元記事
http://monoist.atmarkit.co.jp/fmecha/index/fmachadekicad.html
1章のポイント
・現在の新入社員は、CADをあまり教えてもらえない(納期削減と上司が報告・他部門との連携調整に忙しい)
・CADの最終アウトプットは部品図(ただし、途中のモデルも営業や根本的な構造のミス発見や解析に使える)
2章のポイント
まず、CADの前にポンチ絵をかくべし。
・そうしないと全体像が見えないまま、適当な設計をしてしまう。
・設計部署以外も理解しやすいというメリットがある
・時間がかからないため、手直しが少なくて済む
3章のポイント
・スペースを活かした設計を詳細に行う段階になると、手書きでは苦しい。
シャープペンシルも0.5mmぐらいの精度で、特に寸法の小さい部分では信頼性が低くなってくる。
そこで、CADの登場
・もちろん、CADは線の移動や消去は簡単にできるが、それによって工程が早まるとは必ずしも言えない。
また、1本1本の線の意味をないがしろにしがちだ。(手書きの場合、強度や紙面の都合から、
どうしても慎重にならざるを得ないため)→大規模になってくると、設計思想が差となって表れる!
・3次元CADは使い方が難しく、処理も重いため、設計には時間がかかるが、
(図面が他部門にも理解しやすくため)コンカレントエンジニアリングが可能になり、
結果として、工程期間が削減される
4章のポイント
・3次元CADのメリットを以下のように挙げている
1.部品の干渉チェック → CADが干渉部品のリストを一覧化 2.組み立て性の検証 → 手の作業エリアなどをCAD内に表示して、実際に組み立て可能かチェックできる 3.重量検証 4.CAEによる解析 ※CAEとは、設計対象の機能・性能を計算工学シミュレーションによって検討すること ■機構解析:製品の動作により発生する力や駆動力を時間軸で算出し、運動を解析。 ■構造解析:主に、有限要素法(FEM)が使われ、解析部材の変形を線形と仮定する線形解析と、 材料の非線形性を考慮する非線形解析とに大別。 ■強度解析(静解析・線形):金属や樹脂部品の強度の過不足の検討、ならびに変形量の検討など。 ■振動解析(動解析・線形):部品やアセンブリの固有振動(振動数や変形モード)を求めて、 振動の予測や共振を避けるための検討。 ■非線形構造解析(動解析・非線形):ゴムや樹脂、プレス成型など、大変形する部品の 大変形・大歪み(ひずみ)モデル、接触問題など 境界条件の変化など線形構造解析では取り扱えない複雑な問題を検討。
■衝撃・落下解析(動解析・非線形):衝突や落下など、高速でぶつかることによって壊れる 非線形な現象を、時系列計算で検討。
・あまり強度に関係のない部分(たとえば、角の面取りなど)は、
モデリングを省略して、工期の短縮を図るといった材料力学の知識も必要
→全部をCAD任せにしてはいけない
・「RP(ラピッドプロトタイピング)」とは、3次元CADによって設計したモデルデータから、
金型などを製造せずに積層造形法(*1)などによって部品を簡易的に製造する技術。
3次元CADから直で部品を作成できるため、作成工程が一気に短くなる
5章のまとめ
・3次元のCADが便利だとはいえ、2次元のCADは、やはり寸法公差などを書くためにまだ必要だ。
・CADを書いて終わりではない。以下の作業を行い、部品図としてアウトプットせよ
(実際の現場では、部品図を外注することも多いという)
1.寸法基準(機能基準・加工基準・計測基準)を決める 2.寸法公差・幾何公差を記入する 3.表面性状(表面粗さ)を記入する 4.材料を指定する 5.表面処理(めっきや熱処理など)を指定する
・検図のポイント
1.部品の目的(機能): 組立図を見て、寸法基準、機能基準などを把握。 2.製図の作法: 第三角法や尺度、図形の省略などJIS製図に沿ったものか確認。 3.機能性: 重要機能寸法やはめ合い部分の寸法公差と表面性状など適切か確認。 4.コスト: 適切な材料、表面処理、材料の無駄などがないか確認。 5.安全性: 人が触る操作面のエッジなど、危険部位は面取りなどが処理されているか確認。 6.環境性: 禁止有害物質の使用やリサイクルのための材料表記(樹脂の場合)を忘れていないか確認。