杏ぐん誕生日イベの幕間だよ~

Last-modified: 2018-02-03 (土) 16:26:02

「いいのかしら……こんなに幸せで」
自分の誕生日を祝う。そんなことが初めてだった私に勇者部のみんながくれたすっごくすっごい?誕生日会。
ケーキを食べて、ドレスなんて着ちゃって、みんなからおめでとうと言われて……
今までの人生で一番、幸せかもしれないわ……
「お誕生日おめでとうございます、千景さん」
「伊予島さん……ありがとう」
伊予島さんは最近、よく気にかけてくれる。
特にこの世界に来てから、相談に乗ってくれたり、本を貸してくれたり、ゲームの話をしたり……
私と話しても、そんなに楽しくないはずなのに……
「よかった……千景さん、騒々しく思ってないかなって、ちょっと思ってたんです。みんな凄くはしゃいでいるし……」
「そんなこと……むしろ、私なんかの誕生日ではしゃいでくれるのがうれしいくらいだわ……」
「ふふ。でも、私なんか、はダメですよ?今日は主役なんですから!もちろん明日からもダメです」
「そ、そう……気をつけるわ」
……何故こんなに気にかけてくれるのかしら?
「……あの、一つ聞いてもいいかしら」
「はい、なんですか?」
「なんで伊予島さんは……その……」
「?」
「私をよく気にかけてくれるのかしら、って……」
「なるほど……うーん……」
「……」
普段は絶対聞かないであろう事を聞いてしまった。きっと初めての誕生日会で舞い上がっているからに違いないわ……はぁ……
「……なんででしょう?」
「え?」
「と言うか私、気にかけるなんて上からなことしてないです。ただ友達とおしゃべりしてるだけですし」
「友達……」
「え?!私たち友達じゃないんですか……?」
「え!?あぁ、いえ、そんな、ことはない、わ……。と、友達よ」
「ですよね?!よかったー……友達と思っているのが私だけだったら悲しいんですから……」
「あぅあぅ……」
「……ふふふ、千景さんもそんな顔するんですね」
「……もう」
私の……ともだち、は……いじわるだわ