
これら試作車を用いた一連の試験の結果、イギリス陸軍は1930年にA6E3をベースに改良を加えたものを「Mk.III中戦車」(Medium Tank Mk.III)として制式採用し、量産を行うことを決定した。

Mk.III中戦車に盛り込まれた新たな機構としては、無線機収納スペースを確保するために後部が延長された主砲塔、およびキリスト教の僧正の帽子型の車長用キューポラの装備や、改良型機関銃マウント、毒ガス防護装置、良好な近接戦性能、新型操向ブレーキの採用等があった。
武装はA6E3と同様、主砲塔に40口径3ポンド戦車砲と同軸の7.7mmヴィッカーズ液冷重機関銃1挺を、また前部左右の副砲塔にそれぞれ同機関銃を1挺ずつ装備していた。

しかしMk.III中戦車は製造・運用コストが高いことが原因で、わずか3両の増加試作車が製作されたのみで1934年5月に量産を行わないことが決定された。
これは折からの世界恐慌が大きく影響しており、イギリス政府が深刻な財政難に陥ったため高性能ではあるが高コストなMk.III中戦車を大量配備することが不可能になったのである。
Mk.III中戦車の3両の増加試作車の内1両はヴィッカーズ社で、残り2両は王立造兵廠で製造された。

これらのMk.III中戦車は全て1934年に第1戦車旅団に配備され、この内2両は無線機を増備して指揮戦車に改造されている。
結局Mk.III中戦車は少数生産に終わったものの、その後ヴィッカーズ社はMk.III中戦車をベースにより軽量で安価な多砲塔戦車A9の開発に取り組み、これは「Mk.I巡航戦車」(Cruiser Tank Mk.I)としてイギリス陸軍に制式採用され1936~37年にかけて125両が生産された。

出典 戦車研究室

 

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アーカイブ1

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*1 3ポンド 口径47mm
*2 口径57mm
*3 口径40mm